JPH0245712B2

JPH0245712B2 -

Info

Publication number: JPH0245712B2
Application number: JP57096084A
Authority: JP
Inventors: Rada Henrii; Yuujin Fuitsushutaa Robaato
Original assignee: United Technologies Corp
Current assignee: RTX Corp
Priority date: 1981-06-03
Filing date: 1982-06-03
Publication date: 1990-10-11
Also published as: GB2099459A; IL65955A0; IL65955A; JPS57210977A; US4339282A; BE893288A; SE458689B; NL191762B; FR2507198B1; NL8202211A; GB2099459B; SE8203395L; FR2507198A1; NL191762C

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、金属部材より被覆を除去するための
化学腐食液及び方法に係り、特にニツケル基超合
金より耐食被覆を除去するための腐食液及び方法
に係る。ガスタービンエンジン内に於て高温度にて使用
されるよう設計された例えばＵ−700、IN−100、
MAR Ｍ−200などの如き高温超合金は、高温度
に於て特に強力であり、また耐酸化性及び耐食性
に優れている。しかし超合金組成物の設計に於て
は耐食性を改善することと強度を改善することと
の間に於て妥協が行なわれている。かかる理由か
ら、超合金にて構成された部材の表面には特に耐
食性を向上させるよう設計された材料の被覆が施
されることが多い。部材はその使用中に、機械加工、型削り、溶接
の如き種々の方法を用いて元の形状を回復されな
ければならない程に摩耗し或いは損傷を受ける。
かかる形状回復のための方法に於ては、形状を回
復すべき部材を高温度に曝したり、その部材に元
の熱処理を繰返して行なつたりすることを要する
ことが多く、かかる処理中に被覆はその基質と相
互反応を生じてしまう。かかる理由から、また古
い被覆が不均一でありまた劣化せしめられるの
で、その部材より古い被覆を除去する必要があ
る。ガスタービンエンジンのブレードの如き部材
の場合には、その形状が複雑であるので、機械的
な手段によつては古い被覆を適宜に除去すること
はできない。更に機械的な摩耗により基質の一部
も不可避的に除去されてしまい、このことは臨界
的な寸法を有する部材に於ては許容され得ない。
従つて古い被覆を除去するには化学的な除去方法
が好ましい。化学的な除去方法に於ては、一般
に、古い被覆を除去されるべき部材が被覆を腐食
する化学溶液中に浸潰される。しかし被覆の本来
的な性質が一般に化学的腐食に対し抵抗するもの
であるため、被覆を除去することは容易には行な
われない。更に、経済的に実施可能な時間内にて
被覆を腐食し得る程強力な化学溶液は基質材料を
も腐食してしまい、このことはそれによつて結晶
粒界に局部的な腐食を生じる場合には特に重大な
問題である。基質は化学溶液により腐食されるこ
とによつて弱化せしめられ、再使用に備えて部材
を回復させることは不可能となる。本発明は特にニツケル基超合金よりアルミナイ
ド被覆を除去する場合に於ける問題を解決せんと
するものである。一般にアルミナイド被覆の組成
は米国特許第3544348号に記載されている如く、
アルミニウム−ケイ素合金粉末を用いて行なわれ
るパツク浸透法により得られる組成である。基本
的には完成した部材に施された被覆はニツケルア
ルミナイド、即ちNiAlである。これまでニツケ
ル基超合金よりアルミナイド被覆を除去するため
の種々の化学溶液が使用された。かかる化学溶液
を用いたアルミナイド被覆の除去プロセスに於て
は、被覆を除去されるべき部材が繰返し酸溶液中
に浸漬され、水中にて洗浄され、乾燥され、粗粒
ブラストされ、再度酸溶液中に浸漬される。これ
まで使用された溶液は、体積で20％の硝酸と残部
としての水とよりなる溶液、12.5％の硝酸と５％
のリン酸と残部としての水とよりなる溶液、アメ
リカ合衆国コネチカツト州ウオーターベリー所在
のMac Dermid Corp.により販売されている特
許品であるMetex M628乾燥酸塩の15ｇ／水溶
液、硝酸と水とアメリカ合衆国デラウエア州、ウ
イルミントン所在のAlloy Surfaces，Inc.により
販売されている特許品であるASC−２−Ｎ溶液
との混合物である。最も好ましい20％硝酸溶液を
用いる場合には、部材をその溶液中に浸漬してい
る間その溶液を激しく撹拌させて、局部的なピツ
チングが生じることを防止する必要がある。この
