JPS6224162Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は床下蓄熱による太陽熱利用の暖房装置
に関するものである。

従来より太陽熱を利用して暖房などを行なおう
とすると日中集めた熱を使うために、熱は温水の
形でためておくことになり、十分な暖房を行なお
うとすると約２トン程度の大きな蓄熱槽が必要に
なる。したがつて面積的に限られた一般の住宅で
は実施するのが困難である。

本考案は以上のような事情に鑑みなされたもの
で、水などの液体を使つた蓄熱槽を用いることな
く確実に暖戻を行なうことができる床下蓄熱によ
る太陽熱暖房装置を提供することを目的としてい
る。

以下、図面に示す実施例に基いて本考案の詳細
を説明する。

第１図および第２図は本考案の一実施例を説明
するもので図において符号１は２階建として例示
する室屋で、この家屋１の床はコンクリート層２
となつており、断熱材３を介して地面４と接して
いる。このコンクリート層３の下方には温水を循
環させるため蛇行した配管５が後述する位置に埋
設されている。即ち、上記配管５内に温水を通す
と、この配管５内の温水の放熱がコンクリート層
２中に蓄熱された後に、コンクリート層２の上面
から輻射熱として放熱されるが、上記輻射開始が
約７時間位になるような位置に配管５を埋設して
おり、この位置はコンクリート組成により適宜決
まるが、通常のコンクリート組成物の場合、コン
クリート層２の上面から200〜300mmの範囲であ
る。配管５の一端はポンプ６が介装された配管７
を介して家屋１の屋根に設けられた太陽熱集熱器
８内を循環する図示しない配管の上端側に連結さ
れている。

また配管５の他端は配管９を介して太陽熱集熱
器８内の配管下端に連結されている。

一方、太陽熱集熱器側には高温側センサ１０が
設けられており、コンクリート層２側の配管５の
出口側近傍には温水の温度を検出する低温側セン
サ１１が設けられている。そして両センサ１０，
１１は差温サーモスタツト１２に接続されており
このサーモスタツト１２によつて前記ポンプ６が
制御される。また、上記コンクリート層２の上面
には第２図に拡大して示すようにカーペツト１３
が直接的にしきつめられている。

次に以上のように構成された本考案装置の動作
につき説明する。

高温側センサ１０と低温側センサ１１とによつ
て検出された温度は差温サーモスタツト１２に導
かれ、低温側センサ１１が検出した温度が高温側
センサ１０の検出した温度より所定の温度だけ低
い場合のみに差温サーモスタツト１２はポンプ６
を作動させて太陽熱集熱器８によつて加熱された
温水を配管５，７，９を介して循環させる。

そして日中は太陽熱を太陽熱集熱器８が集熱す
るので、高温側センサ１０の検出温度が高くな
り、ポンプ６が作動して太陽熱集熱器８によつて
加熱された温水が配管５，７，９を通つて循環
し、上記温水がコンクリート層２中に埋設された
配管５内を通過する際にこのコンクリート層２に
放熱し、コンクリート層２中に蓄熱される。この
ようにしてコンクリート層２中に蓄熱された熱は
ある程度、時間が経過した後にコンクリート層２
の表面から輻射熱として放熱されるが、本実施例
においては、上記配管５をコンクリート層２の上
面から約300mm程度の位置に埋設し、約７時間位
経過したら輻射が開始されるようにしているの
で、配管５を通る温水による熱がカーペツト１３
に伝わるまでに約７時間かかり、日中集めた熱が
ちようど夜間室内側に放熱されることになる。す
なわちコンクリート層２自身が蓄熱槽を兼ね最も
都合のよい時間に熱が室内側に放熱され、暖戻を
行なうことができる。

なお、差温サーモスタツト１２によつてポンプ
６の作動制御を行なう構成として例示したが、本
考案はこれに限定されず温度を電圧値に変換し電
圧の差によつてモータ６を制御する電気回路を用
いてもよい。

以上の説明から明らかなように本考案によれ
ば、床面をコンクリート層によつて形成し、この
コンクリート層中に温水の循環する配管を埋設し
この配管の入口端側をポンプを介して太陽熱集熱
器の配管の高温側出口に接続し、配管の出口側を
太陽熱集熱器の低温側入口に接続しコンクリート
層内を循環する温水の温度と太陽熱集熱器の高温
側出口の温度を比較し、コンクリート側を循環す
る温水の温度が高温度側のそれよりも一定温度以
上低い場合のみにポンプを作動させて温水を循環
させる構造を採用しているため、暖戻を最も必要
とする夜間にコンクリート層に蓄熱された熱が解
放され最も都合のよいときに暖戻が行なえる。ま
た、室内側には特別な放熱器を設ける必要がな
く、大型の蓄熱槽を別個に設ける必要もなく、室
内を有効に利用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の一実施例を説明
する概略構成図およびコンクリート層の縦断側面
図である。 １……家屋、２……コンクリート層、３……断
熱材、５，７，９……配管、６……ポンプ、８…
…太陽熱集熱器、１０……高温側センサ、１１…
…低温側センサ、１２……差温サーモスタツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 太陽熱集熱器とポンプと配管とを接続して閉
   回路とした太陽熱利用の暖房装置において、家
   屋の床を下面に断熱材を敷設した所定の厚さの
   コンクリート層で形成し、前記配管の一部を前
   記コンクリート層中に埋設し、この配管の温水
   入口側を前記ポンプを介して前記太陽熱集熱器
   の高温側に接続し、前記配管の出口端を前記太
   陽熱集熱器の低温側と接続し、前記ポンプはコ
   ンクリート層内に埋設した配管内を循環する温
   水の温度が太陽熱集熱器の高温側の温度より低
   い場合にのみ作動させるようにしたことを特徴
   とする床下蓄熱による太陽熱利用の暖房装置。 (2) 前記コンクリート層中に埋設された配管は、
   前記コンクリート層の中間より下方位置に設け
   たことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の床下蓄熱による太陽熱利用の暖房装
   置。