JPH0244891Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は鋼板等で成形した深溝波板をアール曲
げ加工する装置に関する。

（従来の技術） 従来、曲げ装置としてはパイプ曲げ、型材曲げ
装置等があり、このパイプ曲げ装置ではパイプを
掴んだ回転テーブルが回動し、パイプを金型に巻
付けることにより加工するものであつた。この回
転テーブルは片持ち状態の垂直軸で水平に回動
し、この垂直軸にチエーンを連結して駆動してい
た。

又、型材曲げ装置では複数のロールを千鳥状に
配設し、このロール間に型材を挟み、これを数回
往復させて曲げていた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、このパイプ曲げ装置では、回転
テーブルの垂直軸は片持ち状態で支持されている
ため巾広な部材の曲げ加工には軸が長くなつて不
適当であり、強度不足の場合は軸のねじれ、撓み
等が発生し、このため軸や軸受、ブラケツト等を
大きくしなければならず、又、回転テーブルの駆
動はチエーンを介して行うため大きな動力源とス
ペースが必要となり、特にチエーンやチエーンの
取付け部等の強度に注意しなければならないとい
う問題点があつた。

又、複数のロールを千鳥状に配設し、このロー
ル間に板材を数回往復させて曲げ加工を行うもの
では、巾広で平面状のものには適するが部材形状
を強制的に保形しておく手段がなく、巾広の波板
曲げ加工は不可能であるという問題点があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案はかかる従来の問題点を解決するために
なされたもので、巾広の深溝波板を曲げ加工する
波型回転金型の支軸が大型にならず、又駆動機構
を単純にして動力源とスペースを小さなものにで
きる深溝波板のアール曲げ装置を提供することに
あり、その要旨は、軸心が水平な波型回転金型の
支軸を両端支持すると共に支軸の両端を夫々２組
のラムで連結駆動し、波板を水平移動して波型回
転金型に挿入する波型移動金型を昇降自在に取付
け、かつ波板を波型回転金型に固定する波型締付
金型を波型回転金型に進退自在に取付けたことを
特徴とする深溝波板のアール曲げ装置にある。

（作用） 本考案では、深溝波板を曲げ加工する波型回転
金型の支軸を水平にして両端支持している。しか
もその支軸の両端を直接夫々２組のラムで連結駆
動させる。又、波型回転金型に波板を挿入する波
型移動金型を水平及び昇降移動自在に形成し、さ
らに波板を固定する波型締付金型を波型回転金型
に進退自在に取付けている。

従つてこの深溝波板のアール曲げ装置は、まず
深溝波板（以下「波板」とする）を波型移動金型
に装着し、波型回転金型の下面までスライドさせ
る。そして金型同士の溝が合うまで上昇させると
共に波型締付金型で波板を波型回転金型に固定さ
せる。

次にラムを作動させると、波型回転金型の支軸
が直接駆動され波型回転金型を回動させる。この
とき、波型締付金型で波型回転金型に固定された
波板は波型回転金型と波型移動金型の溝で保形さ
れながら曲げ加工される。この場合、波板は波型
回転金型の回転量によつて折曲げ量が決定し、折
曲げ部分は波型回転金型の曲率半径と同じ大きさ
のアール条となる。曲げ加工終了後、波型固定金
型を緩めて波板を取り出すと共に各金型をスター
ト地点へ戻す。

（実施例） 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

本実施例の深溝波板のアール曲げ装置１はラム
取付板２に波型回転金型３を支軸４で水平に両端
支持している。又、５はラム駆動部で、支軸４の
両端にそれぞれ２組ずつ配設している。図中、６
はシリンダ、７はピストン、８はラツク、９はピ
ニオン、１０はフラツトベアリングである。

又、１１は波型移動金型でスライド台１２に水
平移動自在に取付けられている。スライド台１２
は油圧シリンダ１３でガイド１４に沿つて昇降自
在に形成されている。

１５は波型締付金型で、ベース１６に固着した
２個の油圧シリンダ１７に連結されている。ベー
ス１６は波型回転金型３に回動自在に軸支された
アーム１８で強固に保持されている。尚、１９は
波板、２０は金型の溝である。

本実施例の装置では波型回転金型３の支軸４の
両端に固着したピニオン９を夫々ピストン７に形
成したラツク８を上下から噛合させて駆動させて
いるので、ラツク８、ピニオン９、支軸４等の寸
法を小さく形成することができ、又、支軸４は両
端支持するとしたので、支軸４部に曲げや撓み等
が発生することがなく、支軸４回りをコンパクト
にすることができる。又、波型回転金型３は270
近くまで回転させることができる。それに動力源
も小さなもので良いので全体を小型化でき、運
搬、据付も簡単で、移動も自在にできる。

（考案の効果） 以上の様に本考案によれば、波型回転金型の支
軸を水平に両端支持し、この支軸をラムで回転駆
動させるようにしたので支軸回りをコンパクトに
することができ、動力源や装置全体を小型化する
ことができる。それに波板を水平で一方向に移動
させるだけで材料のセツト、加工、製品の取出し
作業ができるので作業の効率を上げることがで
き、又、このために工場レイアウトを能率のよい
ものにすることができ、装置全体としてバランス
が取れて無駄がなく、安全性があつて操作も簡単
である。その上、動作スピードを早くすることが
できるので多量生産に適し、これによつて創成さ
れる製品は品質が均一で単価もダウンできるとい
う利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例を示す斜面図、第２図は
断面図、第３図は正面図、第４図は要部を示す説
明図である。 １……深溝波板のアール曲げ装置、３……波型
回転金型、４……支軸、５……ラム駆動部、６…
…シリンダ、７……ピストン、８……ラツク、９
……ピニオン、１１……波型移動金型、１２……
スライド台、１３……油圧シリンダ、１４……ガ
イド、１５……波型締付金型、１７……油圧シリ
ンダ、１９……深溝波板、２０……金型の溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸心が水平な波型回転金型の支軸を両端支持す
   ると共に支軸の両端を夫々２組のラムで連結駆動
   し、波板を水平移動して波型回転金型に挿入する
   波型移動金型を昇降自在に取付け、かつ波板を波
   型回転金型に固定する波型締付金型を波型回転金
   型に進退自在に取付けたことを特徴とする深溝波
   板のアール曲げ装置。