JPH0245090B2

JPH0245090B2 -

Info

Publication number: JPH0245090B2
Application number: JP60128829A
Authority: JP
Inventors: Yoshiaki Takeshita; Masatoshi Kawano
Original assignee: ISOBE TETSUKO KK
Current assignee: ISOBE TETSUKO KK
Priority date: 1985-06-12
Filing date: 1985-06-12
Publication date: 1990-10-08
Also published as: JPS61285313A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、重油灰、貝殻、汚泥等の廃棄物を焼
却処理する廃棄物処理用ロータリキルンに関する
ものである。

〔従来の技術〕

従来の廃棄物処理用ロータリキルンは、モータ
等の回転駆動源によつて回転駆動される炉本体で
ある円筒体を所定の位置に配設されたローラ上に
やや傾けて配設し、その軸方向下部または上部に
バーナを取付けて、軸方向上部から投入された原
料である廃棄物を焼却処理する構造となつてい
た。

そして、上記円筒体の内部は燃焼室となるの
で、円筒体の外壁の保護のために、キヤスタブル
や耐火レンガ等よりなる耐火物が内張りされてい
たが、この耐火物は熱伝達及び使用による摩耗を
考慮して一定の厚みを有していた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、ロータリキルンを構成する円筒
体の内部に、このようにキヤスタブルや耐火レン
ガ等よりなる耐火物がある程度の厚みで内張りさ
れているので、ロータリキルン全体の熱容量が大
きくなり、該廃棄物処理用ロータリキルンをウオ
ーミングアツプするのに時間がかかり、更には必
要以上の燃料を消費するという問題点があつた。

また、上記従来例に係る廃棄物処理用ロータリ
キルンにおいては、円筒体の内面に耐火物が内張
りされているので、処理しようとする廃棄物によ
つて耐火物の摩耗が生じたり、あるいは廃棄物が
該耐火物に付着して、円筒体の軸方向下部に移動
しない場合があるという問題点があつた。

更には、廃棄物が重油灰である場合、廃棄物の
中にV₂O₅が存在し、この重油灰を従来例に係る
廃棄物処理用ロータリキルンで処理すると、上記
のV₂O₅に起因して著しく円筒体の内部に内張り
されている耐火物が消耗し寿命が短いという問題
点があつた。

一方、実開昭52―3073号公報及び実開昭48―
94669公報に記載のように、中間部に耐火材が充
填された内外２重の円筒からなる回転円筒体の内
側に、棒状に突出した撹拌用突起あるいは翼片を
配置された回転体を、所定の位置に配設されたロ
ーラ上に配設し、その軸方向下部または上部にバ
ーナを取付けて、軸方向上部から投入された原料
である糞尿を焼却処理する糞尿焼却装置が提供さ
れているが、該装置において、汚泥、貝殻等を焼
却処理すると、投入された汚泥、あるいは汚泥、
貝殻等の燃え滓が上記撹拌用突起あるいは翼片に
残留して堆積すると考えられるので、焼却しない
無機物を多量に含む汚泥、貝殻等の廃棄物の焼却
処理には適していないという問題点があつた。

本発明は、このような事情に鑑みてなされたも
ので、廃棄物処理用ロータリキルン全体の熱効率
を向上すると共に、炉のウオーミングアツプの時
間を短くし、更には寿命の長い廃棄物処理用ロー
タリキルンを提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的に沿う本発明に係る廃棄物処理用ロー
タリキルンは、やや傾けて配設され回転駆動源に
よつて回転駆動される円筒体の軸方向上部または
下部に、バーナを取付け、該円筒体の軸方向上部
から供給された重油灰、貝殻、汚泥等の廃棄物を
焼却処理する廃棄物処理用ロータリキルンにおい
て、上記円筒体の内壁には耐火材を介して、内表
面には軸方向に所定間隔で連続する隆起が形成さ
れたニツケルを12〜35％、クロムを25〜45％含む
分割型の耐熱鋳鋼製ライナーを配置すると共に、
円筒体の内側には軸方向に転がる廃棄物を止める
べく内部に軸方向断面山形状の隆起が設けられた
円周溝を形成するニツケルを12〜35％、クロムを
25〜45％含む分割型の耐熱鋳鋼製ライナーを円周
に所定間隔で配置して構成されている。

〔作用〕

本発明に係る廃棄物処理用ロータリキルンは、
円筒体の内面に耐火物を介してニツケルを12〜35
％、クロムを25〜45％含む耐熱鋳鋼製ライナーが
内張りされているので耐火物及び通常の鉄板より
摩耗に強く、更には強度の点においても強い。従
つて、耐熱鋳鋼製ライナーの厚みは薄くても良
く、しかもこの内側に内張りする耐火物は摩耗の
点は考えなくてもよいのであるから、必要分だけ
で良いことになる。また、該耐熱鋳鋼製ライナー
は金属であるので、比熱が耐火物より小さい。従
つて、耐火物の量が減つて、更には耐熱鋳鋼製ラ
イナーの比熱は小さいのであるから、炉全体の熱
容量が小さくなることになる。

