JPH0244335Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は光学式情報読取装置に関する。

背景技術 光学式情報読取装置において、情報記録媒体で
ある例えばビデオデイスクあるいはデイジタルオ
ーデイオデイスクなどのデイスクは、その表面に
情報信号に応じた微細なビツト（へこみ）を渦巻
状のトラツクとして形成することによつて当該情
報信号を収録するものである。かかるデイスクを
再生する場合、このデイスクを所定回転数で回転
させつつそのトラツク上にスポツト光を照射せし
めてその反射光若しくは透過光の強さの変化を電
気信号に変換し、元の情報信号として再生するも
のである。

このデイスクの再生においては、デイスクの記
録面上に照射光を正確に収束しなければならずそ
のために光学系の記録面に垂直な方向すなわちフ
オーカス方向における位置の制御（フオーカスサ
ーボ）が必要であり、また記録トラツクを照射光
が常に正確にトラツキングしなければならないた
めにデイスクの半径方向すなわちトラツキング方
向への照射光の制御（トラツキングサーボ）が必
要である。

そのために情報読取装置においては、情報読取
用のスポツト光をデイスクの記録面に照射せしめ
る光学系をフオーカス方向及びトラツキング方向
に移動自在に支持する支持機構と、フオーカスエ
ラー信号及びトラツキングエラー信号に応じて該
フオーカス方向及びトラツキング方向に光学系を
駆動する駆動装置とが設けられている。

従来使用されている通常の光学式情報読取装置
においては上記トラツキングサーボを行う為の装
置と、上記トラツクに追随せしめるために光学系
をデイスク半径方向に駆動する、いわゆるトラツ
キングをなす機構とが夫々個別に設けられてお
り、部品点数が多く且つ組立作業が複雑なものと
なり、コストが高いという問題を抱えていた。

上記した問題を解決するものとして第１図に示
される光学式情報読取装置が既に開発されてい
る。

第１図において、ベース１上にはターンテーブ
ル２を回転駆動するスピンドルモータ３が固設さ
れている。スピンドルモータ３の左右両側方には
一対のガイドシヤフト４ａ及び４ｂが配置されて
おり、且つ各々両端部においてベース１に固定さ
れている。ガイドシヤフト４ａ及び４ｂには、情
報記録媒体としての例えばデイジタルオーデイオ
デイスク（図示せず）の記録面にスポツト光を照
射する光学系（図示せず）を担持したキヤリツジ
５が摺動自在に取り付けられている。また、キヤ
リツジ５内には、デイスク記録面に垂直な方向に
おける上記光学系の位置制御をなす、いわゆるフ
オーカスサーボ機構が設けられている。キヤリツ
ジ５をスピンドルモータ３と挾む位置に、キヤリ
ツジ移動方向に伸長する略円筒状の磁気回路部６
が配置されており、且つベース１に固定されてい
る。この磁気回路部６内には、該磁気回路部の内
壁面に対向し得る部分にコイル（図示せず）が巻
装された円筒状ボビン７が嵌挿されている。ボビ
ン７の先端はキヤリツジ５に連結されている。

ボビン７に巻装されたコイルにトラツキングサ
ーボ及びキヤリツジ移動信号を入力することによ
つて、トラツキングサーボ動作とキヤリツジ５の
デイスク半径方向への送り動作が行われるのであ
る。

上記した構成の光学式情報読取装置においては
キヤリツジのデイスク半径方向への送りとトラツ
キングサーボが、磁気回路部６とボビン７等から
成る共通の駆動機構によつてなされるので、該駆
動機構に関わる部品点数が少なくなり、コストは
安くなつている。しかしながら、トラツキングサ
ーボの為にキヤリツジを高速で駆動する場合、キ
ヤリツジ質量による慣性抵抗やキヤリツジとガイ
ドシヤフトとの間に生ずる摩擦抵抗が大きく、良
好な応答特性を得ることができなかつた。これら
慣性抵抗及び摩擦抵抗の問題のみの解決を考える
ならばキヤリツジを極力軽量にすればよいのであ
るが、キヤリツジには該キヤリツジに内装された
光学系等への信号の入出をなすフレキシブル配線
基板が接続されているのである。すなわち、キヤ
リツジ重量をあまり小さくすると、このフレキシ
ブル配線基板がキヤリツジにとつて大きな抵抗力
を及ぼす存在となり、かえつてトラツキングサー
ボ時の応答特性が悪化するという欠点がある。

