JPH02500583A - 溶融インクジェット装置用のプラテン構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 溶融インクジェット装置用のプラテン構造技　術　分　野 本発明はインクジェット装置、特にインクの固化を制御できる溶融インクを使用 する新規かつ改良されたインクジェット装置に関するものである。

従来の技術 水または揮発性の溶剤に溶かしたインクを用いるインクジェット装置では、プラ テンで支持された紙などの基材にインクを塗布した後、それを乾燥させる（すな わち溶材を蒸発させる）ことが必要である。溶剤ベースのインクを乾燥しやすく するため、従来では加熱したプラテンをインクジェット装置に用いていた。

一部のインクジニット装置には、「溶融インク」と呼ばれているインクを用いる 。このインクは溶剤を含まず、室温では固体状態であり、基材にジェット塗布す るため加熱すると液化するが、塗布後に基材上で冷却されると再び固化する。ま た、溶融インクをインクジェット装置で基材に塗布すると、基材に熱が伝達され る。さらに、溶融インクの固化によってさらなる熱エネルギーが放出されて基材 へ伝達されるが、このようなことは溶剤ベースのインクでは見られない。印字密 度が高い場合、これによって紙およびプラテンの温度がインクの許容浸透に対す る限界温度以上まで上昇する。

溶融インクを紙などの透過性の基材に所望程度まで浸透させるため、溶融インク の溶融点に近いがそれ以下の温度まで基材を予備加熱しておくと好都合である。

基材の温度が低すぎると、わずかな浸透距離でインクが冷えてしまう。

このため、滴下されたインクが盛り上がり、印字が浮き出してしまう。また、そ のような印字は付着力が弱く、折り曲げたりしわになると簡単に剥がれ落ちたり 、別の紙に移りやすい。紙の温度が高すぎる場合、例えばインクの溶融点以上で あると、インクが紙に充全に浸透するまで固化されず、「プリントスルーＪと呼 ばれる不良状態になる。また、溶融インクの溶融点に近い温度である基材に印刷 された像は、それよりも低温で印刷された像とはっきり異なっている。そのよう な像は、通常よりも大きいスポットサイズになり、縁部がぼやけ、細い線がぼけ る。さらにまた、インクジェット装置において溶剤ベースのインクを使用するた めに必要な条件とは異なり、インクを溶着させてから基材を加熱しても、滴下し たインクの拡散を制御できず、溶融インクを用いた時に生じる上記の問題点を防 止することができない。従って、加熱しない、あるいは加熱だけしたプラテンを 用いたこれまでのインクジェット装置では、常に高品質の印刷を行えるように溶 融インクを基材に効果的に塗布するために必要な状態を維持することができなか った。

発明の開示内容 従って、本発明の目的は、従来装置の上記問題点を解決できる新規で改良された インクジェット装置を提供することである。

本発明の別の目的は、特に溶融インクを使用するのに適したインクジェット装置 を提供することである。

本発明のこれらの目的、利点およびその他を達成するため、基材を支持する伝熱 性のプラテンと、このプラテンと熱伝達状態にあって、プラテンから制御状態で 熱を取り出すヒートポンプを備えたヒータおよび熱電クーラとを設けたインクジ ェット装置が提供されている。好ましくは、さらに本装置に温度制御ユニットを 設け、この温度制御ニットに対応してヒートポンプおよび熱電ヒータを制御して 、所望温度を維持するために必要な時にプラテンに熱を供給できるようにする。

