JPH0243625B2 - Tainetsuseioyobitaiyakuhinseinisuguretafukugobutsu - Google Patents

Tainetsuseioyobitaiyakuhinseinisuguretafukugobutsu

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JPH0243625B2
JPH0243625B2 JP1077183A JP1077183A JPH0243625B2 JP H0243625 B2 JPH0243625 B2 JP H0243625B2 JP 1077183 A JP1077183 A JP 1077183A JP 1077183 A JP1077183 A JP 1077183A JP H0243625 B2 JPH0243625 B2 JP H0243625B2
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Hayami Yoshimochi
Shoji Akyama
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は耐熱性および耐薬品性に優れた複合物
に関する。さらに詳しくは、ある特定の化学構造
と溶融粘度とを有する結晶性熱可塑性芳香族ポリ
エーテルケトンの高度の結晶化層をライニング層
とし、金属もしくは金属酸化物、無機質焼結体の
いずれかを基体層とし、必要に応じてライニング
層に他の熱可塑性樹脂もしくは/および鱗片状無
機化合物を混合した、ライニング層と基体層とが
複合一体化された複合物であり、高温で薬品等を
製造・輸送するタンク・パイプ等に適する材料を
提供するものである。
従来、薬品や食料品を製造・貯蔵・輸送する装
置には、その腐蝕性のために金属材料を使用する
ことができず、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、
4フツ化エチレン樹脂等の材料が用いられること
があるが、耐熱性や耐久性に欠け、長期の使用に
耐えない。また金属材料表面をエポキシ樹脂や上
述の熱可塑性樹脂で表面ライニングすることも行
われているが、耐薬品性や耐熱性に満足できるも
のでなく、高度の耐薬品性を有する4フツ化エチ
レン樹脂にあつても非常に軟質で、容易に傷が付
き、例えば高温のスラリー状物の製造等には使用
できない。またガスバリア性に劣り、薄いライニ
ング層では効果がない。この様な分野にはガラス
やほうろう等の無機化合物を表面ライニングする
ことが行われているが、ライニング費用が高価で
あり、かつ脆くて一個所クラツクが生じただけで
その容器は使用不可となる欠点を有している。
以上のような現状に鑑み、本発明者らは従来の
樹脂ライニングのように容易に金属等の基体表面
に被覆可能で、かつ耐熱性および耐薬品性に優
れ、さらに高温においても適度の硬度と耐衝撃性
を有するライニング層と該基体層とからなる複合
物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果本発明に至
つた。すなわち、第1層が次式 で表わされる繰返し単位を少なくとも70モル%含
有し、かつ360〜400℃の温度で102〜103sec-1
ずり速度における溶融粘度が50〜500Pa・secの
範囲にある結晶性熱可塑性芳香族ポリエーテルケ
トンを主成分とし、該樹脂の分子鎖のうち20〜50
重量パーセントが結晶状態を形成していることを
特徴とする厚さ0.05〜5mmのライニング層であ
り、第2層が金属もしくは金属酸化物、無機質焼
結体のいずれかからなる基本層であり、第1層と
第2層とが複合一体化された複合物は前述の従来
のライニング複合物の欠点を補い、かつ高度の耐
熱性および耐薬品性の要求をすべて満足するもの
である。さらに必要に応じて、第1層の該結晶性
熱可塑性芳香族ポリエーテルケトンに併せて他の
熱可塑性樹脂もしくは/および無機質粉体を50容
量パーセントを越えない範囲で混合することによ
