JPH0244113B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は電気機械のためのブラシ保持体であつ
て、ブラシ保持体ケースとぜんまい板ばねとを有
しており、ブラシ保持体ケース内にブラシが滑動
可能に案内されていて、ぜんまい板ばねの巻込ま
れた部分がブラシに横方向の力を与えるために、
ブラシ保持体ケースに結合された傾斜面に支持さ
れており、前記ぜんまい板ばねの自由に繰出され
た端部がブラシを軸線方向に移動させるためにブ
ラシに作用している形式のものに関する。

従来の技術 この形式のブラシ保持体はドイツ連邦共和国特
許出願公開第2410754号明細書により公知である。
この場合ブラシは互いに平行に延びる２つの側壁
とブラシ保持体ケースの上側の頂壁とによつて案
内されている。ブラシ保持体ケースとブラシとの
間にできる限り小さい案内遊びを得るためにはブ
ラシもブラシ保持体ケースも細心の注意を払つて
加工することが要求されておりひいては著しく高
い費用がかかることになる。ぜんまい板ばねの巻
込まれた部分が傾斜面に支持されているという事
実にもとづいてブラシには横方向の力がかけら
れ、この横方向の力によつてブラシはブラシ保持
体ケースの上側の頂壁に押しつけられている。し
かしながら、この横方向の力がブラシの一方の端
部にしかかかつていないので、ブラシの案内面の
摩耗が激しく、継続する摩耗によつてブラシの傾
斜位置が変えられた場合には傾斜によつて動かな
くなることにつながるというもうひとつの欠点が
生じる。さらに、見過ごせない欠点は、ブラシが
四方ですべて正確に案内されねばならないことに
もとづいて、ブラシの摩耗粒子が不都合に導出さ
れることがあいということである。ブラシの摩耗
粒子はむしろ案内遊び内に付着する。振動した場
合には、案内部内で自由に運動するブラシがハン
マとして作用してばらばらに砕けた粒子を案内部
に付着させる。従つて、長い間にはブラシが傾斜
させられて動かなくなることになる。

発明が解決しようとする課題 本発明が解決しようとする課題は冒頭に詳しく
述べた形式のブラシ保持体を改良して、特に比較
的に長い使用年限を経ても支障なく案内されると
いう観点と、ブラシが傾いて動かなくなる傾向の
ない単純かつ頑丈な構成という観点とにおいてブ
ラシ保持体に課された要求を十分に満たすことが
できるように構成することである。

課題を解決するための手段 前述の課題を解決する本発明の構成はブラシが
ぜんまい板ばねとは反対側だけでブラシ保持体ケ
ース内に強制案内されていて、ブラシ保持体ケー
スの案内面に対してこの強制案内範囲が所期のよ
うに圧着できるようにするためにぜんまい板ばね
の自由に繰出された端部に滑り押しつけ部材が固
定されていて、この滑り押しつけ部材がブラシの
滑り押しつけ部材に対応するストツパ面と協働し
て、軸線方向の力に対して付加的に横方向の力を
増加させるか又は減少させるようになつているこ
とである。

実施態様 本発明の実施態様によれば、ブラシ保持体ケー
スが互いに傾斜して延びる上側の２つの案内面を
有していて、ブラシも同様に、互いに傾斜して延
びる対応する２つの支持面を有している。この構
成形式によつて導電用に用いられる両方の接触面
が支障なく当接することが保証される。従つて、
炭素ブラシ内に銅線ケーブルを差込む必要はもは
やなくなつた。しかも、銅線ケーブルは短絡負荷
のさいに弱点部分となる。本発明の構成において
は短絡負荷がかかつた場合には、ブラシ保持体を
電流母線に直接接触させることができる。さらに
有利な点は、２つの接触面だけを細心の注意を払
つて加工しさえすればよく、補強も完全に省略で
きるので製作コストを最小限に低減できることで
ある。本発明の重要な構成としては、案内面が互
いに傾斜されて延びているのではなくて例えば上
側の面取部を有する半円形に構成されていてもよ
い。

本発明によつて設けられている案内遊び内に侵
入した炭素塵がぜんまい板ばねの軸方向でも付着
せずひいては運転を妨げることのないようにする
ためには、ブラシがぜんまい板ばねとは反対側に
頂面を有していて、頂面とブラシ保持体ケースの
上側のウエブの内面との間に空間が設けられてい
る。さらに別の実施態様によれば、ブラシとブラ
シ保持体ケースの側壁との間に空間が設けられて
いる。無負荷状態においても安定的なばね位置を
保証するためには、滑り押しつけ部材がぜんまい
板ばねを支持する締付け折曲部材の切欠き内を案
内されている。摩擦を低減しぜんまい板ばねを絶
縁するためには、本発明の実施態様によりぜんま
い板ばねが合成樹脂製の滑り支承体を介して傾斜
面に支持されている。さらに別の実施態様によれ
ば形状安定性を得るために、ぜんまい板ばねがス
リーブを介して軸を中心に回転可能に支承されて
いて、軸が傾斜面に支持されている。さらに本発
明はぜんまい板ばねがブラシに向かう側に付着摩
擦力の高いライニングを有していることを提案し
ている。

