JPH0251093B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ターンテーブル使用の高周波加熱装
置で被加熱物の温度を検知する温度プローブを有
する高周波加熱装置に関するもので、その温度プ
ローブの回転支持機構を改善したものである。

従来例の構成とその問題点 一般的にターンテーブル使用の高周波加熱装置
に温度センサを設ける場合、被加熱物の温度セン
サプローブにより、オーブン外部の予め設定した
温度になつたとき電気的信号を送り高周波電力発
生源に供給する電源を遮断するようにしている。
ターンテーブルを使用している為、被加熱物はタ
ーンテーブルと同時に回転する。温度検知及び温
度制御の為、被加熱物に温度センサを挿入したと
き、この温度センサーもターンテーブルと同期し
て回転しなければ問題が発生する。同期回転しな
い場合ケーブルの捻れ、食品転倒、食品の移動、
温度プローブが被加熱物より抜ける等の問題を生
じる。また、温度プローブ取付部に温度プローブ
を回転かつ着脱自在に接続し得る構成にしている
ものにおいて、温度プローブを温度プローブ取付
部より離脱し通常の電子レンジとして使用する
と、前記温度プローブと温度プローブ取付部の接
続部は、直接加熱室内で発生する被加熱物の蒸
気、油、食品汁にさらされた状態となり、温度プ
ローブ取付部の電気的接触接点部分に錆や汚れが
付着し接触抵抗の増大、絶縁抵抗の低下が生じ
る。そして温度プローブ機能を必要とするとき、
温度プローブ取付部に温度プローブを挿入接続す
ると接触抵抗の増大、絶縁抵抗の低下によりオー
ブン外部に配設した温度制御回路に正確なる電気
信号を伝達できなくなる。著しい場合導通がなく
なる等の問題点を生じる。この温度プローブを組
み込んで温度制御式に加熱する機構として、一実
施態が提案され、前記実施構成の簡略化が提案さ
れている。

第１図は、後者の例を示した片側断面図であ
る。構成としては、主にスリーブ１と中継ジヤツ
ク２と電気信号を取り出すバネ性のブラシ３，
３′からなつており、温度プローブ４のプラグ５
は、中継ジヤツク２に差し込み固定され、中継ジ
ヤツク２本体が回転する。さらに温度プローブ４
のプラグ５の電気信号は、中継ジヤツク２の上部
端面に導き出し、バネ性のブラシ３，３′から取
り出す構成で、漏波に対しては、スリーブ１と中
継ジヤツク２を金属接触させて対策を図つてい
る。

しかし、この構成においては、第１に中継ジヤ
ツク２なる部品が必要であること。第２に、上部
に電気信号を取り出すブラシ３，３′なる部品が
必要で、全体的に大きな構成となる。第３に、漏
波に対して金属接触させているが、回転すると、
中継ジヤツク２または、スリーブ１側にキズがつ
き、中継ジヤツクの回転が止まる実際問題があ
り、その対策として、中継ジヤツク２、スリーブ
１間に樹脂等を入れスムーズに回転する構成が必
要で、この場合、特別なチヨク機構を設けなけれ
ばならず、構成的にも複雑化し、大きくなつてし
まう。

発明の目的 本発明は、上記の従来欠点を解消するもので、
温度プローブの回転支持機構をより簡素化し、信
頼性の高い高周波加熱装置を提供するものであ
る。

発明の構成 上記目的を達成するために、本発明はオーブン
庫内に回転自在に設けられたターンテーブル上の
被加熱物に検出部を挿込み、該検出温度に基いて
マグネトロンを制御してなる温度プローブ付高周
波加熱装置において、上記温度プローブを回転自
在に支持する機構は、ターンテーブルの中心に対
応する少なくともオーブン天板の中心軸位置ある
いは、その近傍に配置し、温度プローブと温度プ
ローブの接続は、プラグとジヤツクの係合により
施こし得る着脱自在の構成で、ジヤツクは、スリ
ーブとバネ性の接触片からなり、プラグをジヤツ
クに差し込んで、バネ性の接触片で保持させ、プ
ラグとジヤツクのスリーブの接触部、及びプラグ
とジヤツクの接触片の接触部は、金属接触させ、
前記接触部のどちらか一方は硬度の軟かいかつオ
イルを含浸させた金属材料により形成し、この金
属材料を介して電気的信号を取り出し、被加熱物
の温度を検出するものである。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例について図面に基づき
説明する。

