JPH024032Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は紙箱、特に格納時は扁平に折畳み、
物品を収納する際に箱形に復元することができる
紙箱に関するものである。

〔従来の技術及びその問題点〕

従来の、格納時に扁平に折畳み、物品を収納す
る際に箱形に復元し得る紙箱は、底側の各フラツ
プを絡み合わせて底板を構成すると共に底板を構
成し物品を収納した状態では収納物品の重量を受
けても各フラツプが分解しない係止機構をそなえ
ており、各フラツプの絡み合いや係止機構は種々
の形式がある。ところで従来の、扁平に折畳むこ
とができ物品を収納する際に箱形に復元すること
ができる紙箱は四角形の箱であり、底板を構成す
るフラツプが４個であるために比較的容易であつ
た。

ところで紙箱の美感を高めるために六角筒形紙
箱とした場合には、底板を構成する下方のフラツ
プの絡み合わせや係止機構の構成に困難性があ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

六角筒形組立式紙箱とするための上記の問題点
を解決するために、この考案は六角筒箱体の対向
２面の側壁板部下縁のフラツプの一方はその周縁
が、連成側を基縁にして六角形底板の少なくとも
５辺縁に一致し且つ先端縁には幅が側壁板部の幅
と等しいか僅かに小で深さが底板の中心部に達す
る「コ」字形の切欠凹部をそなえ、対向他方のフ
ラツプは先側が前記切欠凹部に密に嵌合する幅で
先端が切欠凹部の奥より延長する長さとすると共
に延長部の左右側縁は延長元部で段部を介して外
側に突出し、他の４辺のフラツプは前記切欠凹部
をそなえるフラツプ側の側縁を「く」の字形に窪
み屈曲し且つ「く」の字形窪み屈曲の中央屈曲部
が前記切欠凹部の奥隅角部に一致すると共に少な
くとも折畳み重なる上位フラツプの前記「く」の
字形窪み屈曲部の屈曲先側の縁は前記切欠凹部に
入り込む突出縁とする紙箱としたものである。

〔作用〕

六角筒箱体の下部フラツプ中、「コ」字形切欠
凹部をそなえるフラツプを第１番目に底板を構成
する方向に折曲げ次にその左右の２対のフラツプ
を前記フラツプ上に折曲げて重ねるが２対のフラ
ツプの重なり上位のフラツプは「く」の字形窪み
屈曲部における屈曲先側に切欠凹部に入り込む突
出縁が存在する方とし、最後に残るフラツプを折
曲げると共にその先端部を、一部露呈する「コ」
字形切欠凹部の奥部に両側段部が入り込むように
挿入することで段部が、切欠凹部の側縁に係合し
て抜止めとなり底板を構成し、且つ下側上位フラ
ツプの、「く」の字形窪み屈曲部先端の突出縁を
係止してそのフラツプの抜けを防止し箱体下側の
六角形状を保持する。

〔実施例〕

第１図は六角筒紙箱の展開図であり、１は六角
筒を形成するための、６個が折目２を介して横方
向に並列する側壁板部、３は各側壁板の下端に連
成されたフラツプ、４は１つの側壁板の上端に連
成された六角形の蓋板、５は蓋板の１つおき辺縁
に連成されたフラツプ、６は側壁板部の上端にお
いて、蓋板のフラツプ５が存在しない辺縁に対応
する部分に連成されたフラツプである。

側壁板部下端のフラツプ３中、六角筒における
対向２面の側壁板に連成したフラツプ３ａ，３ｂ
における一方フラツプ３ａは周縁が、連成側を基
縁にして六角形底板の５辺縁に一致する板状を呈
し、その先端縁には中央部に「コ」字形の切欠凹
部７が形成してあり、且つこの凹部はその横幅が
側壁板の横幅とほぼ同じ、凹部深さは底板の中心
部に達する程度にしてある。フラツプ３ａと対向
するフラツプ３ｂは先側が切欠凹部７に密に嵌合
する幅を有し、且つ長さは切欠凹部の奥より更に
伸びる寸法にしてある。

