JPH0247274Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、たとえばトマトピユレー、クリー
ム、ジユース、チヨコレート等の液状食品とか、
液状薬品等を衛生的に圧送できるロータリーポン
プに関するものである。

〔従来の技術〕

従来のロータリーポンプは、ポンプケーシング
内に回転自在に配設された駆動軸にロータを固定
し、ポンプケーシングと駆動軸との間にメカニカ
ルシールを設けて密閉状態のポンプ室を形成し、
そのメカニカルシールを、ポンプケーシングに固
定された固定側シール材と、その固定側シール材
の両側において駆動軸に摺動自在に配設された一
対の回転側シール材と、各回転側シール材を固定
側シール材に押し付けるばねとから構成し、固定
側シール材と両回転側シール材で囲まれた空間に
蒸気を供給するようにしたものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記従来構成によれば、１つの固定側シール材
に対して２つの回転側シール材を押し付けて２つ
のシール部を形成し、これによつて液状食品等が
ポンプ室外に漏れるのを防止し、また蒸気がメカ
ニカルシールの外へ漏れるのを防止している。し
かし、固定側シール材が摩耗して、一方のシール
部から漏れが生じたときには、他方のシール部か
ら漏れが生じていないにもかかわらず、固定側シ
ール材を取り換えなくてはならず、不経済であ
る。また構造が複雑となり、部品点数も多いもの
である。

本考案は上記問題点を解消したロータリーポン
プを提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するため、本考案のロータリ
ーポンプは、ポンプケーシング内に回転自在に配
設された駆動軸にロータを固定し、ポンプケーシ
ングと駆動軸との間に一対のメカニカルシールを
設けて密閉状態のポンプ室を形成し、両メカニカ
ルシール間に蒸気を通すようにし、各メカニカル
シールを、駆動軸に配設された回転側シール材
と、ポンプケーシングに配設された固定側シール
材と、両シール材どうしを互いに当接させるばね
とから構成したものである。

〔作用〕

上記構成において、ロータを回転させることに
より液状食品等を圧送することができる。また両
メカニカルシール間に蒸気を通すことにより、ポ
ンプ室内に腐敗菌が入るのを阻止することができ
るものである。そして、一方のメカニカルシール
から液状食等や蒸気が漏れても、その一方のメカ
ニカルシールの摩耗した部品だけを取り換えれば
よく、他方のメカニカルシールはそのまま使うこ
とができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図に基づいて説明す
る。この実施例のロータリーポンプは、ギヤボツ
クス１と、蓋２付きポンプケーシング３とを有
し、ギヤボツクス１には一対の駆動軸４が回転自
在に配設され、その両駆動軸４はギヤ５により連
動連結されている。また上側の駆動軸４の基端は
ギヤボツクス１の外へ突出してモータ（図示せ
ず）に連結されている。両駆動軸４の先端部はポ
ンプケーシング３のボス６内に嵌入している。各
駆動軸４の先端部には端から順番に、ねじ部４
ａ、スプライン部４ｂ、小径部４ｃ及び中径部４
ｄが形成されている。スプライン部４ｂにはロー
タ７が嵌合し、そのロータ７は、円板部７ａと、
その円板部７ａに一対ずつ一体的に取付けられた
歯７ｂとを有し、ねじ部４ａにはロータ抜け止め
用袋ナツト８が螺合している。駆動軸４の小径部
４ｃとボス６との間に第１メカニカルシール９を
設け、中径部４ｄとボス６との間に第２メカニカ
ルシール１０を設けてある。第１メカニカルシー
ル９は、ボス６にキー１１止めされた超硬材料製
第１シール材１２と、駆動軸４に摺動自在に外嵌
させられたカーボン製第２シール材１３と、該第
２シール材１３に取付けられたばね受座とロータ
７との間に配設されて第２シール材１３を第１シ
ール材１２に押し付けるコイルばね１４と、ボス
６の内周面に形成された環状溝にはめ込まれると
共に第１シール材１２の外周面に当接する第1O
リング１５と、第２シール材１３の内周面に形成
された環状溝にはめ込まれると共に小径部４ｃに
当接する第2Oリング１６とから構成されている。
第２メカニカルシール１０は、中径部４ｄにピン
１７止めされた超硬材料製第３シール材１８と、
中径部４ｄに遊嵌すると共に外周面の立上がり部
１９ａに形成した切欠部がポンプケーシンゲ３に
植設したガイドピン２０に係合して駆動軸４の軸
心方向に沿つてのみ摺動自在とされ、かつ第３シ
ール材１８に当接するカーボン製第４シール片２
１を有する第４シール材１９と、第４シール材１
９を第３シール材１８に押し付ける板ばね２２
と、第３シール材１８の内周面に形成した環状溝
にはめ込まれると共に中径部４ｄに当接する第
3Oリング２３と、第４シール材１９の外周面に
形成した環状溝にはめ込まれると共にボス６の内
周面に当接する第4Oリング２４とから構成され
ている。上記第１、第２のメカニカルシール９，
１０間に形成された密閉空間２５には蒸気供給路
２６と蒸気排出路２７とが連通している。またポ
ンプケーシング３内に第１、第２のメカニカルシ
ール９，１０及び密閉空間２５を通る蒸気によつ
て三重にシールされたポンプ室２８が形成されて
いる。ボス６には、このボス６と駆動軸４との間
に液状食品等を積極的に流すための通孔２９と、
切欠部３０とを形成している。前記蓋２はポンプ
ケーシング３の端面に位置決めピン３１、ねじ棒
３２及び蝶ナツト３３により固定されている。蓋
２のポンプケーシング対向面に形成した二重の環
状溝にはめ込まれると共にポンプケーシング３の
端面に当接する第５、第６のＯリング３４，３５
を設け、ポンプケーシング３の端面の第５、第６
のＯリング３４，３５間に位置する箇所に環状通
路３６を形成し、その環状通路３６には蒸気供給
路３７と、蒸気排出路３８とが連通している。蓋
２の袋ナツト８を覆う凹部３９内とポンプ室２８
とをつなぐ排出通路４０を形成している。袋ナツ
ト８のロータ対向面に形成した環状溝にはめ込ま
れると共にロータ７に当接する第7Oリング４１
を設け、駆動軸４のスプライン部４ｂと小径部４
ｃとの間の環状溝内にはめ込まれると共にロータ
７の内周面に当接する第8Oリング４２を設け、
第７、第８のＯリング４１，４２によりスプライ
ン部４ｂとロータ７との間に液状食品等が入り込
むのを阻止している。ポンプケーシング３の両側
面には液状食品等の吸入口４３と吐出口４４とを
形成している。

