JPH0245998Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は放電灯の点灯装置に関する。

本考案の目的は、インバータの高周波出力で点
灯する複数の個々の放電灯の放電電極間にかかる
電圧を、フイラメントが充分に加熱されるまで放
電開始電圧より低い値に保ち、放電灯の寿命に有
害な、フイラメント加熱前における放電の開始を
阻止した、放電灯の点灯装置を提供することにあ
る。

本考案の更に他の目的は、電源投入時から所定
時間経過後までの間、複数個の各放電灯のそれぞ
れの放電電極間の印加電圧を放電開始電圧より低
い値に保つための構成を、複数個の放電灯のそれ
ぞれに対応した個々に設けた発振トランスのうち
の単一の発振トランスの２次側にのみ設けた簡素
化した放電灯の点灯装置を提供することにある。

次に本考案の実施例として２灯点灯用の装置の
一例を、第１図に基づいて説明する。第１図にお
いてトランジスタ等を用いた電子回路部分４は、
第１の発振トランスの１次側巻線７，５，６およ
び第２の発振トランス８ａの１次側巻線５ａ，６
ａと共に、インバータの発振回路を構成してい
る。商用交流等の交流電源１はスイツチ２を通じ
て全波整流回路３に導き、そこで全波整流してイ
ンバータの作動用電源としている。上記第１およ
び第２の流発振トランス８，８ａの２次巻線のう
ち、巻線９，１４，９ａは放電灯２１および２１
ａのフイラメント加熱用巻線、巻線１０および１
０ａは、それぞれ放電灯２１および２１ａを放電
させるための放電電圧供給用巻線、巻線１１は放
電灯２１および２１ａの放電を、電源投入後所定
の時間が径過するまで抑止するために上記放電電
圧供給用巻線１０および１０ａの双方に逆位相接
続された補助巻線である。この補助巻線１１には
インピーダンス１２が直列に接続され、この直列
回路部分と、電源投入後所定の時間が経過した後
この直列回路を短絡するためのスイツチング素子
であるサイリスタ１３とがさらに並列に接続され
て並列回路部分を構成し、放電灯２１，２１ａ
の、フイラメントが互に同じフイラメント加熱用
巻線１４に同電位接続されている側の放電電極に
接続されている。上記サイリスタ１３のゲート端
子は、巻線１５、ダイオード１８、抵抗１６，１
７およびコンデンサ２０から成るゲート信号供給
回路の出力部に接続されている。

今、スイツチ２を投入してインバータを作動さ
せると、上記の両発振トランス８および８ａの各
巻線には所定の電圧が発生するが、抵抗１６，１
７とコンデンサ２０によつて決まる時定数に相当
する時間が経過するまで、上記ゲート信号供給回
路の出力電圧は、サイリスタ１３のゲート駆動電
圧に達せず、サイリスタ１３は遮断状態に保たれ
る。従つてその間、両放電灯２１，２１ａのそれ
ぞれの放電電極間には、それぞれの放電灯２１，
２１ａに係る放電電圧供給用巻線１０または１０
ａに発生する電圧と補助巻線１１に発生する電圧
との差の電圧がそれぞれインピーダンス１２を通
じて印加されることになり、両放電灯共放電する
ことはない。両放電灯２１，２１ａのフイラメン
トが充分に加熱され、所定の、上記時定数に相当
する時間が経過して、上記ゲート信号供給回路の
出力電圧がサイリスタ１３のゲート駆動電圧に達
しサイリスタ１３が導通状態になつた後は、補助
巻線１１およびインピーダンス１２から成る直列
回路部分が、サイリスタ１３で短絡され、放電灯
２１には発振トランス８の放電電圧供給用巻線１
０に発生する電圧が、放電灯２１ａには発振トラ
ンス８ａの放電電圧供給用巻線１０ａに発生する
電圧が、それぞれそのまま印加されることにな
り、両放電灯２１，２１ａは共に点灯する。

以上のように本考案によれば、放電灯に悪影響
をおよぼすフイラメント加熱前の放電開始が、１
個の発振トランスに設けた補助巻線と１個のサイ
リスタを用いて防止され、そのために必要に追加
回路は、発振トランスに追加巻回された、サイリ
スタ・ゲート信号供給回路用の巻線１５と、受動
素子である邸抗、ダイオードおよびコンデンサだ
けで構成されているため、製作コストは低く、か
つ、動作も安定である。

