JPH0241339Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、車両上で肉燃機関の燃料中に添加剤
を供給する燃料添加剤供給装置に関するものであ
る。

従来技術 従来、車両上において燃料系へ水、アンチノツ
キング剤、異種燃料等の添加剤を供給する装置は
数多く提案されている。しかし、これらは燃料タ
ンクからエンジンへの燃料ライン中に、あるいは
燃焼室へ直接添加剤を供給するというものであ
る。そのため、このような方式においては、添加
剤と燃料の混合比（添加剤量／燃料量）が比較的
大きい場合に限られる。したがつて、現在デイー
ゼル後処理で使用している燃料の添加剤濃度は、
10ppm〜100ppm程度つまり燃料1lに対して供給
添加剤0.1c.c.〜0.1c.c.程度であるが、このような微
小混合比の調製が困難である。また、一定添加剤
濃度の燃料をエンジンに供給しようとすには、燃
料消費量に応じた添加剤の供給が必要になり、そ
の制御が難しいという問題がある。

この問題に対処するために先に本出願人によ
り、燃料タンク中の燃料に燃料補給量に応じて添
加剤を添加する方法が提案されている（昭和59年
５月30日出願の実用新案登録出願）。これによつ
て、微小混合比の車両上での調製が容易になつ
た。

しかし、この方法では、燃料タンク中の多量の
燃料に対して微少量の添加剤が添加されるので、
添加剤が燃料タンク中の燃料に均一に混合される
のに時間がかかるという問題が残されている。そ
のため、添加剤供給直後では所定の添加剤濃度以
下の燃料がエンジンに供給され、それ以降では所
定濃度以上の燃料がエンジンに供給されるおそれ
がある。またその逆の場合も考えられ、常に安定
して所定の添加剤濃度の燃料をエンジンに供給で
きない可能性がある。

考案の目的 本考案は、先に本出願人により提案された添加
剤供給方法をさらに改良し、供給した添加剤を燃
料タンク中の燃料にすみやかに均一に混合させ、
常に安定した所定の添加剤濃度の燃料をエンジン
に供給できるようにすることを目的とする。

考案の構成 この目的を達成するために、本考案の燃料添加
剤供給装置においては、燃料中に添加剤を供給す
る添加剤供給装置と、燃料タンクへの燃料補給量
を検出する燃料補給量検出装置と、燃料補給量検
出装置からの信号に基き添加剤供給装置に添加剤
供給信号を送る制御装置とが備えられており、添
加剤供給装置は、エンジンから燃料タンクへ燃料
を戻す燃料リターン通路に接続されている。

考案の作用 このような装置においては、添加剤は燃料タン
クへの燃料補給量に応じた量だけ添加されるが、
その添加は一旦燃料リターン通路中の燃料に対し
て行なわれる。そして、燃料タンクへの燃料補給
が終り、エンジンが始動されると、リターン燃料
中で希釈された添加剤はリターン燃料とともに燃
料タンク中に勢いよく流入される。一旦希釈され
た添加剤がリターン燃料の流入勢いにのつて燃料
タンクの燃料中に拡散されるので、添加剤は、す
みやかにかつ均一に燃料中に混合する。

考案の効果 したがつて、燃料タンク中の燃料は、エンジン
始動直後から均一な所定の添加剤濃度に保たれ、
エンジンには、常に安定した所定の添加剤濃度の
燃料が供給される。

実施例 以下に本考案の燃料添加剤供給装置の望ましい
実施例を図面を参照して説明する。

第１図は、本考案の一実施例に係る燃料添加剤
供給装置を示している。図中、１は車両に搭載さ
れている燃料タンクを示している。燃料タンク１
内には、エンジンからの燃料を戻す燃料リターン
通路２が導かれている。燃料リターン通路２の途
中には、燃料リターン通路２中に添加剤３を噴射
する噴射ノズル４が接続されている。噴射ノズル
４は、配管により圧送ポンプ５に接続されてい
る。圧送ポンプ５は、添加剤３が収容されている
添加剤タンク６に接続されている。したがつて、
圧送ポンプ５、噴射ノズル４、添加剤タンク６
は、燃料タンク１内の燃料７中に添加剤３を供給
する添加剤供給装置を構成している。

燃料タンク１内には、燃料の比重よりも軽いフ
ユーエルフロート８が収納されており、フユーエ
ルフロート８は、フユーエルセンダゲージ９に連
結されている。フユーエルセンダゲージ９は、フ
ユーエルフロート８の位置、すなわち燃料タンク
１中の燃料の水位を検出し、その信号を発するよ
うになつている。そして、フユーエルフロート８
は、燃料タンク１中への燃料の補給に伴なつて、
その位置が変化するので、フユーエルフロート
８、フユーエルセンダゲージ９は、燃料補給量を
検出する燃料補給量検出装置を構成している。

