JPH0242935B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、幅出機用のクリツプチエーン又はピ
ンチエーンであつて、結合ピンによつて連結され
たクリツプチエーンリンク又はピンチエーンリン
クと結合リンクとから成つている形式のものに関
する。

幅出機用のこのようなクリツプチエーン又はピ
ンチエーンとして、特に多くのクリツプ体および
中間接続された結合用板リンクから成る幅出チエ
ーンであつて、チエーン横断面がＣ字形をなして
いて関節ピン用並びに関節ピンに連接された結合
用板リンク用のフオーク状の支承片をなしている
クリツプ体を備えている例がドイツ連邦共和国特
許第947460号明細書に記載されている。このチエ
ーンに使われている関節ピンの場合定期的な潤滑
が必要である。この潤滑は時間を浪費し、幅出機
の３交代運転では著しい作業時間の損失を我慢を
しなればならない。チエーンに損傷が生じた場合
にはリンクの交換が極めて煩雑である。というの
は、個々のリンクを結合している関節ピンの取り
はずしが複雑だからである。

特に簡単に分解できる幅出チエーンが例がドイ
ツ連邦共和国特許出願公告第1460733号明細書に
よつて知られている。この幅出チエーンは板リン
クの形のリンクを有しており、このリンクの両端
部は互いに向き合つて折り曲げられている。隣接
し合うリンクはその折り曲げられた端部が互いに
フツク状にかみ合うことによつて連結される。こ
の幅出チエーンは帯状品をもつぱら処理液中で貫
通案内するために使われる。しかし、この幅出チ
エーンは案内路内で正確に案内する可能性を欠い
ていること、並びに安定性を欠いていることによ
つて、帯状品にその片側又は両側から処理ガスを
施す通例の幅出機に使うには適さない。

本発明の目的は、幅出機において１年間にわた
つて事実上手入不要の３交代運転を可能にするク
リツプチエーン又はピンチエーンを提供すること
である。この目的を本発明は次のようにして達成
した。即ち、クリツプチエーン又はピンチエーン
のリンクが１つのＣ形中空材から成つていて、こ
のＣ形中空材の縦方向の両端部内にそれぞれ結合
ピンを支承するためにＣ形中空材内方へ向かつて
開いた半円プツシユが挿入されており、この半円
ブツシユの軸線はＣ形中空材の開口平面に対して
直角をなしているのである。

このような本発明の構成によれば、相互回転を
生ずる部分を有せず、従つて潤滑を必要とせぬク
リツプチエーン又はピンチエーンのリンクが得ら
れる。幅出機の加熱される内部室を通るほぼ直線
的な経路上にこのような多数のリンクが直線状に
張られ、その結果として結合ピンと半円ブツシユ
との間には極めてわずかな相互運動が生ずるに過
ぎない。半円ブツシユは例えば軸受用青銅又はポ
リテトラフルオルエチレンのような摩擦を軽減す
る耐摩耗性の材料から製作されると有利である。
ポリテトラフルオルエチレンを材料とした場合に
は、運転温度が高まるにもかかわらず容融の危険
はほとんどない。というのは、半円ブツシユがそ
の支承面は別として多面的に剛性的に支えられる
からである。半円ブツシユに嵌まる結合ピンの直
径は１〜２cmなので、半円ブツシユと結合ピンと
の間の接触面は事実上手入不要で摩耗のない連続
運転にとつて十分な大きさである。

さらに本発明によれば、Ｃ形中空材内に支承さ
れる結合ピンを備えた結合リンクを１つの中実形
材から製作する。この中実形状はＣ形中空材に結
合する結合ピンを有している外面とは反対側の外
面に、幅出機の両端に配置されたガイド輪を介し
てチエーンを転向案内するためのガイドピンを備
えている。

特にチエーン案内ケーシング内のチエーン案内
上でチエーンを手入不要に案内することができる
ように、結合リンクの中実形材をできるだけ摩擦
係数の小さい耐摩耗性の材料から製作するとよ
い。このような製作に加えて、又はその代りに、
チエーンの運動に伴つてチエーン案内ケーシング
又はその他のチエーン案内の面を滑走するチエー
ンリンクおよび結合リンクの両方を、できるだけ
摩擦係数の小さい耐摩耗性の材料で支持するか又
は少なくとも部分的に被覆するならば有利であ
る。

両方のリンクを、これらいずれにも同じ摩擦軽
減用の構造部品を付属できるように構成するか又
はこれらリンクを摩擦軽減用の構造部品と一体に
構成するならば特に有利である。いずれにせよ摩
擦軽減用の構造部品、要するにすべり片を摩擦面
に大きく設けるならば、チエーンの３交代の長期
継続使用においても２年後、少なくとも１年後に
はじめてすべり片の交換が必要となるにとどま
る。

