JPH0243967B2 - Koshuhakanetsusochi - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ターンテーブル使用の高周波加熱装
置で被加熱物の温度を検知する温度プローブを有
する高周波加熱装置に関するもので、その温度プ
ローブの回転支持機構を改善したものである。

従来例の構成とその問題点 一般的にターンテーブル使用の高周波加熱装置
に温度センサを設ける場合、被加熱物の温度セン
サプローブにより、オーブン外部の予め設定した
温度になつたとき電気的信号を送り高周波電力発
生源に供給する電源を遮断するようにしている。
ターンテーブルを使用している為、被加熱物はタ
ーンテーブルと同時に回転する。温度検知及び温
度制御の為、被加熱物に温度センサを挿入したと
き、この温度センサもターンテーブルと同期して
回転しなければ問題が発生する。同期回転しない
場合ケーブルの捻れ、食品転倒、食品の移動、温
度プローブが被加熱物より抜ける等の問題を生じ
る。また、温度プローブ取付部に温度プローブを
回転かつ着脱自在に接続し得る構成にしているも
のにおいて、温度プローブを温度プローブ取付部
より離脱し通常の電子レンジとして使用すると、
前記温度プローブと温度プローブ取付部の接続部
は、直接加熱室内で発生する被加熱物の蒸気、
油、食品汁にさらされた状態となり、温度プロー
ブ取付部の電気的接触接点部分に錆や汚れが付着
し接触抵抗の増大、絶縁抵抗の低下が生じる。そ
して温度プローブ機能を必要とするとき、温度プ
ローブ取付部に温度プローブを挿入接続すると接
触抵抗の増大、絶縁抵抗の低下によりオーブン外
部に配設した温度制御回路に正確なる電気信号を
伝達できなくなる。著しい場合導通がなくなる等
の問題点を生じる。この温度プローブを組み込ん
で温度制御式に加熱する機構として、一実施例が
提案され、前記実施構成の簡略化が提案されてい
る。

第１図は、後者の例を示した片側断面図であ
る。構成としては主にスリーブ１と中継ジヤツク
２と電気信号を取り出すバネ性のブラシ３，３′
からなつており、温度プローブ４のプラグ５は、
中継ジヤツク２に差し込み固定され、中継ジヤツ
ク２本体が回転する。さらに温度プローブ４のプ
ラグ５の電気信号は、中継ジヤツク２の上部端面
に導き出し、バネ性のブラシ３，３′から取り出
す構成で、漏波に対しては、スリーブ１と中継ジ
ヤツク２を金属接触させて対策を図つている。

しかし、この構成においては、第１に中継ジヤ
ツク２なる部品が必要であること。第２に、上部
に電気信号を取り出すブラシ３，３′なる部品が
必要で、全体的に大きな構成となる。第３に、漏
波に対して金属接触させているが、回転すると、
中継ジヤツク２または、スリーブ１側にキズがつ
き、中継ジヤツクの回転が止まる実際問題があ
り、その対策として、中継ジヤツク２、スリーブ
１間に樹脂等を入れスムーズに回転する構成が必
要で、この場合、特別なチヨーク機構を設けなけ
ればならず、構成的にも複雑化し、大きくなつて
しまう。

発明の目的 本発明は、上記の従来欠点を解消するもので、
温度プローブの回転支持機構をより簡素化し、信
頼性の高い高周波加熱装置を提供するものであ
る。

発明の構成 上記目的を達成するために、本発明はオーブン
庫内に回転自在に設けられたターンテーブル上の
被加熱物に検出部を挿込み、該検出温度に基いて
マグネトロンを制御してなる温度プローブ付高周
波加熱装置において、上記温度プローブを回転自
在に支持する機構は、ターンテーブルの中心に対
応する少なくともオーブン天板の中心軸位置ある
いは、その近傍に配置し、温度プローブと温度プ
ローブの接続は、プラグとジヤツクの係合により
施こし得る着脱自在の構成で、ジヤツクは、スリ
ーブと接触子を設けたバネ性の接触片からなり、
プラグをジヤツクに差し込んで、バネ性の接触片
に設けた接触子４ケ所で保持し、活電端子側、ア
ース端子側共、それぞれ相対する位置に２ケ所ず
つ接触子を設けて、プラグを保持する構成であ
り、プラグとジヤツクのスリーブの接触部、及び
プラグとジヤツクの接触片の接触部は、金属接触
させ、スリーブ及び接触片に設けた接触子は硬度
の軟かいかつオイルを含浸させた金属材料により
形成し、この金属材料を介して電気的信号を取り
出し、被加熱物の温度を検出するものである。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例について図面に基づき
説明する。

