JPH0241176Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は供給装置の下流側にあつて繊維材料を
捕捉し、これを搬送するカードシリンダを具備す
る繊維材料から異物を除去する装置に係わる。な
お、本考案における“繊維材料”とは木綿を含む
周知の各種繊維材料を意味し、“異物”とはダス
ト、トラツシユ及び短繊維など、以後の工程で用
いられる繊維材料中に存在すると好ましくない物
を意味する。

導管の端部に於ける空気と木綿の分離は従来コ
ンデンサによつて行われる。これと同時に木綿の
除塵が達成される。各コンデンサの要部を構成す
るのはベンチレータとケージローラであり、後者
は自転して木綿を含む空気流に対して絶えず新し
いケージ面を提供する。ケージローラに堆積する
フリースまたはラツプはケージ面が絶えず新しい
状態となるように直ちにローラから除去しなけれ
ばならない。コンデンサには３つの孔があり、そ
の１つは混合物流入孔、２つは木綿放出孔とダス
トを含む空気流の排出孔である。ケージローラ内
に真空を発生させることにより繊維材料をローラ
周面に吸着させ、該周面にフリースを形成させ
る。このフリースは真空作用下にある程度圧縮さ
れるから、除塵効果が妨げられる。

本考案の目的は除塵効果が著しく高くなるよう
に上記装置を改良することにある。

この目的は実用新案登録請求の範囲第１項に特
徴として記載した構成要件によつて達成される。

繊維材料はフロツクまたは繊維の形でカードシ
リンダに供給すればよく、この供給は例えば導管
を介して空気圧で、またはローラ・フイードまた
はデイツシユ・フイード方式で機械的に行うこと
ができる。いずれにしても空気流が重要な役割を
果す。空気圧搬送の場合、繊維材料は搬送空気流
と共にしや断素子及びカードシリンダの領域に達
し、少なくとも繊維材料の一部がしや断素子に衝
突する。搬送空気流は異物と共にしや断素子を通
過するが、繊維材料はカードシリンダの歯、ピン
などによつて捕捉されてそのまま搬送される。繊
維材料はカードシリンダの走行方向と反対の方向
に流入するから、それだけでも繊維材料の一部が
空気流から捕捉される。

カードシリンダの周囲速度を充分高く設定して
あれば、繊維材料が衝突する際に減速が起こつて
もよい。この衝突時にカードシリンダの歯によ
り、空気流で運ばれ、あるいはしや断素子に衝突
したフロツクが開繊されて個別繊維となる。ロー
ラ・フイードまたはデイツシユ・フイードによる
搬送の場合、繊維材料は機械的作用の下でしや断
素子及びカードシリンダの領域に達する。この領
域に於いて、繊維材料に空気流が作用し、繊維材
料を通過してしや断素子にむかつて流動する。こ
の領域に於いて繊維材料はフロツク、個別繊維ま
たは両者の混合物のいずれの形を取つてもよい。
個別繊維への開繊度が大きければ大きいほど、除
塵効果も増大する。しや断素子はその間〓がダス
ト、異物破片、短繊維だけは通過させるが繊維フ
ロツク及び材料繊維は通過させないように構成す
る。コンデンサの場合と異なり、繊維材料が圧縮
されてフリースとなるのではなく、繊維フロツク
が好ましくは開繊されて個別繊維となつた状態で
カードシリンダによつてそのまま搬送され、前記
開繊によりダスト、異物の破片、短繊維の除去が
効率よく達成される。