また、好ましくは作動中は基材をプラテンに対して伝熱関係に保持する真空装置 を設ける。

図面の簡単な説明 本発明のさらなる目的および利点は、添付の図面を参照した以下の説明から明ら かになるであろう。

第１図は、インクジェットで印刷されているシート基材を支持するプラテンに対 する入熱を様々な印刷時間および印字率について示したグラフである。

第２図は、本発明による代表的な温度制御プラテン構造の概略断面図である。

第３図は、Ｎ２図における■−ｍ線に沿った断面を矢印の方向に見た概略断面図 である。

Ｎ４図は、本発明の別の実施例の概略断面図であり、紙およびプラテン構造に出 入りするエネルギー束を示している。

発明の好適な実施例 インクジェット印刷においては、最初のインク滴下量およびそのインクが基材と 相互作用する程度によって、紙の上のスポットサイズが決まり、その相互作用が 拡散程度にＥ　ＩＦ　する。水をベースにしたインクジェット装置では、インク で繊維が湿り、繊維で完全に吸収されてしまうまでインクが拡散する。これは一 般に欠点と見なされるが、それは普通紙の吸収特性が非常に範囲が広く、紙缶に 印刷特性が大きく異なるからである。溶融インク印刷装置でも、インクで繊維が 湿るが、滴下インクの拡散はインクの冷却によって制限され、またインクが冷え きるまで、あるいはそれの粘度が非常に高くなって拡散動作が抑制されるまで、 インクの熱エネルギーが紙繊維に加えられる。幸いなことに、はとんどの紙の比 熱がほぼ同じであるため、滴下インクの拡散は主にインクの固化温度に対する滴 下インクおよび紙基材の最初の温度によって決まる。紙の熱特性がほぼ同じであ るため、基材温度を適切に制御すれば、様々な紙に同様な像を得ることができる 。

溶融インクジェット印刷装置では、紙などの基材の単位面積あたりに加えられる 熱エネルギーは、溶融インクが基材に達した時の溶融インクの温度、溶融インク の固化エネルギーおよび印刷時の印字率によって決まる。印刷直後の基材の温度 は、印刷時に加えられた熱エネルギー、基材の初期温度および基材と伝熱関係に あるプラテン等の熱伝達部材の温度によって決まる。

この様に、基材に塗布された時の温度より低い所定の温度で固化する溶融インク は、装置の始動時などで基材およびそれの支持プラテンの温度が所定温度よりも 相当に低い場合には、はとんど直ぐに固化する。そのように直ぐに固化してしま うと、溶融インクは固化する前に基材内へ十分に浸透することができない。反対 に、基材およびそれの支持プラテンの温度が溶融インクの固化温度に近いかそれ 以上の場合、固化するのに比較的長時間、例えば数秒かかり、滴下インクの拡散 を制御できず、印字のプリントスルーが発生する。例えば、１３０℃の温度で別 色のインク２層を１ジエツトあたり毎秒１２．０００滴の割合でＩＩＩＩｍあた り１１．８ドツトの直線密度で基材に塗布する９６ジエツトヘツドの最新形高速 溶融インク印刷装置では、合計インク厚さが０．０２３　ｍとすると、印刷作業 中に０．１　ｍの紙基材の内部温度が約２１℃上昇する。そのようにして固定プ ラテン上を移動する基材に印刷し続けると、プラテンの温度は直ぐに溶融インク の固化点付近またはそれ以上に達する。

第１図は、プラテン上を移動する２１．６ａｌＩＸ　２７．９αの紙シートを溶 融インクで印刷する時に支持プラテンに加えられる熱エネルギーをグラフで概略 的に示したものである。

以下の第４図の説明で述べるように、複数のエネルギー束によって紙／プラテン 装置に対する正味入熱があるかどうかが決定され、ある場合には温度が上昇し、 また紙／プラテン装置からの正味出熱があるかどうかも決定され、ある場合には 印刷ゾーンの温度が低下する。熱エネルギーは、流および放射による伝熱、滴下 インク内のエンタルピー、ヒータコントローラにより選択的に与えられる任意の 電力、および装置に入ってくる紙のエンタルピーによって装置に入力される。装 置からの出熱には、（紙の投入温度よりも高い温度で出る）紙およびインクの熱 エネルギーと、プラテンおよび印刷ヘッドで覆われていない紙から周囲の空気へ の対流による伝熱と、取付は部を介した伝導および／または熱電クーラの選択的 なヒートポンプ作用によってプラテンから周囲構造へ伝達される熱とが含まれる 。

