JPH0247942Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、浴室又は浴場等に行くことなく寝な
がら入浴することができる等の機能を備えた身体
の不自由な老人・病人用ベツドの改良に関するも
のであり、この種のベツドを製造、販売する産業
分野において利用される。

（従来の技術） 一般に、この種のベツドは、入浴専用の浴槽に
人体を入浴させる為の大掛りな設備を施して構成
されており、しかも就寝用としての構成上の考慮
は殆んどなされていない。

（考案が解決しようとする問題点） かかる従来のこの種のベツドには次のような弊
害があつた。即ち、老人・病人等を入浴させる際
には、付添い人が通常ベツドより老人等の体を加
等かの方法を用いて別の場所に設備されている浴
槽まで移動させて、そこで機械操作のできる技術
者との共用作業で入浴させなければならず、又入
浴時には、付添い人は最低でも２名ないし３名は
必要であるし、又老人・病人等を全裸にする必要
がある場合を考慮すると更に深刻な問題を生じ
る。そのために付添い人の心労は大変なものであ
るし、又老人・病人等に対しても心身共に大きな
苦痛をもたらすものである。従つて入浴をできる
だけ避けるようになるか、或いは全く入浴をしな
くなることさえある。従つて、上記の問題は一層
切実になり、さらに長期間に亘つて病臥すること
になり床ずれ又は病状等が悪化することも考えら
れる。

本考案は、かかる問題点に対処するために開発
されたものであつて、その目的とするところは、
老人・病人等の病臥人を寝ている位置から他の場
所へ移動させることなく、簡便容易に入浴させる
ことができ、又ベツド上で楽な姿勢で養生させる
ことができ、従つて衛生的で健康的な療養上の効
果が得られて身体の疲れをとることができる身体
の不自由な老人・病人用ベツドを提供することに
ある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上述した従来の問題点を解決する為
に、次のような構成を採用した。即ち、浴槽の本
体内に、マツト状の素体と、このマツト状の素体
の下に位置する袋状の素体から成るベツド形成用
素体をベツドの長手方向に数個並設してベツド本
体を形成すると共に、ベツド本体に各袋状の素体
の内圧を調整するコンプレツサー及びその自動制
御装置等を組合わせて構成した身体の不自由な老
人・病人用ベツドに係るものである。

（作用） 本考案に構成によれば、ベツド本体の浴槽本体
内に配設してあるため寝ながら入浴できるのは勿
論のこと、マツト状の素体とこのマツト状の素体
の下に位置する袋状の素体から成るベツド形成用
素体をベツド長手方向に数個並設してベツド本体
を形成すると共に、ベツド本体に各袋状の素体の
内圧を調整するコンペレツサー及びその自動制御
装置等を組合わせて構成したので、袋状の素体の
内圧を調整することにより、各素体の動体となつ
てベツド面上で臥床人を楽な姿勢及び入浴に適し
た姿勢にすることができ、従つて付添い人はわず
かな労力で臥床人の養生に対処することができ
る。

（実施例） 以下、本考案を図に示す実施例に基づいて説明
する。

ベツド本体は、浴槽の本体２内にベツド形成用
素体をベツドの長手方向に複数個並設して構成さ
れている。ベツド形成用素体はマツト状の素体１
と、このマツト状の素体１の下に位置する袋状の
素体３から成り、袋状の素体３の内部には気体が
詰められている。４は敷物を形成するための波形
の素体であつて、浴槽の本体２の底部に敷設さ
れ、これにより袋状の素体３が痛まないようにす
ると共に入浴後の排水がスムーズに行なわれるよ
うにしている。袋状の素体３の内部の気体の圧力
を調整するために気体の注・排口１０を設け、こ
の注・排口１０に気体の圧力を自在に調整するた
めのコンプレツサー５と気体圧力の自動コントロ
ール装置等をそなえた制御器９を各々気体圧力調
整栓７，８，２５を設けたパイプ１１で接続し、
入浴時において温水を注水するための注水口１９
を設け、又水面の位置を自然に調整できるように
浴槽本体の適当な所要な箇所に排水口１３及び排
水パイプ１４を設け、又、入浴時にシヤワーも使
用できるように、送水接続口１６とシヤワー器具
接続口１８と、注水とシヤワーとの切替栓１７が
セツトされた器具を注水口１９に接続し、又入浴
後浴槽の水を排出するための排水口２２を設け、
更に臥床人が就寝時にベツドより転落するのを防
止するための手摺２０を設けている。

