JPH0241754B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電子写真複写機等の画像形成装置に於
て感光体等の像保持部材表面を清掃するのに使用
されるブレード式クリーニング装置に関する。

電子写真複写機（転写式）においては、複写し
ようとする原稿の静電像を感光体表面に形成し、
次いで、この静電像を所謂トナーと呼ばれている
適宜の粉末状物質を用いて現像し、このトナー像
を転写紙等に転写し定着して最終画像即ちコピー
を得る。この様な複写機に於いては、通常感光体
表面は繰返し何度も再使用される。この繰返し再
使用のためには一度所望の像形成サイクルが終つ
たところで感光体表面に残留しているトナーを完
全に除去してきれいにする必要がある。そこでこ
のような感光体表面の清掃を行う為に幾つかの方
法が提案されている。その一つの方法に、感光体
表面をクリーニングブレードで摺擦して残留トナ
ーを拭き取つたり掻き取つたりする方法がある。
通常、この様な方法ではクリーニングブレードを
移動中の感光体の表面に対して物理的に接触させ
るために、感光体表面との摩擦作用によつてブレ
ードの先端が急速且つ不均一に摩耗し清掃効果が
著しく低下するという欠陥がある。この様なクリ
ーニングブレードの不均一な摩耗が進むと複写紙
上にゴースト像が現われたり、条線が現われた
り、或は感光体表面が損傷されたり、ひいては光
導電層の剥離現象、或いは光導電層上に保護層や
電気絶縁層の如き表面被覆層を有する感光体に於
いては、光導電層表面からの表面被覆層の剥離現
象を招来する原因にもなる。更には、転写紙、装
置中のプラスチツク製部品や駆動ベルト等からの
繊維片等の雑物がブレードと感光体表面その間に
入り込み、感光体表面の清掃が不完全不充分とな
つて複写紙上に条線が現われてその品質を低下さ
せる一因ともなる。

このような点は、所謂乾式現像方式を採用する
場合には甚しいものである。

従つて、この様な点を改良する為に、従来は、
感光体表面とブレードとの摩擦抵抗を減少させる
狙から、現像剤中にトナーやキヤリアと共にテフ
ロン、ポリエチレン、ステアリン酸金属塩等の潤
滑性のある物質を外添したり、或いはトナー中に
これ等を内添したりしていた。更には、クリーニ
ングブレードの形成材料として、テフロン、シリ
コーンゴム等の滑り性のある材質を選択して成型
していた。而し乍ら、感光体表面は、例えばSe，
Se−Te等から成る光導電層表面であつたり、
ZnOやCdS等を適等な樹脂バインダー中に分散さ
せて形成した光導電層表面であつたり、これ等の
光導電層上に、酢酸セルローズ、ポリビニルアル
コール、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエステル、ポリ塩化ビニル等で樹脂し
た被覆層表面であつたりして、その表面の物理
的、化学的性質は多種多様である為、更には現像
剤に於いても種々のものが使用される為にこれと
いつたクリーニングブレードがなく、個々の状況
に応じてある程度の条件緩和を含んで適当なクリ
ーニングブレードを採用しているのが現実であ
る。例えばテフロン製のクリーニングブレードは
確かに滑り性は良好であるが摩耗度合が激しく頻
繁に取り換える必要があつて不都合である。

又、一定パターンの繰り返し複写、例えばコン
ピユーターのアウトプツト原稿の様な場合には黒
字のラインと白字のラインが明確で、黒字のライ
ンに対応する感光体面部分には常に現像トナーが
存在し、その部分のみがクリーニングされる為ト
ナー存在部の感光体面部分は摩耗が厳しく、又白
字部分面はトナーにより研磨される機会が少な
く、そのために感光体面は繰り返し使用で不均一
な面状態になり、その程度が大きくなると、コロ
ナ放電で発生するオゾンガスで像保持部材表面の
劣化した部分を再生することが不可能となつてし
まう。

本発明は上記点に鑑み成されたもので、耐摩耗
性、潤滑性、クリーニング性を著しく向上させ、
繰り返し使用に於いて半永続的に良好なる画像の
得られるブレード式のクリーニング装置を提供す
ることを目的とする。

又、被クリーニング体表面及び使用される現像
剤の種類の選択を殆んど要することがなく、多く
の場合に有効に使用され得る汎用性のあるブレー
ド式クリーニング装置を提供することを目的とす
る。

上記目的を達成するために本発明は、移動可能
な被クリーニング体面上の残留トナーを除去する
ためのクリーニングブレードを有する画像形成装
置におけるクリーニング装置において、上記クリ
ーニングブレードは該被クリーニング体面に、該
被クリーニング体面の母線方向或は幅方向に対し
て傾斜させて接触させた、ことを特徴とするクリ
ーニング装置である。

以下具体的な実施例において、クリーニングブ
レードとしてステンレススチール・リン青銅等の
金属製のリーフブレード（厚さ0.5〜500μ程度）
を用い、該ブレードを像保持部材面に該部材の母
線方向（ドラム型像保持部材の場合）、或は幅方
向（平板型像保持部材の場合）に対して傾斜させ
て接触させるものである。

図に於て１は被クリーニング体であるドラム型
感光体で、軸１１を中心に矢ａ方向に回転駆動さ
れる。この感光体１のまわりには各種の画像形成
プロセス機器が配設されて画像形成装置が構成さ
れるが、それ等のプロセス機器は本発明の要旨外
であるので図には省略した。

