JPH0239735Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、円筒棒状レンズ等を研磨するための
研磨装置に関するものである。

（従来の技術） 従来、この種のレンズ等を研磨する研磨装置と
しては、加工体上に研磨体を圧接しつつ高速で回
転し、或いは大きなストロークで高速往復動させ
て研磨するものであつた。

この様な従来の研磨方法により研磨する研磨装
置は、研磨速度を上げると研磨精度が低下し、研
磨速度を落とすと研磨能率が悪くなるという問題
点があつた。

これに代わるものとして、特開昭50−141791号
公報には、微振動発生装置を取付けて研磨する装
置が記載されている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、この公報で開示された公知技術
のものは、加工体を１個づつ研磨するものであつ
て極めて能率が悪い上、且つ研磨体が加工体の一
部分に当接しつつ移動して研磨するものであるか
ら、研磨面が微細に波打つた凹凸面となり、均一
で高精度の研磨面を得ることができないものであ
る。

そこで、本考案は、上記従来の問題点に鑑み、
これを解決しようとするものであつて、複数個の
加工体を上下部研磨体で挾み、上下より同時に能
率良く研磨できると共に、各加工体は夫々全長に
亘つて均一な外径面をもち、極めて真円度の高い
優れた精度に研磨することのできる研磨装置を得
るにある。

（課題を解決するための手段） これを達成する手段として、本考案は、機台上
に対設した軸受部間に円筒棒状レンズよりなる加
工体を回転可能に複数個並列状態に配設し、該複
数個の加工体を挾んで上下に夫々平坦盤状面の下
部研磨板と上部研磨板を配置し、上記軸受部およ
び下部研磨板に摺動自在に軸を挿通し、該軸の一
端に取付けた連結体と機台に設置した駆動装置と
の間に、下部研磨板の平坦盤状面が上記複数個の
加工体と常に圧接状態で往復作動する移動量可変
の偏心装置を連結し、また上記連結体にカムを取
付けたオツシレーシヨン用モーターを設置すると
共に、下部研磨板と連結体との間にスプリングを
張設して該カムを下部研磨板に取付けた作動杆の
先端と常時当接して該下部研磨板を高速度小振幅
で微振動させ、さらに上部研磨板と連結した連結
体を機台上に配置した軸に摺動自在に嵌合して、
該上部研磨板を前記下部研磨板の作動方向と直交
する方向に移動可能に取付け、連結体と機台に設
置した駆動装置との間に、上部研磨板の平坦盤状
面が上記複数個の加工体と常に圧接状態で往復作
動する移動量可変の偏心装置を連結すると共に、
該上部研磨板を下部研磨板方向に加圧する加圧装
置を上部研磨板と連結体との間に設けたものであ
る。

（実施例） 本考案の構成を図面に示す実施例について詳細
に説明すると、機台１上の両側部に対向配置した
軸受部２，２の対面する内側面に円筒棒状レンズ
よりなる加工体Ａを回転可能に複数個並列状態に
配設し、該軸受部２，２間に間隔をおいて２本の
軸３，３を摺動自在に嵌合挿通し、該２本の軸
３，３の一端を連結体４に固定すると共に、該連
結体４に連結杆５を取付け、機台１上に設置した
駆動用モーター６に減速装置を介して連結した偏
心量を調節しうる偏心プーリー７と上記連結杆５
を枢着する。又前記２本の軸３，３には平坦盤状
面をもつた下部研磨板８を摺動自在に嵌合し、該
下部研磨板８の一端に作動杆９を突設すると共
に、下部研磨板８と連結体４との間にスプリング
１０を張設し、連結体４にオツシレーシヨン用モ
ーター１１を設置し、該モーター１１の回転軸に
固定したカム１２を下部研磨板８に突設した作動
杆９の先端と常時当接して下部研磨板８を高速度
の小振幅で微振動させる。さらに下部研磨板８の
上には平坦盤状面をもつた上部研磨板１３を対向
配置し、該上部研磨板１３に枢着した作動腕１４
の基端を連結体１５に枢着すると共に、作動腕１
４の基端に立設した加圧受体１４′を連結体１５
上に取付けた加圧装置１６に連結し、上部研磨板
１３を下部研磨板８方向に加圧するように構成す
る。連結体１５は前記軸３の軸線方向と直交する
方向に軸線を有し、互に間隔をおいて機台１上に
配置された２本の軸１７に摺動自在に嵌合すると
共に、連結体１５に突設した連結杆１８を機台１
上に設置した駆動用モーター１９の減速装置を介
して取付けられて偏心量を調節しうる偏心プーリ
ー２０に枢着する。