第１図に示すように、グラフの縦軸で表した入熱は、シート印刷時間の増加に伴 って、また基材に対する印字率の増加に伴って増加する。このグラフでは、最小 約１０秒から最大約３３秒までの一般的なシート印刷時間が示されており、グラ フに示したように、低速で移動する場合にはシートが紙／プラテン装置から奪う 熱エネルギーが、高温の滴下インクのエンタルピーおよび印刷ヘッドから紙／プ ラテン装置への伝熱によって与えられるエネルギーよりも少ないため、最も低速 のシート印刷時間において正味入熱が最高になる。

同様に、あるシート印刷時間におけるプラテンに対する入熱は、インクによって 覆われたシート面積の割合である印字率の増加に伴って増加する。２種類以上の 色のインクを塗布する場合、色インクが少なくともある程度型なり合うのが一般 的である。従って、第１図のグラフでは、プラテンに対する入熱を印字率５０％ および１００％だけでなく、１００％以上の印字率、例えば１５０％やシート全 体を２層のインクで覆った状態に対応する２００％についても示している。一般 に、印字率の低いシートの場合、必要な印刷時間は短い。

第１図は、様々な印刷状態におけるプラテンに対する入熱を４つの部分Ｉ、　ｎ 、　ｍおよび■について示している。

部分１は、２１Ｊａｎ　Ｘ　２７．９ａＢのシートの通常のフルテキスト面１７ ．８αＸ２２．９ｃｍに１層の溶融インクで印字率１００％まで印刷する時のプ ラテンに対する入熱を示している。カラー印刷時に完全に２層になるまで溶融イ ンクを重ねるようにしてシートに塗布する場合にプラテンへ伝達される熱エネル ギーは部分■に示されている。その場合、第１図に示すように、２倍の熱エネル ギーがプラテンに伝達される。

第１図の部分ｍは、２１．６ｃＩｎＸ２７．９ｃｍのシートの「フルベ−ジ」面 、すなわちシートの上端部、左端部、底端部の０．９８５　ａｔｔ内および右端 部の０．２５α内までを１［１０％までの印字率で１層のインクで印刷する時の プラテンに対する入熱を示している。部分■は、溶融インクの印字率２００％ま でのフルページ面印刷に対する入熱を示している。パイチャート等のべた打ちパ ターンのカラー印刷では、■および■の領域の作動が多く、プラテンに対する熱 エネルギー人力が非常に高い。

プラテンの温度は、入熱の割合だけではなく、プラテンからの出熱によっても決 まる。従って、特に部分■および■に示したような状態において溶融インクジェ ット装置を適切に作動させることができる所定のプラテン温度を維持するため、 熱エネルギーをプラテンから急速かつ効果的に取り除く必要がある。伝導や対流 によって熱エネルギーをプラテンから移動空気流へ取り除くことでは、特に局部 的な周囲温度が作動設定点の５°〜ｌＯ℃以内まで上昇した時には不十分である 。このような場合、本装置では最適な作動が得られる望ましい範囲内にプラテン の温度を維持できるような十分に正確な制御ができなくなる。

例えば、最初の始動時には伝導または対流によって冷却されているプラテンは室 温（すなわち２１”Ｃ）であるが、溶融インクが固化する前に紙などの繊維基材 に十分に浸透できるようにするため、基材を約４０℃に維持するのが望ましい。

従って、始動時にはプラテンに熱を加える必要がある。

反対に、上記のものを、例えば１３０℃の溶融インクを用いて連続印刷すると、 プラテンの温度は急速に４０”Ｃに達してそれを越え、溶融インクの固化温度に 近付くため、プラテンから熱を取り除く必要がある。さらに、断続的に単色の本 文が入ったパイチャート等のべた打ちカラー図形の印刷時などに生じる頻繁かつ 極端な印刷速度の変化により、それに対応してプラテンおよび印刷中の基材の温 度が極端に変動するため、同じ基材にプリントスルーの部分とインクの浸透が不 十分な部分とができてしまう。