ことは溶液が容易には流動し得ないリセスやキヤ
ビテイの如き部材の領域が局部的なピツチングを
生じ易く、従つてその部材の機械的強度が低下し
てしまうということを意味している。被覆の除去
は緩慢であるが、酸溶液中に浸漬する全時間は７
時間以上であつてはならない。何故ならば、この
時間以上に部材が溶液中に浸漬された場合には、
その基質が粒界腐食を受けるということが解つて
いるからである。本発明の目的はニツケル基超合金よりアルミナ
イド被覆を除去するための改良された方法及び溶
液を提供することである。本発明は、MAR Ｍ−200合金に基く合金の如
き超合金を局部的に溶融することにより生じる再
鋳造層を選択的に化学的に食刻することに関する
未決米国特許出願第192668号に関連している。ま
た本発明は米国特許出願第192667号にも或る程度
の関連性を有しており、この米国特許出願はタン
グステン含有量の高い超合金を化学的に食刻する
ための溶液に関するものである。本発明によれば、実質的に体積で43〜48％の濃
硝酸と、７〜12％の濃塩酸と、残部としての水と
よりなり、0.024〜0.075mol／の塩化物イオン
と、少なくとも0.016mol／の硫酸イオンとを
含む組成を有する除去溶液にアルミナイド被覆を
接触させることにより、アルミナイド被覆がニツ
ケル基超合金より除去される。この場合イオンは
除去溶液中に0.008〜0.025mol／のFeCl₃と少な
くとも0.016mol／のCuSO₄として含まれてい
ることが好ましい。また除去溶液は体積で45％の
硝酸と、９〜11％の塩酸と、残部としての水と、
少なくとも0.008mol／のFeCl₃とを含み、
CuSO₄はそれと塩化第二鉄とのモル比が２：１に
維持されることが好ましい。かかる除去溶液を用
いてアルミナイド被覆を除去する間には、部材は
60〜71℃の温度に維持され撹拌される除去溶液中
に浸漬され、周期的に蒸気ブラストされることが
好ましい。本発明はニツケル基超合金よりアルミニウム合
金被覆を迅速に除去することに於て有効である。
しかも全ての被覆が除去された後に部材が実質的
な時間に亙つて除去溶液中に浸漬された状態に置
かれても、その基質が腐食されることはない。従
つて本発明による方法及び除去溶液によれば、被
覆の除去を容易且迅速に行なうことができ、また
部材の形状回復費用を節減することができる。これより本発明の最も好ましい実施例を、超合
金MAR Ｍ−200＋Hf（重量で９％Cr、10％Co、
２％Ti、５％Al、12.5％Ｗ、0.14％Ｃ、１％Nb、
２％Hf、0.015％Ｂ、残部Ni）より、NiAlより
なる被覆を除去することに関し説明する。しかし
本発明はＢ−1900、IN−100、Ｕ−700の如き他
のニツケル基超合金より他の組成アルミニウムを
含有する被覆を除去する際にも有用なものであ
る。本発明に於ては、一つの好ましい除去溶液は体
積で45％のHNO₃と、11％のHClと、残部として
のH₂Oとよりなつており、この溶液に対し、
0.008mol／のFeCl₃と0.016mol／のCuSO₄と
が添加される。尚本明細書に於て、HNO₃は濃硝
酸（70％）であり、HClは濃塩酸（37％）であ
る。本発明の除去溶液に到達するまで、多数の除
去溶液についての評価試験が行なわれた。それら
の除去溶液のうちの幾つかが下記の表１に示され
ている。除去溶液の評価の要領は、約0.04〜0.08
mmの厚さにてパツク浸透法により被覆された
88Al−12Si−ハロゲン化物の被覆を有する超合
金MAR Ｍ−200＋Hfの標本について、被覆の除
去速度及び基質金属に対する腐食の程度を測定す
ることであつた。被覆が除去されたか否かは部材
を酸化雰囲気中にて約１時間に亙り約540℃の温
度に加熱することにより確認することができる。
この場合青色は被覆が除去され、基質が露呈して
いることを示しており、灰色は被覆が残存してい
ることを示している。また基質金属の腐食が発生
しているか否かを確認するために、従来のニツケ
ル合金腐食液を用いて標本が金属組織学的に検査
された。また標本の表面にピツチングが発してい
るか否か及び結晶粒界が腐食されている程度を観
察した。除去溶液は60〜71℃の温度に維持された
状態にて激しく撹拌された。標本は下記の表１に
示された間隔にて周期的に除去溶液より取出さ
れ、洗浄され、74×10^-6ｍのシリカ粒子を用いて
水蒸気ブラストされた。表１のデータ（試験９及
び11）は塩酸が存在しない場合には被覆の除去が
許容し得ないほど緩慢であることを示している。
これに対し塩酸の濃度が13％若しくはそれ以上に
増大されると、基質の腐食が発生してしまうこと
が解る（試験４及び５参照）。塩化第一鉄と硫酸
銅とが含まれていることが必要であることが解
る。これらの物質が全然存在しない場合には、試
験６の結果より解る如く、４分以内に基質金属が