り、使用目的によつて要求される硬度や耐衝撃性
を適当に選択することも可能である。従つて本発
明による複合材から得られたタンクやパイプ類は
広く無機・有機薬品、ガス、食料品等の分野の各
種プラントに使用できるものである。
本発明の第1層(ライニング層)に主として用
いられる結晶性熱可塑性樹脂である芳香族ポリエ
ーテルケトンは前述の式の化学構造の繰返し単
位を少なくとも70モル%有しており、近年イギリ
スにて開発され、主として電線被覆用途に使用さ
れている耐熱性に優れた樹脂である。該樹脂の製
造方法は例えば特開昭54−90296号に示されてい
るが、本発明においては式の化学構造を有する
ものであれば如何なる製法で作られたものでも使
用可能である。そして、30モル%未満であれば
式以外の単位を含んでいてもよい。このような単
位としては などをあげることができる。かかる樹脂は例えば
「工業材料」第30巻第9号32ページに示されてい
るように、濃硫酸以外の薬品には不溶であるとい
う優れた耐薬品性と、連続使用温度が240〜250℃
という優れた長期耐熱性を有しており、これらの
知見より、該樹脂を鋼管ライニング等の分野に応
用することは当該業者なら容易に思い付くことが
できるであろう。しかし、本発明者らも研究を行
つた結果、該樹脂をそのまま前述の分野に応用し
てもピンホールの無い良好なコーテイング層を形
成することは困難であり、かつ得られたコーテイ
ング層は硬度や耐衝撃性に欠ける場合が多く、目
的とする複合物を得ることはできない。本発明者
らはさらに研究を重ねた結果、目的とする良好な
複合物を得るには特定の分子鎖を有する該樹脂を
特定の結晶−非晶状態になるように処理する必要
があることを見出し、本発明に至つたものであ
る。
本発明において第1層(ライニング層)に用い
られる芳香族ポリエーテルケトン樹脂は360〜400
℃の温度で102〜103sec-1のずり速度における溶
融粘度が50〜500Pa・secの範囲のものでなけれ
ばならない。一般に高分子物質の分子鎖の長さは
重合度もしくは分子量で表現されているが、これ
らのパラメーターを測定するには何らかの溶液に
する必要がある。しかし、前述のように該樹脂は
濃硫酸以外には溶融せず、しかも濃硫酸中では溶
解と同時に分解も生じていることを確認してお
り、事実上固有粘度等の測定は不可能である。一
方、一般の線状高分子物質では溶融粘度と分子量
の間には一定の関係が成立することが知られてお
り、本発明で用いる溶融粘度は分子量すなわち分
子鎖の長さを特定化するパラメーターと見做し得
る。前述の状態における溶融粘度が500Pa・sec
を越える分子鎖の長い該樹脂を用いると基材上に
均一に被覆することが難しく、特に粉末原料を使
用する場合には脱泡がうまくいかずピンホールが
生じる。溶融粘度が50Pa・secより低い該樹脂を
用いた場合には、溶融ライニングの際にタレが生
じたり、得られたライニング層の衝撃強度や硬
度、耐熱性が低下することがある。よつて50〜
500Pa・secの範囲の該樹脂が好ましい。溶融粘
度の測定には、例えば高化式フローテスター等の
キヤピラリー型の粘度計が好ましい。
続いて、目的とする耐熱性および耐薬品性、硬
度、耐衝撃性を有するライニング層とするには溶
融接着された該樹脂層を適当な温度条件下で結晶
化させ、結晶部分の割合いが20〜50重量パーセン
トのものにする必要がある。結晶化度が20重量パ
ーセント未満であると耐熱性、耐薬品性、硬度の
点で劣るばかりでなく、使用中の熱履歴によつて
結晶化が進み、クラツクが生ずるおそれがある。
また、結晶化度が50重量パーセントを越えると基
体層との密着性が低下する。このような結晶化度
の測定法としてはX線回折法や密度の測定を応用
することができる。X線回折法から結晶化度を求
めるには、得られたライニング層から取り出した
該樹脂片を通常の広角X線回折法により測定し、
得られた回折強度曲線のピーク面積(Sc+Sa+
A)と、別に急冷によつて特別に作製した非晶の
該樹脂片の同様の測定によつて得られたピーク面
