JPH0243403B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は外気の侵入の防止を図つた密閉形制御
盤に係り、特に盤内に実装された制御装置が運転
停止した場合における結露の防止を図つた密閉形
制御盤に関する。

〔従来の技術〕

近年、制御盤内の機器の実装密度は高くなり、
特に計算制御装置等を収納した場合はその発熱量
が大きく何らかの冷却手段が必要となる。換気扇
等で盤外の空気を制御盤内に導入して冷却する方
法では、空気中の塵埃や水分、腐蝕性ガス等も侵
入し、制御盤の設置環境の悪い所では制御装置の
故障の原因となる。従つて、塵埃や腐蝕性ガスの
多く存在する場所では外気が侵入しない様に密閉
形の制御盤とし、冷却装置として、例えば、コン
プレツサ、凝縮器、蒸発器からなる冷却装置を設
置するようにしている。

このようにして外気中の塵埃や腐蝕性ガスの侵
入を防止し且つ制御盤内の温度上昇を許容値以内
に抑制することができる。ところが、ここで問題
となるのは、制御盤内に実装された制御装置が停
止した場合に結露することである。制御装置が停
止すると、その発熱量は零または零付近にまで低
下する。従つて、制御盤内の温度は低下し、制御
盤外と同程度の冷却まで低下する。制御盤は鋼板
で形成されており、この発熱量から熱が放散され
温度低下する。この温度低下は比較的短時間、お
よび数時間で起こり且つ制御盤は外気と遮断され
ている為盤内の１部に結露することがある。この
結露が例えば計算制御装置の部品に起きると、腐
蝕が急速に進み、例えばICのピンの部分が断線
するといつた故障に到る。制御盤内の結露を防止
するために、制御盤内にスペースヒータ（発熱
体）を設け主回路機器を停止させたときにスペー
スヒーターを作動させるようにしている。このこ
とは例えば実開昭55―130515号明細書に記載され
ている。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来、スペースヒータ（発熱体）の容量は制御
盤の大きさによつて決めている。具体的にはスペ
ースヒータの容量を50Wまたは200Wと決めてお
き、制御盤の外枠寸法によつて適した容量のスペ
ースヒータを設けるようにしている。このため、
制御装置の発熱量と冷却装置の冷却熱量との差は
制御盤毎に異にする。スペースヒータの容量は予
め定まつた容量のものであり、盤外温度の変化は
緩やかでほぼ一定と見なすことができるので、制
御装置と冷却装置の運転時はスペースヒータを作
動させたときの盤内温度が大きく異なることにな
る。計算制御装置を構成する半導体素子はプラス
チツクまたはセラミツクなど絶縁材によつてパツ
ケージ化されている。しかし、これれらの絶縁材
は周囲温度（盤内温度）が大きく変化するとクラ
ツクが発生し破損することがある。したがつて、
結露を防止すると共に制御装置の運転停止に拘ら
ず盤内温度の変化を小さくすることが望まれる。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は発熱体が制御装置の発熱量と冷却装置
の冷却熱量の差の熱量を発生するようにし、制御
装置と冷却装置の運転停止したときに発熱体を作
動させるようにする。

〔作用〕

本発明においては発熱体が制御装置の発熱量と
冷却装置の冷却熱量との差の熱量を発生するよう
にしている。したがつて、盤内温度は制御装置の
運転時と停止時において盤外温度より所定値だけ
高いものとなり、結露を防止できると共に盤内温
度をほぼ一定にして温度変化を小さくできる。

〔実施例〕

以下、本発明に係る密閉形制御盤の一実施例を
第１図及び第２図により説明する。。第１図には
本発明に係る密閉形制御盤の実装例が示されてお
り、同図において密閉形制御盤１１には制御装置
２Ａ，２Ｂ，２Ｃが実装されており、これらの制
御装置２Ａ，２Ｂ，２Ｃは一つのシステムを形成
している。制御装置２Ａ，２Ｂ，２Ｃの運転時に
おける発熱量はほぼ一定となる。また、制御盤１
には制御装置２Ａ，２Ｂ，２Ｃの発熱量よりも小
さい一定の冷却熱量を発生する冷却装置３と発熱
体４が実装されており、発熱体４には例えば電熱
ヒータが使用される。

第２図には本発明に係る密閉形制御盤の制御回
路の構成が示されており、同図において制御装置
２Ａ，２Ｂ，２Ｃの停止によりオンする接点５―
１，５―２，５―３の総てがオンすることにより
停止検出継電器５が動作する。接点５―１，５―
２，５―３は通常は同時にオンとなる。継電器５
が動作するとその常開接点５ａにより発熱体４に
通電し、且つ常閉接点５ｂにより冷却装置３が停
止する。発熱体４は制御装置２Ａ，２Ｂ，２Ｃの
運転時に発生する発熱量と冷却装置３の冷却熱量
との差の熱量を発生するようになつている。な
お、冷却装置３の冷却熱量が制御装置２Ａ，２
Ｂ，２Ｃの発熱量より小さいのは盤内温度が盤外
温度よ低くなり結露するのを防止するためであ
る。また、冷却装置３は一定の冷却能力で運転さ
れる。

このようにして発熱体４を作動させるのである
が、制御装置２Ａ，２Ｂ，２Ｃの運転停止と共に
冷却装置３の運転も停止させてから発熱体４を動
作させるようにしている。このため、盤内温度が
低下しないので結露を確実に防止できる。また、
発熱体４の発熱量は制御装置２Ａ，２Ｂ，２Ｃの
発熱量と冷却装置３の冷却熱量の差に相当するも
のとしているので制御装置２Ａ，２Ｂ，２Ｃの運
転時と停止時の盤内温度をほぼ一定にすることが
できる。

本発明者達が製作した例として、制御装置２の
発熱量が1KW、冷却装置３は冷却発熱量が700W
相当で、発熱体４が300Wのものがある。そして、
盤内温度が31℃、盤外温度が24℃のときに制御装
置２と冷却装置３の運転を停止すると、盤内温度
は盤外温度になるため６℃前後変化するが、本発
明ではほぼ31℃になる。

なお、冷却装置３と発熱体４を駆動する電源が
停電したときには、本発明では結露を防止できな
くなる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明によれば制御装置
の運転時と停止時において盤内温度を盤外温度よ
り所定値だけ高くできる。したがつて、結露を防
止できると共に盤内温度をほぼ一定にして温度変
化を小さくできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の係る密閉形制御盤の実装例を
示す図、第２図は本発明に係る密閉形制御盤の制
御回路の構成を示す回路図である。 １……密閉形制御盤、２Ａ，２Ｂ，２Ｃ……制
御装置、３……冷却装置、４……発熱体、５……
停止検出継電器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一定の熱量を発生する制御装置と、該制御装
   置の発熱量より小さい一定の冷却熱量を発生し、
   前記制御装置の運転時に作動する冷却装置と、前
   記制御装置と冷却装置の停止時に作動する発熱体
   と、前記冷却装置と発熱体の作動を切換える切換
   え手段を収納してなる密閉形制御盤であつて、前
   記発熱体は前記制御装置の発熱量と前記冷却装置
   の冷却熱量との差の熱量を発生するものとし、盤
   内温度を盤外温度より所定値だけ高くするように
   したことを特徴とする密閉形制御盤。