JPH0249765B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、自動フイルタプレスにおける布支
持装置に関するもので、より詳細には、構造が簡
単で、ケーキの排出も容易で、布の損傷が少な
く、しかも作業性に優れた布支持装置に関する
ものである。 従来、自動フイルタプレスとしては、一般に、
垂直方向に並んだ多数の板と、該板を水平方
向に移動可能に支持する支持ガイドと、該板の
表面を覆う布と、該板の締付及び開枠機構と
から成り且つ該該布間に開枠時に下端が開口す
る室が形成される形式のものが広く使用され
る。この室中に形成されるケーキは、上述した
下端開口から受皿等に排出されるが、この際、
室に対応する布の上部を何等かの機構で支持す
ることが必要となる。 従来、このような支持機構として、隣り合つた
板間に上方に突出した開閉可能なアームを設
け、このアームにより布を支持するようにした
ものが広く用いられているが、構造が複雑であ
り、またこのアームの存在によつて布交換時の
作業性が悪く、またケーキが粘着性のあるもので
あつて、手作業によつてケーキの掻き落しを行わ
なければならない場合には、作業者や器具等がア
ームに挾まれるという危険性がある。 本発明の目的は、構造が簡単で、ケーキの排出
も容易で、布の損傷が少なく、しかも作業性に
も優れた布支持装置を提供するにある。 本発明によれば、垂直方向に並んだ多数の板
と、該板を水平方向に移動可能に支持する支持
ガイドと、該板の表面を覆う布と、該板の
締付及び開枠機構とから成り且つ該布間に開枠
時に下端が開口する室が形成されている自動フ
イルタプレスにおいて、該室に対応する一対の
布を板上方において布吊棒で支持させ、こ
の布吊棒を、板移動方向に沿つて設けられた
ハンガーレールの滑車にスプリングを介して懸垂
させて成る布支持が提供される。 本発明を、添付図面に示す具体例に基づいて以
下に詳細に説明する。 自動フイルタプレス装置の概略を示す第１図及
び第２図において、多数の板１が垂直方向に配
置されている。この板１は枠２と枠内の凹んだ
メツシユ部３とを有しており、このメツシユ部の
中央には給液用の通路４が設けられている。また
枠２の両側にはアーム５が固着されている。この
板１を支持するために、長手方向に延びている
一対の支持ガイド６があり、この支持ガイド６上
に板１のアーム５が載せられており、板１は
水平方向、即ち長手方向に移動可能となつてい
る。 板１を締付けるために可動の締付板７が設け
られ、この締付板７には、油圧シリンダー（図示
せず）に連結されるプランジヤー８と係合されて
おり、締付時にプランジヤー８が第１図において
左方に移動し、締付を行う。 支持ガイド６の側方には、エンドレスチエン９
とこれを駆動するスプロケツト１０とがあり、開
枠に際して、板１を第１図において右方に搬送
させる。 締付状態での板１と布１１との関係を示す
第３及び４図において、各板を覆うように、
布１１が配置される。即ち、各板に対応して、
二枚の布片１１ａ，１１ｂがあり、板を介し
ないで隣り合つた布片１１ａと布片１１ｂと
の間に、室１２が形成される。かくして、この
フイルタプレスにおいては、室１２と材１と
が布を介して交互に多数配置されることが明白
であろう。一方、板１を介して隣り合つた布
片１１ｂと１１ａとは、第４図に明瞭に示される
ように、給液用通路４の部分で、シール部乃至継
目１３を介して完全に接続されており、給液時或
いは過時の液洩れが防止されている。各布片
の両サイド及び下端は切離されており、その上端
部は板１の枠を通り越して上に延びている。 本発明においては、上述した室１２に対応す
る一対の布片１１ａ，１１ｂを板上方におい
て支持するための布吊棒１４を設け、その両端
部を、板移動方向に沿つて設けられた一対のハ
ンガーレール１５ａ，１５ｂの滑車１６にスプリ
ング１７を介して懸垂せしめる。この際、布吊