そして、また、耐熱鋳鋼製ライナーは、内表面
は軸方向に所定間隔で連続する隆起が形成されて
いるので、投入された重油灰、貝殻、汚泥等の廃
棄物を隣合う隆起によつて形成される軸方向に長
い溝の部分によつて徐々に掬い上げて上部から落
下させる。そして、円筒体の内部には所定間隔
で、軸方向断面山形状の隆起が設けられた円周溝
を形成するニツケルを12〜35％、クロムを25〜45
％含む耐熱鋳鋼製ライナーが円周方向に内張りさ
れているので、やや傾けて配設され、下り方向に
転がる貝殻等の廃棄物を途中で受け止めることが
でき、投入された廃棄物の滞留時間を長くするこ
とができる。

また、上記耐熱鋳鋼製ライナーは、摩耗しても
その表面が滑らかに摩耗するので、貝殻等の廃棄
物が付着することが少なく、更には耐火物の如く
表面が剥げ落ちるということは無く、従つて、長
期の使用に耐えることになる。

〔実施例〕

次に、添付した図面を参照しつつ、本発明を具
体化した一実施例につき説明し、本発明の理解に
供する。

ここに、第１図は本発明の一実施例に係る廃棄
物処理用ロータリキルンの一部切欠き正面図、第
２図は同平面図、第３図は第１図における矢視Ａ
部の一部省略詳細断面図、第４図は第１図におけ
る矢視Ｂ―Ｂ断面図である。

第１図、第２図に示すように、本発明の一実施
例に係る廃棄物処理用ロータリキルン１０は、大
略すれば、やや傾けて配設されて廃棄物処理用ロ
ータリキルンの本体をなす円筒体１１と、該円筒
体１１を回転自在に支承するガイドローラ１２，
１３と、該円筒体１１を回転駆動する回転駆動源
の一例である減速電動機１４と、円筒体１１の軸
方向上部に設けられている廃棄物である原料を投
入する原料投入部１５と、円筒体１１の軸方向下
部に設けられているバーナ１６とを有して構成さ
れている。以下、これらについて詳しく説明す
る。

上記円筒体１１は、第３図に示すように、外板
１７は鋼板よりなり、その内側には耐火材の一例
である耐熱キヤスタブル１８と、耐火キヤスタブ
ル１９とが内張りされ、その外側に耐熱鋳鋼製ラ
イナー２０が配設されている。

この耐熱鋳鋼製ライナー２０は、Niを12〜35
％と、Crを25〜45％含むニツケルクロム鋳鋼よ
りなり、第３図及び第４図に示すように適当に分
割されて円筒体１１内に配設されている。そし
て、その固定手段は、該耐熱鋳鋼製ライナー２０
に座刳孔２１を設け、該座刳孔２１に所定長のボ
ルト２２を内側から嵌入し、上記外板１７の外部
にて、ナツト２３を使用して該耐熱鋳鋼製ライナ
ー２０を固定する構造となつている。

また、この耐熱鋳鋼製ライナー２０の個々の内
側表面には、第４図に示すように、断面が円弧を
連続させて形成させた隆起２４が所定間隔で形成
され、該円筒体１１の回転に伴い、原料である廃
棄物を隣合う隆起２４の間に形成される円弧の溝
で掻き上げて落下させ、廃棄物が充分に加熱され
る構造となつている。

また、上記耐熱鋳鋼製ライナー２０に形成され
ている隆起２４は、その頂上線が該円筒体１１の
軸方向と平行となつているが、所定の間隔をおい
て設けられている耐熱鋳鋼製ライナー２０ａは、
上記耐熱鋳鋼製ライナー２０から半径方向やや外
側に配置されて、円周溝２５ａを形成し、しかも
該円周溝２５ａ内には断面山形形状の隆起２４ａ
が形成されて、軸方向に転がる廃棄物を止めると
共に、全体的に原料である廃棄物の滞留時間を長
くするように構成されている。

この円筒体１１の外側には第１図に示すよう
に、所定の間隔でレール２５，２６が配設され
て、該レール２５，２６は下部の回転自在なガイ
ドローラ１２，１３に夫々載つている。また、円
筒体１１の外周には、噛合伝達要素の一例である
スプロケツト２７が支持部材２８を介して取付ら
れていると共に、該スプロケツト２７は上記減速
電動１４に連結されているスプロケツト２９が図
示しないチエンによつて連結され、該円筒体１１
が回転する構造となつている。

