JPH0242706Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、地表より土砂を堀削して地中に基
礎柱を形成する深層堀削用の櫓枠に設けた電動捲
上機と共に走行する転落防止具を装設することを
目的とした深層堀削用の作業者安全昇降装置に関
するものである。

（従来の技術） 一般にこの種の深層堀削基礎工事に於ける土砂
の外部搬出は、工事が進行するに伴い順次深くな
る関係上、第４図に示す如く、順次昇降梯子を連
結して昇降するものであるが、深くなるに従つて
昇降梯子の連結作業が大変に困難となるものであ
る。そして、連結された梯子を昇降するのが非常
に面倒で深い場合は大変に労力を要すると共に危
険が伴うものである。

また、この場合に作業者は常時転落防止器を身
体のベルト等に連結して昇降しなければならな
い。然し、この転落防止具を吊掛ける場所が一定
せず、例えば、櫓枠の枠部分及び昇降梯子又は櫓
枠に固定した防護柵の桟に吊掛けるために転落防
止器のワイヤーが屈曲したりして、大変に不安定
であると共に、転落防止器の命網となるワイヤロ
ープが身体等に絡まり邪魔となる等の欠点があつ
た。

（考案が解決しようとする問題点） この考案が解決する問題点は、深層堀削用の櫓
枠に設けた走行自在の電動捲上機に隣接して捲上
機と一緒に摺動する転落防止器を装設させて使用
操作を簡単確実させるばかりか、転落防止器を吊
枠の保護カバーの内部に収納して転落防止吊枠と
ワイヤロープとの安全性及び強化性等の対策を図
ろうとするものである。然し、この等の要望を満
たすものは現在のところ見当らず、その出現が望
まれていた。

（問題点を解決するための手段） この考案の深層堀削用の作業者安全昇降装置
は、上述の問題点をすべて解決するために、電動
捲上機４の走行支持枠５に隣接して転落防止吊枠
６を連結させ、この転落防止吊枠６には、上部に
転輪車１５，１５を設けると共に、下部に転落防
止器７を収納する保護カバー１７を装設すること
によつて、上記目的の達成を計つたものである。

（実施例） 次にこの考案の実施例を図面について説明する
と、組立自在となる各種の断面形状を有する型鋼
よりなる櫓枠１は、相対する数本の組立脚柱２，
２と数本の横枠とを各々ボルトナツト等の取着子
を以て組立構成してある。前記櫓枠１の上部に
は、走行軌条３を架設すると共に、この走行軌条
３に電動捲上機４を摺動自在に吊下せしめてあ
る。この電動捲上機４には、上方に走行支持枠５
を設けると共に、この走行支持枠５に該走行軌条
３と係合転動する電動付吊車１８又は誘導吊車１
９等を連結せしめてある。

次に前記走行支持枠５には、その側方に隣接し
て鋼板を加工組立した転落防止吊枠６を溶接等の
手段を以て接合せしめてある。この転落防止吊枠
６には、上部に相対向する側壁１４，１４に該走
行軌条３を転動する複数の相対する転輪車１５，
１５……を車軸１６，１６を以て回動自在に軸止
せしめてある。また、該転落防止吊枠６の下部に
は、内部にワイヤーロープ８を巻付されている各
種の転落防止器７を回動自在に軸着した吊持軸２
０を以て保護カバー１７内に下端が突出する程度
に収納されている。このワイヤロープ８の下端に
は、作業者のバンド等に引掛けするスナツプフツ
ク９を寄り戻し等を介して連結してある。

次に、電動捲上機４の捲取ドラム１０には、金
属製のワイヤロープ１１を伸縮自在に捲着する。
このワイヤロープ１１には、通常は第４図に示す
如く、堀削した土砂を運搬する土砂用バケツト２
１を連結して使用するものである。符号１２は、
各種の昇降具を示し、必要に応じ土砂用バケツト
２１に代えて各種の部品等を運搬する役目を果す
ものである。符号２２は、該櫓枠１の床面に固定
した作業用の防護柵を示し、２３は、竪坑２６に
順次連結した昇降梯子である。また、２４は、該
竪坑２６の内部に設備した送風管で、２５は、竪
孔２６の内周に順次接続する波型鉄板を示したも
のである。

