JPH0240203A - 昇華性有機化合物の捕集方法およびその装置 - Google Patents

昇華性有機化合物の捕集方法およびその装置

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JPH0240203A
JPH0240203A JP63187997A JP18799788A JPH0240203A JP H0240203 A JPH0240203 A JP H0240203A JP 63187997 A JP63187997 A JP 63187997A JP 18799788 A JP18799788 A JP 18799788A JP H0240203 A JPH0240203 A JP H0240203A
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岡 敏充
Tadanori Hara
原 忠則
Shigeru Ikeda
池田 繁
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は昇華性有機化合物の捕集方法および捕集器に関
するものである。詳しく述べると本発明は、無水ナフタ
ル酸、無水ピロメリット酸、アントラキノン等のような
高融点の昇華性有機化合物を原料ガス中より捕集する方
法およびその装置に関するものである。
(従来の技術) 従来、無水ナフタル酸、無水ピロメリット酸、アントラ
キノン等の高融点の昇華性有機化合物の工業的製法とし
て、芳香族化合物を接触気相酸化反応させ、得られた該
酸化反応生成ガスより生成する高融点の昇華性有機化合
物を捕集する方法が実用化ないしは提唱されている。例
えば、無水ナフタル酸の場合、アセナフテンを各種の酸
化触媒の存在下、酸素含有ガスと接触させることにより
、無水ピロメリット酸の場合、1,2,4.5−テトラ
アルキルベンゼンを各種の酸化触媒の存在下、酸素含有
ガスと接触させることにより、またアントラキノンの場
合、アントラセンを各種の酸化触媒の存在下、酸素含有
ガスと接触させることにより、反応生成ガス中にそれぞ
れ所望の昇華性有機化合物を生成させることができる。
このような高融点の昇華性有機化合物を含有する原料ガ
スから、昇華性有機化合物を結晶として析出させ、捕集
する方法としては、従来、例えば特開昭54−7924
5号あ、るいは特公昭47−18745号に開示される
無水ピロメリット酸の捕集方法などに見られるように、
高温の原料ガスを放冷あるいは強制冷却することにより
冷却器壁面上に結晶として晶出させる間接冷却法が知ら
れている。しかしながら、これらの間接冷却による捕集
方法は、冷却器表面で結晶が析出するために、析出した
結晶の全であるいは一部が冷却器表面上に残存し、これ
らを回収するためには製造系を一旦停止させるか、ある
いは別の系に切り代えて回収操作を行なう必要が生じる
ものであった。さらに溶媒を用いずにこれらの結晶を取
り出すためにはブラシ等により掻取る操作が必要となる
ために効率的ではなく、また溶媒に結晶を溶解して取り
出した場合、形成された溶液から結晶を分離および精製
する工程が必要となるために、工程が複雑となる問題が
生じるものであった。
また、高温の原料ガスに冷却用媒体を導入して冷却し、
昇華性有機化合物を析出させる直接冷却法も従来より種
々提唱されている。例えば特公昭44−11888号な
どには、高温の原料ガスを冷水または冷空気によって冷
却し、析出した結晶をバッグフィルターのごときコレク
ターで捕集する方法が、また特開昭63−10790号
などにおいては、高温の無水ピロメリット酸を含有する
原料ガスを冷却用ガスとともに縦型の空塔式捕集器に導
入して特定の操業条件下で冷却し、析出した結晶を沈降
分離する方法が提唱されている。しかしながら、前者に
おいてはバッグフィルターのようなコレクターを用いて