第２および第３図に示した本発明の実施例では、連続した最適印刷状態が得られ るように溶融インクジニット装置のプラテン温度が所望の温度高さに維持される 。第２図に示すように、シートまたはウェブ状の基材、例えば紙は、駆動装置に 設けた一組の駆動ローラ１１および１２を矢印の方向に回転させることによって 、インクジェットヘッド１３とプラテンアセンブリ１４との間の隙間を移動する 。インクジェットヘッドは第２図の平面に対して垂直方向に住復動して、従来通 りにウェブ１０の移動方向に直交する方向の連続経路で一列状のインク１５を基 材の表面上に射出する。プラテンアセンブリ１４のハウジング１７内にプラテン １Ｂが取付けられており、スリット開口１８および１９がプラテン１Ｂの上下縁 部に形成されているとともに、真空ポンプ２１またはブロワに通じている排気口 ２０がハウジング１７の後部に形成されている。ハウジング１７はほぼ気密状態 にしてもよいが、紙が表面開口を覆っている時でも連続的に熱を空気中へ逃がす ことができるように、さらなる空気ポートを設けてもよい。第３図に示すように 、プラテン１６および隣接した真空スリット１８および１９は、基材のウェブ１ ０の幅方向をほぼ横切るように設けられており、第２図には１つだけ示されてい るが隣接して設けられているピンチローラ１２に当接した３つの駆動ローラ１１ によってウェブが駆動される。

溶融インク１５が十分に浸透するがプリントスルーを起こさないように基材１０ の温度を所望の高さに維持するため、温度制御ユニット２２がプラテン１６の温 度をライン２３を介して検出する。例えば装置の始動時、印字率が低い印刷時、 あるいはシート印刷時間が遅い時などで所望のプラテン温度を維持するためにプ ラテン１Ｂを加熱する必要がある場合、制御ユニット２２がライン２４を介して 従来形の抵抗式ヒータまたはサーミスタ２５に電力を送り、所望の作動温度に達 するまでプラテンを加熱する。

また、電気ヒートポンプ２６がライン２７によって熱電クーラ２８に連結されて おり、二〇熱電クーラは、例えばメルコー社製のＣＰｌ、０−６３−０６Ｌ形で 、プラテン１Ｂと熱接触している。例えば、印字率が高い印刷時やシート印刷時 間が早い時などでプラテン１６の温度が所望温度以上であることを温度制御ユニ ット２２が検出した場合、ライン２９を介してヒートポンプを作動させて、熱エ ネルギーを熱電クーラ２８からライン２７を介してポンプへ移動させ、さらにそ れからヒートシンク３０へ移動させる。ヒートシンク３０は、例えばプラテンア センブリの構造支持部材にしてもよいが、放射および対流式に熱を消散させるフ ィン３１を備えているとともに、ヒートポンプ２６が所望のプラテン温度を維持 できるように高率で熱を散逸させるため強制空冷装置３２を設けている。所望の 温度を維持するために熱電クーラ２８およびヒートポンプ２６の能力を越える割 合で熱エネルギーをインクジェットヘッド１３によってウェブ１０およびプラテ ン１６に供給するような極端な状態が発生した場合には、制御ユニット２２がラ イン３３を介して指令信号をインクジェット装置コントローラ３４へ送り、この コントローラで、ヒートポンプ２６が再び一定のプラテン温度を維持できるよう になるまで、インクジェットヘッド１３でウェブ１０に塗布するインクの割合を 減少させる。

このようにして、−列状のインク１５が十分に基材１０に浸透した後に速やかに 固化するようにプラテン温度が制御されているが、基材が駆動ローラ１１および ピンチローラ１２間の当接部に達した時の固化したインクの温度が、第３図に示 した中央の駆動ローラ１１に向き合ったピンチローラ１２１；インクが移ること を防止できるほど十分に低温になっていないことがある。このようなことが起き ないようにするため、別の熱電クーラ３５をライン３６でヒートポンプ２６に連 結して急冷ゾーンを形成し、そのゾーンでインクが完全に固化されるようにその ゾーンをプラテン１Ｂの温度よりも少なくとも１０℃低い温度に維持できるよう にヒートポンプ２Ｂを構成する。