２は該ドラム型感光体１のクリーニングポジシ
ヨン面に、該感光体の母線方向に対してブレード
長手方向を左下り又は右下りにある角度α傾斜さ
せて接触させたクリーニングブヨレドたる金属製
リーフブヨレドである。該リーフブヨレドは適当
にねじりを与えて、或はブレードエツジを予めゆ
るやかな湾曲線エツジにしてブレードエツジ２１
の全長各部が感光体面に対して各部隙間なく均等
圧をもつて接触状態になるようにする。

而して感光体１が回転駆動され、複写プロセス
が実行されると、転写部を通過した残留トナー像
を有する感光体面はブレード２位置を通過する過
程でブレードエツジ２１で摺擦されて残留トナー
像の拭き取り或は掻き取りがなされ清浄化され
る。

この場合クリーニングブレードたら金属製リー
フブレード２は感光体１面が硬化性樹脂表面、熱
可塑性樹脂表面、さらには光導電性層直接表面で
あつても良好な潤滑性を示し、且つ耐摩耗性に優
れ局部的摩耗損傷を生じ難い。そして該ブレード
を感光体面に対してある角度α傾斜させて接触さ
せたからブレードエツジで感光体１面から拭き取
られた或は掻き取られたトナーは上記傾斜エツジ
に沿つて高位から低位へ流動ｂしてブレードの低
位側端２２から感光体外へ排除されるので、例え
ばコンピユーターのアウトプツトのように一定パ
ターンの繰り返し複写の場合でもブレードエツジ
に沿うトナーの流動で感光体面の各部についてト
ナーの接触する機会が与えられ、感光体面の局部
的摩耗損傷が防止される。

従つて本発明装置に依れば感光体や現像剤の種
類にほとんど関係なく、又複写画像のパターンに
も関係なく長期にわたつて良好なクリーニング性
能が安定に保持される。

ブレードの傾斜角αは実際上±10゜以内の比較
的やるやかな角度で足りる。又ブレード２の長さ
は感光体の有効面全域をクリーニングすべく、感
光体面を十分に横断カバーする長さ寸法のものに
する。ブレード２は常時は感光体面から逃し状態
に保持し、複写実行時に接触状態にするようにし
てもよい。

以上ドラム型感光体を例にして説明したが、平
板型感光体、或は静電記録装置に於ける像保持部
材たるドラム型或は平板型絶縁体など、像保持部
材をクリーニングして繰り返し利用する方式の画
像形成装置の像保持部材面クリーニング装置とし
て本発明は有効に活用される。

実施例 直径160mmのAl製シリンダを基体体１₁とし、
その周面にCdS分散系光導電性層１₂，表面絶縁
性層１₃（光硬化型ポリエステル樹脂、商品名アロ
ニクス8060、東亜合成）を形成してなるドラム型
感光体１を用い、その感光体のまわりに特公昭42
−23910号・同昭43−24748号公報に開示のNPプ
ロセスに従う電子写真プロセス機器を配設して構
成した転写方式電子写真複写機に於てクリーニン
グブレード２として厚さ50μのリン青銅リーフブ
レードを用い、これを感光体母線方向Ｏ−Ｏに対
して角度α＝5゜の傾斜姿勢で感光体面に接触させ
た。

そして原稿として１cm間隔で黒ラインのあるも
の（A4）を用い10000枚のコピーを実行した。

ブレード２により感光体１から除去されたトナ
ーは終始ブレードエツジ部に沿つて傾斜下位へ流
動してこの端部２２から感光体面外へ排除され
た。その結果感光体面各部にトナーの接触する機
会が与えられ感光体面の部分的摩耗の進行がなく
しかもブレードの感光体面に対する潤滑性も良好
で感光体全面的に終始良好なクリーニング状態が
持続され、常に良質画像の複写が続行された。

尚上記リーフブレード２を傾斜させず感光体母
線Ｏ−Ｏに並行に配設した場合は原稿の黒ライン
部に対応する感光体面部分について約4μの膜厚
減少がみられ、白ライン部分面については高湿環
境下で画像のシヤープさを失つた。

又ブレード２としてウレタンゴム，シリコンゴ
ム，アクリロニトリルゴム，スチレンブタジエン
ゴム等の非金属製のものを用いた場合は、像保持
部材表面が硬化性の樹脂の場合には摩擦抵抗が大
きすぎ、摺擦音が高く、ブレードエツジ部の摩耗
が激しく、クリーニング不良が随所に観察され
た。

以上説明したように、本発明によれば、クリー
ニングブレードは該クリーニング体面に、該被ク
リーニング体面の母線方向或は幅方向に対して傾
斜させて接触させたので、耐摩耗性、潤滑性、ク
リーニング性を著しく向上させ、良好なる画像の
得られる画像形成装置におけるクリーニング装置
を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はドラム型感光体と、それに接触させた
金属製リーフブレードの横断面図、第２図は平面
図。 １はドラム型感光体、２はリーフブレード。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 移動可能な被クリーニング体面上の残留トナ
   ーを除去するためのクリーニングブレードを有す
   る画像形成装置におけるクリーニング装置におい
   て、 上記クリーニングブレードは該被クリーニング
   体面に、該被クリーニング体面の母線方向或は幅
   方向に対して傾斜させて接触させた、ことを特徴
   とするクリーニング装置。 ２ 上記クリーニングブレードの傾斜角が±10゜
   以内であることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項記載のクリーニング装置。