JPH05336622A - 配電盤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 箱体内に結露が発生するのを防いで湿度を一
定に保つことにより、信頼性を向上させた配電盤を得
る。 【構成】 配電盤１内の結露防止装置は、吸着剤４が水
分を吸収すると、この増加分に応じて圧電素子１１が変
形して電気信号を出力し、コントローラー１３がこの電
気信号を入力するとヒーター８を動作させて吸着剤４を
加熱する。これにより上昇した水分は、排気ブロアー６
により排気パイプ７を介して排気される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、配電盤に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に配電盤は、密閉容器内に電気機器
を収納して構成される。この電気機器には、高電圧がか
かる部分などに絶縁材料を施している。また電気機器を
冷却するために内部でブロアーを稼動させている。この
ようにして、盤内の密度を一定に保つようにし結露が発
生するのを防いでいる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような配電盤にお
いては、結露の発生の防止を十分に行えず、例えば外部
の温度サイクルによって盤内に結露が発生する。この結
露によって盤内の湿度が上昇してしまい、電気機器に使
用している絶縁材料の寿命を縮めたり、場合によっては
端子間に短絡が発生し事故を誘発することがある。本発
明の目的は、内部の結露の発生を防いで信頼性を向上さ
せた配電盤を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、箱体内に電気機器が収納された配電盤にお
いて、箱体内の水分を吸収する吸収手段と、吸収手段の
重量変化を受け電気信号を出力する出力手段と、出力手
段からの電気信号により吸収手段を加熱する手段の動作
を制御する制御手段と、吸収手段が加熱されたことによ
り上昇する水分を排気する排気手段を有する結露防止手
段を備えて構成する。

【０００５】

【作用】このような構成において、出力手段が水分を吸
収した吸収手段の重量変化を受けて電気信号を出力する
と、制御手段がこの電気信号により吸収手段を加熱する
手段を動作させて、吸収手段から生じる水分を排気手段
を介して排気するので、盤内の湿度は一定に保たれる。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図１は本発明の一実施例を示す配電盤の結露防止
装置の構成図である。図１において、電気機器２を収納
する配電盤１の内部に結露防止装置を配置する。

【０００７】この結露防止装置は、次のように構成され
る。すなわち、湿度を検出する湿度センサー３、水分を
吸着する例えばシリカゲルからなる吸着剤４、盤外へ排
気するための排気カバー５、排気ブロアー６、排気パイ
プ７を有する。また、吸着剤４等を加熱するヒータ８、
吸着剤４を支持する支持板９、水分を吸着した吸着剤４
の荷重をジム１０が受け、このジム１０と三角板１２に
より変形する圧電素子１１、この圧電素子１１の変形に
より発生する電気信号を入力してヒータ８を動作させる
コントローラ１３、および電源１４で構成する。次に作
用について説明する。

【０００８】相対湿度の変動を早期に発見するために、
湿度センサー３を備えた吸着剤４を組み合せて盤の湿度
をチェックし、吸着剤４の吸湿の具合を判定している。
ここで、突然湿度が高くなったり、また温度の降下によ
る相対湿度上昇に共なう結露等も把握できるようにする
ため、次のようにする。

【０００９】すなわち、吸着剤４中の水分量が、例えば
全重量の１０％である時、吸着剤４の重量が増加分（吸
着水）で圧電素子１１（例えば、チタン酸バリウム）に
変位を与えることにより起動力が発生する。この圧電素
子１１のバイアス電圧と変形率の関係の特性曲線の一例
を図２に示す。この際、例えば圧電素子１１の特性曲線
の２５℃におけるチタン酸バリウムの傾きが一定になっ
ている所を使用する。この特性曲線からわかるように、
吸着剤４の重量が１０％増加することで変形率が３８％
を超えると、バイアス電圧３０ＫＶ／ｃｍの起電力が発
生する。発生した起電力が信号としてコントローラー１
３に入力され、吸着剤４の下部に設置したヒーター８で
吸着剤４を加熱する。加熱したことにより、排気カバー
５は上昇する水分を受け排気パイプ７を介して排気ブロ
アー６で盤外に水分を排出する。この加熱時間は任意に
設定する方式になっているが、吸着剤４としてシリカゲ
ルを使用したときは、脱着時間を約１時間としている。
脱着時間の経過後は、コントローラー１３内のタイマー
が停止してヒーター８に電流が流れなくなると同時に、
排気ブロアー６が停止する。この一連の動作を自動的に
行って、盤内の湿度を一定に保ち、結露の発生を防いで
いる。

【００１０】このように本実施例によれば、吸着剤４の
水分吸着状態を圧電素子１１で検出し、ヒーター８によ
り吸着剤４の水分を除去するので、吸着剤４の機能を常
に発揮させて盤内の湿度を一定に保つことができる。

【００１１】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、盤外の温
度サイクル等の影響で結露が発生しても結露防止装置に
より水分を除去して盤内の湿度を一定に保つことができ
るので、電気部品等の絶縁劣化や腐食の発生を防いで信
頼性を向上させた配電盤を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の配電盤に適用される結露防止装置の
構成図。

【図２】 ［図１］の圧電素子１１の特性を示す図。

【符号の説明】

３……湿度センサ、４……吸着剤、６……排気ブロア
ー、８……ヒーター １１……圧電素子、１３……コントローラー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 箱体内に電気機器が収納された配電盤に
   おいて、前記箱体内の水分を吸収する吸収手段と、この
   吸収手段の重量変化を受け電気信号を出力する出力手段
   と、この出力手段からの電気信号により前記吸収手段を
   加熱する手段の動作を制御する制御手段と、前記吸収手
   段が加熱されたことにより上昇する水分を排気する排気
   手段とを有する結露防止手段を備えたことを特徴とする
   配電盤。