第３図に示すように、熱電クーラ３５は駆動ローラ１１および対応のピンチロー ラと整合位置にあるため、これらのローラ間を通過したウェブ１０がクーラ３５ で冷却されるようになっている。これに対して、ウェブ１０の縁部では、その他 の駆動ローラ１１および対応のピンチローラが、印刷をしない狭いマージン部分 に位置している。従って、これらの部分では急冷を行う必要がない。

別のプラテンの実施例として、温度制御プラテンの下流側に紙の幅方向を完全に 横切るようにして急冷ゾーンヲ設けてもよい。このような急冷ゾーンは、例えば 、十分なヒートシンク能力を備えたプラテン支持部材の一部にしてもよい。

次に作用を説明すると、必要に応じてヒータ２５によりプラテン１Ｂが所望温度 、例えば４０℃まで加熱される。真空ポンプ２１によってハウジング１７が排気 され、第２図の矢印で示したように開口１Ｂおよび１９を空気が流れて、駆動ロ ーラ１１および対応のピンチローラ１２により前方へ送られていくウェブ１０を プラテン１６と熱接触状態に保持する。インクジェットヘッド１３が溶融インク １５をウェブ１０上に噴射し、それに伴ったプラテン温度の上昇を制御ユニット ２２が検出して、ヒートポンプ２６により熱エネルギーを熱電クーラ２８からヒ ートシンク３０およびフィ・ン３１へ移動させ、さらにそこから強制空冷装置３ ２によって散逸させる。

一般的な溶融インクの場合、インクジェットへラドＩ３はインクを噴射温度、例 えば１３０℃に維持するが、インクは、例えば６０℃で固化するので、所望程度 の浸透が得られてからプリントスルーが起きる前に固化させるため、プラテン１ ６を所定の低温、例えば４０℃の３〜５℃以内に維持する必要がある。しかし、 インクジェット装置の通常の作動時には、プラテンアセンブリ１４およびその周 辺部材の周囲温度が約４０℃またはそれ以上である。従って、装置の作動が停止 している間でも、ヒートポンプ２６を作動させて熱が熱電クーラ２Ｂおよび３２ からヒートシンク３０へ移動するようにする。また、インクジェットの作動時、 特に第１図の■および■の領域の作動時には、相当に多くの熱をプラテンから取 り出してヒートシンク３０へ移動させるようにし、このため、ヒートシンクは比 較的高温、例えば６０〜６５℃まで加熱され、さらに熱エネルギーは強制空冷装 置３２によってヒートシンク３０およびフィン３１から散逸される。同時に、急 冷ゾーンの熱電クーラ３２をプラテンの他の部分よりも約１０℃低い温度、例え ば３０℃に維持して、ピンチローラと係合する前にインクが完全に固化するよう にする。

印字のサイズおよび性質は大きく変化するため、プラテンの一方側から他方側ま での温度変化を最小にできるように横方向伝熱率が高い温度制御プラテンを用い る必要がある。アルミニウムや銅がプラテン材として適しているが、プラテンの 横断面積も重要であり、アルミニウムの場合は３．２　ａｊ程度かそれ以上にす る。その様なプラテンはかさばり、設置スペースが広くなり、作動温度まで加熱 するためには多くの電力と時間が必要である。このため、液体の蒸発と凝縮によ ってエネルギーを伝達するヒートバイブの特徴を利用した構造を用いてもよい。

印刷ゾーンにおいてプラテンを横切って移動していくウェブの制御に関して他に も問題点もある。そのような問題点の１つは、フィルム媒体（すなわちマイラー ）の熱膨張差に関し、また別の問題点として、プラテンで加熱乾燥される時の紙 の収縮差がある。これらの場合、ウェブが座屈したりしわになって、プラテンの 表面から０．１３Ｍまたはそれ以上離れるため、紙とプラテン間の熱接続が悪く なり、また特に両方同印刷の場合にはジェットのインパクト点が変化して、ドツ トの位置精度が低下する。