第２図は、本発明の回転支持機構を備えた温度
プローブ付高周波加熱装置の概略構成図である。
オーブン６底部にモータ７を備え、モータ７の駆
動は回転軸８によりローラ９で支持されたターン
テーブル１０を回転自在に配設、これに食品１１
を載せてマイクロ波加熱するようにしたもので、
温度プローブ４の温度検出部１２を食品１１に挿
込みケーブル１３とプラグ５を介してマグネトロ
ン制御回路１４に電気信号としての温度情報を伝
達するようにしたものであり、１５はターンテー
ブル１０の中心となる中心軸と対応するオーブン
天板６Ａの中心軸あるいはその近傍に取り付け板
１６を介して固定した温度プローブ４の回転支持
装置であり、温度プローブ４のプラグ５を機械
的、しかも信号線１７ａ，１７ｂに上記電気信号
を伝達するよう電気的に連結している。マイクロ
波加熱に伴ない食品１１が仕上り温度に至るとマ
グネトロン制御回路１４は早速スイツチ１８を開
成してマグネトロン電源回路１９への電源供給を
断ち、高周波加熱装置の運転を停止するようにな
つている。

第３図により、この回転支持装置１５を説明す
る。回転支持装置１５は、大略には電気出力部２
０を備えたスリーブ部２１と絶縁板２２、電気出
力部２３ａ，２３ｂを備えた板バネ性の接触片部
２４、それらを固定するボデー２５からなつてい
る。

スリーブ部２１は、孔２６をもつ電気出力部２
０、オーブンの天板６Ａの取付け板１６へ取付け
用のビス孔２７ａ，２７ｂ、ボデー２５に固定時
のＴ字型の折り曲げ部２８ａ，２８ｂが対称的に
位置し、以上は一体板で構成されている。中央
は、外側スリーブ２９に内側スリーブ３０が圧入
され、外側スリーブ２９で上記一体板をカシメ固
定し、スリーブ部２１を構成している。

内側スリーブ３０の内径は、外側スリーブ２９
の内径よりも小さい。また、内側スリーブ３０に
は、オイルが含浸されており、含浸オイルには食
物性油が使用されている。さらに、温度プローブ
４のプラグ５を挿入したとき電気的に接触する。
また内部スリーブ３０は、２〜３mm巾で外側スリ
ーブ２９の一体板カシメ側の奥に位置させてい
る。２４は接触片部でありコの字型をしており、
向い合う面３１ａ，３１ｂの中央はコの字型に切
り欠き、内側に折り曲げハの字型としバネ性をも
たせた接触片３２ａ，３２ｂをもち、接触片３２
ａ，３２ｂ先端に硬度の軟かいオイルを含浸させ
た半球状の接触子３３ａ，３３ｂをカシメ取り付
けされ含浸オイルは食物性油を使用している。上
部は凸させ電気出力部２３ａ，２３ｂとしてい
る。接触子間隔は、温度プローブ４のプラグ５の
外径よりも小さく、接触片部の接触片３２ａ，３
２ｂの内側への折り曲げを異ならせ、バネ圧を異
なるようにしている。

２５はボデーであり下面開放であり、上部は、
接触片部２４の電気出力部２３ａ，２３ｂ用の角
孔３４ａ，３４ｂ、中央にφ6程度の蒸気孔３５
を備えている。

３６は接触子部２４の挿入時のガイド板であ
り、固定用であり、ボデー２５の内側に左右対称
的に設けてある。３７はボデー２５の外側に凸し
ており、スリーブ部２１のボデー固定のＴ字板２
８ａ，２８ｂが入るようになつている。また、オ
ーブン天板６Ａに、温度プローブ取り付け金具１
６がスポツト溶接されている。取り付け金具１６
はジヤツク１５のスリーブ部２１の固定用穴３８
ａ，３８ｂ、外側スリーブ２９の貫通孔３９で構
成されている。

ジヤツク１５はボデー２５に接触片部２４の電
気出力部２３ａ，２３ｂが上になるようにして、
ボデー２５内側に設けたガイド板３６にそつて挿
入。電気出力部２３ａ，２３ｂはボデー２５の角
孔３４ａ，３４ｂから外部に、接触片部２４のコ
の字型上面がボデー２５に当たり固定される。次
に中央に温度プローブ４のプラグ５の外径よりも
大きい孔径を持つ角型の絶縁板２２を挿入、さら
にスリーブ部２１を差し込んで、スリーブ部２１
のＴ字型２８ａ，２８ｂでボデー２５の凸部３７
ａ，３７ｂ間にはまり込み、ジヤツク１５が組み
上る構成である。