結晶を捕集した場合には、バッグフィルターでの目詰り
、および圧力損失の上昇が生じるなめ、連続的な稼動が
困難である。一方、後者の先行技術(特開昭63−10
790号)においては、冷却媒体による昇華性有機化合
物の冷却を行なう際、冷却温度、滞留時間およびガス線
速度を特定の操業条件下に制御することによって結晶を
析出させ、捕集することが記載されているが、−船釣な
昇華性有機化合物を析出させる場合、前記の操業条件を
適切に設定しても装置構造、装置規模および冷却媒体の
装入方法等によって状況は大きく異なり、特に−度に冷
却媒体を装入する場合には、急冷ゾーンが生じ、極めて
微小な結晶の析出が避けられない。このなめ、前記のご
とき空塔式捕集器を用いても、析出した結晶の一部がガ
ス流に抗して沈降せず、排ガス中に同伴されて捕集器外
へ運ばれてしまうために、その収率は極めて低いものと
なワてしまうものであった。加えてこのように排ガス中
に同伴されて捕集器外に運ばれてしまった微小な結晶は
、ガス清浄化のために後工程に必要とされるフィルター
で目詰りを起し、圧力損失の上昇をまねいてしまう−も
のであった。さ殻にこのように捕集される結晶が微小な
ものであるとハンドリングも困難なものであった。
(発明が解決しようとする課題) 従って、本発明は上記のような従来技術における問題点
を解決した新規な昇華性有機化合物の捕集方法および捕
集器を提供することを目的とする。
本発明はまた、昇華性有機化合物を含有するガス中より
高融点の昇華性有機化合物を十分に成長した結晶として
析出させ、排ガス中に同伴する微小な結晶を少なくする
ことにより高収率にて分離捕集する方法およびその装置
を提供することを目的とするものである。本発明はまた
、昇華性有機化合物を極めて高純度に分離・精製するこ
とのできる昇華性有機化合物の捕集方法および捕集器を
提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 上記諸目的は、昇華性有機化合物を含有する原料ガスを
空塔式捕集器内において冷却用媒体と接触させて冷却す
ることにより昇華性有機化合物を結晶として析出させ分
離する捕集方法において、空塔式捕集器内で、原料ガス
に対して該原料ガスの流れの方向に沿って冷却用媒体を
複数箇所に分割して装入することにより、原料ガスをガ
ス出口に向って段階的に徐冷することによって、原料ガ
ス中より析出してくる昇華性有機化合物の結晶を成長さ
せ、成長した結晶分を原料ガスより分離させることを特
徴とする昇華性有機化合物の捕集方法により達成される
上記諸目的はさらに、昇華性有機化合物を含有する原料
ガスを冷却用媒体と接触させて冷却することにより昇華
性有機化合物を結晶として析出させ沈降分離する縦型の
空塔式捕集器であって、空塔の上部に原料ガス導入管の
開口部を、下部に原料ガス排出管の開口部をそれぞれ配
置し、空塔の底部に結晶排出手段を設けるとともに、前
記原料ガス導入口から原料ガス排出口に至る空塔内のガ
ス流路に沿って複数の冷却用媒体装入用ノズルを空塔側
壁に分散配置したことを特徴とする昇華性有機化合物の
捕集器によっても達成される。
以下、本発明を実施態様に基づきより詳細に説明する。
本発明の捕集方法により好適に捕集される昇華性有機化
合物は、比較的高融点の化合物であり、具体的には、例
えば無水ナフタル酸、無水ピロメリット酸、アントラキ
ノンなどが挙げられる。
この昇華性有機化合物を含有する高温の原料カスとして
は、芳香族有機化合物の分子状酸素含有ガスによる接触
気相酸化反応での酸化反応生成ガスや、昇華性有機化合
物を昇華によって生成する際に形成される昇華性有機化
合物と窒素などの不活性キャリアーガスとの混合ガスな
どが含まれるが、好ましくは前者の酸化反応生成ガスで
ある。
この酸化反応生成ガスは、従来公知の各種の接触気相酸
化法によって得られるものであり、その製法としては特