第２図は、本発明の回転支持機構を備えた温度
プローブ付高周波加熱装置の概略構成図である。
オーブン６底部にモータ７を備え、モータ７の駆
動は回転軸８によりローラ９で支持されたターン
テーブル１０を回転自在に配設、これに食品１１
を載せてマイクロ波加熱するようにしたもので、
温度プローブ４の温度検出部１２を食品１１に挿
込みケーブル１３とプラグ５を介してマグネトロ
ン制御回路１４に電気信号としての温度情報を伝
達するようにしたものであり、１５はターンテー
ブル１０の中心となる中心軸と対応するオーブン
天板６Ａの中心軸あるいはその近傍に取り付け板
１６を介して固定した温度プローブ４の回転支持
装置であり、温度プローブ４のプラグ５を機械
的、しかも信号線１７ａ，１７ｂに上記電気信号
を伝達するよう電気的に連結している。マイクロ
波加熱に伴ない食品１１が仕上り温度に至るとマ
グネトロン制御回路１４は早速スイツチ１８を開
成してマグネトロン電源回路１９への電源供給を
断ち、高周波加熱装置の運転を停止するようにな
つている。

第３図により、この回転支持装置１５を説明す
る。回転支持装置（ジヤツク）１５は、大略には
取付け金具２０を備えたスリーブ部２１と接触片
２２を固定するボデー２３と、接触子を備えた４
ケの接触片２２と接触片２２を支持するボデーキ
ヤツプ２４とからなつている。

スリーブ部２１は、オーブンの天板６Ａの取付
け板１６へ取付け用のビス孔２７ａ，２７ｂ、ボ
デー２３に固定時のＴ字型の折り曲げ部２８ａ，
２８ｂが対称的に位置し、以上は一体板で構成さ
れている。中央は、外側スリーブ２９に内側スリ
ーブ３０が圧入され、外側スリーブ２９で上記一
体板をカシメ固定し、スリーブ部２１を構成して
いる。

内側スリーブ３０の内径は、外側スリーブ２９
の内径よりも小さい。また、内側スリーブ３０に
はオイルが含浸されており、含浸オイルには食物
性油が使用されている。また内部スリーブ３０は
５〜10mm巾で外側スリーブ２９の入口側に位置さ
せている。

２２は接触片部であり、活電側用接触片３１
ａ，３１ｂとアース側用接触片３２ａ，３２ｂの
各２ケの接触片で構成されている。各接触片３１
ａ，３１ｂ，３２ａ，３２ｂは中央をコの字型に
切り欠き、内側に折り曲げ、バネ性をもたせ、先
端に硬度の軟かいオイルを含浸させた半球状の接
触子３３ａ，３３ｂ，３３ｃ，３３ｄをカシメ取
り付けてある。各接触片３１ａ，３１ｂ，３２
ａ，３２ｂの上部は凸させ電気出力部３４ａ，３
４ｂ，３５ａ，３５ｂとしている。

２３はボデーで、上面は開放であり、３６は接
触片部２２の固定用溝であり、ボデー２３の内側
に左右対称的に４面設けてある。４０はボデー２
３の外側に凸しており、スリーブ部２１のボデー
固定のＴ字板２８ａ，２８ｂが入るようになつて
いる。４１はボデーキヤツプ２４固定用の突起で
ある。４２はプラグ５の挿入される穴の周囲に設
けた円筒絶縁壁であり、スリーブ部２１との絶縁
距離をとつている。円筒絶縁壁４２の周囲に放射
状に４辺ある絶縁壁４３は異極接触片間の絶縁距
離をとる為のものである。同様にボデー２３の内
側４コーナーに突出した絶縁壁４４は異極接触片
間の絶縁距離をとる為のものである。これらの絶
縁壁は蒸気浸入によつて水滴が結露し異極間を電
気的に短絡するのを防止する為のものである。

２４はボデーキヤツプで中央にφ6〜10程度の
蒸気孔４５を備えている。４ケの角孔４６ａ，４
６ｂ，４６ｃ，４６ｄは、接触片部２２の電気出
力部３４ａ，３４ｂ，３５ａ，３５ｂ用の支持穴
である。左右対称に設けてある角穴４７はボデー
２３に設けてある突起４１に嵌合しボデーキヤツ
プ２４に固定する。また、オーブン天板６Ａに、
温度プローブ取付け金具１６がスポツト溶液され
ている。取付け金具１６はジヤツク１５のスリー
ブ部２１の固定用孔３８ａ，３８ｂ、外側スリー
ブ２９の貫通孔３９で構成されている。