本発明のクリツプチエーン又はピンチエーンは
組立並びに分解の容易という利点も有する。例え
ばリンクの交換が手軽に行なえる。この点に関し
て特に有利な実施態様によれば、チエーンリンク
および結合リンクを連結するために結合リンクに
設けられていてＣ形中空材内へ差し込まれる結合
ピンが、半円ブツシユに適合した円柱状頭部の下
側もしくは結合リンクに接する個所に頚部を有し
ており、Ｃ形中空材の開口側かその縦方向で両端
の半円ブツシユの範囲において結合ピンの円柱状
の頭部に自由な可動性をあたえるだけの空隙を残
して閉鎖されていて、かつ縦方向の両端部間の中
央範囲においては結合ピンの差込みおよび抜取り
を容易にする拡大開口範囲を有している。この場
合、Ｃ形中空材は平板な薄板の折曲げによつて、
又は四角形の中空形材の開口側に相応の切欠しを
形成することによつて製作できる。四角形の中空
形材による場合は、形材の安定性を得るために縦
方向の両端周囲を全面にわたつて閉ざしたままで
あると特に有利である。

Ｃ形中空材のどの面にクリツププレートもしく
はピンプレートを相応の保持体を介して固定する
かによつて、チエーンを構成部材に関してはほぼ
変更なしのまま幅出機外部に配置されたガイド輪
を介して水平方向に転向案内するか又は鉛直方向
で転向案内することになる。チエーン運動部の両
端に必要となるエンドレスチエーン転向用のガイ
ド輪はスプロケツトとして構成することができ、
このスプロケツトは、結合リンクの、結合ピンと
は反対側に設けられているガイドピンと係合する
ように配置される。スプロケツト或いはガイド輪
とガイドピンとの間の摩擦を軽減するために、ガ
イド輪の周面に歯の代りに回転支承されたローラ
を配置して、これらのローラによつてガイドピン
をつかむようにしてもよい。このような回転支承
されたローラは潤滑された軸受内で回転させるこ
とができ、この場合軸受は幅出機の加熱される室
の外部に配置されるため事実上手入不要である。

次に図面に示した実施例について本発明を説明
する： 図面にはピンチエーンが示されている。このピ
ンチエーンは符号１でまとめて示されているピン
チエーンリンクと符号２でまとめて示されている
結合リンクとから成つている。ピンチエーンリン
ク１および結合リンク２は結合ピン３を介して連
結されている。結合ピン３は各結合リンク２のほ
ぼ四角形の中実形材４に不動に結合されている。
ピンチエーンリンク１としては、第２図に平面図
で、第３図に横断面でそれぞれ示すＣ形中空材５
が使われている。この箱状のＣ形中空材５の両端
部範囲に各１つの半円ブツシユ６が挿入されてい
て、この半円ブツシユ６の軸線７はＣ形中空材５
の開口平面に対して直角をなしている。結合リン
ク２の結合ピン３は直径および長さの点で半円ブ
ツシユ６に嵌合するように製作されている。この
結合ピン３が鋼、特にステンレスの高級鋼から製
作されるのに対して、半円ブツシユ６は小さな摩
擦係数を有する比較的摩擦に強い材料から製作さ
れ、その結果この範囲でのピンチエーンの運動に
対して特別の潤滑は必要なくなる。

第１図は鉛直状に案内される実施例のピンチエ
ーンを一部図平面と平行に断面して正面から示し
ている。この鉛直案内の場合、帯状品の一方の縦
縁をつかむピンプレート１１はピンチエーンリン
ク１の開口８とは反対側の面に固定ている（第３
図参照）。第２図は水平に案内される実施例のピ
ンチエーンを一部図平面と平行に断面して平面図
で示している。この実施例の場合、帯状品の一方
の縦縁をつかむピンチエーン１２はピンチエーン
リンク１の開口８の隣の側面に固定されていて、
開口８は第１図の場合の横向きと異なつて上に開
放された形となる。

ピンチエーンリンク１のＣ形中空材５の開口８
は両端に位置する半円ブツシユ６の間の中央範囲
を拡大されており、これによつて結合ピン３の着
脱に困難を伴うことはない。また、結合ピン３が
チエーンの運動に伴つて半円ブツシユ６との嵌合
状態から思わぬ脱落を生ずることを阻止するため
に、結合ピン３の、半円ブツシユ６内に位置する
円柱状の頭部の下側もしくは結合リンク２に接す
る範囲に頚部９を設け、この頚部９の自由な動き
を可能にするだけの空隙を残してＣ形中空材５の
縦方向で半円ブツシユ６に接する範囲を閉鎖する
とよい。

Ｃ形中空材５の開口８の形状はとりわけ第２図
によく示されている。この第２図から理解される
ように、結合ピン３の直径は、開口８の中央範囲
での着脱が容異であつて、しかも半円ブツシユ６
内に嵌まり込んだ頭部が半円ブツシユ６に接する
範囲においてその軸線７の方向でＣ形中空材５か
ら脱落することがないような大きさである。要す
るに本発明の場合、Ｃ形中空材５および各結合ピ
ン８を介してなされるピンチエーンリンク１と結
合リンク２との連結を、一面においてチエーンリ
ンクの不都合な離脱がチエーンの運動中に起ら
ず、他面においては張力をゆるめれば簡単に結合
ピンの抜きはずしによつてチエーンを分解でき、
ひいては手軽にリンクを交換できるような形式で
行なえる。