に限定されるものではない。
以下、得ようとする昇華性有機化合物が無水ナフタル酸
の場合を例にとり本発明を説明すると、まず、アセナフ
テンを酸化触媒の存在下、分子状酸素含有ガスと接触さ
せることにより、無水ナフタル酸を含有する酸化反応生
成ガスが得られる。
通常の触媒活性成分を非多孔性の不活性担体に担持して
なる酸化用触媒を充填した触媒層にアセナフテンおよび
分子状酸素含有ガスよりなるガス混合物を300〜40
0°Cの反応温度にて接触させて酸化することにより高
い収率で無水ナフタル酸を生成することができる。
このような接触気相酸化法により得られた生成ガス中に
は、無水ナフタル酸の他に、不純物として無水マレイン
酸、無水フタル酸、安息香酸、ナフトキノン、アセナフ
チレン等の副反応生成物、未反応のアセナフテン、さら
には原料アセナフテンの不純物としてのジフェニレンオ
キサイド、メチルビフェニル、ジメチルナフタレン、ビ
フェニルなどが微量ながら含有されている。
本発明において、このような昇華性有機化合物を含有す
る原料ガスは、該昇華性有機化合物が気化した高温状態
で空塔式の捕集器へと導入される。
例えば、前記の無水ナフタル酸を含有する気相酸化生成
ガスの場合、反応器より導出されたこの生成ガスは30
0〜400℃の高い温度を保持している。なお、この生
成ガスを捕集器にて冷却用媒体により冷却する前に、生
成ガスを結晶が析出することのない温度、例えば前記の
無水ナフタル酸を含有する気相酸化生成ガスの場合26
0°C以上の温度にまで間接冷却してもよく、このよう
にすることにより冷却用媒体の使用量を少なくすること
ができる。
空塔式捕集器内へ導入された昇華性有機化合物を含有す
る原料ガスは、該捕集器内において装入される冷却用媒
体と接触することにより冷却されるが、本発明において
は、空塔式捕集器内で移動する原料ガスに対して、冷却
用媒体は該原料ガスの流れの方向に沿って複数箇所に分
割して装入される。このなめ、原料ガスは、−度に全量
の冷却用媒体と接触されることなく、部分的量の冷却用
媒体と経時的に接触し、捕集器内においてピストンフロ
ー製を維持されつつガス出口に向って徐冷されることと
なり、原料ガスはガス出口に向う程低温となる。従って
、冷却により原料ガスより析出してくる昇華性有機化合
物の結晶は、ガス流に乗ってガス出口近傍まで移動して
くる間までに十分に成長し、大きな結晶となる。このよ
うに本発明の捕集方法においては、析出する昇華性有機
化合物の結晶が十分に成長したものとなるために、該結
晶はガス流に抗して確実に沈降することとなり、これに
よってガス流に同伴されて捕集器外へ搬送される微細な
結晶が、極めて少なくなり、昇華性有機化合物の収率が
向上するとともに、後工程におけるフィルターの目詰ま
り等の問題も解消されるものとなる。
さらにこのように冷却用媒体を複数箇所に分割して装入
することにより原料ガスを徐冷する際には、各箇所から
の冷却用媒体の流呈を調節するという簡単な操業条件の
設定によって昇華性有機化合物の結晶析出速度が一定に
なるように冷却勾配や最終冷却温度を選定できる。一般
に、原料ガスの低温域、すなわち捕集器のガス出口に近
い側では、原料ガスの高温域、すなわち捕集器のガス入
口側と比較して冷却速度を早めてもよい。これは低温域
において冷却速度を早めても、昇華性有機化合物の結晶
の成長が実質的に阻害されるものではなく、冷却効率を
高める上で好ましいためである。
冷却用媒体としては、得ようとする昇華性有機化合物に
対して不活性なものであればよく、また導入後に気体と
なるものであれば、導入時に液体であっても差支えない
。特に液体の場合は、その沸点に近い状態で導入すれば
蒸発潜熱により、原料ガスの冷却を行なうため、効率的
な冷却が可能となるので好ましい。さらに冷却用媒体と
して2種類以上の冷却用媒体を併用してもよい。例えば
無水ナフタル酸に対しては、空気、窒素、二酸化炭素、