第４図はオーブン天板６Ａにジヤツク１５をビ
ス４８ａ，４８ｂを介して取り付け、温度プロー
ブ４のプラグ５を挿入した断面図を示し、スリー
ブ部２１の外側スリーブ２９端面は、オーブン天
板６Ａよりも下面下に位置する。プラグ５は、導
体（アース側）５ａ、絶縁物５ｂ、先端導体５ｃ
より構成されている。

第５図は第４図の断面位置に対して90゜位置を
変えた断面図である。第４図、第５図に基づいて
説明をする。活電側の接触片３１ａ，３１ｂの接
触子３３ｂ，３３ｄでプラグ５ｃ凹みに係合し弾
性圧接しプラグ５を機械的に保持しており、同時
にアース側接触片３２ａ，３２ｂの接触子３３
ａ，３３ｃでプラグ５ａを弾性圧接する構成とな
つている。従つて温度プローブ４は、プラグ５ｃ
が着脱自在に連結され、オーブン天板６Ａより吊
り下げられる格好となる。接触子３３ｂ，３３
ｄ，３３ａ，３３ｃの接圧は、プラグ５を回転す
るに必要なトルクに置き変えて、60gfcm以下にな
るように、接触片３１ａ，３１ｂ，３２ａ，３２
ｂの折り曲げ角度等で、接圧を決めている。

プラグ５ａは、スリーブ部２１の内側スリーブ
３０の巾を５〜10mmにすることによつて、回転中
の傾きを最小限に規制される。

温度プローブ４の回転支持装置１５は上記のよ
うに構成するもので、食品１１がターンテーブル
１０に載せられて回転するにあつては温度プロー
ブ４がそのケーブル１３において捩れようとして
も、温度プローブ４のプラグ５自体を食品１１と
一体的に回転運動させることになるからその捩れ
の心配もなく、温度情報としての電気信号線１７
ａ，１７ｂに伝達される。また回転性においてプ
ラグ５ａと内側スリーブ３０、プラグ５ａと接触
子３３ａ，３３ｃ、プラグ５ｃと接触子３３ｂ，
３３ｄは、スリーブ３０と接触子３３ａ，３３
ｂ，３３ｃ，３３ｄを硬度の軟かい銅等の導電性
材料を使用し、それに食物性オイルを含浸させて
いる為、回転接続部は、キズがつくこともなく、
またオイルが潤滑剤として働き摩耗することなく
プラグ５はスムーズに回転する。またオイルに食
物性油を使用している為、衛生的である。

電気的信号は、活電側、アース側共に２ケの接
触子を相対する位置に設けており、常に安定した
信号を伝達できる構成で、プラグ５に常にバネ性
の押圧力で接触しており、それぞれ２ケの接触子
があるため、どちらか一方がゴミ等により一瞬接
触が不十分でも他の一方は接触しており、安定し
て電気出力を取り出すことができる。

汚れに対し、高周波加熱装置として使用すると
ジヤツク１５は、直接加熱室内で発生する被加熱
物の蒸気、油、食品汁にさらされる状態となる
が、ジヤツク１５のボデーキヤツプ２４の中央に
蒸気孔４５があり、スリーブ部２１より浸入する
蒸気は蒸気孔４５を経て外部へ抜けるので、結露
水などがたまりにくい。また、ジヤツク１５内に
結露した場合でも、ボデー２３の下部中央に設け
たプラグ５挿入穴の周囲に設けた円筒絶縁壁４２
及び、その周囲に放射状に４辺ある絶縁壁４３及
びボデー２３の内側４コーナーに突出した絶縁壁
４４によつて、結露水を分離し異極接触片間及び
接触片とスリーブ部２１間の電気的短絡を防止す
ることができる。また、プラグ５の挿入時、スリ
ーブ面３０及び接触子３３ａ，３３ｂ，３３ｃ，
３３ｄの汚れは削り取られる為、常に安定した電
気出力を取り出すことができる。

構成においては、従来回転を必要としない温度
プローブのジヤツクは外部スリーブにネジを備
え、オーブン６庫内側よりナツトにより締めつけ
ていたが、オーブン６庫外よりビス４８ａ，４８
ｂを介して取り付ける構成の為、組立作業性がよ
い。また、電気出力は、接触片部２２によつてプ
ラグ５より直接取り出す構成のため、ジヤツク自
体は非常に小型化できる。

