JPH0249635B2 - Makiekeiseiho - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は蒔絵の形成法に関するものであり、
その目的とするところは、蒔絵形成時間が短縮さ
れ、金粉、銀粉等の厚盛が一度の蒔きつけ操作に
よつても可能ならしめんとするものである。

蒔絵は基板に漆で文様を描き、それが乾燥しな
いうちに金粉、銀粉その他の紛末を蒔きつけ、余
剰の粉末を払い、更に再度、金紛等の紛末を撒布
し、前記漆を乾燥させ之を硬化せしめた後、バフ
をかけて仕上げるものである。然るに、この方法
にありては金粉、銀粉等は高価で使用不可能とな
つており、従つて、模擬金属粉を使用しているの
が実情である。

更に、前記漆の代りにエポキシ樹脂等の溶剤型
樹脂を使用し、この樹脂で基板に文様を描き、こ
の樹脂の半乾燥のとき金粉、銀粉等を撒布し、余
剰分を取り払い、その後、乾燥させて仕上げてい
たのである。従つて、この工法では文様を描く材
質が溶剤である為、細かい文様が困難であり、而
も、厚盛を形盛する為には、数度に及んで同一工
法を繰返す必要があり、更に溶剤型の樹脂である
為、半乾燥まで並びに完全乾燥するまでに多大の
時間を要していたのである。

そこでこの発明は、叙述せる従来の欠陥を解消
せんとして提案せられたものであり、基板の表面
に紫外線硬化型樹脂で文様を描き、半硬化のとき
金粉その他の粉末を蒔きつけ、余剰の粉末を取払
い、硬化させて仕上げる蒔絵形成法を提供せんと
するものである。

以下、この発明の一実施例を説明すれば、基板
は概して塗料等でその表面を仕上げてある。この
上に紫外線硬化型樹脂で各種の文様を描く。勿
論、之は筆を使用して描く。而も、この樹脂は紫
外線硬化型である為、描かれた文様の上には瞬間
的に金粉、銀粉その他の粉末を撒布する。従つ
て、撒布せられた金粉等は瞬間的に前記文様に付
着するのである。即ち、紫外線硬化型樹脂は紫外
線に当れば直ちに硬化するので、その半硬化時に
前記金粉等は蒔きつけられねばならない。斯くし
て瞬間的に蒔きつけられた金粉は短時間に前記樹
脂に付着すると同時に、該樹脂は短時間に硬化す
る。勿論、撒布せられた余剰分の紛末は之を払い
除いて硬化させ、その後、バフ加工によつて仕上
げるのである。従つて、基板に画かれた文様は紫
外線硬化型樹脂である為、紫外線に当れば直ちに
硬化するのであり、これによつて描かれた文様の
表面に撒布せられた金粉等は直ちに付着するので
ある。

この発明は叙述せる実施例に於て詳述せる如
く、基板に描かれた各種文様の表面に撒布せられ
る金粉等の蒔きつけ時間が極めて短縮せられ、而
も、蒔きつけられる金粉等は殆ど瞬間的に前記紫
外線硬化型樹脂に一体的に付着するので、一回の
蒔きつけ操作によつて厚盛が可能となる等、正に
諸種の著大なる効果を奏する発明である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 基板の表面に紫外線硬化型樹脂で文様を描
   き、半硬化のとき、金粉、銀粉、その他の粉末を
   蒔きつけ、余剰の粉末を取除き硬化させることを
   特徴とする蒔絵形成法。