JPH0245469Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はクレーン車等のエンジンカバーに設け
たエンジン或いはそのラジエータ冷却用通風口
（入口或いは出口）を調節する装置に関する。

〔従来の技術〕

従来第６図に示すように伸縮ブーム１０を俯仰
自在に片持ち支持した旋回台１１を車体１２上に
旋回自在に取付け、該車体（旋回台でもよい）に
エンジン１３を取付けたクレーン車や建設機械等
において、第５図に示すように車体後部のエンジ
ンカバー３の壁板に設けたラジエータ用の通風口
（出口）に、両側に夫々三角形状の側板１の一辺
を固着した多孔板２の側板縮小側下端を、該多孔
板が通風口を塞いで両側板をエンジンカバー内に
格納する同図鎖線示の閉鎖位置と、該多孔板及び
側板がくちばし状にエンジンカバー外に突出する
同図実線示の開放位置との間回動自在に枢架４し
て、路上走行時には多孔板２を閉鎖位置に鎖錠
し、又建設機械等の作動時にはエンジン騒音を上
方に伝播させるため、該多孔板を開放位置に保持
させる考案は普通に用いられている。尚図示の場
合は冷却空気入口はエンジンカバーの前面３ａに
設けられており、１４はエンジン駆動のフアン、
１５はラジエータ、１６は矩形状の通風口周枠で
ある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし多孔板及び側板を開放位置に保持させた
状態においては、エンジン騒音の伝播が主として
エンジンカバー外に突出形成されたくちばし状の
上端開口より上方に行われることになるが、多孔
板２の各通気孔２ｂより側方へエンジン騒音の一
部が伝播するため、市街地等においてエンジンを
長時間運転すると、その附近の住民より苦情を受
ける恐れがある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案はこの問題に対処するもので、多孔板２
の内側に、そのエンジンカバーへの枢架軸４と平
行な枢軸５によつて、該多孔板の各通気孔群を開
閉する複数の蓋６を夫々枢架し、該多孔板の内側
に前記枢軸５と直交配置の連動杆７を配設して、
各蓋６に夫々固着したアーム８を夫々該連動杆
に、平行クランク機構を形成するよう連結し、且
つ連動杆７とエンジンカバー内の支点部材との間
をリンク９で連結して、多孔板２が開放位置に回
動した時は各蓋６が夫々対応する前記通気孔群を
塞ぎ、又多孔板２が閉鎖位置に回動した時は、各
蓋６が該多孔板に略垂直な位置に回動するよう
に、リンク９の長さと前記支点部材の位置とを設
定したことを特徴とする。

〔作用〕

上記構成によれば、多孔板２を第１図実線示の
閉鎖位置に回動した時は、これにリンク９を介し
て連動する平行クランク機構７，８により、各蓋
６が同期回動して該多孔板に略垂直な位置となる
から、該蓋が多孔板の通気孔２ａにより通風を妨
げる恐れはない。又多孔板２及びその両側板１を
同図鎖線示の開放位置に回動して、適宜の手段に
よりその位置に保持させた時は、リンク９を介し
て平行クランク機構７，８が逆方向に作動して、
各蓋６が夫々対応する通気孔２ａ群を塞ぐから、
該通気孔群より側方へのエンジン騒音の伝播は該
蓋により遮断される。

〔実施例〕

第１図〜第４図は第５図に示すエンジンカバー
３に適用した本考案の一実施例を示し、第５図と
同一符号を付した部材は相対応する部材である。
多孔板２の通気孔２ａは、上下並設された９個の
蓋６によつて夫々閉鎖可能な通気孔群イ（第２
図）を形成している。各蓋６は夫々両側端部上に
板状のアーム８を固着してなり、該両側アーム８
は夫々蓋６の両側に配設した連動杆７に軸線を同
じくして枢着１８される。このため多孔板２に
夫々枢軸５により枢架した全蓋６は両側の平行ク
ランク機構７，８によつて同期回動する。左右
各々の側における連動杆７の上端部には、夫々対
応する側板１の内側に配設したリンク９の上端が
枢着１９され、該各リンク９の下端は夫々ラジエ
ータ１５の両側支持部材２０に取付けたブラケツ
ト２１に枢着２２される。