第４図はオーブン天板６Ａにジヤツク１５をビ
ス４０ａ，４０ｂを介して取り付け、温度プロー
ブ４のプラグ５を挿入した断面図を示し、スリー
ブ部２１の外側スリーブ２９端面は、オーブン天
板６Ａよりも下面下に位置する。プラグ５は、導
体（アース側）５ａ、絶縁物５Ｂ、先端導体５Ｃ
より構成されている。

電気出力部２３ａ，２３ｂをもつ接触片部２４
の接触子３３ａ，３３ｂでプラグ５ｃ凹みに係合
し弾性圧接しプラグ５を機械的に保持しており、
従つて温度プローブ４は、プラグ５ｃが着脱自在
に連結され、オーブン天板６Ａより吊り下げられ
る格好となる。接触子３３ａ，３３ｂ圧は一方が
強く、他方が弱くバネ性の接触片３２ａ，３２ｂ
圧を異ならせており、プラグ５は傾き状態に保持
され、プラグ５ａは、スリーブ部２１の内側スリ
ーブ３０に強制接触する状態に置かれ、常時接触
して電気的接続が保持されてそれと共にアース電
位（スリーブ部２１は、一体化されており、オー
ブン天板６Ａの取り付け金具１６にビス４０ａ，
４０ｂを介して取り付けられオーブン天板６Ａは
アースされているから）となつている。このよう
であるから、電気出力部２０をアース端子とし他
方の電気出力部２３ａ，２３ｂをホツト端子とす
る。

第５図は、第４図同様オーブン天板６Ａにジヤ
ツク１５をビス４０ａ，４０ｂを介して取り付
け、温度プローブ４のプラグ５の５ａ、及び５ｃ
を食物性オイルを含浸させた金属としたもので相
手のジヤツク１５のプラグ５ａとの接触相手は２
９の外側スリーブで、プラグ５ｃとの接触相手
は、接触片３２ａ，３２ｂとした構成である。

温度プローブ４の回転支持装置１５は上記のよ
うに構成するもので、温度プローブ４のプラグ５
ｃを接触片３２ａ，３２ｂ、の接触子３３ａ，３
３ｂでスムーズに回転させるとともにかつ保持を
し、プラグ５ｃより直接的に電気信号を取り出す
ものであり、プラグ５ａ自体が回転する。食品１
１がターンテーブル１０に載せられて回転するに
あつては温度プローブ４がそのケーブル１３にお
いて捩れようとしても、温度プローブ４のプラグ
５自体を食品１１と一体的に回転運動させること
になるからその捩れの必配もなく、温度情報とし
ての電気信号線１７ａ，１７ｂに伝達される。ま
た回転性において電気出力的接続部（プラグ５ａ
と内側スリーブ３０、プラグ５ｃと接触子３３
ａ，３３ｂ、又、プラグ５ａと外側スリーブ２
９、プラグ５ｃと接触子３２ａ，３２ｂ）は、ど
ちらか一方を硬度の軟かい銅等の導電性材料を使
用し、それに食物性オイルを含浸させている為、
回転接続部は、キズがつくこともなく、また、オ
イルが潤滑剤として働き摩耗することなくプラグ
５はスムーズに回転する。また、オイルに食物性
油を使用している為、衛生的で心配することもな
い。

電気的信号は、接触片部とスリーブ部で常に安
定した信号を伝達できる構成で、プラグ５ｃにお
いては、常にバネ性の押圧力で接触しており、接
触子部２４を一体化している為接点３３ａ，３３
ｂ又は接触子３２ａ，３２ｂどちらか一方がゴミ
等により一瞬接触が不十分でも他の一方は接触し
ており、安定して電気出力を取り出すことができ
る。また、プラグ５ａにおいては、接触子３３
ａ，３３ｂ圧、接触片３２ａ，３２ｂ圧をあい異
なるようにしている為、プラグ５は傾き状態に保
持され、プラグ５ａは、常に、内側スリーブ３０
又は外側スリーブ２９に接触し、安定して電気信
号を取り出すことができる。