アルゴン、水蒸気、水、メタン、燃焼排ガス等があるが
、冷却効率を高める上から、ガスと水を併用することが
好ましい。この場合、前記したように低温域において冷
却速度を早めるために、高温域においては空気等のガス
のみで冷却し、低温域において水とガスを併用すること
が望まれる。
なお、水等の液体による冷却は、該液体を原料ガス中に
噴霧することにより可能である。噴霧は液滴の径が小さ
くなるようにすることがよく、水の場合、数十μm以下
とすることが望ましい。液滴がこれより大きいと完全に
は気化しないことがあるためである。また冷却媒体とし
て水を用いる場合は水を多量に使用すると、後の工程で
原料ガスを更に冷却するときに露点以下となって水が凝
縮し、装置の腐蝕等の原因となる虞れがあるので、排ガ
スを露点以下とならない程度の使用量及び冷却温度とす
る必要がある。
また、捕集器におけるこのような冷却用媒体との接触に
よる冷却は、冷却後の温度を余りに低くすると副反応生
成物等の不純物の析出量が多くなり、得ようとする高融
点の昇華性有機化合物の純度が低下するものとなり、一
方、冷却後の温度を高くしすぎると昇華性有機化合物の
ロスが大きくなり、収率が低下するものとなるため、得
ようとする昇華性有機化合物の種類と含まれる不純物の
種類に応じて適当な温度を実験的に決定する必要がある
。また本発明における応用例として、本発明の捕集器を
多段階に直列させて各捕集器の設定温度を順次低下させ
るようにすれば各捕集器で捕集される昇華性有機化合物
の純度をそれぞれ高純度のものから低純度のものまで異
なった状態で捕集することが容易となり収率を高めるこ
とができる。本発明の捕集方法においては、原料ガスは
前記したような手法を用いることで徐冷され、原料ガス
の温度は捕集器内におけるガスの流れに沿って徐々に低
下していくものであるために、最終的な冷却温度をかな
り低いものに設定しても、捕集器への導入後かなりの経
時点までは、原料ガスは高融点の昇華性有機化合物は析
出しても、昇華性有機化合物よりも低沸点の不純物はそ
の分圧が小さいこともあって全く析出できない温度域と
なされている。また、原料ガスに冷却用媒体を一度に装
入接触させて急冷する場合は局部的に温度が低いゾーン
が生じ、低沸点の不純物も同時に析出し、結晶中に混入
して結晶の純度を低下させる可能性があるが、本発明に
おいては、徐冷されるため低沸点の不純物の混入が極め
て少なく、捕集器における最終的冷却温度を低く設定し
ても、析出する昇華性有機化合物への不純物の混入量は
低く、このことは高純度の昇華性有機化合物を収率高く
得る上からまた極めて有利なことである。
例えば、アセナフテンの接触気相酸化反応により得られ
た無水ナフタル酸を含有する酸化反応生成ガスが原料ガ
スである場合、捕集器における冷却温度は50〜300
℃、より望ましくは120〜260℃とすることが適当
であり、捕集器においてこのような温度範囲まで徐冷す
ると、酸化反応生成ガスの流れから無水ナフタル酸が析
出し、前記したようにその結晶は大きく成長する。しか
しながら、無水マレイン酸、無水フタル酸、ナフトキノ
ン、アセナフチレンあるいは未反応アセナフテンなどの
不純物は無水ナフタル酸に比して沸点が低く、かつ量的
にも少なく分圧が小さいなめに殆ど析出せず、かつ固体
の無水ナフタル酸には吸着されないためにガスの流れの
中に残存する。
以上は無水ナフタル酸の場合を例にとり説明したが、池
の昇華性有機化合物においても同様の操作により、捕集
器内において昇華性有機化合物を成長した結晶として析
出させることができる。例えば、無水ピロメリット酸の
場合、従来公知の方法に基づき1,2,4.5−テトラ
アルキルベンゼンを各種の酸化触媒の存在下、分子状酸
素含有ガスと接触させることにより得られた無水ピロメ
リット酸を含有する高温の酸化反応生成ガスを、またア
ントラキノンの場合、従来公知の方法に基づきアントラ
