JPH0239898Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、工業部品、繊維加工品、ゴム・皮革
原料、精肉加工品、水産加工品、食品、薬品等の
運搬、保管、仕分、加工処理その他に官公庁、デ
パート・スーパー、市場・集配流通センター等で
利用されるコンテナの台車に関するものである。

＜従来技術＞ コンテナが使用される業種、用途は多種多様に
亘つているので、コンテナの種類、規格もその用
途に応じて多種多様のものがあり、寸法が区々
で、規格統一がされておらず、メーカーによつて
も異なるのが現状である。

従つて、この様なコンテナの運搬時に使用され
る台車もまた、一定寸法のものでは使用できない
場合も多々あり、夫々、使用するコンテナの寸法
に合わせて、特別に誂える必要があり、高価なも
のとなつていた。

第６図は従来のコンテナ用台車の一例を示した
ものであり、長短尺の断面Ｌ型アングル１１，１
１を、夫々、溶接、ボルト・ナツト締め等適宜手
段にて四角形状に組み付け、側枠とし、底部にキ
ヤスター１２を取り付けて成る。そして、断面Ｌ
型アングル１１，１１′から成る側枠は、内側縁
部にコンテナを載置し、位置決め、規制するよう
になつている。又、第７図（あるいは実開昭52−
70870、実開昭55−19096号公報）に示すように、
キヤスター１２を取り付けた筒状の隅角部材１３
を夫々連結材１４で繋ぎ、水平方向に取り付けた
ばね付きのねじあるいは、単独のねじ１５等で押
圧、ねじ止めし、前後左右にある程度（例えば、
100〔mm〕〜160〔mm〕）寸法を調節可能にしたもの
もある。

さらに本考案者は、先に第８図（実願昭59−
94283号）に示すような、寸法調節可能で且つ充
分な強度を有するコンテナの台車を提案してい
る。該台車は、底部にキヤスターを一体的に取り
付けるとともに、相隣合う辺に少なくとも１つの
連結孔を夫々穿設した隅角部材２１と、両端部に
複数箇所、所定間隔離して孔を穿設した連結部材
２２とを、門型の両先端部にねじ部を形成しコン
テナを位置決め規制する枠部材２３の該両ねじ部
を隅角部材２１の連結孔と連結部材２２の孔とに
連通し、ナツトで固定することにより一体的に連
結して方形の台枠に構成したものである。したが
つてコンテナの寸法に対応して隅角部材２１の連
結孔と連通させる連結部材２２の孔を適宜選択し
て枠部材２３で連結、固定することにより、載せ
る各種寸法のコンテナに対して寸法調節可能とし
ている。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 前記第６図に示す固定式の台車の場合、充分な
強度を有しているが、寸法が一定で、使用できる
コンテナが限定され、各種コンテナに応じて、
夫々、別々に作製しなければならず、汎用性がな
く、高価なものとなるという問題点を有してい
た。

第７図あるいは前記２公開考案に示す寸法調節
可能なものでは、連結材と隅角部材との接続をば
ね付きねじや単独のねじによる押圧力や締め付け
で行なつている為、重量が大のものや、使用頻度
の多いものでは、ねじがゆるんだり、破損したり
して、接続部の強度が不充分となり、荷崩れを生
ずる危険性がある等、強度的に充分なものではな
かつた。さらに該ばね付きねじや単独のねじを水
平方向に操作し作用させるので操作がし難くく、
荷重に対して一層強度の問題を生じ易いものであ
る。

第８図に示すコンテナの台車は、枠部材が連結
部材の幅のほぼ中央部に取り付けられているので
残余の幅の分だけ台車がコンテナの寸法よりも大
きくなり、狭い場所でコンテナを運搬するには不
便であり、複数の台車をコンテナを載せたまま置
いておくときには場所をとり、スペースの有効利
用を図る為には適さないものであつた。

本考案は、上記の問題点に留意し、寸法調節が
容易で多種の寸法のコンテナに適応し、充分な強
度を有するとともに組み立て、分解の容易なコン
テナの台車を提供することを目的とする。

＜問題点を解決する為の手段＞ 本考案は、上記の目的を達する為に、底部にキ
ヤスターを、２辺に各連結部材をそれぞれの孔を
上下に連通させて一体的に取り付けるようにした
隅角部材と、両端部に複数個、所定間隔離して取
り付け用の孔を穿設し各隅角部材の２辺の孔と
夫々連通して方形の台枠を構成する連結部材と、
コンテナの隅角部を支持して位置決め規制する側
壁を立設した枠部材と、該隅角部材、連結部材、
枠部材の上下に連通した孔に挿通して該各部材を
一体的に連結固定するボルト、ナツトなどの固定
具とから成り、該固定具によつて隅角部材、連結
部材及び枠部材を分解、組み立て可能としたこと
を特徴とする。

＜作用＞ 上記の構成により、各隅角部材の２辺と連結部
材を重ねてその各孔を上下に連通させて方形台枠
を形成し、枠部材を該台枠の隅角部に重ねてその
孔も前記連通孔と連通させて該連通孔にボルトな
どの固定手段を垂直方向に挿通して夫々ナツトな
どで連結することにより台車を構成する。その
際、コンテナの寸法に応じて、ほぼ寸法の近い適
当な連結部材を選択し、より正確な寸法の調節を
連結部材に穿設された孔の選択によりコンテナ寸
法に適合した寸法の台枠に構成する。

