JPH024133Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は織機用横糸供給（presenting）装置
に関し、すなわち連続的に横糸を供給される織機
の一端に適用されて、前記織機に横糸を供給し、
前記横糸を引続き織機の把持および移送部材（通
常、グリツパー）により杼道へ送るようにした装
置に関する。

知られるように、通常の供給装置は複数の供給
ニードルを備え、それら供給ニードルはその端部
孔を介して横糸が供給されると共に、封入ケース
内で平行に配置される部分的に揺動しており、そ
のニードルは前記ケースからそれ自身の糸を把持
および移送部材へ供給するために、一時に一回突
出するようにされると共に、それぞれに可動コア
を有する電磁石により選択された運動が与えられ
るようになつており、前記電磁石は織機で織られ
る織物のパターンを形成する選択装置により付勢
される。

織機の速度を増大すると、通常の供給装置にお
いては、電磁石により作動される供給ニードルの
慣性およびその結果としての選択の不正確によ
り、正しく適切な編織に欠くことのできない所望
の作動信頼性を得ることが困難であつた。

したがつて、供給装置におけるニードルの制御
方法を、そのニードルの機械的な作動と、その機
械的な選択の電磁記憶とを組合わせることにより
修正することが考えられた。そして電磁選択運動
が省略され、したがつて供給装置の機能が大いに
改善され、この場合はニードルの選択速度は電磁
石の応答時間とは無関係になる。

そのような改善がこの考案の目的であり、これ
は特に連続的に横糸を供給される織機用供給装置
に関する。すなわち、本考案によれば、非作動位
置と作動位置と間で揺動する供給ニードルと、軸
支された揺動レバーと、前記ニードルと前記揺動
レバーの一方端部に軸回転可能に接続する連結ロ
ツドと、前記揺動レバーの前記端部に付勢し、前
記揺動レバーを前記ニードルの非作動位置に対応
する非作動位置方向に偏寄せしめるスプリング
と、前記揺動レバーの他方端に係合せしめるため
のフツクをその一方端に備え、軸支された制御レ
バーと、カム面を有した第１の回転カムと、その
一方端が前記カム面に接触し、その他方端が前記
制御レバーの他方端に接触可能であり、前記第１
の回転カムの作動により、前記制御レバーを前記
揺動レバーと係合可能な位置に押圧せしめる制御
ロツドと、前記制御レバーを非係合方向に偏寄せ
しめるように連結されたスプリングと、前記制御
レバーを前記揺動レバーの他方端部との係合位置
において保持せしめるように励起される電磁石手
段とから成ることを特徴とする、連続的に横糸を
供給される織機の横糸供給装置が提供される。

この装置の実施例が図面に示されている。

図面において、この考案の供給装置は複数の供
給ニードル１を備え、その端部孔２を介して横糸
（図示しない）が、織機の横糸把持および移送部
材へ供給されるようになつており、この織機に前
記供給装置が取付けられている。ニードル１は揺
動レバー４および連結ロツド５の制御下で、供給
装置の軸心３の回りに揺動するように取付けられ
ている。揺動レバー４はピン７の回りに揺動する
ようになつており、ピン７は２つの横リーフスプ
リング８により、ピン１０の回りに回転する２つ
の横カムム９に接触するように加圧されている。
揺動レバー４の自由端は、中間点１２′でピボツ
ト止めされた制御レバー１２の端部フツク１１に
係合または離脱できるようになつており、前記レ
バーは戻しスプリング１３の作用を受けると共
に、その他端部と共に電磁石１５のコア１４を形
成するようになつている。

この考案において、制御ロツド１６は同一ピン
１０上のカム９と共に回転するカム１７により、
制御レバー１２のコア１４に対して押圧されてお
り、これは前記レバー１２から離れた位置に戻そ
うとする戻しスプリング１８の作用に打勝つて行
なわれる。

