JPH0244352B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はコークス乾式消火設備の頂部防塵装置
に関するものである。

コークス炉から払出された赤熱コークスをコー
クバケツトに移し、さらにクレーンにより消火炉
の頂部へ搬送し、該コークバケツト下部の投入口
を開いて炉内へ装入する消火設備では、炉内・外
の気密保持のために、炉頂部にシール用開閉蓋が
設けられ赤熱コークス投入時にはこのシール用開
閉蓋を開き、赤熱コークスをコークバケツトから
装入用シユート（中間シユート）を介して炉内へ
装入するのが通例であるが、赤熱コークス投入時
に、多量に発生する黒噴煙の発生防止対策とし
て、従来例えば、特公昭55−8035公報及び実開昭
55−180744号公報に記載のものがすでに提案され
ている。第１図に特公昭55−8035公報に記載のも
のを示した。この防塵装置は、コークバケツト２
の上面及び側周面を覆う集じんフード４を移送ク
レーン３に設け、該バケツト２を消火炉１の炉頂
の載置台１０上に載置したときに、固定フード９
の上縁が上記集じんフード４の下縁に接しまた固
定フード９の下縁が炉頂投入口８位置にある移動
シユート７（なおこの移動シユート７は炉蓋５と
共に台車６に装備されている）の上縁に接するよ
うに同固定フード９を炉頂上部に固設し、該固定
フード９を貫通して吸引ダクト１１を設け、上記
バケツト２を上記のように載置したときに、移動
シユート７の下端に設けたフランジ１３の周壁部
１２が炉頂投入口８のの周囲に設けた溝環１６内
の貯水に水没するように上記移動シユート７の下
端にフランジ部１３を設けて、互いの間をシール
するようにしている。また第２乃至第５図に実開
昭55−180744公報に記載のものを示した。この防
塵装置は、集じんダクト２０と移動式装入ホツパ
２４とを備え、同移動式装入ホツパ２４は、炉口
２９に設けた貯水溝環２６に水没してシールする
スカート部２５を下端に有し、また同移動式装入
ホツパ２４は炉蓋２８と共に台車２７に装備さ
れ、同移動式装入ホツパ２４の上方にはコークバ
ケツト２２が設けられ、それを取り囲む集じんフ
ード２１と上記移動式装入ホツパ２４との間に
は、該ホツパ２４に嵌合し得るシールデツキ２３
を配設し、かつ、上記移動式装入ホツパ２４に集
じんダクト３０を設け、コークス装入時に生ずる
黒噴煙を両集じんダクト２０，３０を介して吸
引、捕集するようにしている。なお２３′は、シ
ールデツキ２３の下縁を示している。

前記第１図の防塵装置では、固定フード９の上
縁とコークバケツト２のフード４の下縁との接合
面ａ、及び該固定フード９の下縁と移動シユート
７との接合部ｂ及びｃ、また前記第２図乃至第５
図の防塵装置では、第３図に示すようにコークバ
ケツト２２の集じんフード２１の下縁とシールデ
ツキ２３の上縁との接合面α、及び移動式装入ホ
ツパ２４の上部とシールデツキ２３の下縁２３′
との接合面βの、隙間を零にすることが困難で、
その結果、集じん機の吸引能力を十分大きくし
て、吸引、捕集を行なう必要がある。また前記第
１図の防塵装置では移動式シユート７が、前記第
２図乃至第５図の防塵装置では移動式装入ホツパ
２４が、中間シユートと介してコークスを炉内へ
投入するため、コークスの落下距離が中間シユー
トの高さだけ長くなり、投入コークスの粉化が増
加し、炉内での消火、冷却効率を低下させると共
に冷却製品コークスの歩留りを低下させる等の欠
点があつた。また移動式中間ホツパを設けること
により、設備がそれだけ増大するのみならず、該
中間ホツパの内面は、高温の雰囲気下にあり、し
かもコークスの流動により摩耗が激しく、早期に
損耗して、保守費を増大させるという欠点があつ
た。

本発明は前記の問題点に対処するもので、基台
に支持した上部炉体と、同上部炉体に上下方向へ
の熱膨脹を吸収しうるシール部を介して連結した
下部炉体と、上部に可動ダクトと蓋とを設けると
ともに下部にシールド壁を設けた赤熱コークス搬
送用バケツトと、シール蓋と、同シール蓋の下端
部及び前記シールド壁の下端部のいずれか一方を
水没させる貯水可能な環状トラフとを有し、同環
状トラフを前記上部炉体の上部外周に設けたこと
を特徴とするコークス乾式消火設備の頂部防塵装
置に係り、その目的とする処は、集じん機の吸引
能力を小さくすることができる。消火、冷却効率
及び冷却製品コークスの歩留りを向上できる。さ
らに保守費を低減できる改良されたコークス乾式
消火設備の頂部防塵装置を供する点にある。