腐食されてしまう。また試験７より解る如く、硫
酸銅のみしか存在しない場合にも基質金属の腐食
が発生する。かくして塩化第二鉄のみを使用すれ
ば被覆の除去速度は向上するが、ピツチングや粒
界腐食が発生する。そしてかかるピツチングや粒
界腐食の発生は硫酸銅を添加することによつて防
止される（但し硫酸銅のみを添加することは有害
である）。再鋳造層を除去することに関する前述
の米国特許出願第192668号に於ても、これと同様
の効果について記載されている。本発明による除去溶液の組成は、表１に示され
る誌験の結果に基いて定められる。改良された溶
液は43〜48％、好ましくは45％の硝酸と塩酸とを
含んでおり、塩酸の量は上述の如く注意深く制御
されなければならず、12％以上あつてはならず、
除去速度の小さいことが必要とされる場合には７
％若しくはそれ以下であつてよい。しかし、速度
の除去速度にて被覆を除去することを達成ししか
も時間と共に溶液が変化したり処理されるべき部
材の金属組成が変化することによつて生じること
がある種々の問題を回避するためには、塩酸の量
は上述の範囲のうちの高い方の部分、即ち９〜11
％に増大されることが好ましい。本願発明者等が
行なつた以前の実験結果及び上述の試験結果によ
れば、塩化第二鉄は0.008〜0.025mol／であつ
てよく、少なくとも、0.016mol／の硫酸銅が
存在しなければならない。また本願発明者等が行
なつた関連する実験によれば、硫酸銅の量は
0.083mol／までの範囲であつてよいことが解
つている。硫酸銅：塩化第二鉄のモル比は約２：
１であることが好ましい。勿論塩化第二鉄及び硫
酸銅以外の化合物によつて除去溶液に塩化物イオ
ン及び硫酸イオンが与えられてもよい。即ち除去
溶液中には0.024〜0.075mol／の塩化物イオン
と少なくとも0.016mol／の硫酸イオンとが存
在しなければならない。上述の如き本発明による除去溶液を用いて被覆
の除去を行なう好ましい作業は、部材に対し蒸気
ブラストし、部材を除去溶液中に10分間浸漬し、
溶液中より部材を取出し且洗浄し、部材に対し蒸
気ブラストし、除去溶液中に部材を10分間浸漬
し、部材を除去溶液より取出し且洗浄し、部材に
対し蒸気ブラストし、被覆の除去を確認すること
によつて行なわれる。かくして前述の従来技術の
説明に於て上述した従来技術の方法を用いた場合
には約80分を要するのに対し、本発明による方法
によれば約20分間のうちに約0.05mm厚さのアルミ
ナイド被覆を除去することができる。更に、本発
明による除去溶液はその化学的特徴がユニークで
あるので、部材が上述の時間以上に亙つて除去溶
液中に浸漬されない限り、基質金属を腐食するこ
とはない。上述の試験１及び２に於ては、除去溶
液中に基質が更に30分間浸漬されたが、有害な腐
食は受けなかつた。周期的に蒸気ブラストすることは本発明による
除去溶液の有効性を向上させる上で非常に重要で
ある。被覆はまず試験片の縁部の周りより腐食さ
れる傾向がある。蒸気ブラストにはこの反応を均
一化させ、被覆の除去を試験片の中央部より発生
させる作用がある。１分毎行なつた場合、５分毎
に行なつた場合、10分毎に行なつた場合、全然行
なわなかつた場合のそれぞれについて周期的蒸気
ブラストの効果について評価を行なつた。勿論労
力節減の観点からは蒸気ブラスト処理の数を少な
くすることが望ましい。しかし蒸気ブラストを行
なわなければ、スマツト（smut）が蓄積し、こ
れにより被覆除去速度が大きく低下されてしま
う。最適の除去溶液を用いる場合には、10分毎に
１回の蒸気ブラスト処理を行なえば充分であるこ
とが解つた（試験３参照）。部材が更に10分間浸
漬された後にも完全には除去されていない場合に
は、更にもう１回蒸気ブラストが行なわれる。最
後の１回の蒸気ブラストは最終的に残留スマツト
を除去し、部材の外観を改善するために行なわれ
る。従来の方法の場合と同様、除去溶液の停滞や
局部に除去溶液不足が生じることを回避すべく、
除去溶液が撹拌されることが望ましい。除去溶液
の温度は上述の範囲とは異なるものであつてもよ
い。しかし温度が低くなれば被覆の除去速度は緩
慢なものとなり、温度が高ければ除去溶液の蒸発
が激しくなり、それに付随して組成が変化する。以上に於ては本発明を超合金MAR Ｍ−200よ
りニツケルアルミナイド被覆を除去することに関
し説明したが、本発明はNi₃Al、Ni₂Alの如きア
ルミニウムを主要含有元素とする他の被覆を除去
する場合にも有用なものである。事実本発明によ
る除去溶液によれば、その腐食を受け易い任意の
他の被覆を除去することができる。本発明による
除去溶液の長所は、本発明による除去溶液は或る
種の材料を腐食するが、典型的な被覆を除去する
に必要とされる時間内に於ては、被覆の下層の保
護されていないニツケル合金基質材料を激しく腐
食することはないということである。