考案の概要 本考案は上記した点に鑑みてなされたものであ
つて、その目的とするところはコストが安く、し
かもトラツキングサーボにおける応答特性が良好
な光学式情報読取装置を提供することである。

本考案による光学式情報読取装置は、記録媒体
の記録面にスポツト光を照射する光学系を含むピ
ツクアツプ手段を担持したキヤリツジが、該ピツ
クアツプ手段を担持し且つ駆動手段によつて駆動
される担持部と、該担持部に弾性部材を介して取
り付けられたウエイトとから成ることを特徴とし
ている。

実施例 以下、本考案の実施例たる光学式情報読取装置
を第２図ないし第４図を参照しつつ説明する。

図示される如く、支持機構の一部としてのベー
ス１１は全体として矩形板状に形成されており、
大小２つの開口部１１ａ及び１１ｂが設けられて
いる。大きな開口部１１ａ内にはターンテーブル
１２を回転駆動せしめるスピンドルモータ１３が
配置されており、且つ該開口部の後縁に固定され
ている（矢印Ｙ方向を前方とする）。開口部１１
ａ内であつてスピンドルモータ１３の前方には、
ピツクアツプ部１４を担持し且つ後述する駆動手
段によつて前後方向に駆動される担持部１５が配
置されている。

ピツクアツプ部１４は大小２つの円筒を合わせ
た形状のケース１４ａを有し、ターンテーブル１
２上に載置された例えばデイジタルオーデイオデ
イスク（図示せず）の記録面にスポツト光を照射
せしめる為の光学系と、デイスク記録面に垂直な
方向における該光学系の位置制御をなすいわゆる
フオーカスサーボ機構とから成るピツクアツプ手
段を該ケース１４ａ内に組み込んだものである。

第３図において明らかなように、上記フオーカ
スサーボ機構は上記光学系の構成部材である対物
レンズ１７が軸中心に嵌着されたボビン１８と、
該ボビンの外周に巻装されたコイル１９と、ボビ
ン１８を一対の板状バネ部材２０を介して支持す
る円筒状支持部材２１と、支持部材２１の下端部
に固着されて磁気回路部を形成するマグネツト２
２の、ヨーク２３及びヨークプレート２４と、支
持部材２１の上端開口部を覆うカバー部材２５と
から構成されている。なお、上記光学系の構成に
ついてはよく知られている故、ここでは詳述しな
い。

話は前後するが、担持部１５の前端部にはバネ
鋼板などから成る弾性部材２８を介してウエイト
２９が取り付けられている。これら担持部１５、
弾性部材２８及びウエイト２９によつてキヤリツ
ジが構成されている。

ベース１１には、該ベースに形成された開口部
１１ｂとスピンドルモータ１３を挾む位置に２つ
の凹部１１ｃが形成されており、該凹部内に、キ
ヤリツジ移動方向、すなわち前後方向に互いに平
行に伸長する一対の磁気回路部３０が固定されて
いる。第４図に示されるように、磁気回路部３０
は一端が閉塞した円筒状のトラツキングヨーク３
０ａと、該トラツキングヨークの底面に固設され
たマグネツト３０ｂと、トラツキングヨーク３０
ａ内に嵌挿されてマグネツト３０ｂに一端部にお
いて固着されたポールヨーク３０ｃとから成る。
トラツキングヨーク３０ａとポールヨーク３０ｃ
とにより形成された間隙、すなわち磁気ギヤツプ
３０ｄ内には可動部としての円筒状ボビン３２が
嵌挿されている。担持部１５はこのボビン３２の
前端部に結合されている。また、ボビン３２のト
ラツキングヨーク３０ａ内周面との対向面にはコ
イル３３が巻装されている。

上述した磁気回路部３０と、ボビン３２と、コ
イル３３とによつて、担持部１５及びウエイト２
９等から成るキヤリツジを駆動する駆動手段が構
成されている。このように、駆動手段がスピンド
ルモータ１３の側方に配置されているので、第１
図に示した従来の光学式情報読取装置の如くスピ
ンドルモータ、キヤリツジ及びキヤリツジ駆動機
構が一直線上に配置されたものに比して小型化が
図り易くなつているのである。