次に本発明のコークス乾式消火設備の頂部防塵
装置を第６図に示す一実施例により説明すると、
３１は乾式消火装置の炉体で、コークス炉（図示
せず）からクレーン３２により移送されてきた赤
熱コークスがコークバケツト３３を介して炉内へ
投下される。炉体３１は上部炉体３１ａと下部炉
体３１ｂとよりなり、上部炉体３１ａの頂部は炉
口部３４を形成し、その外周に適宜の水位まで貯
水できる環状トラフ３５を設け、同環状トラフ３
５内には、移動台車３６付き開閉用炉口シール蓋
３７のシールド壁３８、若しくはコークバケツト
３３の下縁が水面下まで没入して、炉体３１と開
閉用炉口シール蓋３７との間、若しくは炉体１と
コークバケツト３３との間をシールするようにな
つている。また上部炉体３１ａの上縁は赤熱コー
クスを炉内へ投入するときにコークバケツト３３
を支承する支持部３１ａ−１をもつている。また
上部炉体３１ａの下端と下部炉体３１ｂの上縁と
の間には、下部炉体３１ｂが熱膨脹により上下方
向に伸縮できるように耐熱材製弾性体のパツキン
３９が介装され、上部炉体３１ａは突設したビー
ム４０を介して下部炉体３１ｂとは分離された基
台４１に支承されている。また下部炉体３１ｂの
上縁外周には適宜の水位まで貯水できる環状トラ
フ４２を設け、同環状トラフ４２には、上部炉体
３１ａの下縁外周に固設したフランジ部４３から
下方へ延びたシールド壁４４の下縁が水面まで没
入して、前記パツキン３９とともに上部炉体３１
ａと下部炉体３１ｂとの間をシールしている。な
お上記耐熱材製弾性体のパツキング３９には例え
ばセラミツクフアイバ等の材料を使用し、下部炉
体３１ｂの熱膨脹による上下方向への伸縮を拘束
することなく、炉内粉塵が環状トラフ４２内へ飛
散することを防止する。

また可動ダクト４５付きの蓋４６をもつた上記
コークバケツト３３の下部外周面には、下方へ延
びたシールド壁４７があり、また該シールド壁４
７の側面にはビーム４８を突設している。なお上
記のように上部炉体上縁の支持部３１ａ−１上に
コークバケツト３３が載置されるのは、このビー
ム４８を介してで、このとき、シールド壁４７下
縁が上部炉体３１ａの頂部のトラフ３５の水面下
に没入してコークバケツト３３と炉体３１との間
をシールすることになる。なお上記可動ダクト４
５は固定ダクト４９を介して図示されていない集
塵機に接続されている。なお例示のものは可動ダ
クト４５をコークバケツト蓋４６に設けている
が、コークバケツト３３の上部外周壁に設置して
もよい。

次に前記コークス乾式消火設備の頂部防塵装置
の作用を説明する。

クレーン３２により消火炉の炉頂部へ搬送され
てきたコークバケツト３３は、炉口部３４の支持
台３１ａ−１に載置されるが、その前に（コーク
バケツト３３の下部の投下口（ゲート）３３ａを
開く前に）、炉口シール蓋３７を図示されていな
いシリンダ等により持ち上げて、台車３６と移動
装置５０とにより横移動させておく。次いで集じ
ん機を始動させた後、コークバケツト３３をクレ
ーン２により降下させ、コークバケツト３３のゲ
ート３３ａを開いて、コークスを投下するが、こ
の際の粉じんは、ダクト４５，４９から吸引され
るため、黒噴煙の外部への飛散を防止することが
できる。

以上の説明から明らかなように、本発明のコー
クス乾式消火設備の頂部防塵装置は、消火装置の
炉体を２分割し、互いの接合部を上下方向に伸縮
可能なガス気密構造にし、上部炉体を下部炉体と
は別の基台に支持し、コークバケツトと上部炉体
との間をガス気密状態に保持する一方、コークバ
ケツトを上部炉体に支承した状態でコークスを炉
内へ直接投入するので、従来の中間シユートが不
要になり、設備費が低減されると共に、コークス
の炉内への落下高さが従来のものより少なくとも
中間シユート高さ分だけ低くなり（従来の落下高
さのほぼ1/2にすることができることになり）、コ
ークスの落下による粉化が大巾に減少し、冷却製
品コークスの歩留りが向上して、生産性を高める
ことができる。またコークス投入時における炉内
ガスの大気に通じる箇所が、従来の中間シユート
方式の場合に比べコークバケツト蓋とバケツトと
の当接面のみで、少なくなり、防塵効果を高める
ことができると共に、集じん機の吸引能力を従来
のものよりも小さくすることが可能で、経済的で
ある。また中間シユートが不要になるため、それ
の熱及び摩耗等に伴つて生じていた設備の保守の
手間を省くことができて、保守費を低減できる等
の利点がある。

なお上、下炉体３１ａ，３１ｂの接合部のガス
シール及熱膨脹吸収手段に本実施例では、水封構
造のものを使用しているが、例えばベローズ方式
のものを使用することもできる。

以上本発明を実施例について説明したが、勿論
本発明はこのような実施例にだけ局限されるもの
ではなく、本発明の精神を逸脱しない範囲内で種
種の設計の改変を施しうるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のコークス乾式消火設備の頂部防
塵装置の一例を示す縦断側面図、第２，３図は同
頂部防塵装置の他の例を示す縦断側面図、第４図
は第２図矢視部分の平面図、第５図はその斜視
図、第６図は本発明に係るコークス乾式消火設備
の頂部防塵装置の一実施例を示す縦断側面図であ
る。 ３１……炉体、３１ａ……上部炉体、３１ｂ…
…下部炉体、３３……赤熱コークス搬送用バケツ
ト、３５……環状トラフ、３７……シール蓋、３
８……その下端部、４５……可動ダクト、４６…
…蓋。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 基台に支持した上部炉体と、同上部炉体に上
   下方向への熱膨脹を吸収しうるシール部を介して
   連結した下部炉体と、上部に可動ダクトと蓋とを
   設けるとともに下部にシールド壁を設けた赤熱コ
   ークス搬送用バケツトと、シール蓋と、同シール
   蓋の下端部及び前記シールド壁の下端部のいづれ
   か一方を水没させる貯水可能な環状トラフとを有
   し、同環状トラフを前記上部炉体の上部外周に設
   けたことを特徴とするコークス乾式消火設備の頂
   部防塵装置。