JPH0249875B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［技術分野］ 本発明は電動工具におけるドリルビツトやドラ
イバービツト等を着脱交換するためのチヤツクハ
ンドルの収納装置に関するものである。

［背景技術］ チヤツクハンドルの紛失のおそれを少なくする
ために、電動工具の本体ケーシング自体にチヤツ
クハンドルの収納部を設けたものが、実開昭58−
51982号公報等に示されている。しかし、これら
におけるチヤツクハンドル収納部は、そのチヤツ
クハンドルの着脱操作性と、確実な収納との２面
において問題を有していた。すなわち、チヤツク
ハンドルは収納部に押し入れることと、引つ張り
出すこととによつて着脱を行なつていたことか
ら、着脱操作、殊に取り出す操作が容易ではな
く、またチヤツクハンドルを引つ張り出す必要性
からチヤツクハンドルを収納部内に完全に埋没す
るように収納することはできず、一部が本体ケー
シングから突出している状態としなくてはならな
いために、チヤツクハンドルが作業の邪魔になる
ことがあるのはもちろん、チヤツクハンドルを引
つ掛けて離脱させてしまうことがあつた。

［発明の目的］ 本発明ははこのような点に鑑み為されたもので
あり、その目的とするところはチヤツクハンドル
の確実な収納保持を行なえると同時に、着脱操作
が容易である電動工具のチヤツクハンドル収納装
置を提供するにある。

［発明の開示］ しかして本発明は、チヤツクハンドルの収納部
が開口する本体ケーシングの一面の反対側の面
に、チヤツクハンドルの押出用操作子を配設して
いることに特徴を有するものあつて、チヤツクハ
ンドルの収納部からの取り出しを、チヤツクハン
ドルの収納方向とは逆方向から操作する操作子に
よる押し出しで行なえるようにしたものである。

以下本発明を図示の実施例に基づいて詳述する
と、図示の電動工具は電動ドリルドライバーであ
り、第６図に示すように先端にチヤツク１１が取
り付けられたピストル型の本体ケーシング１と、
本体ケーシング１におけるグリツプ部の下端にフ
ツク１３によつて着脱自在に装着された電池パツ
ク１２とからなり、本体ケーシング１の先端部に
はクラツチ調整用のクラツチハンドル１４が設け
られ、グリツプ部の基端前面側にトリガー型のス
イツチハンドル１５と、回転方向の切換用レバー
１６とが設けられている。また本体ケーシング１
の内部には、第１図に示すように、モータ１７、
モータ１７の出力を減速する減速機１８、スイツ
チブロツク１９等が納められており、減速機１８
の出力軸に前記チヤツク１１が取り付けられてい
る。４０は電池パツク１２とスイツチブロツク１
９及びモータ１７を接続するリード線である。

チヤツク１１を締めたり緩めたりすることによ
つてドライバービツトやドリルビツト等のビツト
２０の着脱交換を行なうためのチヤツクハンドル
２は、本体ケーシング１のグリツプ部に設けられ
た収納部に収納することができるようになつてい
る。グリツプ部の前面に開口するこの収納部は、
左右２つ割りで構成された本体ケーシング１のグ
リツプ部前面に形成されている凹所３０と、本体
ケーシング１とは別個の部品として形成されてい
る有底筒型のケース状の操作子３とから構成され
ている。

操作子３はその開口面を凹所３０側に、閉塞面
をグリツプ部の背面に位置させたものとして、収
納部に対するチヤツクハンドル２の着脱方向と同
一方向に摺動自在とされた状態でグリツプ部内に
装着されているもので、その開口側はスリツトが
形成されることによつて、一対の弾性脚片３１，
３１と、脚片３２，３３とに分解されており、更
に外周面からは突起３３が突設され、内部底面か
らはピン３４が突設されている。そして各弾性脚
片３１の先端部内周面には内方へと突出するフツ
ク３６が設けられており、また各弾性脚片３１の
先端内面は内周縁が上記フツク３６に連続する傾
斜面３５とされている。

そして上記操作子３は、本体ケーシング１のグ
リツプ部内において形成されている筒部３７によ
つて摺動自在に保持されており、またこの摺動範
囲が筒部３７における溝３８と上記突起３３との
係合によつて規制されている。更に操作子３の傾
斜面３５が当接するリブ３９がグリツプ部内に形
成されている。

ここにおいて、有底筒型のケース状の操作子３
は、その閉塞面をグリツプ部の背面に露出させて
いるとともに、操作子３が最も後退した時にも、
グリツプ部の背面から突出することはなく、グリ
ツプ部背面とほぼ面一となるようにされている。

