JPH0242442B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業条の利用分野） この発明は、野菜等の促成裁培等に利用される
温室に関し、特に組立・撤去作業が簡単であり、
しかも保温効果の高い改良された温室に関する。

（従来の技術） 近年、温室を利用した農園芸が普及し、一年を
通して多種類の野菜、草花等の裁培が行われてい
る。これに用いられる温室としては、恒久的な温
室施設を構築するものから、いらゆるビニールハ
ウスと呼ばれる簡易なものまでがある。

（発明が解決しようとする問題点Ａ） 恒久的な温室施設を構築するには多額な投資が
必要であり、しかも土地は温室施設専用となり通
常の作物裁培等に転用することは事実上不可能で
ある。

農地を多角的に利用するためには、温室による
促成裁培が終了したら、通常作物の植え付けつ為
に、温室を撤去する必要があるが、簡易なビニー
ルハウスであつても作業なかなり煩雑であるし、
このようなものでは再利用が困難で、その都度、
新規に設けることになると、収益性が著しく低下
する。また、この様な簡易式温室の保温効果は高
くなく、夜間には加熱が必要である。

この発明は上記に鑑みて創作されたものであつ
て、組立・撤去作業が極めて容易であり、保温効
果が高く、しかも、耐用年数の高い改良された温
室を提供することを主目的とするものであり、こ
の発明の他の目的ないし利益は以下の記述ないし
添付の図面に従つて明白となるものであり、以下
この発明の実施例を詳細に説明する。

（発明の構成） 第１図〜第３図は、この発明の１実施例を示す
もので、図中において、１０は支柱、２０は天板
３０は側板である。

支柱１０は下端を土中に埋設するか、或いは、
土台構造条に一定の間隔で配置し、筋かい１１に
より固定する。

側板２０及び天板３０は透明な合成樹脂材によ
り押し出し成形されたもので中空部２１、中空部
３４が形成されている。この側板２０及び天板３
０は連続して配置するもので、接続部を密閉する
為に例えば第３図に示す如く係合用の凹凸が上面
及び下面にそれぞれ形成する。なお、天板３０は
平板状に図示されているが、波形、山形その他の
形状にしたり、或いは補強用のリブ等を形成して
も良い。

次に、この発明の温室の組立を説明する。

Ａ 支柱１０の設置 支柱１０は、下端を土中に埋設するか、或い
は土台構造を利用して一定の間隔で配置し、筋
かい１１で固定する。筋かい１１の長さで支柱
１０の配置間隔を容易に規定することが出来
る。

Ｂ 側板２０の取り付け 支柱１０の側面には保持部材１２が設けられ
ており、対向する支柱１０，１０間の保持部材
１２に側板２０を差し込んで取り付ける。な
お、保持部材１２を別体とせず、例えば支柱１
０の断面をＨ字形状にして側板２０を取り付け
るようにしても良い。

上述した如く、側板２０の上面には凸部が形
成され、下面にはこの凸部が係合可能な凹部が
形成されているので、複数の側板２０を順次積
み上げて連続的に取り付ければ温室の内外を完
全に遮蔽することが出来る。

Ｃ 天板３０の取り付け まず、支柱１０の上部に保持部材１３を介し
てレール状の保持部材３１を配置し、この保持
部材３１の溝に横手方向から天板３０の下端部
を差し込み、それぞれの凹凸部を係合する。こ
の作業を連続して、次々に天板３０を保持部材
３１に取り付け、天板３０の側面に形成されて
いる凹凸を係合させれば、複数の天板３０は一
体的となり温室の内外を遮蔽することゝなる。

なお、第４図に示す如く、保持部材３１の片
側側面に透孔ないし凹部を形成しておき、折り
曲げた天板３０の下端部を差し込むようにすれ
ば、保持部材３１に対して天板３０を上方向か
ら取り付けることが可能となる。この場合、図
示の如くにくさび３２を利用すれば強い風の場
合にあつても天板３０が脱落するのを容易に防
止可能である。