（作用） この考案は、上述の如き構成からなり、今この
使用法を説明すると、堀削位置の坑口に該櫓枠１
を第４図の如く位置せしめ、下方の堀削坑より堀
削された土砂を電動捲上機４に捲付けてされてい
るワイヤロープ１１の下端の土砂用バケツト２１
に注入し、このバケツト２１を坑口より捲上げて
電動捲上機４が走行軌条３を走行することによつ
てバケツト２１内の土砂を排出するものである。
そして、この堀削作業が進行して順次深さが深く
なる。従つて、作業者の交替等が必要となり、第
４図に示す如く、作業者は、順次連結された昇降
梯子２３を利用して昇降するものである。この時
に昇降梯子２３の作業者は転落防止吊枠６よりの
下端に位置する防止器７のスナツプロツク９を引
張つて身体のベルト等に係合連結し、転落防止器
７内のワイヤロープ８を垂直に引き出して安全を
保護するものである。そして、地上及び竪坑の底
部において該スナツプロツク９の係合を作業者よ
り取外し、昇降時に係合して再び使用すればよい
ものである。

（考案の効果） この考案の深層堀削用の作業者安全昇降装置に
よれば、電動捲上機に隣接した転落防止器のスナ
ツプフツクを身体のベルト等に、連結するため墜
落災害等を確実に防止できる効果と、転落防止器
より引き下げられるワイヤロープを作業者の真上
から吊り下げ連結するため、ワイヤーロープが他
の構造物に接触することがなく常時正常に作動す
るため非常に安心感がある。そして、電動捲上機
の走行支持枠に隣接して装設した転落防止吊枠
は、常時電動捲上機と一緒になつて移動するため
使用及び不使用時に大変に便利で邪魔にならず、
作業者が昇降梯子を使用する時にスナツプロツク
が近くに吊り下つているため面倒なく係脱操作が
できる効果と、転落防止吊枠の上部に転輪車を各
取付けたので、該転落防止吊枠の走行を長期的に
円滑に摺動使用できる効果がある。また、転落防
止吊枠の下部に転落防止器を収納吊持する保護カ
バーを装設せしめたことによつて、転落防止器を
風雨より確実に防ぎ、破損や故障等を防止して長
期間に亘つて安心して使用できると云う従来にな
い便利な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の１部欠除した正面図、第２
図は同じく要部１部欠除した側面図、第３図は転
落防止吊枠の平面図、第４図はこの考案の装置に
土砂用バケツトを連結して土砂を堀削排出する全
体の正面図である。符号１は櫓枠、２は組立脚
柱、３は走行軌条、４は電動捲上機、５は走行支
持枠、６は転落防止吊枠、７は転落防止器、８は
ワイヤーロープ、９はスナツプロープ、１１はワ
イヤーロープ、１７は保護カバー、２１は土砂用
バケツトである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 各種断面形状を有する型鋼を以つて方形状に形
   成した櫓枠の上部に走行軌条を架設し、該走行軌
   条には、電動捲上機を摺動自在に懸垂すると共
   に、電動捲上機にワイヤーロープを介在して土砂
   用バケツトを吊下げる深層堀削用の櫓枠装置に於
   いて、前記電動捲上機の走行支持枠に隣接して転
   落防止吊枠を連結し、該転落防止吊枠には、上部
   に該走行軌条を移動する転輪車を取付けすると共
   に、下部に転落防止器を収納吊持した保護カバー
   を取着し、該保護カバーの下方にワイヤーロープ
   を介して作業者に連結するスナツプロツクを装着
   した事を特徴とする深層堀削用の作業者安全昇降
   装置。