JPH0244380B2 - Waiyaroopunochoryokukanchisochi - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、クレーンやエレベータ等の吊索に取
付けて使用されるワイヤロープの張力感知装置に
関する。

従来、ワイヤロープ等の張力を検知するには、
ストレインゲージ等の歪計が使用されているが、
温度や湿度の影響を受け易く、また装置も複雑で
コスト高となり、経年劣化を生じ誤差は常に不安
全側に生ずる難点がある。

本発明は、ワイヤロープの長手方向に沿つて設
けた弾性板の撓み量によつて、ワイヤロープの張
力を検知するという機械的手段を用いることによ
り、上述の欠点を解消したワイヤロープの張力感
知装置を提供するものである。

また本発明は、クレーン等の安全装置としても
使用しうるワイヤロープの張力感知装置を提供し
ようとするものである。

以下、本発明を、図示の一実施例に基づいて詳
細に説明する。

１は本体で、矩形状の基板１ａの両側縁に立上
り壁１ｂ，１ｃを連設した、断面上向きコ字形状
をなしている。

各立上り壁１ｂ，１ｃの長手方向の両端部は、
切り欠かれて斜面２，２が形成されるとともに、
基板１ａの前端には、台形状の突片１ｄが連設さ
れている。

本体１の後端寄りには固定台３が、同じく前端
寄りには保持台４が、それぞれ枢着されている。
すなわち、第３図に示すように、固定台３は、左
右の立上り壁１ｂ，１ｃを貫通する水平軸５をも
つて回動自在に枢着され、かつその上面には、間
隔をへだてた１対のねじ孔６，６が穿設されてい
る。この固定台３に取付けられる固定金具７は、
上向き円弧板８ａを有し、かつ左右に取付孔９，
９を穿設した取付板８と、この取付孔９に挿通さ
れ、先端部が上記ねじ孔６に螺合された、１対の
締付ねじ１０，１０とから形成されている。

保持台４は、立上り壁１ｂ，１ｃを左右に貫通
する水平軸１１をもつて枢着され、その上面に
は、１対のねじ孔１２，１２が穿設されている。

さらに、第２図に示すように、水平軸１１の左
右の端部は、立上り壁１ｂ，１ｃに穿設された前
後方向の長孔１３に挿通されている。そのため、
保持台４は、若干の距離だけ前方へ移動しうるよ
うに支承されている。

この保持台４に取付けられる締付金具１４は、
中央部に円弧部１５ａを有し、取付孔１６が穿設
された取付板１５と、２本の締付けねじ１７，１
７と、この締付けねじ１７に遊挿され、所要の長
さを有する管状の間隔材８とから形成されてい
る。

１９は、弾性力を有するばね材からなり、矩形
板を、側方から見て上向き円弧状をなすように形
成された弾性板で、長手方向の両端部に穿設され
た取付孔１９ａに前記締付けねじ１０，１７を挿
通することにより、固定台３と保持台４間におい
て、長手方向と交差する方向に撓み自在に架設さ
れている。

弾性板９の中央下面には、絶縁材からなる作動
板２１が、止めねじ２０をもつて止着されてい
る。

２２，２３，２４は、前後を向く矩形箱状をな
し、前方に２個、後方に１個計３個並置されたス
イツチホルダーで、立上り壁１ｂ，１ｃを貫通す
るボルト２５，２５をもつて、それぞれ回動自在
に枢着されている。

これら各スイツチホルダー２２，２３，２４の
開口部には、前記弾性板１８の撓み量を感知する
感知手段、すなわちマイクロスイツチ２６が挿入
され、それぞれの揺動片２６ａは、前記作動板２
１と対向している。

２７は、基板１ａを下方より貫通して取付けら
れた３本の調節ねじで、その先端は、それぞれ前
記ホルダー２２，２３，２４の遊端部下面に当接
され、作動板２１に対する各マイクロスイツチ２
６の揺動片２６ａの高さを調節し、撓み量の変化
に対応しうるようになつている。

２８は、各マイクロスイツチ２６に接続された
各リード線２６を案内するコードで、前記保持台
４の中央部下面に刻設された溝４ａから前方へ延
出され、コードホルダー３０をもつて突片１ｄに
取付けられている。