２３は多孔板２の上端部両側に夫々取付けた取
手を示し、該多孔板には取手２３の押し、引きに
連動して通風口周枠１６の頂辺に係脱する鎖錠具
（図示せず）が適宜取付けられる。１ａは側板１
の内辺に通風口周枠１６の竪辺に対向して設けた
フランジで、該フランジ１ａは多孔板２の開放位
置において通風口周枠１６に係合して、該多孔板
をその位置に保持する。矩形状の通風口周枠１６
は、その頂辺がエンジンカバー３後端の上部補強
部３ｂにヒンジ１７によつて開閉自在に枢架さ
れ、ラジエータ１５等を点検する場合は、ヒンジ
１７を中心として該通風口周枠１６を第４図のよ
うに開き、これを着脱自在な支え棒（図示せず）
などにより開放位置に支持させる。２４は通風口
周枠１６の底辺両端部が夫々当接するように、車
体１２の後端部上に固着した受金で、該受金２４
には該通風口周枠の底辺両端部が夫々ボルト２５
によつて着脱自在に止着される。尚エンジンカバ
ー３や蓋６等の内面には夫々遮音材或いは防音材
を貼着することは勿論である。

図示実施例において、両側リンク９の上端を
夫々対応する連動杆７の上端部に枢着１９したの
は、ヒンジ１７を中心として、多孔板２を閉鎖位
置に鎖錠した通風口周枠１６を第４図のように開
く際に、リンク９による蓋６の自動開閉機構が損
傷しないようにするためである。

〔考案の効果〕

本考案によれば、多孔板２及びその側板１を閉
鎖位置に鎖錠した時は、自動的に全蓋６が該多孔
板の通気孔２ａによる通風を妨げないように開
き、又該多孔板及び側板を開放位置に回動した時
は、自動的に蓋６が通気孔２ａを塞いで、該通気
孔より側方へのエンジン騒音の伝播を防ぐから、
該多孔板及び側板により形成されるくちばし状の
開口を、騒音が伝播しても差支えない方向に向け
ておくことにより、住民の苦情を受けることなく
してエンジンを駆動できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例の縦断側面図、第２図
は縮小して示すその後面図、第３図は第１図要部
の拡大図、第４図は通風口周枠開放時の縦断側面
図、第５図は要部を縦断して示す従来型装置の側
面図、第６図はクレーン車の側面図である。 １０……伸縮ブーム、１１……旋回台、１２…
…車体、１３……エンジン、１４……フアン、１
５……ラジエータ、１６……通風口周枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両側に夫々三角形状の側板１の一辺を固着した
   多孔板２の側板縮小側端末を、エンジンカバー３
   の壁板に設けた通風口に、該多孔板が通風口を塞
   いで両側板をエンジンカバー内に格納する閉鎖位
   置と、該多孔板及び側板がくちばし状にエンジン
   カバー外に突出する開放位置との間の回動自在に
   枢架したエンジンカバーの通風口調節装置におい
   て、多孔板２の内側に、そのエンジンカバーへの
   枢架軸４と平行な枢軸５によつて、該多孔板の各
   通気孔群を開閉する複数の蓋６を夫々枢架し、該
   多孔板の内側に前記枢軸５と直交配置の連動杆７
   を配設して、各蓋６に夫々固着したアーム８を
   夫々該連動杆に、平行クランク機構を形成するよ
   う連結し、且つ連動杆７とエンジンカバー内の支
   点部材との間をリンク９で連結して、多孔板２が
   開放位置に回動した時は各蓋６が夫々対応する前
   記通気孔群を塞ぎ、又多孔板２が閉鎖位置に回動
   した時は、各蓋６が該多孔板に略垂直な位置に回
   動するように、リンク９の長さと前記支点部材の
   位置とを設定したことを特徴とするエンジンカバ
   ーの通風口調節装置。