上記円筒体１１の軸方向上部には、断熱材を内
張りされ、側面には蓋を有する窓３０ａが設けら
れた部屋３０が配設されている。この部屋３０の
上部には固形の廃棄物である原料を投入するホツ
パー３１が配設され、該部屋３０の略中央部材に
は汚泥等の半液体上の原料を該焼却炉を構成する
円筒体１１の中に投入する投入管３２が設けられ
て、原料投入部１５を形成している。

そして、上記部屋３０には、排ガスダクト３０
ｂが設けられ、該廃棄物処理用ロータリキルン１
０内の排ガスを排出するようになつている。

一方、該円筒体１１の軸方向下部には部屋３３
が配設され、該部屋３３の中央部には円筒体１１
の軸方向を向いたこの廃棄物処理用ロータリキル
ン１０の熱供給源であるバーナ１６が設けられて
いる。そして、該部屋３３の下部には車輪３４，
３５が付設されて、部屋３３全体が軸水平方向に
移動し、該廃棄物処理用ロータリキルン１０の点
検及び補修に便ならしめている。

次に、この廃棄物処理用ロータリキルンの作用
につき説明すると、まず、バーナに着火した状態
で、円筒体１１を減速電動機１４によつて回転さ
せ、廃棄物処理用ロータリキルン全体が所定の温
度になつた時点で、原料投入用のホツパー３１ま
たは投入管３２から、処理しようとする廃棄物を
投入する。

このようにして円筒体１１内に投入された廃棄
物は、該円筒体１１の回転に伴い耐熱鋳鋼製ライ
ナー２０の隣合う隆起２４によつて形成される軸
方向に長い溝に掬い上げられて、上部で落下し、
軸方向下部に移動し焼却処理される。

そして、貝殻等の転がる廃棄物は所定間隔で形
成されている上記円周溝２５ａの部分にも引つ掛
かり、上部に持ち上げられて燃焼される。その他
の廃棄物の円周溝２５ａの部分の引つ掛かるの
で、全体として円筒体内部の滞留時間が長くなり
より完全に焼却される。

この焼却処理された滓は、円筒体１１の軸方向
下部に移動し、部屋３３に設けられている排出口
から外部に排出される。

なお、上記実施例は、バーナの炎と原料である
廃棄物が向合う向流式ロータリキルンについて説
明したが、バーナの炎と原料である廃棄物の流れ
とを同方向とする並流式のロータリキルンにも本
発明は適用できるものである。

〔発明の効果〕

本発明に係る廃棄物処理用ロータリキルンは、
以上のように構成されて、炉本体である円筒体の
内部にニツケルを12〜35％、クロムを25〜45％含
む耐熱鋳鋼製ライナーを耐火材を介して内張りし
ているので、従来の廃棄物処理用ロータリキルン
よりその寿命が、著しく長くなつた。

また、上記耐熱鋳鋼製ライナーの内表面には、
所定間隔で連続する隆起が形成されているので、
投入された廃棄物を掬い上げて、上部から落下さ
せて燃焼を促進することができる。

そして、円筒体には所定間隔で内部に断面山形
状の隆起が形成された円周溝を形成するニツケル
を12〜35％、クロムを25〜45％含む耐熱鋳鋼製ラ
イナーも配置されているので、軸方向に転がる廃
棄物を受け止め、未焼却で円筒体から排出するの
を防止できると共に、全体的に廃棄物の滞留時間
を長くすることができ、これによつて燃焼効率を
高める。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係る廃棄物処理用
ロータリキルンの一部切欠き正面図、第２図は同
平面図、第３図は第１図における矢視Ａ部の詳細
を示す一部を省略した断面図、第４図は第１図に
おける矢視Ｂ―Ｂ断面図である。符号の説明、１０……廃棄物処理用ロータリキ
ルン、１１……円筒体、１６……バーナ、１８…
…断熱キヤスタブル（耐火材）、１９……耐火キ
ヤスタブル（耐火材）、２０……耐熱鋳鋼製ライ
ナー、２４，２４ａ……隆起、２５ａ……円周
溝。

Claims

【特許請求の範囲】

１やや傾けて配設され回転駆動源によつて回転
駆動される円筒体の軸方向上部または下部に、バ
ーナを取付け、該円筒体の軸方向上部から供給さ
れた重油灰、貝殻、汚泥等の廃棄物を焼却処理す
る廃棄物処理用ロータリキルンにおいて、上記円
筒体の内壁には耐火材を介して、内表面には軸方
向に所定間隔で連続する隆起が形成されたニツケ
ルを12〜35％、クロムを25〜45％含む分割型の耐
熱鋳鋼製ライナーを配置すると共に、円筒体の内
側には軸方向に転がる廃棄物を止めるべく内部に
軸方向断面山形状の隆起が設けられた円周溝を形
成するニツケルを12〜35％、クロムを25〜45％含
む分割型の耐熱鋳鋼製ライナーを円周に所定間隔
で配置していることを特徴とする廃棄物処理用ロ
ータリキルン。