積(Sa+A)と、空気の散乱による面積(A)とか
ら、次式によつて求められる。
結晶化度Xc(%)=Sc/Sc+Sa×100 また、密度測定より結晶化度を求めるには該樹
脂の完全結晶の密度dc、完全非晶の密度da及び
ライニング層から取り出した樹脂片の密度dか
ら、次式によつて算出する。芳香族ポリエーテル
ケトンがすべて前述の式で表わされる繰り返し
単位からなる場合には、dcは1.400、daは1.265で
ある。dは密度勾配管法もしくは浮沈法などで測
定することができる。
結晶化度Xc(%)=d−da/dc−da×100 本発明において、耐熱性や耐薬品性は多少犠牲
にしてでも、耐衝撃性や耐摩耗性を向上させたい
要求がある場合には、芳香族ポリエーテルケトン
と併せて、他の熱可塑性樹脂を50容積パーセント
を越えない範囲で混合して第1層に使用すること
ができる。使用する該熱可塑性樹脂としては、用
途に応じて広く選択できるが、4フツ化エチレン
樹脂、3フツ化塩化エチレン樹脂、4フツ化エチ
レン−6フツ化プロピレン共重合樹脂、4フツ化
エチレン−全フツ化アルキルビニルエーテル共重
合樹脂、エチレン−4フツ化エチレン共重合樹
脂、エチレン−3フツ化塩化ビニル共重合樹脂、
フツ化ビニリデン樹脂、フツ化ビニル樹脂等の含
フツ素系樹脂およびポリエチレンが好ましい。ま
た、本発明において、耐薬品性や成形性は多少犠
牲にしてでも、耐熱性や耐摩耗性、耐衝撃性を向
上させたい要求がある場合には、該芳香族ポリエ
ーテルケトンと併せて無機質粉体を50容量パーセ
ントを越えない範囲で混合して第1層に使用する
ことができる。併用する無機質粉体としてはガラ
スフレーク、雲母もしくは層状黒鉛などの鱗片状
無機化合物が好ましい。
本発明における第1層の厚さは目的・用途によ
つて異なるが、一般には0.05〜5mmの厚さが好ま
しい。
本発明における第2層の基体層の素材は金属材
料、金属酸化物、無機質焼結体等、通常のプラン
トに用いられる素材で、その融点が該ライニング
層の成形温度以上の素材であれば如何なるもので
も使用可能であり、例えば金属材料では一般の鋳
鉄、炭素鋼、クロム鋼、各種ステンレス鋼、モネ
ル合金、インコネル、ハステロイ、ステライト等
の耐蝕耐熱合金、銅およびその合金、ニツケルお
よびその合金、アルミニウムおよびその合金、チ
タンおよびその合金等を挙げることができる。ま
た、金属酸化物および無機質焼結体としてはアル
ミナ、コージライト、ジルコニア、炭素材料、炭
化ケイ素、ガラス、陶磁器、石器等を挙げること
ができ、特殊なモルタルやコンクリートも使用で
きる。またこれらの素材は450℃以下の温度範囲
で組成の変化が生ぜず、その熱膨張係数が第1層
の樹脂の熱膨張係数とできる限り近い値を有する
ものが好ましい。
本発明において、第1層のライニング層と第2
層の基体層との接着は強固である程好ましく、そ
のためには通常の樹脂ライニング処理と同様の基
体表面への前処理が必要である。前処理は必ず酸
洗による錆落しおよび溶剤洗浄による脱脂を行な
つた後アルミナ、けい砂等でドライサンドプラス
ト処理するか化学エツチング処理することにより
基体層表面を粗面化することが好ましい。一般の
樹脂ライニングにおいて用いられるプライマー処
理は本発明においては好ましくない。
次に本発明による複合物の製造方法を具体的に
述べると、先ずタンク、パイプ等の該当個所を前
述の方法により前処理した後360〜450℃に加熱す
る。加熱方法は電気炉、ガス炉、赤外線炉中での
加熱もしくは高周波誘導加熱の如何なる方法でも
良い。第1層に用いる樹脂は粉末状かシート状が
好ましく、他の熱可塑性樹脂や鱗片状無機化合物
を併用する場合は予め均一に混合しておく必要が
ある。ライニング方法は粉末状樹脂を吹付けた
り、波動浸漬したり、静電塗装することができる
が、予めシート状にしたものを貼りつけても良
い。粉末状樹脂の場合には粒度分布の選択も重要
である。この際接着層の厚さを均一にし、接着力
を強固にし、十分脱泡してピンホールの無いライ
ニング層を形成することが重要であるが、例えば