次に、本発明によるワイヤロープの張力感知装
置を、クレーンの吊上索の安全器として適用した
場合の作動について説明する。

第２図に示すように、クレーンの吊上用ワイヤ
ロープ３１の中位部の後端部を弾性板１９の後端
面上に載置し、固定金具７をもつて固定台３に移
動不能に固定する。

ワイヤロープ３１の先端部は、弾性板１９の円
弧面に添装させた後、締付金具１４をもつて保持
台４に締付けるが、所要の高さを有する間隔材１
８を介在させてあるため、弾性板１９に対し、ワ
イヤロープ３１は摺動自在に締付けられる。

１個のマイクロスイツチ２６の揺動片２６ａの
作動位置を、調節ねじ２７をもつて後述する所定
の位置に調節し、コード２８は、クレーン操作盤
（図示略）に接続されており、クレーンの駆動源
の電気回路を開閉しうるようになつている。

しかして、通常のクレーンの使用状態におい
て、ワイヤロープ３１に負荷が掛かつた場合、固
定台３を支点とする梁状態となるため、ワイヤロ
ープが直線状に長手方向に伸びるとともに、弾性
板１９には、反りに対して圧力が加えられ、その
中央部は、長手方向と直角方向に押圧され、作動
板２１は、マイクロスイツチ２６に近接するよう
張力に比例した撓み量をもつて動き、保持台４
は、支持する水平軸１１を長孔１３内において、
前方へ若干移動する。

無負荷になつた場合は、弾性板１９の復帰力に
より、再び元の位置に復帰する。

ワイヤロープ３１に規定値以上の負荷、すなわ
ち張力が掛かつた場合には、作動板２１がマイク
ロスイツチ２６の作動片２６ａに当接して、回路
を閉じるように予め設定してあるため、クレーン
操作盤における駆動源の回路が開かれ、ワイヤロ
ープ３１の吊上げが停止される。

すなわち、安全な吊上げ作業を行うための安全
器としての役目を果すことができる。

なお、上記実施例では、マイクロスイツチ２６
を１個のみ使用したが、吊上索の張力の変化を、
段階的に感知するために、あるいは吊上索のたる
みや、滑車からの脱落等を感知するために、本体
１に設けた複数のマイクロスイツチ２６を使用で
きることは勿論である。

さらに、本発明によるワイヤロープの張力感知
装置は、クレーンの他、エレベータの吊索、索道
の主索、船舶の繋留索等における張力の感知に適
用できる。

以上、詳細に説明したように、本発明によるワ
イヤロープの張力感知装置によれば、ワイヤロー
プの張力変化を、ワイヤロープの添装した弾性板
の撓みの変化に転換し、この撓み量を、感知手段
をもつて感知するようにしたため、温度や湿度の
影響を受けることなく、常に正確な張力を感知す
ることができる利点がある。

また本発明によるワイヤロープの張力感知装置
は、構造が簡単であり、鋼索を使用する機械等の
安全装置として、幅広く使用できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例を示す平面図、第
２図は、同じく一部切欠正面図、第３図は、第１
図のＡ−Ａ線における縦断側面図、第４図は、第
１図におけるワイヤロープの張力感知装置の本体
のみを示す平面図である。 １……本体、１ｂ，１ｃ……立上り壁、３……
固定台、４……保持台、５，１１……水平軸、７
……固定金具、８，１５……取付板、１０，１７
……締付ねじ、１３……長孔、１４……締付金
具、１８……間隔材、１９……弾性板、２２，２
３，２４……スイツチホルダー、２６……マイク
ロスイツチ、２７……調節ねじ、２９……リード
線、３１……ワイヤロープ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 長手方向の一端部に固定台を、同じく他端部
   に保持台を長手方向に移動自在に支承した本体
   と、該固定台及び保持台間に、円弧状をなして架
   設された弾性板と、該弾性板上に添装されたワイ
   ヤロープの中位部の一端を前記固定台に添付固定
   する固定金具と、上記ワイヤロープの中位部の他
   端を弾性板に摺動自在に締付ける締付金具と、前
   記ワイヤロープの張力変化に伴う弾性板の撓み量
   を感知する感知手段とを具備してなり、ワイヤロ
   ープの負荷を、前記弾性板の撓み量に変換して感
   知するようにしたことを特徴とするワイヤロープ
   の張力感知装置。 ２ 本体に対して、固定台及び支持台の少なくと
   も一方を回動自在に枢着したことを特徴とする特
   許請求の範囲第１項に記載のワイヤロープの張力
   感知装置。 ３ 感知手段が、弾性板の撓みによつて作動され
   るスイツチであることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項に記載のワイヤロープの張力感知装置。