汚れに対し、高周波加熱装置として使用すると
ジヤツク１５は、直接加熱室内で発生する被加熱
物の蒸気、油、食品汁にさらされる状態となる
が、ジヤツク１５のボデー２５の上部に蒸気孔３
５があり、内部スリーブ３０，２９内よりの蒸気
は、蒸気孔３５を経て外部へ抜けでるので、結露
水などがたまりにくい。また、電気接触部のスリ
ーブ面２９ａ，３０は庫内露出面に対して奥側に
位置している為、また、接触幅を２〜３mm程度と
し接触面積が小さくしている為、汚れがつきにく
い構成である。また、プラグ５の挿入時、スリー
ブ面２９ａ，３０の汚れは削りとられると共に、
接触子３３ａ，３３ｂ間隔及び接触片３２ａ，３
２ｂの間隔は、プラグ５ｃの外径寸法よりも小さ
いので挿入時、汚れを削り取り除く為、常に安全
した電気出力を取り出すことができる。

漏洩に対しては、プラグ５ａと内側スリーブ３
０と金属接触してアース電位に設定しているの
で、マイクロ波はその金属表面で反射しその付近
では入射波と反射波が打ち消し合いマイクロ波は
非常に弱く漏洩も発熱もスパークもない。殊にバ
ネ性の接触片部２４で強制押圧して金属接触させ
るようになつているので、これによつても一層マ
イクロ波漏洩は抑えられるものである。

構成においては、従来回転を必要としない温度
プローブのジヤツクは外部スリーブにネジを備
え、オーブン６庫内側よりナツトにより締めつけ
ていたが、オーブン庫外よりビス４０ａ，４０ｂ
を介して取り付ける構成の為、組立作業性がよ
い。

また、電気出力は、接触子部２４、スリーブ部
２１より、プラグ５より直接取り出す構成のた
め、ジヤツク自体は非常に小型化にできる。

発明の効果 以上のように本発明の温度プローブ付高周波加
熱装置によれば、温度プローブ４はそのプラグ５
をもつてオーブン６より着脱自在に取り出すこと
ができ、ターンテーブル１０により食品１１が回
転してもそれ自体食品１１と共に一体回転する。
回転性も、食物性油を含浸させた銅等の軟かい材
料を使用しているためスムーズであり、汚れに対
しても蒸気孔を設け、電気出力のホツト端子側で
は接触子又は、接触片２カ所以上でバネ性の弾圧
接触させ、さらに接触子又は接触片をもつ接触片
部を一体化構成とし、アース端子側では、接触片
（接触子）圧を異ならせていることにより、強制
押圧で接触しているため、常に安定した電気出力
を取り出すことができる。また、ジヤツクは、ス
リーブと接触片とそれを保持するボデイとからな
り、構造が簡単で、プラグより直接電気信号を取
り出しているため小型化が図れるものである。取
り付けも外部より取り付けられ組立作業も向上
し、上記金属接触により電波漏れは一層抑えられ
構造簡略にして所期の安全体策がなされた実用価
値大なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の半断面図、第２図は本発明の
一実施例である回転支持機構を備えた温度プロー
ブ付高周波加熱装置の概略構成図、第３図は同回
転支持部の分解斜視図、第４図は同回転支持部に
プラグ挿入時の断面図、第５図は本発明の他の実
施例におけるプラグ挿入時の断面図である。 ４……温度プローブ、５……プラグ、１５……
回転支持装置、２１……スリーブ部、２２……絶
縁板、２３ａ，２３ｂ，２０……電気出力端子、
２４……接触片部、２５……ボデー、３５……蒸
気孔、２９……外部スリーブ、３０……内部スリ
ーブ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 被加熱部を収納するオーブン庫と、前記オー
   ブン庫内に高周波を供給する高周波発振器と、前
   記庫内に被加熱物を載置するターンテーブルと、
   前記被加熱物に検出部を挿入して温度を検出する
   プラグを有する温度プローブを備えた高周波加熱
   装置において、前記オーブン庫の外側にプラグと
   係合するジヤツクを有し、前記ジヤツクはプラグ
   からの電気信号の活電側となる接触片とアース側
   となるスリーブとを備え、前記接触片はプラグを
   回転自在とし、かつこのプラグの挿脱方向の保持
   力を有し、前記接触片およびスリーブは導電性材
   料で構成するとともに食物性オイルを含浸させた
   ことを特徴とする高周波加熱装置。