JPH024441B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、果粒入りジユースやコーンスープの
ような固形物を含む飲料用液体の定量送出装置に
関するものであつて、その目的とするころは、回
転式弁装置による固形物を多く含む液体の定量送
出と、チヤツキ弁装置による固形物を含まない液
体の定量送出との結合により、固形物を含んだ飲
料用液体の固形物と液体との割合が一定であるよ
うに充填包装をはかると共に、計量送出し前の処
理としての装置内の洗浄と計量送出し中における
外気の巻込みを防止することにより、定量充填の
安全を期するにある。果物や野菜の天然ジユース
のような繊維質を含む液体を、その充填包装容器
に充填するために使用する定量送出装置は、特公
昭53−22512号公報に記載されているところであ
るが、これは、従来のこの種の液体定量送出装置
が、ややもすると弁体と弁座との間に繊維質部分
が挾まつて、弁の開閉が充分でなかつたり、吐出
口に繊維質部分が付着して液切れが充分でなかつ
たりしたために、回転式弁装置を用いることによ
り、吸入口と吸入弁、吐出口と吐出弁との互いの
摺合わせにて繊維質部分の挾まるのを防止すると
共に、吐出弁と吐出口との摺合せ部の吐出口側の
角度を鋭角にすることによつて、液切れをよくし
たものである。

しかしながら、このような回転式弁装置を用い
たものでも、繊維質を含んだ飲料用液体は、よく
混合されている筈であるが、その流動中に繊維質
部分と液体部分とが、兎角分離し易く、繊維質部
分が偏在することがあるため、定量で送出された
場合において、その繊維質部分の含有量に差を生
ずることがあり、また、稼動前における装置の洗
浄及び稼動中における計量シリンダのピストン、
ピストンロツド側からの外気を巻込むという点に
ついての防止等の配慮に欠けていた。

本発明は、このような点に鑑みて創出されたも
のである。

すなわち、本発明にかかる固形物を含む飲料用
液体の定量送出装置は、ピストンの往復動によつ
て計量シリンダ側に対して、吸入弁が貯溜タンク
側と、吐出弁が吐出充填側と、弁本体の回動によ
り交互に連通する回転式弁装置を利用した固形物
を多く含む液体の定量送出装置と、ピストンの往
復動によつて計量する計量シリンダ側に対して、
貯溜タンク側の弁と、吐出充填側の弁とを、ピス
トンの往復動により交互に開閉する弁装置を利用
した固形物を含まない液体の定量送出装置とが、
両者の吐出充填側の流路で一体となつており、両
者の貯溜タンク内には、洗浄兼用のスプレーボー
ルが、また計量シリンダのピストン、ピストンロ
ツド側に無菌手段が施されているものである。

以下、本発明にかかる固形物を含む飲料用液体
の定量送出装置を、その実施例の図面について説
明する。

本発明装置は、固形物を多く含む液体の定量送
出装置Ａと固形物を含まない液体の定量送出装置
Ｂとからなるもので、両者は、吐出充填側の流路
で一体となつている。

固形物を多く含む液体の定量送出装置Ａについ
て、 この装置Ａは、回転式弁装置ａと貯溜タンクｂ
と計量ポンプｃとからなるものである。

回転式弁装置ａは、弁筒１と、これの内部に摺
接して回動する弁本体２とからなつており、弁筒
１には、その上部に、固形物を多く含む液体を貯
溜するタンクｂ側に連なる吸入口３が、また下部
の両側には、一方に、充填包装容器ｄ側に連なる
吐出口４が、他方に計量ポンプｃ側に連なる連結
口５が設けられている。

弁本体２は、中心部に流路６があり、これに対
し、上記の弁筒１の吸入口３に連なる吸入弁７、
吐出口４に連なる吐出弁８、連結口５に連なる開
口９がそれぞれ設けられている。そして、これら
の吸入弁７、吐出弁８、開口９と対向する吸入口
３、吐出口４、連結口５は、第２図、第３図、第
４図に示すような関係にあるものである。すなわ
ち、第４図における開口９は、弁本体２がイから
ロに示すように反時計方向に90度回動しても、常
に開口９が連結口５に連なるような大きさのもの
であり、また第３図イに示すように、吸入弁７が
吸入口３と連なつているときは、第２図イに示す
ように、吐出弁８は吐出口４に連通せず、弁本体
２が反時計方向に90度回動したときは、ロに示す
ように、吸入弁７は吸入口３と連通せず、吐出弁
８は吐出口４と連通するようになつている。吸入
弁７と吐出弁８とは流路６に対して90度異なつた
位置に設けられていることになる。