ピンチエーンは幅出機内におけるほぼ直線的な
区間の両端において水平方向又は鉛直方向に支承
されたガイド輪によつて案内される。ガイド輪は
ピンチエーンのガイドピン１０に係合する。ガイ
ドピン１０は中実形材４の、結合ピン３を備えて
いる外面とは反対側の外面に設けられている。こ
の場合、図示の実施例のようにガイドピン１０と
結合ピン３とが互いに同心的に結合リンク２に設
けられていると効果的である。

本発明のピンチエーンは水平にも鉛直にも転向
案内することができる。このような転向方向の相
違にもかかわらず大幅な変化をリンク１，２に加
える必要はなく、たんに、ピンプレート１１，１
２を鉛直転向の際にはＣ形中空材５の、開口８と
は反対側の外面に結合し（第１図）、水平転向の
際には開口８を有する面に隣接する外面に結合す
る（第２図）だけでよい。

チエーン案内もしくはチエーン案内ケーシング
に対してピンチエーンの摩耗並びに摩擦力を軽減
するために用いられるすべり片は、水平転向用又
は鉛直転向用として使われるリンク次第でそれぞ
れリンクの異なる面に配置される。例えば鉛直に
転向案内されるピンチエーンの場合、即ち第１図
の場合、すべり片１３がピンプレート１１に面し
た外面に２個配置される。この場合すべり片１３
はＣ形空材５をチエーン案内とのいかなる接触か
らも守るような形に製作する。結合リンク２の中
実形材４自体をすべり片として製作してもよい。
いずれの場合でもすべり片の製作には耐摩耗性で
あつて小さな摩擦係数を有する材料が適する。第
２図に示す水平転向用のピンチエーンの場合には
すべり片１４がＣ形中空材５の、開口８を有する
面に隣接する２つの外面にそれぞれ２個所にわた
つて配置されている。この場合すべり片１４は特
にＣ形中空材端縁から突出しており、Ｃ形中空材
５チエーン案内との接触は生じない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のピンチエーンを部分的にリン
ク軸線に対して直角に断面して示した平面図、第
２図は第１図の例とは異なるピンチエーンを部分
的にリンク軸線に対して平行に断面して示した平
面図、第３図は結合リンクと共にピンチエーンリ
ンクを示した横断面図である。 １１……ピンチエーンリンク、２……結合リン
ク、３……結合ピン、４……中実形材、５……Ｃ
形中空材、６……半円ブツシユ、７……軸線、８
……開口、９……頚部、１０……ガイドピン、１
１，１２……ピンプレート、１３，１４……すべ
り片。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 幅出機用のクリツプチエーン又はピンチエー
   ンであつて、クリツプチエーンリンク又はピンチ
   エーンリンクから成るチエーンリンク１と結合リ
   ンク２とが結合ピン３によつて連結されている形
   式のものにおいて、クリツプチエーンリンク又は
   ピンチエーンリンク１はＣ形中空材５から成つて
   いて、このＣ形中空材５の縦方向で両方の端部内
   に各１つの結合ピン３のため軸受部材としてＣ形
   中空材内方へ向かつて開いた半円ブツシユ６が挿
   入されており、これらの半円ブツシユ６の軸線７
   がＣ形中空材５の開口平面に対して直角をなして
   おり、結合ピン３が結合リンク２に不動に設けら
   れており、結合リンク２が２つの平行な外面を有
   する中実形材４から成つており、この中実形材４
   は、Ｃ形中空材５に係合する結合ピン３を備えた
   外面とは反対側の外面に、幅出機の縦方向両端に
   設けられているガイド輪を介してチエーンを案内
   するためのガイドピン１０を備えており、結合ピ
   ン３が、半円ブツシユ６に適合した円筒状の頭部
   の下側もしくは結合リンク２に接する個所に１つ
   の頚部９を有しており、Ｃ形中空材５の開口側
   が、縦方向で両端の半円ブツシユ６の範囲におい
   て結合ピン３の頚部９に自由な可動性をあたえる
   だけの空〓を残して閉鎖されていて、かつ両端の
   半円ブツシユ６の間の中央範囲において結合ピン
   ３の差込み並びに抜取りを許す拡大開口範囲を有
   していることを特徴とする、幅出機用のクリツプ
   チエーン又はピンチエーン。 ２ Ｃ形中空材５が縦方向の両端範囲を全面にわ
   たつて閉鎖されている特許請求の範囲第１項記載
   のチエーン。 ３ 結合リンク２が軸受青銅のような摩擦係数の
   小さい耐摩耗性材料から成つている特許請求の範
   囲第１項記載のチエーン。 ４ 少なくとも一方のリンクはチエーン案内面に
   沿つて滑走する面が軸受青銅又はポリテトラフル
   オルエチレンのようなできるだけ小さな摩擦係数
   を有する耐摩耗性の材料１３，１４によつて支え
   られているか又は少なくとも部分的に被覆されて
   いる特許請求の範囲第１項から第４項までのいず
   れか１項記載のチエーン。