次に、上記実施例に基づいてその使用状態を説
明すると、入浴時に付添い人がベツド本体上に寝
ている老人・病人等を入浴に適した体勢に、又、
座つたり腰掛けたような体勢等に変動する際に
は、付添い人は気体の圧力調整栓７，８，２５を
それぞれ適切に指先で軽く操作するだけで動かす
ことができ、わずかな労力で済む。又、就寝時に
は、あらかじめマツト状の素体１の上に乗せる敷
物及び人体等の重量を支えるに適した圧力調整を
セツトしておけば、栓２５を閉じて栓７，８を開
くだけの操作で気体圧力を常時、思うままのベツ
ドとしてのスプリング効果にコントロールできる
ので、老人・病人等の臥床状態を快適に保ち得
て、安楽な静養と気持ちのよい熟睡が得られる。
尚、ベツド形成用素体１，３，４及びそれに付随
する支持部材及び支持機器等々についての形状、
及び間隔や数、並びに構造等については本考案の
効果を奏し得るものであれば適宜に設計変更でき
るものであり、また各々の素体の材質についても
本考案の効果を奏し得るものであれば適宜に採用
できるものである。

尚、図示していないが浴槽の所用の箇所に乾燥
器具又は通信器具等の必要なものを設備すれば、
極めて安全且つ容易に寝たきり老人或は要安静病
人を入浴させ得るものである。更に又、図示して
いないが各機器類を有線或は無線等の手段でリモ
ートコントロールが可能に構成しておけば、付添
い人は言うまでもなく、臥床人自身でベツド上に
おける楽な体勢になることができる。また、マツ
ト状の上面に適当な凹凸をつけることにより前述
した指圧的効果を一層向上させることである。

なお、図において、２３気体室、４は人体、１
２，２１は素体と素体の接触部分、６は圧力計等
の覗き窓を夫々示すものである。

（考案の効果） 本考案は、上述のようにベツド本体を浴槽本体
内に配設してあるため寝ながら入浴できるのは勿
論のこと、マツト状素体とこのマツト状の素体の
下に位置する袋状の素体から成るベツド形成用素
体をベツド長手方向に数個並設してベツド本体を
形成すると共に、ベツド本体に各袋状の素体の内
圧を調整するコンプレツサー及び自動制御装置等
を組合わせて構成したので、袋状の素体の内圧を
調整することにより、形成用素体が動体となつて
ベツド面上で臥床人をらくな姿勢に適宜に変形調
節することができ、従つて付添い人はわずかな労
力で臥床人を所要の位置又は楽な姿勢に容易に移
動調整することができる。更に詳しくは、袋状の
素体の必要部分の気体の圧力等を下げることによ
り、例えば小形の病人用便器等を容易に局部へあ
てがうことができるので、臥人は寝ながらの用便
が容易となり、従つて付添い人はわずかな労力で
老人・病人等の介護が容易となり、又、老人・病
人等も自力で身体を動かす必要がないため、疲労
することがないといつた利点がある。又、マツト
状素体の上面に凹凸をつけることにより、指圧的
効果と入浴が容易になり、入浴回数が増すことに
よつて床ずれ等の苦痛が著しく軽減される。さら
に、相乗効果として血行の促進及び身体の疲労度
の軽減に著しく寄与し得るもので従来のこの種の
老人・病人用ベツドにはみられない有用顕著な効
果を奏し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の身体の不自由な老人・病人用
ベツドの正面図、第２図は同上の背面図、第３図
は同上の平面図、第４図は第３図Ａ−Ａ線に沿う
断面図、第５図は第３図のＢ−Ｂ線に沿う断面
図、第６図は同上の使用状態を示す側面図であ
る。 符号の説明、１……マツト状の素体、２……浴
槽の本体、３……袋状の素体、５……コンプレツ
サー、９……制御器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浴槽の本体内に、マツト状の素体と、このマツ
   ト状の素体の下に位置する袋状の素体から成るベ
   ツド形成用素体をベツドの長手方向に数個並設し
   てベツド本体を形成すると共に、ベツド本体に各
   袋状の素体の内圧を調整するコンプレツサー及び
   その自動制御装置等を組合わせて構成した身体の
   不自由な老人・病人用ベツド。