棒１４によつて吊される二枚の布片１１ａ，１
１ｂの長さは勿論等しい長さでなければならな
い。 本発明においては、レール１５に沿つて自由に
長手方向に移動し得る滑車１６にスプリング１７
を介して、布片１１ａ，１１ｂを支持させると
いう極めて簡単な構造で、開枠に際して、開いた
一対の枠中の中間位置に常に布片１１ａ，１
１ｂの懸垂支持位置をセツトさせ、これにより、
対向枠から対称関係を常に維持しながら布片
を緊張下に一様に剥ぎ取り、その結果として過
ケーキの排出を円滑にしかも一様に行い得ること
が顕著な特徴である。 先ず、過操作或いは更に洗浄操作が終了した
後、油圧シリンダー（図示せず）により押圧プラ
ンジヤー８を後退させ、これにより、締付板７と
一枚目の板１を右方へ移動させる。 この際、布片１１ａ，１１ｂの板から剥取
りは次のように行われる。即ち、この動作を説明
するための第５図において、板１の右方向移動
に伴なつて、まず、板１よりも上方に延びてい
る布片１ａが緊張され、これに伴なつて、滑車
１６も右に移動するが、布片１ａ，１ｂの長さ
が等しいため、布吊棒１４は二等辺三角形の頂
点に固定される。更に布片の長さをＬ、板１
の移動距離をＭとすると、布吊棒１４の高さ
は、元の高さＬから

【式】の高さに 減少し、この高さの減少分だけスプリング１７が
伸張される。板１が尚も右方向に移動し、スプ
リング１７の引張り力が各布片１１と材１と
の密着力を上まわつたとき、板１から布片１
ａ，１ｂの剥離が進行するが、この際も、スプリ
ング１７の緩衝作用及び滑車１６の自由移動によ
り、布吊棒１４が離れた２つの板間の中間位
置に常に保たれた状態でしかも布片１１ａ，１
１ｂの剥離がバランスされた状態で進行する。 この布片１１ａ，１１ｂの剥離進行に伴なつ
て、この布片１１ａ，１１ｂでサンドイツチさ
れているケーキも布片１１ａ，１１ｂから剥離
されて、下端の開口から重力によつて落下し排出
される。この際スプリング１７の作用によつて、
布片１１ａ，１１ｂには若干の振動が自動的に
与えられ、布片１１ａ，１１ｂに付着している
ケーキの残留物も布片から剥離して落下する。 このケーキの排出操作を、板の各々について
行い、ケーキの全てを排出させた後、プランジヤ
ー８を前進させて締付を行い、通路４を通してス
ラリーを供給し、所定の過操作を行う。 本発明の布支持装置においては、ハンガーレ
ール１５、滑車１６、スプリング１７及び布吊
棒１４がフイルタプレスの上方に設けられている
のみであり、布の交換作業やその他の点検保守
作業を何等阻害することなく、これらの作業時に
おいても極めて安全であり、また開枠や締付に際
しても布に無理な応力を与えるおそれがなく、
布の寿命の点でも大きな利点を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の布支持装置をフイルタプレ
スと共に示す側面図、第２図は第１図の線−
における一部破断正面図、第３図は第２図の線
―における側面断面図、第４図は第２図の線
―における側面断面図、第５図は開枠時のスプ
リング及び滑車の作用を説明するための説明図で
ある。引照数字１は板、６は支持ガイド、１１
ａ，１１ｂは布、１２は室、１４は布吊
棒、１５はハンガーレール、１６は滑車、１７は
スプリングを表わす。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 垂直方向に並んだ多数の板と、該板を水
   平方向に移動可能に支持する支持ガイドと、該
   板の表面を覆う布と、該板の締付及び開枠機
   構とから成り且つ該布間に開枠時に下端が開口
   する室が形成されている自動フイルタプレスに
   おいて、 該室に対応する一対の布片を板上方にお
   いて布吊棒で支持させ、この布吊棒を、板
   移動方向に沿つて設けられたハンガーレールの滑
   車にスプリングを介して懸垂させて成る布支持
   装置。