燃料タンク１の燃料補給口１０には、開閉可能
なフユーエルキヤツプ１１が設けられており、フ
ユーエルキヤツプ１１には、フユーエルキヤツプ
１１の開閉により作動しフユーエルキヤツプ１１
の開閉状態を判断するスイツチ１２が係合されて
いる。

スイツチ１２、フユーエルセンダゲージ９、圧
送ポンプ５、噴射ノズル４は、それぞれCPU（中
央処理装置）１３に接続されている。CPU１３
では、スイツチ１２からの信号によつて燃料補給
中であることを判断し、燃料補給時にのみフユー
エルセンダゲージ８からの信号により燃料補給量
を演算する。そして、演算された燃料補給量に応
じた量の添加剤の量を演算し、その量だけ添加剤
が供給されるように、圧送ポンプ５と噴射ノズル
４に添加剤供給信号を送る。

このように構成された燃料添加剤供給装置の作
用について以下に説明する。

まず、作動についてであるが、第２図に示すフ
ローチヤートを参照して説明する。燃料タンク１
へ燃料を補給する際、エンジンを停止させフユー
エルキヤツプ１１を開くと、フユーエルキヤツプ
１１の開閉状態を判断するスイツチ１２が作動
し、その信号によりCPU１３が燃料補給時であ
ることを検知する。つぎに、燃料を補給していく
と、それにともない燃料タンク１中のフユーエル
フロート８が上昇していく。そして補給前後のフ
ユーエルフロート８の変位量がフユーエルセンダ
ゲージ９により検知され、その信号がCPU１３
に送られて燃料補給量が演算される。そして、そ
の補給量に応じた量の添加剤の供給指示信号が、
CPU１３から圧送ポンプ５、添加剤噴射ノズル
４にそれぞれ送られ、これらが作動される。その
結果、燃料添加剤３が添加剤タンク６から送ら
れ、噴射ノズル４から燃料リターン通路２内の燃
料中へ噴射される。供給された添加剤３は、燃料
リターン通路２内の燃料中に拡散し一旦希釈され
る。

燃料補給が終了しエンジンが始動されるとと、
燃料リターン通路２中の燃料は勢いよく燃料タン
ク１内に戻される。この燃料戻りに伴ない、燃料
中に希釈されていた添加剤３も勢いよく燃料タン
ク１中の燃料７中に流入される。添加剤３は、一
旦リターン燃料中に希釈されているので燃料タン
ク１内の燃料７にも容易に拡散し、しかもリター
ン燃料の勢いとともに流入されるのですみやかに
燃料７中に拡散され、短時間で燃料中に均一に混
合する。

なお、この添加剤の調製においては、混合比が
微小な場合であつても、添加剤量／燃料量におけ
る分母量が燃料タンク１中の燃料７であり大であ
るので、添加すべき添加剤量も容易に制御可能な
量となり、制御が容易に行なわれるとともに正確
な添加剤濃度に調製される。

また、燃料補給時以外は、たとえ振動などによ
つてフユーエルフロート８が上下しフユーエルセ
ンダゲージ９からの信号がCPU１３に送られて
も、誤動作による添加剤供給はないようになつて
いる。

以上の説明からも明らかなように、本実施例に
よれば、燃料補給後のエンジン始動時に、燃料タ
ンク１中の燃料を迅速にかつ均一に所定の添加剤
濃度に調製することができ、常時安定した所定添
加剤濃度の燃料をエンジンに供給することができ
るという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る燃料添加剤供
給装置の構成図、第２図は第１図の装置の作動順
序を示すフローチヤート、である。 １……燃料タンク、２……燃料リターン通路、
３……添加剤、４……噴射ノズル、５……圧送ポ
ンプ、６……添加剤タンク、７……燃料タンク中
の燃料、８……フユーエルフロート、９……フユ
ーエルセンダゲージ、１０……燃料補給口、１１
……フユーエルキヤツプ、１２……スイツチ、１
３……制御装置としてのCPU。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料中に添加剤を供給する添加剤供給装置と、
   燃料タンクへの燃料補給量を検出する燃料補給量
   検出装置と、該燃料補給量検出装置からの信号に
   基づき、前記添加剤供給装置に添加剤供給信号を
   送る制御装置とを備え、前記添加剤供給装置を、
   エンジンから燃料タンクへ燃料を戻す燃料リター
   ン通路に接続したことを特徴とする燃料添加剤供
   給装置。