一方、チヤツクハンドル２は軸部２１と、軸部
２１の先端部に形成されているフランジ２３を備
えた歯車部２２、歯車部２２の先端より突出する
ピン部２４、軸部２１と直交するように取り付け
られた柄２５とから構成されている。

しかしてこのチヤツクハンドル２は、グリツプ
部の前面に開口する収納部に押し込めば、フラン
ジ２３が操作子３における弾性脚片３１のフツク
３６に弾性的に係止されることで、凹所３０と操
作子３内とに収納されてしまうものであり、この
時、チヤツクハンドル２は柄２５も凹所３０内に
入つてグリツプ部内に完全に納まり、グリツプ部
表面にチヤツクハンドル２が突出するようなこと
はない。従つて、グリツプ部に収納部を設けてい
るとはいえ、第７図に示すように、チヤツクハン
ドル２がグリツプ部を握る邪魔になることはな
い。また収納部はグリツプ部の前面に開口するも
のとしているとともに、作業中に力を加える面と
なるグリツプ部の背面には操作子３一端が位置す
るものの、これはグリツプ部背面と面一となつて
いるためにグリツプ部を握る手の手当りも良好で
確実に力を加えることができ、更に作業中はチヤ
ツクハンドル２の収納部の開口が手で覆われてし
まうことから、作業中にチヤツクハンドル２の離
脱を招くことは全くないものである。

チヤツクハンドル２を抜き出すにあたつては、
第３図乃至第５図に示すように、グリツプ部背面
から操作子３を押し込めばよい。この操作によつ
て、操作子３の弾性脚片３１はリブ３９と傾斜面
３５との当接で開いてチヤツクハンドル２とフツ
ク３６との係止を解除し、ついでピン３４がチヤ
ツクハンドル２を押し出して、収納部から離脱さ
せる。フツク３６とチヤツクハンドル２との係止
を外してからチヤツクハンドル２を押し出すため
に、また上記係止を外すための弾性脚片３１を開
く動作は、傾斜面３５とリブ３９との当接面にお
ける滑りで行なつているために、チヤツクハンド
ル２の押し出しに必要な操作力は軽いものとなつ
ている。この後、操作子３から手を離せば、傾斜
面３５とリブ３９との当接による弾性脚片３１の
弾性が、操作子３を復帰させる。

尚、ここでは操作子３がチヤツクハンドル２の
収納用の部材を兼用するために、簡易で部品点数
も少なくて低コストで提供できるものを示した
が、収納部材と操作子３とを別個のものとしても
よいのはもちろんである。

［発明の効果］ 以上のように本発明においては、本体ケーシン
グの一面に開口する収納部に収納したチヤツクハ
ンドルを、本体ケーシングの反対側の面に配した
操作子によつて押し出すことで取り出すようにし
ているために、着脱操作性が良好なのはもちろ
ん、チヤツクハンドルが引つ掛かつたりすること
がないように本体ケーシング内に完全に埋没する
状態で収納した時にも、チヤツクハンドルの取り
出しを容易に行なえるものであり、着脱操作性と
収納保持の確実性とを共に満足するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明一実施例の破断正面図、第２図
は同上のチヤツクハンドルと操作子の斜視図、第
３図乃至第５図は同上の動作を示す断面図、第６
図は全体構成を示す斜視図、第７図は電動工具の
使用状態を示す正面図であつて、１は本体ケーシ
ング、２はチヤツクハンドル、３は操作子、３１
は弾性脚片、３５は傾斜面、３６はフツクを示
す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ チヤツクハンドルの収納部が開口する本体ケ
   ーシングの一面の反対側の面に、チヤツクハンド
   ルの押出用操作子を配設して成ることを特徴とす
   る電動工具のチヤツクハンドル収納装置。 ２ 収納部は本体ケーシングに対してチヤツクハ
   ンドルの着脱方向に移動自在とされているととも
   に本体ケーシングの収納部が開口する一面とは反
   対側の面に一端が露出するケース状の操作子にて
   形成されていることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の電動工具のチヤツクハンドル収納装
   置。 ３ ケース状操作子はその開口縁に弾性脚片を備
   えるとともに、内周面にチヤツクハンドルの保持
   用フツクが形成されている弾性脚片の先端部内面
   が、本体ケーシングとの当接で操作子をその移動
   方向に弾発付勢する斜面とされていることを特徴
   とする特許請求の範囲第２項記載の電動工具のチ
   ヤツクハンドル収納装置。