センを各種の酸化触媒の存在下、分子状酸素含有ガスと
接触させることにより得られたアントラキノンを含有す
る高温の酸化反応生成ガスを、それぞれ上記と同様にし
て捕集器内に導き、捕集器内において所定の冷却温度ま
で徐冷すると酸化反応生成ガスの流れから無水ピロメリ
ット酸あるいはアントラキノンが析出し、その結晶は大
きく成長するが、これより沸点の低い副反応生成物ある
いは未反応出発物質などの不純物は殆ど析出せず、かつ
固体の無水ピロメリット酸あるいはアントラキノンには
吸着されないためにガスの流れの中に残存することとな
る。
なお、このようにして捕集器内で結晶として析出した昇
華性有機化合物は、原料ガスより沈降分離されるが、一
方、原料ガスはガス出口より捕集器外に導出され、その
後、さらに必要に応じて冷却器にて冷却された後、ガス
の流れに同伴される不純な結晶をクロスフィルター、繊
維層フィルター等のフィルターにより捕集され、フィル
ターを通過した排ガスはなお副反応生成物などの不純物
を含有しているので水洗等により浄化される。
このような本発明の捕集操作に用いられる空塔式捕集器
としては、横型のものでも縦型のものでもよいが、原料
ガスのピストンフロー性をより良く保つこと及び捕集し
た昇華性有機化合物を取出すことからは縦型のものが好
ましい。
第1図は本発明の昇華性有機化合物の捕集器の一実施悪
様の構造を概略示す一部断面正面図であり、また第2図
は同実施態様の平面図である。
第1図および第2図に示す実施態様においては、円筒状
の縦型空塔1の側壁上部には、はぼ接線方向から延長さ
れた原料ガス導入管2の開口部3が設けてあり、また縦
型空塔1の土壁中央部からは原料ガス排出管4が空塔1
内へ挿入され、該原料ガス排出管4は空塔1の軸線に沿
って下方に延長され、空塔1内の下部において開口し、
開口部5を形成している。また空塔1の下部はコーン型
をしており、その底部には結晶排出手段としての例えば
、スクリュー式の結晶がきとり機6゛およびロータリー
バルブ6が備えられている。さらにこの空塔1の原料ガ
ス導入管2の開口部3から原料ガス排出管4の開口部5
に至る高さ範囲における側壁には、はぼ接線方向から延
長された冷却用媒体供給管7の先端部に設けられ、空塔
1内部に開口する冷却用媒体装入用ノズル8が複数個配
置されている。この複数の冷却用媒体装入用ノズル8は
それぞれ高さ方向にずれを有しており、さらに高さにお
いて前後する各ノズル8は互いに円周方向においてもず
れを有している。すなわち、この実施態様の空塔式捕集
器内における原料ガスの流れは、原料ガスが原料ガス供
給管2の開口部3より空塔1に対しほぼ接線方向より導
入され、空塔1内において回転運動を与えられるために
、旋回しながら徐々に下降し原料ガス排出管4の開口部
5に至るものであり、各ノズル8はこのガス流路に沿っ
て分散配置されているものである。
このように第1図および第2図に示す実施態様の捕集器
においては、空塔内のガス流路に沿って複数の冷却用媒
体装入用ノズル8が空塔側壁に分散配置されているため
に、各ノズル8より所定量の冷却用媒体を装入すれば、
原料ガス導入管2の開口部3より空塔1内に導入された
原料ガスは、空塔1内をピストンフロー性を維持しつつ
移動する間に各ノズル8より装入される冷却用媒体と漸
次接触してゆき、これによって原料ガスは段階的に徐冷
され、所定の最終冷却温度となって原料ガス排出管4の
排出口5に至るものとなり、前記したような本発明の捕
集方法における原料ガスの徐冷を容易に行ない得るもの
となる。また冷却により原料ガス中より析出した昇華性
有機化合物の結晶は空塔1の下部に至るまでに十分に成
長したものとなるために、ガス流にのって原料ガス排出
管4へ排出されることなく、そのままコーン型底部へと
沈降し、底部において適宜の排出手段、例えばスクリュ
ー式かきとり機6゛でかきとってロータリーバルブ6に