これらの問題点を解決するため、第４図に示した形状のプラテンを用いることが できる。この構造では、インクジェットヘッド４１によって滴下インク４２を投 射されるウェブ状の紙４３が湾曲したプラテン４４で支持されているので、紙４ ３が湾曲状になり、座屈やしわを生じないようにしっかり保持される。適当な湾 曲プラテン４４は、曲率半径が約５〜１０インチであり、印刷ゾーンに位置する 第２図で説明した形式の温度制御部４５と、湾曲入口部４６と、湾曲出口部４７ とを設けている。入口および出口部４Ｂおよび４７は温度制御部４５の前後のそ れぞれ少なくとも１０”に渡って設けられている。このため、湾曲した紙経路の 全長に渡って温度制御部を設ける必要はなく、紙の長さの約１．２７ｍだけでよ く、また湾曲紙経路の入口部４Ｂおよび出口部４７は、第２図に示した形式の紙 送りローラ間を通る前の紙の処理または急冷に適した温度にする。ハウジング４ ８がプラテン温度制御部４５を包囲しており、第２図に示した形式の熱電クーラ を含む温度制御部材４９がプラテン温度制御部４５と接触するようにして取付け られている。必要に応じて電力線５０により温度制御部４５内のヒータが励磁さ れてプラテンを加熱する。

第４図に示された構造において、紙／プラテン装置に出入りするエネルギー束は 次のように表される。

紙／プラテン装置に入るエネルギー束 ｑ１は、インクジェットヘッド４１からの放射伝熱ｑ２は、空気を介した伝導 ｑ３は、インクジェットヘッド４１からプラテンへの対流Ｅは、滴下インクのエ ンタルピー ｑ４は、温度Ｔｉｎの進入する紙の熱エネルギーｐは、ヒータによりプラテンへ 与えられる熱紙／プラテン装置から出るエネルギー束ｑ５は、温度ＴｏｕｔＯ紙 およびインクから出る熱エネルギー ｑ６は、対流伝熱によりプラテンから空気へ移動する熱エネルギー ｑ７は、取付は部を介した伝導および／またはヒートポンプ作用によりプラテン から移動する熱以上に本発明を特殊な実施例で説明してきたが、変更および変化 を加えることができる。従って、そのような変更および変化は、以下の請求範囲 内で限定される本発明の範囲内にある。

ＦＩＧ、　２ ＦＩＧ、３ ＦＩＧ、４ 同時に出願審査請求書あり 手続補正書 １、事件の表示 ＰＣＴ／Ｌｉ５８８１０３０７４ ２、発明の名称 溶融インクジェット装置用のプラテン構造３、補正をする者 事件との関係　特許出願人 住　所　アメリカ合衆国　ニューハンプシャー州０３７ヲ５　ハノーヴアー ビーオーボックス　６８−シー 名　称　スペクトラ　インコーホレーテッド４、代理人 〒１０６東京都港区六本木５−２−１ ６、補正の対象 出願翻訳文の「明細書」および「請求の範囲」の欄７、補正の内容 】）明細書第１６頁第６行のあとに以下の文章を挿入する。

［以下・本発明の実施態様を項に分けて記載する。

１６　高温のインクを基材に射出するインクジェット手段と、インクジェット手 段の作動時に基材を支持するプラテン手段と、所望のプラテン温度を維持できる ようにプラテンから熱を取り除くヒートポンプ手段を含む、作動中のプラテン手 段の温度を制御する温度制御手段とを有するインクジェット装置。

２、ヒートポンプ手段が、プラテン手段と熱接触している熱電クーラ手段を含む 実施態様１記載のインクジェット装置。

３、温度制御手段に応答して、プラテン手段の温度が所望高さ以下の時にプラテ ン手段を加熱する電気ヒータ手段を含む実施態様１記載のインクジェット装置。

４、さらに、インクジェット手段およびプラテン手段に対して基材を移動させる ピンチローラ駆動手段を有しており、基材の移動方向においてピンチローラ手段 に対して整合配置されて、基材の一部に加えられた溶融インクをピンチローラ手 段と係合する前に急冷する第２熱電クーラがヒートポンプ手段に設けられている 実施態様１記載のインクジェット装置。

