JPH0249584Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、所定時間で一回転する地表車を備え
た時計に、月齢表示機構を設けた月齢表示付時計
に関する。

（従来技術） 所定時間で一回転する地表車を備えた時計とし
ては従来、24時間で地表車が一回転する世界時計
が知られている。

一方、月齢表示機構を設けた月齢表示付時計は
通常、月相を表示する円形の窓は固定的すなわち
移動しないものであつて、他の表示部材を移動さ
せて月の満欠を表わしている。

（考案が解決しようとする問題点） このように、世界時計及び月齢表示付時計は従
来から知られているとともに、これらを一つに組
合せてなる月齢表示付世界時計も存在している
が、月の満欠を表示する箇所が時の経過とともに
移動する形式の時計は未だ開発されていなかつ
た。

（問題点を解決するための手段） そこで本考案は、月が満欠した状態で移動する
月齢表示付時計を提案することを目的としてなさ
れたもので、所定時間で一回転する地表車を備え
た時計において、前記地表車の適位箇所に月相を
表示する円形の窓を設け、前記窓の近傍における
地表車の裏面に回転体からなる表示車を軸着し、
前記表示車には、該表示車の回転により地表車の
前記窓に出没する表示部材を設け、さらに前記表
示車に噛合する表示送り車を地表車に設けるとと
もに、表示送り車には放射状等間隔に突片を設け
る一方、時計の外装には、前記地表車の回転に伴
ない表示送り車の突片が移動した際該突片に当接
する突起を設けて構成し、前記地表車の回転によ
り表示送り車の突片が前記外装の突起に当接して
該表示送り車、さらにはこれと噛合する表示車を
間欠的に回転させ、これにより表示車の前記表示
部材が地表車の前記窓に漸次出没して、該窓にお
いて月の満欠を表示するようにしたものである。
このような構成を採ることにより、月齢表示機構
の駆動源に地表車の回転駆動源を利用することが
できるので、この種の月齢表示付時計の機構構成
の省力化をもたらすことができることとなる。

（実施例） 以下に本考案に係る月齢表示付時計を図示の実
施例に基いて説明する。

第１図ないし第３図において、本考案の月齢表
示付時計は、地表車１を備えた世界時計に実施す
るもので、この地表車１は、ムーブメント３に設
けた時計機械体（図示を省略）により24時間で一
回転する。したがつて実施例では、第２図に示す
ように、地表車１の表面に、世界時計用の文字板
１ａと、太陽などを示す模様１ｂを設け、これら
を時計の外装５に設けた世界時間表示窓５ａと月
齢表示窓５ｂから見えるように設けている。

前記地表車１の適位箇所に月相を表示する円形
の窓７を設け、前記窓７の近傍における地表車の
裏面に回転体からなる表示車９を軸着した。実施
例では、表示車９は透明な円盤９ａと、該円盤に
連係する歯車９ｂの二部材から構成されている。
そして、表示車９には、該表示車９の回転により
地表車１の前記窓７に出没する表示部材９ｃを設
けた。実施例では、表示部材９ｃは円形をなし、
これを円盤９ａに一箇所貼着した。これによつて
窓７は月を形どり、表示部材９ｃは該月７を隠す
かげ板として作用する。もつとも、円盤９ａに設
ける表示部材９ｃの形状及び個数は、この例に限
られないことはいう迄もない。又、前記二部材か
らなる表示車９も、例えば歯車９ｂのみにて構成
するようにしてもよい。

さらに、歯車からなる表示送り車１１を地表車
１に設けてこれを前記表示車９に噛合させ、又表
示送り車１１には放射状等間隔に突片１３を設け
る一方、時計の外装５には、前記地表車１の回転
に伴ない表示送り車１１の突片１３が移動した際
該突片１３に当接する突起１５を設けた。尚、実
施例では、好ましからざる振動その他の外力によ
り表示車９及び表示送り車１１の回転を阻止する
ため、これらに対応して表示車押えばね１ｃと表
示送り車押えばね１ｄを設けている。この表示車
押えばね１ｃと表示送り車押えばね１ｄは、地表
車１に別途に設けたブリツジ状の支持体１ｅに螺
着している。

上述した実施例において、24時間で地表車１が
一回転すると、該地表車１の回転に伴なつて表示
送り車１１の突片１３は突起１５に当接すること
となるが、地表車１は回転を続けるので、これに
より突片１３は回動付勢されて、該突片１３に連
接する表示送り車１１、さらにはこれと噛合する
表示車９を間欠的に回転させる。実施例では、突
起１５を一個形成しているので、地表車１が１日
で一回転すると、表示車９は一回だけ所定角度回
転し、１日ごとに所定角度回転して、すなわち間
欠的に回転して、前記表示部材９ｃが地表車１の
前記窓７に漸次出没し、１ケ月（実際には29.5
日）で月の満欠が一回なされる。尚、上述の動作
の態様は、表示車９及び表示送り車１１の歯数、
突片１３及び突起１５の数を適宜選定することに
より、例えば表示車９に設ける表示部材９ｃの個
数、或いは月齢表示の個数など、月齢表示自体の
態様を任意のものとすることができるものであ
る。

（考案の効果） 本考案は以上説明したように、所定時間で一回
転する地表車を備えた時計において、前記地表車
の適位箇所に月相を表示する円形の窓を設け、前
記窓の近傍における地表車の裏面に回転体からな
る表示車を軸着し、前記表示車には、該表示車の
回転により地表車の前記窓に出没する表示部材を
設け、さらに前記表示車に噛合する表示送り車を
地表車に設けるとともに、表示送り車には放射状
等間隔に突片を設ける一方、時計の外装には、前
記地表車の回転に伴ない表示送り車の突片が移動
した際該突片に当接する突起を設けて構成される
ものであつて、前記地表車の回転により表示送り
車の突片が前記外装の突起に当接して該表示送り
車、さらにはこれと噛合する表示車を間欠的に回
転させ、これにより表示車の前記表示部材が地表
車の前記窓に漸次出没して、該窓において月の満
欠を表示するようにしたので、月が満欠した状態
で移動する月齢表示付時計を得ることができた。
しかも、月齢表示機構の駆動源に地表車の回転駆
動源を利用することができるので、この種の月齢
表示付時計の機構構成の省力化をもたらすことが
できる。特に世界時計との組合せが可能であり、
部品点数を削減できて構造の簡易化をもたらし、
これにより商品の低廉化をも実現することができ
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る月齢表示付時計の構成を
示す時計背面図、第２図は同上の正面図、第３図
は本考案の要部縦断面図である。 １……地表車、５……外装、７……窓、９……
表示車、９ｃ……表示部材、１１……表示送り
車、１３……突片、１５……突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定時間で一回転する地表車を備えた時計にお
   いて、前記地表車の適位箇所に月相を表示する円
   形の窓を設け、前記窓の近傍における地表車の裏
   面に回転体からなる表示車を軸着し、前記表示車
   には、該表示車の回転により地表車の前記窓に出
   没する表示部材を設け、さらに前記表示車に噛合
   する表示送り車を地表車に設けるとともに、表示
   送り車には放射状等間隔に突片を設ける一方、時
   計の外装には、前記地表車の回転に伴ない表示送
   り車の突片が移動した際該突片に当接する突起を
   設けて構成されるものであつて、前記地表車の回
   転により表示送り車の突片が前記外装の突起に当
   接して該表示送り車、さらにはこれと噛合する表
   示車を間欠的に回転させ、これにより表示車の前
   記表示部材が地表車の前記窓に漸次出没して、該
   窓において月の満欠を表示するようにしたことを
   特徴とする月齢表示付時計。