実施例 第１図、第２図に符号１によつて示されたブラ
シ保持体ケースは互いに傾斜して延びる２つの上
側の案内面２，３とを有している。これらの両方
の案内面２，３には、下向きに両方の側壁４，５
が接続されていて、これらの側壁４，５は下側の
端部のところでわずかな寸法分だけ内向きに90゜
の角度を成して角曲げされて案内面６，７を形成
している。これらの案内面６，７に沿つてそれぞ
れ１つのみぞ８もしくは９が側壁４，５内に設け
られている。ブラシ保持体ケース１の後側の範囲
では、内向きに角曲げされた側壁１０，１１に下
向きに延びる部分１２，１３が接続されていて、
これらの部分１２，１３は互にウエブ１４によつ
て結合されている。このウエブ１４の後側には締
付け折曲部材１６の成形体部分１５が係合されて
いる。さらに、締付け折曲部材１６は傾斜面１７
とまつすぐな部分１８とを有している。このまつ
すぐな部分１８はみぞ８，９内で側部を保持され
ている。まつすぐな部分１８は中央の切欠き１９
を有していて、この中央の切欠き１９内では滑り
押しつけ部材２０が案内部分２１でもつて往復運
動することができる。滑り押しつけ部材２０には
ぜんまい板ばね２２の自由に繰出された端部が不
動に固定されていて、このぜんまい板ばね２２の
巻き込まれた部分２３は傾斜面１７に支持されて
いる。ぜんまい板ばね２２の繰出された範囲２４
にはブラシ２５が載着していて、傾斜面１７に支
持されているぜんまい板ばね２２によつて生ぜし
められる横方向の力にもとづいて、ブラシ２５は
傾斜している両方の支持面２５ａ，２５ｂでもつ
て両方の案内面２，３に押しつけられる。しかし
ながら、この横方向の力はブラシ２５の長さ全体
にわたつてではなくて主に前側部分において有効
であるので、均等な押しつけ作用を得るためには
滑り押しつけ部材２０によつてブラシ２５の後側
の部分に別の横方向の力がもたらされる。このも
う１つの横方向の力を得るために滑り押しつけ部
材２０は傾斜面２６を有しており、この傾斜面２
６がブラシの後側の下側部分に形成されたストツ
パ面としての傾斜面２７にぜんまい板ばね２２の
力によつて押しつけられる。第１図と第２図とか
らわかるように、両方の案内面２，３はブラシ保
持体ケース１の上側の範囲でまつすぐウエブ２８
によつて互いに結合されている。このまつすぐな
ウエブ２８は固定用成形材２９の部分である。ま
つすぐなウエブ２８の内側と、ブラシ２５の両方
の支持面２５ａ，２５ｂを互いに結合するまつす
ぐな上側の頂面３０との間に空間３１が設けられ
ていることによつて、ブラシ２５はぜんまい板ば
ね２２と滑り押しつけ部材２０とによつて与えら
れる横方向の力によつて比較的に長い使用期間の
後にも、ひいては長く使用したことにより支持面
２５ａ，２５ｂに生ずることのある摩耗の後にも
支障なく案内されて面によつて押しつけられる。
空間３１のもう１つの利点は摩耗粒子が付着でき
ないということである。空間３１に加えてさらに
ブラシ保持体ケース１の側壁４，５とブラシ２５
との間にも空間３２，３３が設られていることに
よつて、ブラシ２５は実地においては傾斜面２５
ａ，２５ｂのみを介して案内されて位置正確に保
持されている。

第１図、第２図に示した実施例と異なつて第３
図に示した実施例は滑り押しつけ部材２０ａが締
付け折曲部材内ではなく側壁３６を互いに結合さ
せる下側の底部３７の部分３５内を案内されてい
ることである。側壁３６によつては一方の側壁だ
けしか示されていない。ぜんまい板ばね２２ａは
締付け折曲部材には支持されていない。そうでな
くて底部３７に傾斜面３８を有する２つの保持部
材３９が固定されていてこれらの保持部材３９に
はぜんまい板ばね２２ａを保持する軸が支持され
ている。保持部材３９同しの間隔はぜんまい板ば
ね２２ａの幅よりも大きい。

第４図に示した実施例はぜんまい板ばね２２に
極めて強くプレロードをかけて比較的に小さい横
方向の力が所望されている場合の応用例である。

発明の効果 本発明による構成の利点は、炭素ブラシをブラ
シ保持体に均等に押しつけることによつて、傾動
につながる惧れのある案内遊びを確実に回避する
ことができることである。さらに有利な点は摩耗
粒子が確実に導出されるということである。