パイプの内面ライニングの場合には回転成形を行
うと良い。基体表面に付着させた樹脂は一度完全
溶融させた後徐冷して所定の結晶化度になるよう
に結晶を成長させる。結晶化の方法として、散水
等により一度急冷した後に所定の温度にまで再び
昇温して結晶化させる方法がよく行われている
が、この方法では工程が複雑であるばかりか、本
発明による20重量パーセント以上の結晶化度を得
ることは難かしく、むしろ溶融状態から徐冷して
固化結晶化させるか、徐冷過程の例えば200℃付
近で一定時間保温して結晶化させることが好まし
い。このように十分に結晶化させたライニング層
は乳褐色で不透明となる。以上の工程で得られた
該複合物は最後に高周波テスター等によるスパー
クテスト等でピンホールが無いことを確認された
上で使用に供される。
以上の方法により得られた本発明による複合物
は、濃硫酸以外の如何なる薬品にも浸蝕されるこ
との無い優れた耐薬品性と、250℃以下の温度で
連続長時間使用可能な優れた耐熱性を有している
ばかりでなく、その表面硬度はアルミニウム並み
で、樹脂ライニングの中では卓越しており、また
耐衝撃性や耐摩耗性に優れる上に成形も非常に容
易である。従つて、本発明による複合物は各種有
機・無機薬品やしよう油等の食料品、石油精製、
メツキ等の工業分野のみならず、原子力や地熱発
電等の広い分野において、反応、合成、混合、貯
蔵、加熱・冷却、凝縮、蒸発、蒸溜、分級、吸
収、過、輸送、計測等の単位操作に用いられる
タンク、配管、ボイラー、熱交換器、撹拌機、分
級機等として使用できるものである。
以下に本発明を実施例をもつて具体的に説明す
るが、これらの実施例によつて本発明は何ら限定
されるものではない。
実施例 1 厚さ3mmの鋼板の片面をサンドプラスト処理し
た後酸洗浄及び脱脂した。次に高化式フローテス
ターによる380℃、ずり速度5×102sec-1におけ
る溶融粘度が180Pa・secの芳香族ポリエーテル
ケトン樹脂粉末(平均粒径56μm)を、380℃に
保持された電気炉中で加熱された前記鋼板のサン
ドブラスト処理面に薄く均一に散布し、溶融させ
た。この操作を3回繰返し、鋼板表面を該樹脂溶
融物で均一に被覆した後電気炉を約200℃に保持
し、約1時間結晶化処理後取出した。得られた複
合物のライニング層の平均厚さは電磁式膜厚計に
よる測定の結果0.83mmであり、一部破壊して採取
したライニング層樹脂の室温における浮沈法によ
る密度の測定結果は1.313g/cm3であり、前述の
方法によつて算出された結晶化度は35.6%であつ
た。さらにスパークテスターによるピンホールテ
ストの結果、ピンホールは認められなかつた。該
複合物のライニング層のバーコール硬度は室温で
63、140℃で48であり市販樹脂の中では非常に硬
い。またASTM D−1175に準拠したテーバー摩
耗試験結果は17であり、優れている。また該複合
物上に1mの高さから1Kgの鋼球を落下させて落
球衝撃試験を行つた結果、外観上は何らの変化も
認められなかつた。つぎにそれぞれ30%塩酸水溶
液、20%カ性ソーダ水溶液、トルエンおよびトリ
クレンの入つた各容器に該複合物を浸漬し、80℃
に保つて30日間静置した後取出し、水洗後ライニ
ング層の変化を顕微鏡観察した結果30%塩酸水溶
液、20%カ性ソーダ水溶液およびトリクレン中で
は何らの変化も認められず、トルエン中ではわず
かに表面の光沢が失なわれているがピンホールは
なかつた。このように本発明による複合物は高温
耐薬品性のみならず、耐衝撃性、耐摩耗性や硬度
に優れ、広く薬品類の容器、配管等に適するもの
である。
比較例 1 実施例1と同一条件で測定された溶融粘度が
630Pa・secの芳香族ポリエーテルケトン樹脂粉
末(平均粒径210μm)を、実施例1と同様に前
処理され、400℃の電気炉中で予熱された厚さ3
mmの鋼板のサンドプラスト処理面に散布し、溶融
させて被覆した後に同様に結晶化させた。得られ
た複合物のライニング層の厚さは1.3mmであり、
樹脂の結晶化度は27.3%であつたが、ピンホール