また、本考案の他の実施例として、サイリスタ
を駆動する上記ゲート信号供給回路用の巻線１５
を、インバータの発振回路の入力側からとること
も可能である。その例として、インバータの発振
回路にトランジスタのベース電流付勢用トランス
を用いる場合、第２図に示すように、ベース電流
付勢用トランス２７に、ゲート信号発生用巻線１
５を付加巻回することも可能である。なお本実施
例を３灯点灯用に適用した場合の、各発振トラン
スの２次側接続を第３図に示す。

さらに、本考案の他のもうひとつの実施例とし
て第４図に示すように、スイツチング素子に単方
向サイリスタ１３を用い、これに４個のダイオー
ド２２〜２５から成る全波整流回路を組み合わせ
てスイツチング回路を構成することも可能であ
る。

なお、上記すべての実施例において、サイリス
タ・ゲート信号供給回路用の巻線１５と、共通フ
イラメント加熱用巻線１４は、発振トランス８お
よび８ａ（および８ｂ）のいずれに設けることも
可能である。なお、共通フイラメント加熱用巻線
は、発振トランス８および８ａ（および８ｂ）に
分割巻回してもよいことは勿論である。また、サ
イリスタのゲート電流が大きく、上記サイリス
タ・ゲート信号供給回路の抵抗１６における電圧
降下が問題になる場合には、サイリスタ導通時に
回路のインピーダンスを下げるために、サイリス
タ・ゲート信号供給回路に、インピーダンス変換
用トランジスタ回路を付加することもできる。第
５図はサイリスタ・ゲート信号供給回路に上記ト
ランジスタ回路を付加した実施例を、また、第６
図は、サイリスタ・ゲート信号供給用巻線１５を
２個の発振トランス８，８ａに分動巻回し（１５
および１５ａ）、かつ、上記トランジスタ回路を
付加した実施例を、それぞれ示している。また、
第７図はスイツチング素子１３として逆並列接続
したSCRを用いた回路図を示している。なお、
第７図のスイツチング素子１３のゲート駆動回路
の一例を第８図に示した。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の回路図、第２〜８図
は本考案の他の実施例の回路図である。 １……交流電源、２……電源スイツチ、３……
全波整流回路、４……インバータの発振回路の電
子回路部分、５，５ａ，５ｂ、６，６ａ，６ｂ…
…発振トランスの１次側巻線、７……発振トラン
スのフイードバツク巻線、８，８ａ，８ｂ……発
振トランス、９，９ａ，９ｂ，１４……放電灯の
フイラメント加熱用巻線、１０，１０ａ，１０ｂ
……発振トランスの放電電圧供給用巻線、１１…
…補助巻線、１２……インピーダンス、１３……
サイリスタ（スイツチング素子）、１５，１５ａ
……サイリスタ・ゲート信号供給回路用巻線、１
６，１７……抵抗、１８，１９，２２〜２５……
ダイオード、２１，２１ａ，２１ｂ……放電灯、
２７……ベース電流付勢用トランス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 商用電源を全波整流して得られる直流で駆動さ
   れるインバータの出力により複数個の放電灯を点
   灯する装置において、上記インバータの発振トラ
   ンスを、上記複数個の各放電灯のそれぞれに対応
   させて個々に設け、この各発振トランスの２次側
   にそれぞれ設けられた単一のフイラメント加熱用
   巻線を、それぞれ対応する放電灯の一方のフイラ
   メントに接続するとともに、単一の上記発振トラ
   ンスの２次側に設けられた共通フイラメント加熱
   用巻線を、上記各放電灯のそれぞれの他方のフイ
   ラメントに共通接続し、上記各発振トランスの２
   次側にそれぞれ設けられた放電電圧供給用巻線の
   各一端を、それぞれ対応する放電灯の一方のフイ
   ラメントに接続するとともに、上記各放電電圧供
   給用巻線の各他端を互いに共通接続し、この共通
   接続点を、単一の上記発振トランスの２次側にの
   み設けた補助巻線における上記各放電電圧供給用
   巻線に対し逆位相の向きとなる一端に接続し、こ
   の補助巻線の他端を、インピーダンスを介して上
   記各放電灯のそれぞれの他方のフイラメントに共
   通接続し、電源投入時から所定時間経過後にオン
   する短絡用スイツチング素子を、上記補助巻線と
   上記インピーダンスとの直列回路に並列接続して
   なり、電源投入後所定の時間が経過するまでの
   間、上記各放電灯の放電電極間に、これら各放電
   灯に対応する上記発振トランスの放電電圧供給用
   巻線の出力電圧と、上記補助巻線の出力電圧との
   差の電圧が印加されることを特徴とする放電灯の
   点灯装置。