上記構成において、モータにより両駆動軸４を
回転させると、上側のロータ７が矢印Ａ方向へ回
転し、下側のロータ７が矢印Ｂ方向へ回転して液
状食品等が吸入口４３からポンプ室２８内に吸入
され、吐出口４４から吐出させられる。一方、ポ
ンプ室２８内の液状食品等は、ロータ７の回転に
よつて高圧をかけられ、通孔２９を通つて駆動軸
４とボス６との間に入り、第１メカニカルシール
９の第１、第２シール材１２，１３の摺動によつ
て生じる熱を吸収し、切欠部３０を通つてポンプ
室２８の低圧側へ抜ける。ここで、通孔２９から
駆動軸４とボス６との間を通つて切欠部３３に至
る通路を形成してあるから、この通路を液状食品
等がスムーズに流れ、第１メカニカルシール９の
熱によつて、その液状食品等が変質させられない
ものである。凹部３９内に入り込んだ食品等は排
出通路４０を通つてポンプ室２８内の低圧側へ戻
される。従つて凹部３９内に液状食品等が溜つて
変質することはない。この液状食品等の圧送中
は、蒸気が密閉空間２５と環状通路３６に供給さ
れる。従つて、駆動軸４とボス６との間及び蓋２
とポンプケーシング３との間からポンプ室２８内
に入ろうとする腐敗菌を殺菌する。

液状食品等の圧送後、吸入口４３からポンプ室
２８内に洗浄液を吸入する。この吸入された洗浄
液は通孔２９から駆動軸４とボス６との間を通つ
た後、切欠部３０からポンプ室２８内に戻る。こ
の時にも、通孔２９から駆動軸４とボス６との間
を通つて切欠部３０に至る通路を形成してあるこ
とから、洗浄液がスムーズに流れ、その通路及び
コイルばね１４を完全に洗浄して液状食品等が残
らないものである。また洗浄液は凹部３９内に入
つて、この凹部３９内を洗浄した後、排出通路４
０を通つてポンプ室８内に戻される。

第１、第２のメカニカルシール９，１０から漏
れが生じたときには、両者９，１０は互いに独立
しているから、たとえば第２シール材１３または
第４シール片２１だけを取り換えればよい。

上記実施例では、ロータリーポンプのうちで
も、外歯歯車タイプのものについて説明したが、
内歯歯車タイプのものでも、またベーンポンプタ
イプのものについても適用できるものである。

〔考案の効果〕

以上述べたごとく、本考案によれば、両メカニ
カルシールを互いに独立させてあるから、一方の
メカニカルシールから漏れが生じたときには、そ
の一方のメカニカルシールの部品を交換するだけ
でよく、他のメカニカルシールはそのまま使える
から経済的である。また構造が簡単で故障が生じ
にくく、部品点数も少ないから、この点からも経
済的である。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は一部切
欠き正面図、第２図は板ばねの斜視図、第３図は
第１図の−矢視図、第４図は第１図の−
矢視図である。 ３……ポンプケーシング、４……駆動軸、７…
…ロータ、９……第１メカニカルシール、１０…
…第２メカニカルシール、１２……第１シール
材、１３……第２シール材、１４……コイルば
ね、１８……第３シール材、１９……第４シール
材、２２……板ばね、２６……蒸気供給路、２７
……蒸気排出路、２８……ポンプ室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ポンプケーシング内に回転自在に配設された駆
   動軸にロータを固定し、ポンプケーシングと駆動
   軸との間に一対のメカニカルシールを設けて密閉
   状態のポンポ室を形成し、両メカニカルシール間
   に蒸気を通すように、各メカニカルシールを、駆
   動軸に配設された回転側シール材と、ポンプケー
   シングに配設された固定側シール材と、両シール
   材どうしを互いに当接させるばねとから構成した
   ことを特徴とするロータリーポンプ。