よって系外に取出される。
また第1図および第2図に示す実施態様においては、原
料ガス排出管4の開口部5が空塔1内中央部に配されて
おり、該開口部5より導出された原料ガスは、原料ガス
排出管4の管壁により空塔1内空間と区画された流路、
すなわち原料ガス排出管4内において空塔1の下部から
上部へと移動して空塔1外へ排出されることとなる。前
記したように空塔1内における冷却が徐冷であるため、
空塔1の内部は上部となる程高温状態とされており、原
料ガス排出管4を通り空塔1外へ排出される冷却された
原料ガスは、空塔1の下部から上部へと移動する間に管
壁を介して熱を享受し、加熱ないしは保温されることと
なる。このため、原料ガス中に残存して含まれる昇華性
有機化合物の原料ガス排出管4内における析出が好まし
く抑制される。
さらにまた、第1図および第2図に示す実施態様におい
ては、空塔1の側壁にはトレースまたはジャケット形式
の保温手段9が設けられているが、このように捕集器の
空塔1の側壁に保温手段9、より好ましくは、空塔1内
における原料ガスの温度に応じて、空塔1の上部より下
部に至り段階的に低減された温度に側壁を保温する保温
手段9を設けることは、空塔1の内部側壁に昇華性有機
化合物の結晶が析出するのを防止する上から望ましく、
さらに捕集器における原料ガスの徐冷を首尾よ〈実施す
る上からも望ましいものである。
なお、本発明の昇華性有機化合物の捕集器は、第1図お
よび第2図に示す実施態様に何ら限定されるものではな
く、空塔の上部に原料ガス導入管の開口部を、下部に原
料ガス排出管の開口部をそれぞれ配置し、空塔の底部に
結晶排出手段を設けるとともに、前記原料ガス導入口か
ら原料ガス排出口に至る空塔内のガス流路に沿って複数
の冷却用媒体装入用ノズルを空塔側壁に分散配置してな
るものである限りどのような態様を収るものであっても
よく、例えば、冷却用媒体装入用ノズルの数の増減、配
置位置の変更、あるいは原料ガス排出管の開口部を空塔
の底部壁面に設けるなどの原料ガス排出管の開口部ない
しは原料ガス導入管の開口部の配置位置の変更、さらに
は結晶排出手段の変更などが容易になされ得る。
(実施例) 以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
実施例 第1表に示すような組成を有する原料ガスを、300O
Nm3/hrの風量で260℃にて、第3図に示すよう
に縦型の空塔式捕集器10に導入した。捕集器10内に
おいて原料ガスは約60秒間滞留させられ、その間に該
捕集器に設けられた33カ所の冷却用媒体装入ノズルの
各々より40°Cの燃焼排ガスを51.7Nm3/hr
の割合で装入し、また下段の21カ所のノズル各々から
は常温の水を9 、83 K g / h rの割合で
燃焼排ガスと併用して噴霧冷却することにより、120
℃まで冷却を行なった後、バッグフィルター11を通さ
れた。
この結果、捕集器10内においては鱗片上の大きな結晶
が析出し、捕集器10底部に沈降して結晶抜き取り等の
ハンドリングが容易でありまた、後工程におけるバッグ
フィルター11ないし管内への結晶の付着による閉塞は
見られなかった。また捕集器10の導入前後の原料ガス
の組成を調べることにより無水ナフタル酸の収率を調べ
たところ、第1表に示すように97.6%と極めて高い
値であった。
比較例 実施例と同じ原料ガスの冷却を、捕集器に導入する直前
に40°Cの燃焼排ガス(1707Nm3/ h r 
)と混合させて捕集器に導入し、冷却させた以外は実施
例と同様とした。
この結果、捕集器内において得られた無水ナフタル酸の
結晶は微小な結晶であってハンドリングが困難であり、
さらに後工程におけるバッグフィルターにおいて目詰り
が生じ圧力損失が大きなものとなった。
第1表 無水ナフタル酸  2.2   0.03無水フタル酸
   0.02   0.01無水マレイン酸  0.
