JPH0244950Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電縫管高周波溶接装置に係り、特に溶
接電流一定制御のライン速度追従制御装置に関す
るものである。

第１図は従来の電縫管高周波溶接装置における
溶接電流一定制御のための構成図である。電源よ
り変圧器T₁にて変成して得られた電圧は、サイ
リスタよりなる電圧制御部１にて適当なる電圧に
調整され、変圧器T₂を介して直流電圧部２に出
力される。直流電圧部２は、これを直流に変換し
て発振部３に供給し、この発振部３を介して加熱
部であるワークコイル（又は直接接触子）４に発
振出力を与えている。５がスクイズロール、６が
被溶接物である。

このような溶接装置における溶接電流一定制御
は次のようにして制御される。

先ず、設定器７にて設定された設定信号は、ク
ツシヨン動作回路８を経て電圧制御アンプ９の正
極端子に印加される。電圧制御アンプ９の負極端
子には、溶接電流センサー１０にて検出された溶
接電流信号が絶縁アンプ１１を介して印加され、
このアンプ９にて設定信号との偏差が求められ
る。偏差信号は、電流制御アンプ１２に出力さ
れ、このアンプ１２において変流器１９にて検出
された電流信号との偏差が更に求められ、この偏
差信号に応じて溶接電流一定とすべく位相部１３
を介して電圧制御部１のサイリスタのゲートが制
御される。

上記の如き電縫管高周波溶接装置においては、
電源側からみた溶接点負荷は略一定である。この
ため被溶接物６を移送するためのライン速度に変
動がなければ、溶接点電流を換算絶対値で検出
し、この値を一定に保つ制御を行うことにより溶
接品質の向上されたものが得られることになる。

ところで、ライン速度は図示省略したミル制御
装置によりモータ回転を一定に保つ自動変速制御
が一般に行われ、被溶接物速度を一定に保つため
の制御は行われていない。そのため、ラインによ
つてはモータ回転数が一定であつてもパイプカツ
トオフ動作時などで被溶接物６の移送速度（通板
速度）が僅かに変動する場合が生ずる。この変動
時に溶接点温度が変化し、溶接品質が変動する問
題点を有している。

本考案はかかる点に鑑みなされたもので、被溶
接物の移送速度変化を、発振部のプレート電圧相
当に変換する関数発生器を設け、且つその出力信
号を設定器と、常時は設定信号をバイパスし、設
定変更時にのみ挿入されるクツシヨン動作回路を
介して電圧制御アンプに入力するようにして、上
述の従来の問題点を解決しようとするものであ
る。

以下第２図及び第３図に基づいて本考案の一実
施例を詳述する。

第２図において、第１図と同符号のものは同一
もしくは相当部分を示す。１４は速度検出部で例
えばメジヤリングロールMRとパルスピツクアツ
プPPよりなつてライン速度を検出する。１５は
周波数信号を電圧信号に変換するためのFV変換
器、１６はレベル設定器で、入力されたFV変換
器１５の出力信号を設定器７の設定との関連等に
おいて適当なレベルの値に設定する。１７はレベ
ル計、１８は√関数発生器で、この√関数発生器
１８は、第３図で示すように縦軸に入力されたラ
イン速度信号Ｎをとり、横軸に発振部３に用いら
れる発振管のプレート電圧Epをとり製管データ
をもとに作られた曲線Ａの如き関数出力を発生す
るものである。S₁，S₂は接点で、設定器７の可変
時（設定時）以外は投入されていて、設定値の変
更時にのみ開く。

以上のように構成された本考案において、次に
その動作を説明する。

ライン速度に変動がないときにおける溶接電流
一定制御は第１図の場合と同じであるのでその動
作は省略する。

今、何等かの理由によりライン速度が変動した
とすると、その変動は速度検出部１４のメジヤリ
ングロールMRによつて直ちに検出され、パルス
ピツクアツプPPを介してFV変換器１５にて電圧
信号に変換される。この信号はレベル設定器１６
を通して√関数発生器１８に入力される。変動し
たライン速度が例えば第３図で示すN₁より△Ｎ
だけ増加してN₂になつたとすると、√関数発生
器１８は、今まで発振部３の発振管プレート電圧
をE_P1相当分出力していたものが変動に伴つてE_P2
相当分出力する。この信号は制御系の応答性を速
くするために設けられた接点S₂を通してクツシヨ
ン動作回路８（クツシヨン動作回路は、設定信号
の立上り、立下り設定時のクツシヨン動作用に挿
入される）をバイパスし、速い応答の設定信号変
化分として電圧制御アンプ９に印加され、検出さ
れた溶接電流信号との偏差が求められる。以下第
１図の場合と同様にして電圧制御部１を制御する
がこの場合には発振出力を高める方向に制御され
る。

以上のように本考案は、従来の溶接電流一定制
御のほかに、被溶接物の移送変度変化を発振部の
プレート電圧相当に変換する√関数発生器を設
け、且つその出力信号を設定器と、常時は設定信
号をバイパスし設定変更時にのみ挿入されるクツ
シヨン動作回路を介して電圧制御アンプに入力し
て溶接電流制御を行うようにしたので、被溶接物
の移送速度が変動しても溶接点温度は一定に制御
される。また√関数発生器の出力信号は、通常は
クツシヨン動作回路をバイパスして電圧制御アン
プに印加されるので、制御の速応性が増大する。
従つて、一担操作者が溶接の最適値を設定する
と、ライン速度が変化しても溶接状態が自動的に
対応して高品質のパイプの製造が可能となるもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の溶接電流一定制御装置の回路構
成図、第２図は本考案の一実施例を示す回路構成
図、第３図は√関数発生器の特性図である。 １は電圧制御部、３は発振部、４は加熱部、１
４は速度検出部、１５はFV変換器、１６はレベ
ル設定器、１８は√関数発生器、S₁，S₂はスイツ
チ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電圧制御部よりの出力を直流に変換し、発振部
   を介して被溶接物の加熱部に印加すると共に、検
   出された溶接電流と設定器にて設定された設定信
   号とを電圧制御アンプに入力してその偏差信号に
   基づき溶接電流一定制御を行うようにした電縫管
   高周波溶接装置に於いて、前記被溶接物の移送速
   度を検出する速度検出部と、この速度検出部より
   の検出信号をレベル設定するレベル設定器と、こ
   のレベル設定器の出力に基づき被溶接物の移送速
   度変化を前記発振部のプレート電圧相当の電圧に
   可変すべく出力を発生し、この発生出力を前記設
   定器に導入する√関数発生回路と、前記設定器と
   電圧制御アンプ間に挿入されたクツシヨン動作回
   路と、前記設定器の入力側に設けられ設定器の設
   定変更時にのみ設定信号をしや断するスイツチ
   と、前記クツシヨン動作回路に並列に設けられ常
   時は設定信号をバイパスし、設定器の設定変更時
   にのみ開くスイツチとを備えたことを特徴とする
   電縫管高周波溶接装置。