テストの結果該複合物には無数のピンホールが認
められ、実施例1と同様の耐薬品性試験を実施す
ることはできなかつた。このように本発明で規定
する分子鎖長以上の(すなわち溶融粘度が
500Pa・sec以上の)樹脂を用いた場合には成形
温度を高くしたにもかかわらず、ピンホールの無
い均一なライニング層を成形することは難しく、
このような樹脂は本発明の目的とする分野には適
していない。
実施例 2 実施例1で用いた芳香族ポリエーテルケトン樹
脂粉末100重量部と耐蝕コーテインググレードの
市販ポリフツ化ビニリデン樹脂粉末(平均粒径
45μm)60重量部(約31容積パーセント)とをヘ
ンシエルミキサーでドライブレンドした。つぎに
実施例1と同様に該混合樹脂粉末を前処理した鋼
板上に380℃で散布・溶融被覆し、200℃にて結晶
化させた。得られた複合物のライニング層の厚さ
は0.95mmであり、ピンホールは無かつた。該複合
物のライニング層のバーコール硬度は室温で32で
あり、テーバー摩耗試験は12であつた。ブレンド
によつて硬度は低下するが耐摩耗性は向上してい
る。また落球衝撃試験でも合格し、実施例1と同
一の条件下での高温耐薬品性試験では、トルエン
とトリクレンに対してわずかに表面の光沢が失な
われた程度でピンホールはなく、広く高温耐薬品
性を要求されるプラント類に適している。
実施例 3 実施例1で用いた芳香族ポリエーテルケトン樹
脂粉末100重量部と60メツシユパスのガラスフレ
ーク75重量部(約29容積パーセント)とをヘンシ
エルミキサーを用いて均一に混合した。つぎに実
施例1と同様に該混合粉末を前処理した鋼板上に
395℃で散布し、溶融被覆せしめた後200℃にて結
晶化させた。得られた複合物のライニング層の厚
さは約1.5mmであり、ピンホールは無かつた。該
複合物のライニング層のバーコール硬度は室温で
71であり、テーバー摩耗試験結果は10であり、落
球衝撃試験でも合格した。このようにガラスフレ
ークをブレンドすることにより、硬度および耐摩
耗性は向上する。さらに実施例1と同一条件下で
の高温耐薬品性試験の結果、トルエンとトリクレ
ンに対してわずかに表面の光沢が失なわれた程度
でピンホールは無く、広く高温耐薬品性を要求さ
れるプラント類に適している。
比較例 2 ライニング用樹脂として実施例2で用いたポリ
フツ化ビニリデン樹脂粉末を用い、320℃の電気
炉中で焼付け被覆を行つた。得られた複合物のラ
イニング層の厚さは約1.3mmであり、ピンホール
は無かつた。該複合物のライニング層のバーコー
ル硬度は室温で0であり、テーバー摩耗試験結果
は11であり、落球衝撃試験でも合格した。このよ
うにポリフツ化ビニリデン樹脂は硬度に乏しく、
スラリー等の配管内面ライニング等には適さな
い。また実施例1と同一条件下での高温耐薬品性
試験の結果、トルエンに対してはクレージングが
生じ、トリクレンに対しては一部溶解して使用に
耐えない。このように、従来の最高級のライニン
グ用樹脂でも特に極性有機溶媒に対しては高温耐
薬品性に乏しく、本発明による実施例1に劣るも
のである。
比較例 3 ライニング用樹脂として市販高密度ポリエチレ
ン樹脂粉末(平均粒径100μm)を用い、220℃の
電気炉中で実施例1と同様に鋼板上に樹脂被覆し
た。得られた複合物のライニング層の厚さは約
1.15mmであり、ピンホールは無かつた。該複合物
のライニング層のバーコール硬度は室温で0であ
り、テーバー摩耗試験結果は13であり、落球衝撃
試験では合格した。また実施例1と同一条件下で
の高温耐薬品性試験の結果、トルエンおよびトリ
クレンに対しては一部溶解した。このように従来
の樹脂ライニングとして一般的なポリエチレン樹
脂では硬度に乏しく、また無機薬品に対しては有
効であるが有機薬品に対しては高温耐薬品性は悪
く、本発明による実施例1に比べて劣る。
比較例 4 実施例1において、該樹脂を380℃の電気炉中
で溶融被覆後直ちに電気炉より取出して冷水中に
投入し、急冷した。得られた複合物のライニング
層は褐色の半透明であり非晶状態に近いと考えら