なお、以上の実施例において、天板３０は円
弧状の単体として形成されているが、第５図に
示す如く、天井部分でジヨイント３３によつて
接合される複数の部材としても良く、更に、こ
の場合、必ずしも円弧状でなく、平板状にしも
良く、また第６図に示す如く、センター支柱１
４を設けるようにしても良い。

Ｄ 温室端部の組み立て 第１図及び第７図に示す如く、温室の端部は
側板２０及び上部側板２２によつて遮蔽すると
共に出入口を設ける。側板２０の取り付けは、
第３図に示したものと同様にして行い、上部側
板２２を取り付けるには天板３０の端部に配置
したフレーム２３を用いて上部を固定し、下端
は第４図に示した天板３０の下端保持構造と同
様の方法により固定する。

第８図及び第９図は、この発明の他の実施例
を示すもので、この実施例においては一定間隔
に支持フレーム４０を配置し、その凹部４１に
軟質合成樹脂製の中空部を有するフレキシブル
天板５０の端部を係合するようにしたものであ
る。

また、支持フレーム４０を用いる場合におい
ては支持フレーム４０の曲率に対応して湾曲さ
れている温室の横手方向に長い硬質合成樹脂製
の天板を連続的に配置するようにしても良い。

以上説明した実施例の側板２０及び天板３０，
５０においては、中空部が形成されているので、
中空部を中空のまゝにしておき、空気により断熱
効果を保持させるようにしても良いし、図示しな
いが、各中空部をジヨイントにより連続させポン
プにより水を通し、太陽光の当る日中に内部の水
を暖めて、そのまゝか、或いは貯水槽に溜めてお
き外気温度の低下する夜間に温水を循環させて温
室内の温度調整をするようにしても良い。

この場合、側板及び天板はいずれも複数個の中
空部に区画されているので、大型の温室における
水の滞留量を均一に分布することが可能となる。

（発明の効果） この発明の組立式温室は上記の如く構成されて
いるので、組立・撤去作業を極めて容易に行うこ
とが出来、繰りかえし利用することが可能である
から、農地の有効利用、利用コストの低減に著し
い効果が期待出来るばかりでなく、従来の簡易式
温室に比較して極めて保温性が良好である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、一部切欠側面図、第２図は、正面
図、第３図は、天板等の取り付け構造を示す斜視
図、第４図は、同じく断面図、第５図及び第６図
は、天板の他の実施例を示す断面図、第７図は、
温室端部構造を示す断面図、第８図は、他の実施
例を示す断面図、第９図は、天板の取り付け構造
を示す断面図、である。 図中において、１０は支柱、１１は筋かい、１
２は側版の保持部材、１３は保持部材、１４はセ
ンター支柱、２０は側板、２１は中空部、２２は
上部側板、３０は天板、３１は保持部材、３２は
くさび、３３はジヨイント、３４は中空部、４０
は支持フレーム、４１は係合用凹部、５０はフレ
キシブル天板を各々指示する。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一定の間隔で配置されると共に両側面部に
   各々溝状部が形成された複数本の支柱と、一対の
   支柱の側面部に形成された前記溝状部に両端部が
   嵌合されると共に、その上面及び下面の一方に凹
   部が形成され、他方に前記凹部に係合可能な凸部
   が形成され、その内部が複数の中空部に区画され
   た中空状側板と、前記支柱の上端部間に架設され
   ると共に、略樋状の凹部を有する保持部材と、該
   保持部材の凹部に下面が嵌合されると共に、その
   両端面の一方に凹部が形成され、他方に前記凹部
   に係合可能な凸部が形成され、その内部が複数の
   中空部に区画された合成樹脂からなる透明な中空
   状天板と、を備え、前記中空状側板が一対の支柱
   間に前記凹部及び凸部の係合によつて複数枚積み
   上げられ、前記中空状天板が水平方向に前記凹部
   及び凸部の係合によつて複数枚並設されているこ
   とを特徴とする組み立て式温室。