JPH024368Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈技術分野〉 本考案は、蓄熱槽とその蓄熱槽に貯える温水を
作る加温装置とからなる温水装置に関する。

〈従来技術〉 温水をボイラーやヒートポンプ、太陽熱コレク
タなどの加温器で作り、蓄熱槽に貯える温水装置
においては、低温度の水を蓄熱槽の下部から取出
し、高温水を蓄熱槽の上部に返す方式が常時、蓄
熱槽上部に高温水を貯えることができるところか
ら有効である。このような温水装置においては、
使用状態により蓄熱槽内部で高温層と低温層に分
離するため、蓄熱槽上部の高温水の量を知ること
は、重要なことであり、従来のように蓄熱槽全体
が高温水で満たされるまで、加温器を運転してい
た場合には、使用者の給湯量がそれぞれ異なるた
め、エネルギーのムダがあつた。

そこで、蓄熱槽の高さ方向の複数の温度計を挿
入してしてこれら温度計の指示部を槽外へ導出し
てこの指示を見ることにより槽内の温度分布を知
るようにしたものが実公昭47−42039号公報で提
案されている。しかしこのものは蓄熱槽内の温度
分布はわかつても貯湯量自体の制御をすることは
できず、結局エネルギーの無駄を生じることにな
るものであつた。

一方、蓄熱槽の高さ方向に複数の温度センサを
設け、該温度センサと貯湯量選択スイツチの組み
合わせによりヒーターを制御するようにしたもの
が実開昭52−51545号公報で提案されている。し
かし、このものは実際の内部の温度状態が把握で
きないため、貯湯選択スイツチで残湯量を指定し
てもその時点で本当に残湯量が指定通り貯留され
ているかどうかわからなかつた。例えば湯を使用
している途中の時や沸き上げ過程途中では指定し
た貯湯量がないので、実開昭52−51545号公報の
ものでは残湯量がどれくらいあるかわからず、い
ざ出湯してみて初めて残湯量が少なかつたという
ことに気付くことも多々あつた。

つまり、指定した貯湯量と実際の貯湯量との対
応関係を知ることはできなかつた。

〈考案が解決する課題〉 指定した貯湯量と実際の貯湯量との対応関係を
簡単に知ることができるようにすることである。

〈課題を解決するための手段〉 蓄熱槽の高さ方向の温度分布を示す温度表示部
に対応して貯湯量の設定器を設ける。

このために本考案は、ポンプの駆動により、蓄
熱槽下部より低温水を取り出して加温器で加熱
し、この加熱によつて生成された高温水を蓄熱槽
上部に戻すものにおいて、蓄熱槽内の高さ方向に
複数の温度センサを設け、これら温度センサの検
出出力に応答して蓄熱槽の高さ方向の温度分布を
表示する表示部を設けると共に、この表示部の近
傍にこの表示部の示す蓄熱槽の高さ方向に対応し
て設定器を設け、この設定器による設定に対応す
る温度センサが所定温度に到達した時にポンプ、
加温器の運転を停止する制御部を設け、 上記設定器の操作により、所定温度以上の温水
の貯留する量を制御するものである。

〈作用〉 蓄熱槽の高さ方向の温度分布が表示部に表示さ
れる。

一方、この表示部に対応する設定器の操作によ
り、対応する高さに設けられた位置の温度センサ
が所定温度を検知するまでポンプ、加温器が駆動
され該高さまで所定温度以上の湯が貯留される。

又、表示部近傍に設定器が蓄熱槽の高さ方向に
対応して設けられるため、設定器の設定状態と実
際の温度分布とがひと目でわかり、対応状態（つ
まり沸き上げ過程か完了しているか等）がよくわ
かる。

〈実施例〉 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図は、蓄熱槽と加温器を含む加温装置と
からなる通常の温水装置の構成図、第２図は、蓄
熱槽に貯えられる温水の沸き上り特性を示す図、
第３図は、本考案の温水装置の構成図である。

第１図に示すように、通常の温水装置において
は、蓄熱槽１の底部にある低温度の水を循環ポン
プ２により加温器３に供給し昇温させた後、上記
蓄熱槽１の上部に高温水として貯える。加温器３
の運転時間の経過とともに蓄熱槽１の上部におけ
る高温水量は増加し、高温水層と低温水層に分離
する。このことは、加温器３の運転経過時間をパ
ラメーターとして蓄熱槽内温水の温度分布を示し
ている第２図から明らかである。この例では、加
温器３に供給される低温水を10℃、加温後の高温
水の温度を65℃としている。この図から、加温器
３の運転時間の経過とともに高温水が蓄熱槽上部
から昇温しているのがわかる。出湯は、第１図に
示される蓄熱槽４上部の出湯管４からなされるた
め、高温水が給湯されるが、この時使用する湯量
は、使用者の家族構成や使用目的によつて異なり
大量に使用した場合加温されていない低温水を使
用してしまう可能性もある。また、少量しか使用
しない場合に、大量の高温水を貯えることは、省
エネルギーにも反する。

本考案では、上記欠点をカバーするため、第３
図に示すように蓄熱槽３の缶体表面の上下方向に
サーミスタ８を数ケ所設け、リード線９を介して
室内に置かれたリモートコントロールボツクス５
のサーミスタ８に対応した温度表示部６で温水温
度を表示し、蓄熱槽内の温水の温度分布を知る。

上記表示部６はサーミスタ８の出力に応答して
点灯個数が変わる。LED６ａにより形成されて
いる。また、リモートコントロールボツクス５に
は、温度表示部６に対応させてスライドボリユー
ム７を設け、加温装置（ポンプ２と加温器３）の
運転をコントロールする。つまり、必要湯量が蓄
熱槽１の半分程度でよい場合には、スライドボリ
ユーム７を中位置にしておき、高温水が蓄熱槽１
の上半分に貯えられた時に、サーミスタ８からの
信号により加温装置を停止させる。

〈効果〉 以上本考案によれば、表示部と設定器とが対応
して近傍に設けられているので、実際の温度分布
と設定状態との対応関係をひと目で理解すること
ができる。

このため、表示部によつて蓄熱槽内の温度分布
を設定器の設定状態に対応して知ることができる
と共に、設定器の操作によつて貯湯量のコントロ
ールを表示された温度分布に対応して簡単に行う
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図：従来の温水装置の構成図、第２図：蓄
熱槽内の温度分布を示す特性図、第３図：本考案
温水装置の構成図。 符号、１：蓄熱槽、２：ポンプ、３：加温器、
５：リモートコントロールボツクス、６：温水温
度表示部、７：設定器、８：温度センサ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ポンプの駆動により、蓄熱槽下部より低温水を
   取り出して加温器で加熱し、この加熱によつて生
   成された高温水を蓄熱槽上部に戻すものにおい
   て、 蓄熱槽内の高さ方向に複数の温度センサを設
   け、 これら温度センサの検出出力に応答して蓄熱槽
   の高さ方向の温度分布を表示する表示部を設ける
   と共に、この表示部の近傍にこの表示部の示す蓄
   熱槽の高さ方向に対応して設定器を設け、 この設定器による設定に対応する温度センサが
   所定温度に到達した時にポンプ、加温器の運転を
   停止する制御部を設け、 上記設定器の操作により、所定温度以上の温水
   の貯留する量を制御して成る温水装置。