そして、下部研磨板８および上部研磨板１３の
平坦盤状面は、その間に配設した複数個の加工体
Ａ全体を常に圧接状態で作動しうる大きさの平坦
盤状面に構成する。

この様に構成されているので、下部研磨板８上
に加工体Ａを複数個並列に配置し、その上から加
圧装置１６により作動腕１４を介して上部研磨板
１３を加圧する。しかる後、両駆動用モーター
６，１９およびオツシレーシヨン用モーター１１
を始動すると、駆動用モーター１９は偏心プーリ
ー２０に枢着した連結杆１８を介して連結体１５
を往復動させるため、これに連結された作動腕１
４を介して平坦盤状面の上部研磨板１３は往復動
し、これによつて複数個並列配設した加工体Ａは
一斉に往復動に転がされると同時に下部研磨板８
の直交方向の作動によつて上部研磨板１３は加工
体Ａとの間に回転ズレを生じ、これが円周方向の
研磨力として作用して研磨する。一方駆動用モー
ター６には偏心プーリー７に枢着した連結杆５を
介して連結体４を往復動させ、これに連結された
軸３，３を往復摺動させると共に、オツシレーシ
ヨン用モーター１１によつてカム１２を回転さ
せ、これと常時当接する作動杆９を小振幅で往復
動させるため、これに連結された下部研磨板８は
軸３に対して高速度で往復微振動するので、下部
研磨板８によつて加工体Ａは小振幅に研磨作動し
つつ軸線方向に研磨する。

（考案の効果） 以上、実施例について詳述した如く、本考案は
加工体が上部研磨板によつて転がされながら、円
周方向に研磨されると同時に、これと直交方向に
作動する下部研磨板によつて加工体は小振幅の作
動に加えて軸方向に研磨されるので、加工体は３
種類の研磨動作を同時に受け、その相乗作用によ
つて同一軌跡を通ることなく、複雑な研磨軌跡を
描いて研磨され、極めて平滑な曇りのない研磨面
を得ることができる。その上、各加工体は全長に
亘つて平坦盤状面の上下部研磨板と常に圧接挾持
された状態で研磨されるので、個々の加工体の研
磨面は夫々全長に亘つて均一な外径面を持ち、真
円度が極めて高く精度の優れた研磨面に研磨する
ことができると共に、一度に大量の加工体を能率
良く得ることができる等の効果を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一部切欠正面図、第２図は同
じく一部省略側面図、第３図は同じく平面図を示
す。 １……機台、２……軸受部、３……軸、４……
連結体、５……連結杆、６……駆動用モーター、
７……偏心プーリー、８……下部研磨板、９……
作動杆、１０……スプリング、１１……オツシレ
ーシヨン用モーター、１２……カム、１３……上
部研磨板、１４……作動腕、１５……連結体、１
６……加圧装置、１７……軸、１８……連結杆、
１９……駆動用モーター、２０……偏心プーリ
ー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機台上に対設した軸受部間に円筒棒状レンズよ
   りなる加工体を回転可能に複数個並列状態に配設
   し、該複数個の加工体を挾んで上下に夫々平坦盤
   状面の下部研磨板と上部研磨板を配置し、上記軸
   受部および下部研磨板に摺動自在に軸を挿通し、
   該軸の一端に取付けた連結体と機台に設置した駆
   動装置との間に、下部研磨板の平坦盤状面が上記
   複数個の加工体と常に圧接状態で往復作動する移
   動量可変の偏心装置を連結し、また上記連結体に
   カムを取付けたオツシレーシヨン用モーターを設
   置すると共に、下部研磨板と連結体との間にスプ
   リングを張設して該カムを下部研磨板に取付けた
   作動杆の先端と常時当接して該下部研磨板を高速
   度小振幅で微振動させ、さらに上部研磨板と連結
   した連結体を機台上に配置した軸に摺動自在に嵌
   合して、該上部研磨板を前記下部研磨板の作動方
   向と直交する方向に移動可能に取付け、連結体と
   機台に設置した駆動装置との間に、上部研磨板の
   平坦盤状面が上記複数個の加工体と常に圧接状態
   で往復作動する移動量可変の偏心装置を連結する
   と共に、該上部研磨板を下部研磨板方向に加圧す
   る加圧装置を上部研磨板と連結体との間に設けた
   ことを特徴とする研摩装置。