＜実施例＞ 図面の実施例により本考案を詳細に説明する。
第１図は、台車の斜視図で、１は隅角部材、２は
連結部材、３は枠部材である。隅角部材１の底片
にキヤスター４を一体的に取り付け、該隅角部材
１と連結部材を重ねて隅角部材の２辺の孔と連結
部材２の孔とを上下に連通して形成した方形枠の
各隅角部には、各枠部材３が重ね合わされて上下
連通した孔に固定具の１つであるボルト、ナツト
締めにより取り付けられ一体的に固定されて台車
を構成する。

第２図ａ，ｂは、隅角部材の１実施例を示した
ものであり、該隅角部材１の２辺には、連結部材
２，２の両端部を重ねて取り付ける部位に枠部材
３を重ねて取り付ける連通孔１ａを適当数穿設す
るとともに、内角片にキヤスター４を取り付ける
孔１ｃを穿設して、該孔１ｃにキヤスター４をか
しめ付け、溶接或はボルト・ナツト等により固着
する。

第３図ａ，ｂは、連結部材２の１の実施例を示
し、該連結部材２は、両端部に複数個（第３図ａ
では９ケづつ）、所定間隔毎に（第３図ａでは等
間隔）孔２ａを穿設している。尚、孔２ａの数及
び位置はコンテナの寸法によつて変更可能であ
り、その径も限定されない。例えば長さを260
〔mm〕、360〔mm〕、460〔mm〕、560〔mm〕、660〔mm〕
の
５種類とし、両端部に孔２ａを９ケづつ、間隔を
10〔mm〕として穿設すれば、市販のコンテナの殆
ど全てのものに対応することができる。

第４図ａ，ｂは、枠部材３を示したもので、該
枠部材３は垂直の側壁３ｂと底片からなる断面Ｌ
字状の屈曲部材で、隅角部材２の孔１ａに連通す
る孔３ａ，３ａを穿設し、台車の各隅角部材２に
ボルト等の固定手段によつて取り付けられるとコ
ンテナの隅角部寄り外面を支持して台車からの抜
け落ち不可に支持するものである。

第５図は枠部材の他の実施例を示し、該図の枠
部材３′は、垂直の側壁３ｂと底片からなり平面、
断面Ｌ字状の屈曲部材で、側壁３ｂはコンテナの
隅角部外面を案内、支持し、底片には隅角部材２
の孔２ａに対応する位置に孔３ａを穿設している
点は、前記第４図に示す実施例と同様である。

又、枠部材の側壁３ｂには第４図中破線で示す
ように台車に載置したコンテナを固定する結束バ
ンドの挿通孔を穿設しても良い。

上記構成の各隅角部材１の２辺の孔に各連結部
材２の両端部の孔を重ねて方形台枠を形成し、そ
の各隅角部に枠部材３の底片を重ねて各部材の孔
を上下方向に連通してボルト、ナツトなどの固定
具を該連通孔に挿通、固定するだけで台車は構成
される。＜考案の効果＞ 上記の構成、作用を有する本考案のコンテナの
台車は、前記のように隅角部材、連結部材、枠部
材をボルト、ナツトなどの固定具を垂直方向に挿
通、固定することで同時に連結することによつて
構成され、従来の台車の組み立てのように水平方
向にねじなどを挿入して締め付ける手段にくらべ
て手間が少なく、しかも荷重の掛かる水平方向の
ばねやピンのような連結部材に比べて損傷を生じ
難い。しかも各部材に複数の孔を連通可能に設け
てあるからコンテナの大きさに対応させて部材を
伸縮して連結固定することができ、コンテナの寸
法がある程度変化しても対応可能であり、数種類
の連結部材を準備するだけで殆ど全てのコンテナ
に適応可能な台車を容易、迅速に組み立てること
ができ、しかも固定が強固で、固定部材が従来よ
り少なくなるのでコストの低減を図ることができ
る等、実用上優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のコンテナの台車の一実施例
を示す斜視図、第２図ａは同上、隅角部材の平面
図、第２図ｂは同側面図、第３図ａは同上、連結
部材の平面図、第３図ｂは同側面図、第４図ａは
同上、枠部材の側面図、第４図ｂは同正面図、第
５図は、同上、枠部材の他の実施例を示す斜視
図、第６図は、従来のコンテナの台車の一例を示
す斜視図、第７図は、従来のコンテナの台車の他
の例を示す斜視図、第８図は、実願昭59−94283
号のコンテナの台車を示す斜視図。 １……隅角部材、１ａ……孔、２……連結部
材、２ａ……孔、３……枠部材、３ａ……孔、３
ｂ……側壁、４……キヤスター、５……ボルト、
６……ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 直交する２辺に所定間隔を置いてそれぞれ複数
   の孔を穿設した４個の隅角部材の該各２辺にそれ
   ぞれ連結部材の各端部を進退可能に重ねて方形状
   の台枠を形成するとともに該連結部材に設けた複
   数の孔を隅角部材の孔に連通させ、該台枠の各隅
   角部外周に壁状に直立するように構成した断面Ｌ
   字状の枠部材の底片に複数の孔を設けて該孔を前
   記隅角部材の孔及び前記連結部材の孔と連通する
   ようにして該枠部材の底片を前記台枠隅角部に重
   ねて該台枠の対応する孔に連通させ、該上下に連
   通された孔にボルト、ナツト等の取り外し可能な
   固定具を垂直に挿通、固定して隅角部材、連結部
   材、枠部材を連結して台枠を構成するようにした
   ことを特徴とするコンテナの台車。