【表】

【表】以上に於ては本発明を特定の実施例について詳
細に説明したが、本発明はかかる実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲内にて種々の実
施例が可能であることは当業者にとつて明らかで
あろう。

Claims

【特許請求の範囲】１実質的に体積で43〜48％の濃硝酸と、７〜12
％の濃塩酸と、40〜50％の水と、0.016〜
0.083mol／のCuSO₄と、0.008〜0.025mol／
のFeCl₃とを含む組成を有する除去溶液をアルミ
ナイド被膜に接触させることによつて、ニツケル
基超合金物品よりアルミナイド被膜を除去する方
法。２特許請求の範囲第１項に記載された方法にし
て、前記組成は0.016〜0.050mol／のCuSO₄と
0.008〜0.025mol／のFeCl₃とを含むことを特徴
とする方法。３特許請求の範囲第２項に記載された方法にし
て、前記組成は体積で43〜48％の濃硝酸と、９〜
11％の濃塩酸と、41〜48％の水とを含み、FeCl₃
対CuSO₄のモル比が１対２に維持されていること
を特徴とする方法。４特許請求の範囲第１項又は第２項に記載され
た方法にして、前記除去溶液は60〜71℃の温度に
維持され、前記物品は前記除去溶液を接触させる
ことと蒸気ブラストを施すことを周期的に行うこ
とによつてアルミナイド被膜が除去されることを
特徴とする方法。５ニツケル基超合金よりアルミナイド被膜を除
去するための除去溶液にして、実質的に体積で43
〜48％の濃硝酸と、７〜12％の濃塩酸と、40〜50
％の水と、0.016〜0.083mol／のCuSO₄と0.008
〜0.025mol／のFeCl₃とを含む除去溶液。６特許請求の範囲第５項に記載された除去溶液
にして、体積で43〜48％の濃硝酸と、７〜12％の
濃塩酸と、40〜50％の水とを含み、0.016〜
0.050mol／のCuSO₄と0.008〜0.025mol／の
FeCl₃とを含むことを特徴とする除去溶液。７特許請求の範囲第５項に記載された除去溶液
にして、体積で43〜48％の濃硝酸と、９〜11％の
濃塩酸と、41〜48％の水とを含み、FeCl₃対
CuSo₄のモル比が１対２に維持されていることを
特徴とする除去溶液。