04   0.02H204,17,6 その他(N2等)  93.7   92.4(発明の
効果) 以上述べたように本発明は、空塔式捕集器内で、流動す
る原料ガスに対して該原料ガスの流れの方向に沿って冷
却用媒体を複数箇所に分割して装入することにより、原
料ガスをガス出口に向って段階的に徐冷することで、原
料ガス中より析出してくる昇華性有機化合物の結晶を十
分に成長させ、成長した結晶分を原料ガスより分離させ
ることを特徴とする昇華性有機化合物の捕集方法である
ので、極めて高い収率で、高純度の昇華性有機化合物を
捕集することができ、かつ得られる結晶が大きなものと
なるためにハンドリングも容易である。
また排ガス中に持ち去られる昇華性有機化合物の微細な
結晶が少なく後工程におけるフィルターの目詰り、ある
いは管壁への結晶の付着による管閉塞などの問題も生じ
ず、その操作性も向上するものである。さらに本発明に
おいては、原料ガスの冷却温度勾配や最終冷却温度は各
箇所からの冷却用媒体の装入量を変化させることによっ
て容易に調節でき、これによってできるだけ低沸点不純
物をガス中に同伴させ、高沸点の昇華性有機化合物を極
めて高純度の状態で捕集することができる。
本発明はまた、縦型の空塔式捕集器であって、空塔の上
部に原料ガス導入管の開口部を、下部に原料ガス排出管
の開口部をそれぞれ配置し、空塔の底部に結晶排出手段
を設けるととも−に、前記原料ガス導入口から原料ガス
排出口に至る空塔内のガス流路に沿って複数の冷却用媒
体装入用ノズルを空塔側壁に分散配置したことを特徴と
する昇華性有機化合物の捕集器であるから、上記のごと
き捕集操作を容易になし得るのみならず、さらに結晶の
取出しが容易であり、また連続捕集が可能であるために
操作性の向上が望めるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の昇華性有機化合物の捕集器の一実施態
様の概略構造を示す一部断面正面図、第2図は同実施態
様の平面図であり、また第3図は本発明の実施例および
比較例において用いられた捕集プロセスの流れ図である
。 1・・・空塔、2・・・原料ガス導入管、3・・・原料
ガス導入管の開口部、 4・・・原料ガス排出管、 5・・・原料ガス排出管の開口部、 6・・・ロータリーバルブ、 6−・・・スクリュー式かきとり機、 7・・・冷却用媒体供給管、 8・・・冷却用媒体装入ノズル。 特許出願人       新日鐵化学株式会社代理人 
  弁理士    八 1) 幹 雄(他1名) 第3 憔j51!排刀“人

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)昇華性有機化合物を含有する原料ガスを空塔式捕
    集器内において冷却用媒体と接触させて冷却することに
    より昇華性有機化合物を結晶として析出させ分離する捕
    集方法において、空塔式捕集器内で、原料ガスに対して
    該原料ガスの流れの方向に沿って冷却用媒体を複数箇所
    に分割して装入することで、原料ガスをガス出口に向っ
    て段階的に徐冷することによって、原料ガス中より析出
    してくる昇華性有機化合物の結晶を成長させ、成長した
    結晶分を原料ガスより分離させることを特徴とする昇華
    性有機化合物の捕集方法。
  2. (2)昇華性有機化合物を含有する原料ガスを冷却用媒
    体と接触させて冷却することにより昇華性有機化合物を
    結晶として析出させ沈降分離する縦型の空塔式捕集器で
    あって、空塔の上部に原料ガス導入管の開口部を、下部
    に原料ガス排出管の開口部をそれぞれ配置し、空塔の底
    部に結晶排出手段を設けるとともに、前記原料ガス導入
    口から原料ガス排出口に至る空塔内のガス流路に沿って
    複数の冷却用媒体装入用ノズルを空塔側壁に分散配置し
    たことを特徴とする昇華性有機化合物の捕集器。
JP63187997A 1988-07-29 1988-07-29 昇華性有機化合物の捕集方法およびその装置 Expired - Fee Related JP2660007B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002336649A (ja) * 2001-05-21 2002-11-26 Nec Kyushu Ltd 除害装置
CN115738348A (zh) * 2022-11-14 2023-03-07 中国科学院过程工程研究所 一种防堵塞冷却结晶器、冷却结晶方法及其应用

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