繊維材料の供給が円滑に行われるためには供給
装置とカードシリンダが出会う領域がギヤツプを
形成することが好ましい。好ましい実施態様とし
ては、しや断素子に針布、鋸歯、ニードルなどを
設け、この間〓がダスト、異物の破片、短繊維だ
けを通過させるように構成すればよい。繊維材料
の流入及び通過を確実にしや断するためには針
布、鋸歯、ニードルなどを側方に互いに食い違う
ように配列することが好ましい。特に好ましい実
施態様として、しや断素子を針布と対向する壁の
切欠部に設けることにより、異物を運び去る空気
流の流路を広くする。流路を広げたことで空気流
に対する抵抗が小さくなるから、空気流を発生さ
せるベンチレータ出力が小さくてすむ、切欠部に
配置された針布、鋸歯、ニードルなどによる空気
流に対する抵抗は比較的小さい。好ましくはしや
断素子を固設し、鋸歯、ニードルなどの尖端をカ
ードシリンダの尖端と対向させる。しや断素子と
して低速回転ウオーカを利用し、その回転方向を
カードシリンダの回転方向と反対方向または好ま
しくは同一方向に設定する実施態様も可能であ
る。好ましくは繊維材料を空気圧の作用で送り、
この場合、圧搾空気、真空または両者を利用する
ことができる。繊維材料の送り動作は進路を閉ざ
されることなく、即ち、いわゆる自由な空気流路
内で行われる。繊維材料をローラ・フイード（１
対のローラ）またはデイツシユ・フイード（フイ
ードテーブルを有するフイード・ローラ）の方式
で送ることも可能である。この方式では進路中に
閉塞箇処が含まれる。空気圧搬送の場合には圧搾
空気で繊維材料を送り、機械的搬送の場合には繊
維材料に圧搾空気を作用させるのが好ましい。後
者の場合、機械的送り装置に補助空気流を作用さ
せる。好ましくは異物と共に空気流を真空作用で
排出する。

本考案の装置は例えば浄綿工程に於いて、開綿
機、浄綿機、カードなどと併用することができ
る。

以下添付図面に示す実施例に基づいて本考案を
詳しく説明する。

第１図に於いて、カードシリンダ１は反時計方
向に回転し、木綿を含む空気流に絶えず新しいカ
ード綿を提供する。カードシリンダ１のジヤケツ
トには３つの孔２，３，４があり、孔２は空気／
木綿混合物の流入口、孔３は木綿の放出口、孔４
は空気及びダストの排出口である。導路２ａは図
示しないフロツク送入装置と連通している。導路
４ａは図示しない真空発生ベンチレータと連通し
ている。供給装置、即ち、導路２ａとカードシリ
ンダ１とが出会う領域に針布１ａと対向させてし
や断素子５を設ける。このしや断素子５は針布５
ａを有し、針布５ａの歯は側方に互いに食い違う
ように配列してある（第２ａ図及び第２ｂ図）。
しや断素子５は針布１ａと対向する壁６の切欠部
６ａ内に固設する。

運転に際して、例えば繊維フロツク状の繊維材
料が矢印方向に導路２ａ内を空気圧で送られる。
この空気流は繊維材料の少なくとも一部と共にし
や断素子５に衝突する。この時繊維材料はカード
シリンダ１の針布１ａによつて捕捉されて導路３
ａ内を搬送され、導路３ａの端部に於いて別設の
カードシリンダ７の針布７ａによつて掻き取られ
る。空気流と異物はしや断素子５の針布５ａの間
を通過してから導路４ａを通つて矢印方向に排出
される。

第３図ではしや断素子として反時計方向に回転
する低速回転ウオーカ８を使用する。

第４図はフイードローラ９、フイードテーブル
１０、及びカバー１２及びスクレーパ１３のある
テーカインローラ１１から成る（詳しくは図示し
ない）カードの導入部を示す。フイードローラ９
はニードル９ａから成る針布を有し、繊維材料が
フイードローラ９の下方から供給される場合には
反時計方向に、繊維材料がフイードローラ９の上
方からフイードテーブル１０に沿つて供給される
場合には時計方向に回転する。フイードテーブル
１０は一端が図示しないコンプレツサと連通し、
他端が下方からフイードローラ９とテーカインロ
ーラ１１の間の領域に開口する空気導路１０ａを
具備する。導路１０ａの上方、フイードローラ９
とテーカインローラ１１の間にしや断素子５を設
け、その針布５ａをテーカインローラ１１の針布
１１ａに対向させる。針布５ａは繊維材料が針布
１１ａにむかつて案内されるように傾斜させてあ
る。しや断素子５のフイードテーブル１０とは反
対の側に図示しない真空発生源を設ける。繊維材
料はフイードローラ９のニードル９ａにより、フ
イードローラ９、しや断素子５、テーカインロー
ラ１１及びフイードテーブル１０間の領域に送入
される。フイードローラ９のニードル９ａに圧搾
空気導路９ｂを連携させ、回転方向に繊維材料に
むかつて補助空気流を作用させる。この空気流は
ほぼしや断素子５にむかつて流れる。開繊されて
個別繊維となつた繊維材料には導路１０ａからの
圧搾空気を作用させる。この空気流は繊維材料か
ら、ダストを分離させ、しや断素子５の針布５ａ
を通過してから吸引排出される。個別繊維はテー
カインローラ１１の針布１１ａに捕捉され、フイ
ードテーブル１０の縁辺に沿つて反時計方向に運
ばれる。