【図面の簡単な説明】

第１図はブラシを有するブラシ保持体の正面
図、第２図は第１図に示したブラシ保持体の側面
図、第３図は第１図と第２図とに示したブラシ保
持体とは異なる実施例によるブラシ保持体を示し
た図、第４図は第１図、第２図、第３図に示した
ブラシ保持体の滑り押しつけ部材とは異なる実施
例による滑り押しつけ部材を示した図である。 １……ブラシ保持体ケース、２，３……案内
面、４，５……側壁、６，７……案内面、８，９
……みぞ、１０，１１……側壁、１２，１３……
部分、１４……ウエブ、１５……成形体部分、１
６……締付け折曲部材、１７……傾斜面、１８…
…部分、１９……切欠き、２０……滑り押しつけ
部材、２１……案内部分、２２，２２ａ……ぜん
まい板ばね、２３……巻込まれた部分、２４……
繰出された範囲、２５……ブラシ、２５ａ，２５
ｂ……支持面、２６，２７……傾斜面、２８……
まつすぐなウエブ、２９……固定用成形材、３０
……上側の頂面、３１，３２，３３……空間、３
５……部分、３６……側壁、３７……底部、３８
……傾斜面、３９……保持部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 電気機械のためのブラシ保持体であつて、ブ
   ラシ保持体ケースとぜんまい板ばねとを有してお
   り、ブラシ保持体ケース内にブラシが滑動可能に
   案内されていて、ぜんまい板ばねの巻込まれた部
   分がブラシに横方向の力を与えるために、ブラシ
   保持体ケースに結合された傾斜面に支持されてお
   り、前記ぜんまい板ばねの自由に繰出された端部
   がブラシを軸線方向に移動させるためにブラシに
   作用している形式のものにおいて、ブラシ２５が
   ぜんまい板ばね２２もしくは２２ａとは反対側だ
   けでブラシ保持体ケース１内に強制案内されてい
   て、ブラシ保持体ケース１の案内面２，３に対し
   てこの強制案内範囲が所期のように圧着できるよ
   うにするためにぜんまい板ばね２２もしくは２２
   ａの自由に繰出された端部に滑り押しつけ部材２
   ０もしくは２０ａが固定されていて、この滑り押
   しつけ部材２０もしくは２０ａがブラシ２５の滑
   り押しつけ部材２０もしくは２０ａに対応するス
   トツパ面２７と協働して、軸線方向の力に対して
   付付的に横方向の力を増加させるか又は減少させ
   るようになつていることを特徴とする、電気機械
   のためのブラシ保持体。 ２ ブラシ保持体ケース１が互いに傾斜して延び
   る上側の２つの案内面２，３を有していて、ブラ
   シ２５も同様に、互いに傾斜して延びる２つの対
   応する支持面２５ａ，２５ｂを有している、特許
   請求の範囲第１項記載のブラシ保持体。 ３ ブラシ２５がぜんまい板ばね２２もしくは２
   ２ａとは反対側に閉鎖面３０を有していて、閉鎖
   面３０とブラシ保持体ケース１の上側のウエブ２
   ８の内面との間に空間３１が設けられている、特
   許請求の範囲第１項又は第２項記載のブラシ保持
   体。 ４ ブラシ２５とブラシ保持体ケース１の側壁
   ４，５もしくは３６との間に空間３２，３３を有
   している、特許請求の範囲第１項から第３項まで
   のいずれか１つの項記載のブラシ保持体。 ５ 滑り押しつけ部材２０がぜんまい板ばね２２
   を支持する締付け折曲部材１６の切欠き１９内を
   案内されている、特許請求の範囲第１項から第４
   項までのいずれか１つの項記載のブラシ保持体。 ６ ぜんまい板ばね２２もしくは２２ａが合成樹
   脂製の滑り支承体を介して傾斜面１７もしくは３
   ８に支持されている、特許請求の範囲第１項から
   第５項までのいずれか１つの項に記載のブラシ保
   持体。 ７ ぜんまい板ばね２２ａが軸４０上で回転可能
   に支承されていて軸４０が傾斜面上で運動できる
   ようになつている、特許請求の範囲第１項から第
   ６項までのいずれか１つの項に記載のブラシ保持
   体。 ８ ぜんまい板ばね２２もしくは２２ａがブラシ
   に向かう側に付着摩擦力の高いライニングを有し
   ている、特許請求の範囲第１項から第７項までの
   いずれか１つの項に記載のブラシ保持体。 ９ 側壁３６が底部３７によつて互いに結合され
   ていて該底部３７が滑り押しつけ部材２０ａを案
   内するための部分３５を有している、特許請求の
   範囲第４項から第８項までのいずれか１つの項に
   記載のブラシ保持体。 １０ 底部３７に傾斜面３８を有する保持部材３
   ９が結合されている、特許請求の範囲第４項から
   第９項までのいずれか１つの項に記載のブラシ保
   持体。