５、さらに、プラテン手段を包囲する気密性のハウジング手段と、気密性のハウ ジング手段の内部と連通した真空ポンプ手段と、基材をプラテン手段に熱接触状 態に保持する、気密性のハウジング手段に形成された開口手段とを存している実 施態様１記載のインクジェット装置。

６、ヒートポンプ手段と熱接触してそれから熱を受け取って散逸させるヒートシ ンク手段を設けた実施態様ｌ記載のインクジェット装置。

７、ヒートシンク手段が、プラテン手段を支持するとともにヒートシンク手段を 冷却する強制空冷手段を含む構造部材を有している実施態様６記載のインクジェ ット装置。

８、ヒートシンク手段に、ヒートシンク手段の冷却を助けるフィンが設けられて いる実施態様６記載のインクジェット装置。

９、温度制御手段からの制御信号に応答してインクジニット手段の作動率を変化 させるようにしてインクジニット手段の作動を制御する装置制御手段を有してい る実施態様１記載のインクジェット装置。

１０、プラテン手段が、湾曲プラテン表面および基材を湾曲プラテン表面に接触 した状態に保持する手段を設けている実施態様１記載のインクジェット装置。

１１、湾曲プラテン表面は、曲率半径が約１２．７ｃａ〜約２５．４ｃｍであり 、ヒートポンプ手段の前後のそれぞれ少なくとも約ｌＯ″に渡って延在している 実施態様１０記載のインクジェット装置。

１２、高温のインクを基材上に射出するインクジェット手段と、インクジェット 手段の作動時に基材を支持する支持手段と、基材上に射出されたインクの固化速 度を制御できるように基材に出入りする熱エネルギー束を制御する熱エネルギー 東制御手段とを有するインクジェット装置。

１３、基材支持手段の温度に従って基材支持手段から熱を取り除くヒートポンプ 手段を設けた実施態様１２記載のインクジニット装置。

１４、基材支持手段の温度に従って基材支持手段を加熱するヒータ手段を設けた 実施態様１２記載のインクジェット装置。

１５、熱エネルギー束制御手段が、支持手段の温度をインクの固化温度より低い 約２０〜３０℃に維持するようにした実施態様１２記載のインクジェット装置。

１６、所定の溶融点を持った溶融インクを記録媒体に向かわせるインクジェット 手段と、記録媒体を溶融インクの溶融点より低い所定温度まで加熱するヒータ手 段とを有しているインクジェット印刷装置。

１７、所定温度が、溶融インクの溶融点より低い約２０〜３０℃である実施態様 １６記載のインクジェット印刷装置。

１８、溶融インクの溶融点が約６０℃である実施態様１６記載のインクジェット 印刷装置。

１９、所定温度が約４０℃である実施態様１６記載のインクジェット印刷装置。

」 ２）「請求の範囲」を別紙のとおり補正する。

請求の範囲 １．高温のインクを基材に射出するインクジェット手段と、インクジェット手段 の作動時に基材を支持するプラテン手段と、所望のプラテン温度を維持できるよ うにプラテンから熱を取り除くヒートポンプ手段を含む、作動中のプラテン手段 の温度を制御する温度制御手段とを有するインクジェット装置。

２、高温のインクを基材上に射出するインクジェット手段と、インクジェット手 段の作動時に基材を支持する支持手段と、基材上に射出されたインクの固化速度 を制御できるように基材に出入りする熱エネルギー束を制御する熱エネルギー東 制御手段とを有するインクジェット装置。

３、所定の溶融点を持った溶融インクを記録媒体に向かわせるインクジェット手 段と、記録媒体を溶融インクの溶融点より低い所定温度まで加熱するヒータ手段 とを有しているインクジェット印刷装置。