弁本体２は、開口９側の端部の突出軸１０にお
いて、カツプリング１１を介して、正逆回転のモ
ータｍに連結されており、また吐出弁８側端にお
いて、弁筒１の端部に螺着された封塞栓１２の突
出軸１２′が流路６に密嵌されている。

貯溜タンクｂは、タンク本体１３と、固形物を
多く含む液体の導入と洗浄液噴霧とを兼ねたスプ
レーボール１４とからなつている。

スプレーボール１４は、蓋体１５から垂設され
ていて、これは、中央部に球状の膨出部１６を有
する外筒１７と、その内側の内管１８と、下端に
皿状の閉鎖板１９を有する中心棒２０とからなつ
ていて、外筒１７の膨出部１６には、噴霧孔２１
が設けられており、閉鎖板１９は、内管１８の下
端には接しておらず、中心棒２０の下降（図示せ
ず）により、外筒１７の下端の閉鎖を解くように
なつている。また、蓋体１５上には、導入パイプ
１８′が設けられており、タンク本体１３には、
液面計２２が付設されている。

計量ポンプｃは、計量シリンダ２３とピストン
２４と無菌室２５とからなつている。

計量シリンダ２３には、中程に無菌エア、蒸気
等用のパイプ２６，２６′があり、無菌室２５は、
シリンダ２３の下端に設けられていて、この無菌
室２５にも無菌エア、蒸気等用のパイプ２７，２
７′が設けられている。

計量シリンダ２３内を摺動するピストン２４の
ピストンロツド２８は、無菌室２５を貫通して外
部のエアシリンダ等（図示せず）に連結されてい
る。また、ピストン２４には、上下端にピストン
リング２９，２９があり、ピストン２４の下死点
Ｙ−Ｙ線においても、なおパイプ２６，２６′の
線を越えないようになつている。

弁筒１と弁本体２との間、弁本体２と封塞栓１
２の突出軸１２′との間、弁本体２と計量シリン
ダ２３との間には、それぞれＯリング３０，３
１，３２が設けられている。

充填包装容器ｄ側の弁筒１の吐出口４は、下方
に開いた形状であつて、この吐出口４には、排出
パイプ３３が付設されており、このパイプ３３の
直下に、充填包装容器ｄが移動してくるようにな
つている。

また、この排出パイプ３３には、後に説明する
固形物を含まない液体の定量送出装置Ｂにて計量
して吐出される飲料用液体の排出パイプ３４が開
口している。

固形物を含まない液体の定量送出装置Ｂについ
て、 この装置Ｂは、キヤツキ弁装置ｅと貯溜タンク
ｆと計量ポンプｇとからなるものである。チヤツ
キ弁装置ｅは、弁筒３５と吸入側弁３６と排出側
弁３７とからなり、弁筒３５の吸入側弁３６の上
方は、貯溜タンクｆと、排出側弁３７の下方は、
さきの排出パイプ３４と、さらに吸入側弁３６と
排出側弁３７との間にあつては、計量ポンプｇと
それぞれ連なつているものである。

吸入側弁３６、排出側弁３７とも、その弁軸３
８，３８を案内する案内板３９，３９と弁軸３
８，３８との間に弾発ばね４０，４０を備え、常
に弁が閉鎖するようになつている。貯溜タンクｆ
及び計量ポンプｇは、共に固形物を多く含む液体
の定量送出装置Ａにおける貯溜タンクｂ及び計量
ポンプｃと同一構成のものであるから説明は省略
する。

なお、弁筒１，３５、弁本体２、吸入側弁３
６、排出側弁３７及び計量シリンダ２３等をセラ
ミツクで送れば、耐熱性が増し、定量洗浄時にお
いて高温蒸気等を通しながら洗浄することができ
る。

本発明にかかる装置は、以上のような構成のも
のであるが、固形物を含む飲料用液体を定量送出
して充填包装容器ｄ内に充填して包装する前に装
置内を定置洗浄する必要がある。

この定置洗浄について、固形物を多く含む液体
の定量送出装置Ａの場合から説明する。

貯溜タンクｂのスプレーボール１４には、上方
の導入パイプ１８′によつて洗浄液が導入され、
この液は、内管１８内を通つて下端より外筒１７
に至り、外筒１７の膨出部１６に穿設された噴霧
孔２１より噴霧して、タンク本体１３の内壁を洗
浄しつつタンク本体１３内に貯溜する。洗浄液が
タンク本体１３内に充満すると、計量シリンダ２
３内のピストン２４を往復動させながら、弁本体
２の流路６及び計量シリンダ２３の内面を洗浄す
る。この場合、弁筒１の吐出口４に付設した排出
パイプ３３には、ホース付バルブキヤツプを取付
けて洗浄液の回収を行う。

