JPH0247903Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は表装材と中空芯材との一体成形品に関
し、更に詳細に説明すると、表面側に表皮を有す
る表装材と、熱可塑性樹脂をブロー成形して形成
される中空芯材との一体成形品に関する。

車両等のヘツドレストやアームレスト等は中空
芯材をブロー成形により形成し、この中空芯材の
外周面に表装材を被覆して形成されている。

従来、これらの表装材と中空芯材の一体成形品
は第１図に示す如く、中空芯材１の成形の際に中
空芯材１の中空部１ａにエアを注入するため、中
空芯材１を形成するためのパリソンの下端を密閉
し、エア注入後上端を密閉するようになされてい
るので、中空芯材１の下端及び上端に夫々下方及
び上方に突出する突出部２，３が形成され、この
突出部２，３を切除するか、または突出部２，３
をそのままにして、表装材４を被覆し、この表装
材４の端末に断面逆Ｕ字状のモール５を表装材４
の被覆された突出部２，３に被嵌させて表装材４
の端末処理を行なつている。

然し乍ら、中空芯材１の突出部２，３を切除す
る作業が煩雑であり、この突出部２，３を残した
ままで車両等のヘツドレストやアームレストとし
て使用する場合には危険性を有し、突起対策が必
要であり、また別個形成した表装材４を中空芯材
１に被覆する場合には、相互の接合や端末処理が
困難で作業能率を向上させる事が出来ない欠点を
有していた。

本考案の目的は、中空芯材の上下端に形成され
る突出部を切除する事なく、安全性に優れ、また
突出部を利用して表装材の端末処理を容易に行
え、作業能率を向上させる事が出来、外観の優れ
た表装材と中空芯材との一体成形品を提供するも
ので、以下図面を参照して詳述する所より明らか
となるであろう。

第２図及び第３図には本考案に係る表装材と中
空芯材との一体成形品の一実施例の概略が夫々示
されており、本実施例においては車両等のヘツド
レストに本考案を適用した場合が示されている
が、アームレストその他の一体成形品にも適用し
得るものである。

この一体成形品１２としてのヘツドレスト１１
は、熱可塑性樹脂からなるパリソンをブロー成形
して形成された中空芯材１３を有し、この中空芯
材１３の下部にはヘツドレストステー１４が挿入
されて一体に形成されている。中空芯材１３の外
周は表装材１５で被覆されている。表装材１５は
表面側の表皮１６と、この表皮１６の裏面にウレ
タンや発泡ポリエチレン等から成形された緩衝材
１７が一体に接合されている。尚表装材１５と中
空芯材１３との間に別のパツド材を挿入させる事
も出来る。

第３図に示すように、表装材１５は分割形成さ
れた一半部１５ａと他半部１５ｂとを接合して形
成され、表装材１５の一半部１５ａと他半部１５
ｂの外周縁部に沿つて夫々凹溝１８，１９が形成
されている。また、ブロー成形された芯材１３に
も表装材１５の凹溝１８，１９に夫々対応して凹
溝２１，２２が形成されている。表装材１５の一
半部１５ａと他半部１５ｂの相互に当接する側の
凹溝１８，１９の一側部に断面逆Ｕ字状のモール
２４が被嵌され表装材１５の一半部１５ａと他半
部１５ｂの端末処理がなされている。

このモール２４の上部は、本実施例では表装材
１５の外表面と略々同一高さになるように設定さ
れているが表装材１５の凹溝１８，１９の深さを
大きく形成し、相互に当接する側の一側部の高さ
を適宜選定すれば、モール２４を凹溝１８，１９
の下方に埋設状態で取付ける事が出来る。

次に第４図を参照して本考案に係る表装材と中
空芯材との一体成形品の成形工程を説明する。

まず、一対の真空成形型３１，３２を用いて表
装材１５の一半部１５ａ及び他半部１５ｂを夫々
所望の形状に成形する。この真空成形型３１，３
２の型合わせ面の上下位置には表装材１５の一半
部１５ａ及び他半部１５ｂに夫々形成する凹溝１
８，１９に対応する凸部３８，３９が夫々形成さ
れている。この真空成形型３１，３２を用いて表
装材１５の一半部１５ａと他半部１５ｂとを夫々
真空成形装置（図示せず）を作動させて真空成形
する。

次いで、真空成形型３１，３２を型開きした状
態で押出成形機（図示せず）のダイ３３よりパリ
ソン１３′を押出し、真空成形型３１，３２を型
締めし、エア注入口３４よりエアをパリソン１
３′内部に注入し、中空芯材１３を表装材１５の
一半部１５ａと他半部１５ｂと一体に成形する。

尚、ヘツドレストステー１４の上端をパリソン
１３′内部に挿入して中空芯材１３を成形すれば、
中空芯材１３にヘツドレストステー１４を固着さ
せる事が出来る。

表装材１５の一半部１５ａと他半部１５ｂは加
熱溶融したパリソン１３′に接合され、中空芯材
１３と表装材１５とが一体化された一体成形品１
２としてのヘツドレスト１１が得られる。

この一体成形品１２を真空成形型より取出し、
表装材１５の一半部１５ａと他半部１５ｂの接合
位置である外周縁部の相互に近接する凹溝１８，
１９の一側部に断面逆Ｕ字状のモール２４を被嵌
させれば、表装材１５の一半部１５ａと他半部１
５ｂの端末処理が行える。この際、表装材１５及
び中空芯材１３の上部及び下部に突出部が形成さ
れるも、表装材１５及び中空芯材１３に形成され
た凹溝１８，１９，２１，２２により、被嵌され
るモール２４が表装材１５の外表面より突出して
いないので安全性に優れた表装材と中空芯材との
一体成形品１２を得る事が出来る。

以上が本考案に係る表装材と中空芯材との一体
成形品の一実施例の構成であるが、斯る構成に依
れば、中空芯材の上下端に形成される突出部を切
除する必要がなく、この突出部が表装材及び中空
芯材に夫々形成された凹溝の相互に当接する一側
に形成されると共に、この突出部の上端に被嵌さ
れるモールが表装材の外表面より突出しないよう
に構成されているので安全性に優れ、また凹溝の
一側を利用してモールにより表装材の一半部と他
半部の端末処理を行えるので作業能率を著しく向
上させる事が出来、また外観の優れた表装材と中
空芯材との一体成形品を得る事が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の表装材と中空芯材との一体成形
品の断面図、第２図及び第３図は本考案に係る表
装材と中空芯材との一体成形品を車両等のヘツド
レストに適用した場合の一実施例の概略を夫々示
すもので、第２図はヘツドレストの斜視図、第３
図は要部の断面説明図、第４図は本考案の一体成
形品の製造工程を示す説明図である。 図中、１１……ヘツドレスト、１２……一体成
形品、１３……中空芯材、１３′……パリソン、
１５……表装材、１５ａ……表装材の一半部、１
５ｂ……表装材の他半部、１６……表皮、１７…
…緩衝材、１８，１９……凹溝、２１，２２……
凹溝、２４……モール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表面側に表皮を有する表装材と、熱可塑性樹脂
   をブロー成形して形成される中空芯材との一体成
   形品において、前記表装材は分割された一半部と
   他半部とを接合して形成され、該一半部と他半部
   の外周縁部に沿つて夫々凹溝が形成され、該一対
   の凹溝が型合わせされた状態で中空芯材が形成さ
   れ、該表装材と中空芯材の一体成形品の相互に当
   接する凹溝の一側部に断面逆Ｕ字状のモールが被
   嵌されている事を特徴とする表装材と中空芯材と
   の一体成形品。