国際調査報告

Claims (19)

【特許請求の範囲】
1. １．高温のインクを基材に射出するインクジェット手段と、インクジェット手段 の作動時に基材を支持するプラテン手段と、所望のプラテン温度を維持できるよ うにプラテンから熱を取り除くヒートポンプ手段を含む、作動中のプラテン手段 の温度を制御する温度制御手段とを有するインクジェット装置。
2. ２．ヒートポンプ手段が、プラテン手段と熱接触している熱電クーラ手段を含む 請求項１記載のインクジェット装置。
3. ３．温度制御手段に応答して、プラテン手段の温度が所望高さ以下の時にプラテ ン手段を加熱する電気ヒータ手段を含む請求項１記載のインクジェット装置。
4. ４．さらに、インクジェット手段およびプラテン手段に対して基材を移動させる ピンチローラ駆動手段を有しており、基材の移動方向においてピンチローラ手段 に対して整合配置されて、基材の一部に加えられた溶融インクをピンチローラ手 段と係合する前に急冷する第２熱電クーラがヒートポンプ手段に設けられている 請求項１記載のインクジェット装置。
5. ５．さらに、プラテン手段を包囲する気密性のハウジング手段と、気密性のハウ ジング手段の内部と連通した真空ポンプ手段と、基材をプラテン手段に熱接触状 態に保持する、気密性のハウジング手段に形成された開口手段とを有している請 求項１記載のインクジェット装置。
6. ６．ヒートポンプ手段と熱接触してそれから熱を受け取って散逸させるヒートシ ンク手段を設けた請求項１記載のインクジェット装置。
7. ７．ヒートシンク手段が、プラテン手段を支持するとともにヒートシンク手段を 冷却する強制空冷手段を含む構造部材を有している請求項６記載のインクジェッ ト装置。
8. ８．ヒートシンク手段に、ヒートシンク手段の冷却を助けるフィンが設けられて いる請求項６記載のインクジェット装置。
9. ９．温度制御手段からの制御信号に応答してインクジェット手段の作動率を変化 させるようにしてインクジェット手段の作動を制御する装置制御手段を有してい る請求項１記載のインクジェット装置。
10. １０．プラテン手段が、湾曲プラテン表面および基材を湾曲プラテン表面に接触 した状態に保持する手段を設けている請求項１記載のインクジェット装置。
11. １１．湾曲プラテン表面は、曲率半径が約１２．７ｃｍ〜約２５．４ｃｍであり 、ヒートポンプ手段の前後のそれぞれ少なくとも約１０°に渡って延在している 請求項１０記載のインクジェット装置。
12. １２．高温のインクを基材上に射出するインクジェット手段と、インクジェット 手段の作動時に基材を支持する支持手段と、基材上に射出されたインクの固化速 度を制御できるように基材に出入りする熱エネルギー束を制御する熱エネルギー 束制御手段とを有するインクジェット装置。
13. １３．基材支持手段の温度に従って基材支持手段から熱を取り除くヒートポンプ 手段を設けた請求項１２記載のインクジェット装置。
14. １４．基材支持手段の温度に従って基材支持手段を加熱するヒータ手段を設けた 請求項１２記載のインクジェット装置。
15. １５．熱エネルギー束制御手段が、支持手段の温度をインクの固化温度より低い 約２０〜３０℃に維持するようにした請求項１２記載のインクジェット装置。
16. １６．所定の溶融点を持った溶融インクを記録媒体に向かわせるインクジェット 手段と、記録媒体を溶融インクの溶融点より低い所定温度まで加熱するヒータ手 段とを有しているインクジェット印刷装置。
17. １７．所定温度が、溶融インクの溶融点より低い約２０〜３０℃である請求項１ ６記載のインクジェット印刷装置。
18. １８．溶融インクの溶融点が約６０℃である請求項１６記載のインクジェット印 刷装置。
19. １９．所定温度が約４０℃である請求項１６記載のインクジェット印刷装置。