スプリング１９は揺動レバー４の端部を下方に
維持しようとしており、前記レバー４は供給ニー
ドル１に連結された連結ロツド５に連結されてい
る。

作動時、カム９は特定の位相時に揺動レバー４
をそのピン７により上昇させる。各揺動レバー４
に対して、対応しバー１２のフツク１１が揺動レ
バーの自由端に係合していれば、その他端部はス
プリング１９の作用に抗して、連結ロツド５と共
に上昇され、供給装置の対応ニードル１は装置の
ケースから突出されて、その横糸を供給する。こ
れに対して、レバー１２のフツク１１が揺動レバ
ー４の端部を解放すると、スプリング１９の作用
によりその端部がその他端部へ上昇され、供給装
置の対応ニードル１は非作動状態に維持される。

この考案において、制御レバー１２は揺動レバ
ーの作動が進行すると、カム９，１７の片寄り
（図示のように）により、対応制御ロツド１６に
よりそれぞれの揺動レバー４に係合する位置（図
示のように）に駆動される。各レバー１２は、前
記電磁石が織られる織物のパターンを形成する選
択装置により付勢される時だけ、コアを形成する
対応電磁石１５により前記位置に保持される。

電磁石１５が付勢されると、レバー１２は係止
され、そのフツク１１はその揺動レバー４と係合
状態に保持され、それにより対応する供給ニード
ル１が突出して、織機に横糸を供給する。これに
対して電磁石１５が消勢されると、レバー１２は
図示の位置に保持されず、スプリング１３により
時計方向に揺動し、したがつてフツク１１は揺動
レバー４の対応端部を解放し、これはカム９が揺
動レバーのピン７により圧力を作用すると、上昇
され、それにより供給ニードル１１は制御を受け
ず、非作動または引込み位置に維持される。

ここに説明したように、電磁記憶選択による機
械的制御を介して、この考案の装置が非常に高速
においても高精度をもつて、通常の供給装置より
信頼性をもつて作動することが明らかであろう。
事実、レバー１２は通常の供給装置におけるよう
に、磁石の可動コアにより制御されるのではな
く、したがつて選択に対する応答時間は前記コア
（これは、電磁石においては可動ではない）の移
動時間に関係なく、単に慣性をもたないカム１７
の運動に依るものである。したがつて、この考案
は連続的に横糸を供給されると共に、現代織物産
業において要求される高速状態での織機の適切な
作動についての改善に対して大いに寄与するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は封入ケースを除いたこの考案の装置の
本質的要素の立面図、第２図は第１図の要素の頂
平面図である。 １……供給ニードル、１２……制御レバー、１
３……戻しスプリング、１５……電磁石。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 非作動位置と作動位置との間で揺動する供給
   ニードルと、 軸支された揺動レバーと、 前記ニードルと前記揺動レバーの一方端部に
   軸回転可能に接続する連結ロツドと、 前記揺動レバーの前記端部に付勢し、前記揺
   動レバーを前記ニードルの非作動位置に対応す
   る非作動位置方向に偏寄せしめるスプリング
   と、 前記揺動レバーの他方端に係合せしめるため
   のフツクをその一方端に備え、軸支された制御
   レバーと、 カム面を有した第１の回転カムと、 その一方端が前記カム面に接触し、その他方
   端が前記制御レバーの他方端に接触可能であ
   り、前記第１の回転カムの作動により、前記制
   御レバーを前記揺動レバーと係合可能な位置に
   押圧せしめる制御ロツドと、 前記制御レバーを非係合方向に偏寄せしめる
   ように連結されたスプリングと、 前記制御レバーを前記揺動レバーの他方端部
   との係合位置において保持せしめるように励起
   される電磁石手段とから成ることを特徴とす
   る、連続的に横糸を供給される織機の横糸供給
   装置。 (2) 前記制御レバーがその中間位置辺りを中心に
   揺動し、その他方端が前記電磁石のコアを形成
   する、実用新案登録請求の範囲第１項に記載の
   横糸供給装置。 (3) 前記揺動レバーを作動させるための２つの第
   ２の回転カムを含み、前記カムが同軸上に取り
   付けられて成る、実用新案登録請求の範囲第１
   項に記載の横糸供給装置。