ベース１１上にはまた左右一対のガイドシヤフ
ト３５が配置されており且つ前端部をベース１１
に固着されている。第４図において特に明らかな
如く、両ガイドシヤフト３５はベアリング部材３
６を介して担持部１５及びボビン３２に摺動自在
に嵌合され、且つその後端部がＯリング３８及び
押え板３９を介してポールヨーク３０ｃの前端部
に嵌着されている。また、ウエイト２９には前端
部に２つ、後端部に１つの上方に伸長する突部２
９ａ及び２９ｂが形成されており、前側２つの突
部２９ａは該突部に嵌着されたベアリング部材２
９ｃを介してガイドシヤフト３５に担持部１５の
前方において摺動自在に嵌合している。一方、ウ
エイト２９の後端部に設けられた突部２９ｂは、
開口部１１ｂ上に前後方向において架設された短
いガイドシヤフト４１に、該突部に嵌着されたベ
アリング部材２９ｄを介して摺動自在に嵌合して
いる。すなわち、ガイドシヤフト３５及び４１は
上記キヤリツジを光学系の光軸方向に垂直な方向
において案内する案内手段として作用しているの
である。

なお、ガイドシヤフト３５及び４１にしつかり
と３点支持されたウエイト２９と担持部１５の前
端部とを弾性部材２８によつて連結することによ
つて、ガイドシヤフト３５にその両端部を２点支
持された担持部も３点支持される形となつてい
る。従つて、担持部１５はガイドシヤフト３５上
を安定して摺動するのである。

上述した構成の光学式情報読取装置において
は、ボビン３２に巻回されたコイル３３にトラツ
キングサーボ及びキヤリツジ移動信号を入力する
ことによつて、トラツキングサーボ動作とキヤリ
ツジのデイスク半径方向への送り動作が行われる
のである。

効 果 以上記詳述した如く、本考案による光学式情報
読取装置においてはキヤリツジのデイスク半径方
向への送り動作とトラツキングサーボ動作がこれ
ら各動作に共通の駆動機構によつて行われるので
該駆動機構に関わる部品点数が少なく、コストが
安いのである。

また、本考案による光学式情報読取装置におい
てはキヤリツジが、ピツクアツプ手段を担持し且
つ駆動手段によつて駆動される担持部と、該担持
部に弾性部材を介して取り付けられたウエイトと
から構成されている。すなわち、キヤリツジを軽
い担持部と、該担持部に比して重いウエイトとの
２つの部分に分離せしめ、且つこれらを弾性部材
を介して結合することによつてトラツキングサー
ボに対してはウエイトは静止するようにしている
のである。従つて、トラツキングサーボにおいて
は軽い担持部のみが駆動されるので応答特性が向
上しているのである。また、担持部に内装された
光学系あるいはフオーカスサーボ機構への信号の
入出をなす配線を、重いウエイトに一亘中継して
から接続しているので、配線がトラツキングサー
ボ機構に抵抗力を及ぼして応答特性が悪くなると
いうことが全くないのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の光学式情報読取装置の斜視図、
第２図は本考案に係る光学式情報読取装置の分解
斜視図、第３図及び第４図は該光学式情報読取装
置の一部詳細図である。 主要部分の符号の説明、１３……スピンドルモ
ータ、１４……ピツクアツプ部、１５……担持
部、２８……弾性部材、２９……ウエイト、３０
……磁気回路部、３２……ボビン、３３……コイ
ル、３５，４１……ガイドシヤフト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 記録媒体の記録面にスポツト光を照射せしめ
   る為の光学系を含むピツクアツプ手段を担持し
   たキヤリツジと、前記光学系の光軸方向に垂直
   な方向において前記キヤリツジを案内する案内
   手段と、前記キヤリツジを駆動する駆動手段
   と、前記案内手段及び駆動手段を支持する支持
   機構とを含み、前記キヤリツジは前記ピツクア
   ツプ手段を担持し且つ前記駆動手段によつて駆
   動される担持部と、前記担持部に弾性部材を介
   して取り付けられたウエイトとから成ることを
   特徴とする光学式情報読取装置。 (2) 前記駆動手段は前記支持機構上に設けられた
   ターンテーブル駆動スピンドルモータを挾む位
   置に配置され且つ前記キヤリツジの移動方向に
   平行に伸長する一対の磁気回路部と、前記磁気
   回路に嵌挿されて一端部に前記担持部が結合さ
   れた可動部と、前記可動部の前記磁気回路部と
   の対向面に巻装されたコイルとを有することを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の光学式情報読取装置。