れる。つぎに該複合物を200℃の熱プレス中で約
20分間結晶化させた結果ライニング層は淡褐色に
失透し、その厚さは約0.92mmであつた。該複合物
のライニング層樹脂の密度は1.28であり、算出さ
れた結晶化度は11%であつた。またピンホールは
認められなかつた。該複合物のライニング層のバ
ーコール硬度は室温で37であり、テーバー摩耗試
験結果は17であり、落球衝撃性試験では合格し
た。さらに実施例1と同一条件下での高温耐薬品
性試験の結果、トルエンに対してのみわずかにク
レージングが発生していることが認められ、長期
使用に対しては心配される。このように本発明に
よる芳香族ポリエーテルケトン樹脂をライニング
層に使用しても、結晶化度が20%より少ない場合
には表面硬度および高温耐薬品性の点で劣る。該
樹脂は濃硫酸以外の薬品には不溶ということは知
られているが、若干の有機溶媒に膨潤する性質も
有しており、高温耐薬品性が要求される高級樹脂
ライニング用途に対しては結晶化度も重要なフア
クターである。
実施例 4 呼径3インチ、長さ5.5m、肉厚4.2mmの鋼管の
内面をサンドプラスト処理後酸洗浄および水洗し
た。つぎに400℃の電気炉で予熱した鋼管を回転
させながら、実施例1で用いた樹脂を鋼管の内面
に散布し、溶融被覆させ、さらに徐冷して結晶化
させた。得られた複合鋼管のライニング層の厚さ
は1.5mmであり、ピンホールは無かつた。別に準
備した同一工程を経た試験片の樹脂の結晶化度は
25.9%であつた。このようにして得られた内面ラ
イニング鋼管を実際のベンゼン蒸留プラントの配
管の一部に使用し、3ケ月間連続使用後取外して
観察した結果、ライニング層の外観上の変化およ
びピンホールは無く、高温耐有機溶剤性に優れて
いることが判明した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 第1層が次式 で表わされる繰返し単位を少なくとも70モル%含
    有し、かつ360〜400℃の温度で、102〜103sec-1
    のずり速度における溶融粘度が50〜500Pa・sec
    の範囲にある結晶性熱可塑性芳香族ポリエーテル
    ケトンを主成分とし、該樹脂の分子鎖のうち20〜
    50重量パーセントが結晶状態を形成している厚さ
    0.05〜5mmのライニング層であり、第2層が金属
    もしくは金属酸化物、無機質焼結体のいずれかか
    らなる基体層であり、第1層と第2層とが複合一
    体化された複合物。 2 第1層が、結晶性熱可塑性芳香族ポリエーテ
    ルケトン以外の熱可塑性樹脂を50容量パーセント
    を越えない範囲で含有してなる特許請求の範囲第
    1項記載の複合物。 3 結晶性熱可塑性芳香族ポリエーテルケトン以
    外の熱可塑性樹脂が、4フツ化エチレン樹脂、3
    フツ化塩化エチレン樹脂、4フツ化エチレン−6
    フツ化プロピレン共重合樹脂、4フツ化エチレン
    −全フツ化アルキルビニルエーテル共重合樹脂、
    エチレン−4フツ化エチレン共重合樹脂、エチレ
    ン−3フツ化塩化ビニル共重合樹脂、フツ化ビニ
    リデン樹脂、フツ化ビニル樹脂、ポリエチレンの
    いずれかである特許請求の範囲第2項に記載の複
    合物。 4 第1層が、無機質粉体50容量パーセントを越
    えない範囲で含有してなる特許請求の範囲第1項
    記載の複合物。 5 無機質粉体が、鱗片状無機化合物である特許
    請求の範囲第4項記載の複合物。 6 鱗片状無機化合物がガラスフレーク、層状黒
    鉛もしくは雲母である特許請求の範囲第5項記載
    の複合物。
JP1077183A 1983-01-25 1983-01-25 Tainetsuseioyobitaiyakuhinseinisuguretafukugobutsu Expired - Lifetime JPH0243625B2 (ja)

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