発明の効果 以上のように本発明の温度プローブ付高周波加
熱装置によれば、温度プローブ４はそのプラグ５
をもつてオーブン６より着脱自在に取り出すこと
ができ、ターンテーブル１０により食品１１が回
転してもそれ自体食品１１と共に一体回転する。

(1) 回転性は食物性油を含浸させた銅等の軟かい
材料を使用しているためスムーズであり、耐摩
耗性に優れ、耐久性がある。

(2) 電気的信号は、活電側、アース側共に２ケの
接触子を相対する位置に設けており、バネ性の
押圧力で接触している為、常に安定した信号を
伝達できる。どちらか一方がゴミ等により一瞬
接触が不十分でも、他の一方は接触しており、
安定して電気出力を取り出すことができる。

(3) ボデーキヤツプに蒸気孔を設けている為浸入
した蒸気は外部へ抜けるので、汚れにくく、
又、結露しにくい。

(4) ボデー内面に絶縁壁を設けている為、結露し
た場合でも、異極接触片間及び接触片とスリー
ブ部間の電気的短絡を防止することができる。

(5) 接触子は接触片のバネ圧によつてプラグに接
触している為、プラグ挿抜時に接触子の汚れを
取り除くことができ、常に安定した電気出力を
取り出すことができる。

(6) スリーブのプラグとの接触巾を５〜10mmとす
ることによつて、回転中のプラグの傾きを少く
規制することができ、プラグへの接触子の接触
面が一定し、安定した電気信号を得ることがで
きる。

(7) プラグより直接的に電気信号を取り出してい
るため小型化でき、従来例よりも安価に提供す
ることができる。

(8) 取付けはオーブン庫外よりできる為、組立工
数を削減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の半断面図、第２図は本発明の
一実施例である回転支持機構を備えた温度プロー
ブ付高周波加熱装置の概略構成図、第３図は同転
支持部の分解斜視図、第４図は同回転支持部にプ
ラグ挿入時の断面図、第５図は第４図の断面位置
に対して90゜位置を変えた断面図である。 ４……温度プローブ、５……プラグ、１５……
回転支持装置（ジヤツク）、２１……スリーブ部、
２２……接触片部、２３……ボデー、２４……ボ
デーキヤツプ、３３ａ，３３ｂ，３３ｃ，３３ｄ
……接触子、３０……内部スリーブ、４２……円
筒絶縁壁、４５……蒸気孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 被加熱物を収納するオーブン庫と、前記オー
   ブン庫内に高周波を供給する高周波発振器と、前
   記オーブン庫内に設けられ上部に前記被加熱物を
   載置するターンテーブルと、前記被加熱物に検出
   部を挿入してこの検出温度に基づき高周波発振器
   を制御する温度プローブとを備え、前記温度プロ
   ーブは、前記ターンテーブルの中心に対応する少
   なくともオーブン天板の中心軸位置あるいは、そ
   の近傍に回転自在に配置し、プラグとジヤツクの
   係合により着脱自在に構成し、前記ジヤツクは、
   スリーブと接触子を設けたバネ性の接触片からな
   り、前記プラグをジヤツクに差し込んで、バネ性
   の接触片で保持させ、前記プラグとジヤツクのス
   リーブの接触部は、金属接触させ、スリーブの接
   触部及び前記接触片に設けた接触子はオイルを含
   浸させた金属材料により形成し、この金属材料を
   介して電気的信号を取り出し、前記被加熱物の温
   度を検出する構成とした高周波加熱装置。 ２ バネ性の接触片に設けた接触子４ケ所でプラ
   グを保持する構成で、活電端子側、アース端子側
   共、それぞれ相対する位置に２ケ所ずつ接触子を
   設けてプラグを保持する構成であり、前記プラグ
   への接圧は、プラグを回転するに必要なトルクに
   置き換えて60gfcm以下とした特許請求の範囲第１
   項記載の高周波加熱装置。 ３ スリーブのプラグとの接触巾は５〜10mmとし
   接触面積の大となるよう構成した特許請求の範囲
   第１項記載の高周波加熱装置。 ４ ジヤツクは、スリーブと接触子を備えた接触
   片及び、それを保持するボデーとからなり、スリ
   ー部はオーブン取り付け用孔、ボデー固定、電気
   出力部とを備えた一体化構成とし、オーブンにビ
   ス等を介して取り付ける構成であり、ボデーは絶
   縁材で形成し、異極接触片間及び接触片とスリー
   ブ部間を仕切る絶縁壁（バリア）を設けた特許請
   求の範囲第１項記載の高周波加熱装置。