第５図はフイードローラ９が反時計方向に、テ
ーカインローラ１１が時計方向に回転するカード
の導入部を示す。繊維材料は繊維フロツク（フロ
ツクフリース）の形でテーカインローラ１１、し
や断素子５、フイードローラ９及び圧搾空気ノズ
ル１２間の領域に送入される。圧搾空気ノズル１
２から噴射された圧搾空気流は図示しない繊維フ
ロツクを通過し、フイードテーブル５の針布５ａ
を通過してから、ダスト、トラツシユなどのよう
な異物と共に図示しない真空発生源によつて吸引
排出される。繊維フロツクは公知の態様でテーカ
インローラ１１の針布１１ａに捕捉され、搬送さ
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置を略示する説明図、第２ａ
図はしや断素子の側面図、第２ｂ図は第２ａ図の
しや断素子の針布を示す水平断面図、第３図はし
や断素子としてのウオーカを略示する説明図、第
４図は本考案装置の、個別繊維及び／または細か
い繊維フロツクを処理するカードの導入部を示す
説明図、第５図は本考案装置の、繊維フロツク及
び／または繊維を処理するカードの導入部を示す
説明図である。 １，１１……カードシリンダ、５……遮断素
子。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 供給装置の下流側にあつて繊維材料を捕捉
   し、これを搬送するカードシリンダを具備する
   繊維材料から異物を除去する装置であつて、供
   給装置２；９，１０とカードシリンダ１；１１
   が出会う領域で針布１ａ；１１ａに対向するし
   や断素子５を設けたことと、空気流が繊維材料
   の少なくとも一部と共にしや断素子５に衝突
   し、繊維材料がカードシリンダ１によつて捕捉
   されて搬送される一方、空気流が異物と共にし
   や断素子５を通過してから排出されることを特
   徴とする繊維材料から異物を除去する装置。 ２ 供給装置とカードシリンダ１；１１が出会う
   領域がギヤツプを構成することを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項に記載の装置。 ３ しや断素子５が針布５ａ、鋸歯、ニードルな
   どを含むことを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項または第２項に記載の装置。 ４ 針布５ａ、鋸歯、ニードルなどを側方に互い
   に食い違うように配列したことを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項から第３項までの
   いずれか１項に記載の装置。 ５ しや断素子５を針布１ａと対向する壁６の切
   欠部６ａに設けたことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項から第４項までのいずれか
   １項に記載の装置。 ６ しや断素子５を固設したことを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項から第５項までの
   いずれか１項に記載の装置。 ７ しや断素子がゆつくり回転するウオーカ８で
   あることを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項から第６項までのいずれかに記載の装
   置。 ８ 繊維材料を空気圧の作用下に送ることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項から第７
   項までのいずれか１項に記載の装置。 ９ 繊維材料をフイードテーブル１０を含むフイ
   ードローラ９によつて送ることを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項から第８項まずの
   いずれか１項に記載の装置。 10 繊維材料の供給または処理に圧搾空気を利用
   することを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項から第９項までのいずれか１項に記載の
   装置。 11 空気流を異物と共に真空の作用下に排出する
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項から第10項までのいずれか１項に記載の装
   置。 12 カードシリンダ１の周りの繊維フロツク処理
   ゾーンを圧力補正孔により少なくとも部分的に
   不連続とすることで空気力学的にほぼ独立に作
   用するようにしたことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項から第11項までのいずれか
   １項に記載の装置。