この回転式弁装置ａの作動については、固形物
を多く含む液体の定量送出の際に具体的に説明す
る。

また、弁筒１の封塞栓１２側に、弁本体２より
大きいケースを取付けて、この中に弁本体２を抜
き出して入れ、洗浄液を充満して洗浄してもよ
い。この場合は、弁本体２の延長線上から固形物
を含まない液体の定量送出装置Ｂが外れているこ
とは勿論である。

さらに、無菌室２５及びこれに続く計量シリン
ダ２３内の殺菌は、パイプ２７，２６より過酸化
水素を吹込んで殺菌後、無菌エア、あるいは蒸気
等を送込み、室２４及びこれに続いたシリンダ２
３内を陽圧に保ち、ピストン２４の往復動による
外気の巻込みを防止するようにする。

また、殺菌に蒸気を使用する場合は、パイプ２
７，２６より蒸気を送込み、殺菌と共に洗浄を行
う。殺菌液循環方式をとる場合は、アルコール、
過酸化水素等の殺菌液をパイプ２７，２６より送
込んで循環させる。

さらに、第５図のようにシリコンゴム製蛇復４
１を用いる場合は、パイプ４２，４３より過酸化
水素を吹込み、壁面等を殺菌するが、この場合
は、無菌エア、蒸気等を流して洗浄する必要はな
い。

以上は、固形物を多く含む液体の定量送出装置
Ａについての定置洗浄を説明したが、固形物を含
まない液体の定量送出装置Ｂの殺菌洗浄について
も、これと同様に行わわれることは勿論であり、
計量ポンプｇの作動によつて排出された洗浄液
は、排出パイプ３４にて排出パイプ３３に至り、
ホース付バルブキヤツプにより回収される。

稼働前の処理としての装置内の定置洗浄が終る
と、果粒入りジユースやコーンスープのような固
形物を含む飲料用液体を充填包装容器ｄ内に充填
するため、これの回転式弁装置ａ及びチヤツキ弁
装置ｅによる定量送出しが行われる。

先ず、弁本体１の吐出口８を閉じ、吸入弁７を
開き、ピストン２４を計量シリンダ２３内の上死
点Ｘ−Ｘ線まで上昇させた状態で、貯溜タンクｂ
内のスプレーボール１４の中心棒２０を下降させ
て閉鎖板１９を、外筒１７の下端から離して、固
形物を多く含む液体を導入パイプ１８′より内管
１８を通してタンク本体１３内に貯溜すると共
に、吸入口３、吸入弁７を通して流路６及び開口
９、連結口５に充満させる。

ここにおいて、ピストン２４を下死点Ｙ−Ｙ線
まで下降させると、固形物を多く含む液体は、吸
引されて計量シリンダ２３内の下死点Ｙ−Ｙ線ま
で充満される。このときＸ−Ｘ線からＹ−Ｙ線ま
での量が定量である。

次にモーターｍの作動により、カツプリング１
１を介して弁本体２を第２図、第３図、第４図に
おいて示すように反時計計方向に90度回動して、
吸入弁７を閉じ、吐出弁８を開くと共にピストン
２４を下死点Ｙ−Ｙ線から上死点Ｘ−Ｘ線まで上
昇させると、定量の固形物を多く含む液体が吐出
口４より排出パイプ３３を通つて直下の充填包装
容器ｄ内に充填される。

次いで、モーターｍの逆回転によつて弁本体２
が、第２図、第３図、第４図に示すように時計方
向に90度回動して、吐出弁８が閉じると同時に吸
入弁７が開き、ピストン２４が上死点Ｘ―Ｘ線よ
り下死点Ｙ−Ｙ線に下降する。

以上の動作を繰返して固形物を含む液体の定量
を充填包装容器ｄ内に送出する。

次に、固形物のないジユース、スープ等の液体
のの定量送出しについて説明すると、液体がタン
ク本体１３′に貯溜されることは、固形物を多く
含む液体の場合と同様であり、ピストン２４′の
準備の往復動で、ピストン２４′が計量シリンダ
２３′内の上死点X′−X′線にあるとき、吸入側弁
３６と排出弁３７との間の弁筒３５及びこれから
計量シリンダ２３′への連結管内に液体は充満状
態になる。