又フラツプ３ｂの、切欠凹部７の奥より更に伸
びる部分ａはその左右側縁ｂが、段部８を介して
外側に突出している。

残る４辺のフラツプ３ｃ，３ｄは、側壁板部を
六角筒形にした状態でフラツプ３ａ側の側縁が
「く」の字形に窪み屈曲させてあり、この「く」
の字形窪み屈曲部９における中央屈曲部分ｃがフ
ラツプ３ａにおける切欠凹部７の奥隅角部ｄに一
致するように設定してあり、又フラツプ３ｃには
「く」の字形窪み屈曲部９の中央屈曲部分ｃより
先側には切欠凹部７に深く入り込む突出縁ｅが形
成してある。

この紙箱は側壁板部１の側端に連成した糊代１
０により第２図のように六角筒にし、次に下側の
フラツプ３で箱底を形成するが先づフラツプ３ａ
を折り曲げ、次にフラツプ３ｄ，３ｃをその順に
折り曲げ（第３図）、最後にフラツプ３ｂを折曲
げ且つその先端を切欠凹部７に挿入することで、
フラツプ３ｂ先端両側の段部８が切欠凹部の奥隅
角部に係合して抜止めとなり、且つ段部８はフラ
ツプ３ｃの「く」の字形窪み屈曲部における屈曲
中央部分にも係合してフラツプ３ｃをも固定して
分解不能の底板となる。

なお側壁板部１の上端に連成したフラツプ６の
側縁ｆを、30゜の傾斜角の傾斜縁とすることで、
このフラツプを折り曲げ、且つ蓋板４で押えるこ
とにより六角筒上端の変形も防止される。

〔効果〕

この考案の紙箱、即ち六角筒側壁板部の下端に
連成したフラツプ中、１つのフラツプは先側一部
を切欠したほぼ六角形底板の形状として先側に
「コ」字形の切欠凹部をそなえ、このフラツプに
対向するフラツプは「コ」字形切欠凹部に嵌合す
る舌状とすると共に先端部両側に、前記切欠凹部
の奥隅角に係合する突出段部をそなえ、更に両フ
ラツプで挾み込む左右の２対のフラツプにも前記
段部に係合する窪み屈曲部分があるので、前記の
通りの順に重なり合うフラツプは互いに係合して
分離不能の結合となつて強固な底板を構成する
が、構成された底板の中央部を箱の内方に向けて
押し込むことで各フラツプの係止が外れ、各フラ
ツプを引出すことにより箱を扁平体に折り畳むこ
とができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る紙箱の一例の分解した展
開図、第２図は六角筒に固定し且つ底板形成過程
の、第３図は同過程に続く過程の斜視図、第４図
は組立て完了紙箱の斜視図、第５図は同上の縦断
面図である。 １……側壁板部、３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄ……
フラツプ、７……「コ」字形切欠凹部、８……段
部、９……「く」の字形窪み屈曲部、ｆ……突出
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 六角筒箱体の対向２面の側壁板部下端のフラツ
   プの一方はその周縁が、連成側を基縁にして六角
   形底板の少なくとも５辺縁に一致し且つ先端縁に
   は幅が側壁板部の幅と等しいか僅かに小で深さが
   底板の中心部に達する「コ」字形の切欠凹部をそ
   なえ、対向他方のフラツプは先側が前記切欠凹部
   に密に嵌合する幅で先端が切欠凹部の奥より延長
   する長さとすると共に延長部の左右側縁は延長元
   部で段部を介して外側に突出し、他の４辺のフラ
   ツプは前記切欠凹部をそなえるフラツプ側の側縁
   を「く」の字形に窪み屈曲し且つ「く」の字形窪
   み屈曲の中央屈曲部が前記切欠凹部の奥隅角部に
   一致すると共に少なくとも折畳み重なる上位フラ
   ツプの前記「く」の字形窪み屈曲部の屈曲先側の
   縁は前記切欠凹部に入り込む突出縁としたことを
   特徴とする紙箱。