ここにおいて、ピストン２４′が上死点X′−
X′線よりY′―Y′線まで下降すると、排出側弁３
７は閉じ、吸入側弁３６は弾発ばね４０に抗して
開き、液体は、計量シリンダ２３′内に吸入され
て充満する。このときの計量シリンダ２３′の
X′−X′線からY′−Y′線までの量が定量となる。

次に、ピストン２４′が上昇すると、吸入側弁
３６は閉じ、排出側弁３７は開いて、液体は、排
出パイプ３４を通つて排出パイプ３３に至り、充
填包装容器ｄ内に充填される。この場合の液体の
充填は、固形物を多く含む液体の充填後に行なわ
れるようになつており、この液体によつて排出パ
イプ３３に付着した固形物を多く含む液体は洗い
流されるようになつている。ピストン２４′が下
降すると、再び液体は、計量シリンダ２３′内に
充満する。以上の動作を繰返す。

１つの充填包装容器ｄ内には、固形物を多く含
む液体の充填と、これに続く固形物を含まない液
体の充填の各１回で終るのを通常とする。

以上の回転式弁装置ａの弁本体２の回動、ピス
トン２４の往復動、ピストン２４′の往復動等は、
その作動に支障をきたさないように電気的に調整
されていることは勿論である。

本発明は、以上説明したように固形物を多く含
む液体の定量送出しを回転式弁装置によつて行な
い、また固形物を含まない液体の定量送出しをチ
ヤツキ弁装置によつて行い、これらの両者の定量
の送出しを充填包装容器への充填直前の流路にて
一体化するようにしたから、両装置より送出され
る固形物を多く含む液体、固形物を含まない液体
は、常に同じ状態にして定量であり、これがた
め、充填包装容器内の固形物の混在状態は常に一
定であつて、充填包装製品としては、均質にして
価値の高いものが得られる。また貯溜タンク内に
は、洗浄兼用のスプレーボールを設けると共に計
量ポンプのピストン、ピストンロツド側には無菌
手段を施したものであるから、稼働前の定置洗浄
が容易であり、しかも稼働中においては、ピスト
ン、ピストンロツド側よりの外気の巻込みを完全
防止することができ、飲料用液体の充填包装の安
全を期することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
装置全体の断面図、第２図、第３図、第４図は、
第１図―線、―線、―線の断面図
で、イ，ロは弁本体の作動時の異なるところを示
し、第５図は計量シリンダの別形態の断面図であ
る。 Ａ……固形物を多く含む液体の定量送出装置、
Ｂ……固形物を含まない液体の定量送出装置、ａ
……回転式弁装置、ｂ……貯溜タンク、ｃ……計
量ポンプ、ｄ……充填包装容器、ｅ……チヤツキ
弁装置、ｆ……貯溜タンク、ｇ……計量ポンプ、
ｍ……モーター、１……弁筒、２……弁本体、３
……吸入口、４……吐出口、５……連結口、６…
…流路、７……吸入弁、８……吐出弁、９……開
口、１３……タンク本体、１４……スプレーボー
ル、２３……計量シリンダ、２４……ピストン、
２５……無菌室、３５……弁筒、３６……吸入側
弁、３７……排出側弁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ピストンの往復動によつて計量する計量シリ
   ンダ側に対して、吸入弁が貯溜タンク側と、吐出
   弁が吐出充填側と、弁本体の回動によつて交互に
   連通する回転式弁装置を利用した固形物を多く含
   む液体の定量送出装置と、ピストンの往復動によ
   つて計量する計量シリンダ側に対して貯溜タンク
   側の弁と、吐出充填側の弁とを、ピストンの往復
   運動によつて交互に開閉する弁装置を利用した固
   形物を含まない液体の定量送出装置とが、両者の
   吐出充填側の流路で一体となつている固形物を含
   む飲料用液体の定量送出装置。 ２ ピストンの往復動によつて計量する計量シリ
   ンダに対して、吸入弁が貯溜タンク側と、吐出弁
   が吐出充填側と、弁本体の回動によつて交互に連
   通する回転式弁装置を利用した固形物を多く含む
   液体の定量送出装置と、ピストン往復動によつて
   計量する計量シリンダ側に対して、貯溜タンク側
   の弁と、吐出充填側の弁とを、ピストンの往復動
   によつて交互に開閉する弁装置を利用した固形物
   を含まない液体の定量送出装置とが、両者の吐出
   充填側の流路で一体となつており、両者の貯溜タ
   ンク内には、洗浄兼用のスプレーボールが設けら
   れ、また計量シリンダのピストン、ピストンロツ
   ド側には無菌の手段が施されている固形物を含む
   飲料用液体の定量送出装置。