JPH0239688Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は予め穿孔されたドリル孔の孔壁適所
に、アンダーカツト即ち、ドリル孔径を内側に拡
径した孔部を削成する拡径孔削成工具に関する。

（従来の技術） 固化したコンクリートに対してアンカーボルト
を植設するような場合、コンクリートに所定深さ
の盲端孔を穿孔し、円筒状内面を更に拡径削成し
て深さ方向に拡径する円錐面を形成し、アンカー
ボルトの基部をこの孔に挿入してコンクリートを
埋設固化するか、埋め込み用分割円筒体金具を押
し拡げ孔壁との間に摩擦抵抗を生ぜしめ、コンク
リートを埋設固化する等の手法が採られている。

このようなアンダーカツト用削成装置は、例え
ば特開昭60−172408号および特開昭60−191706号
に記載されている。然して特開昭60−191706号は
特開昭60−172408号の改良削成装置に相当する。
特開昭60−191706号公報に記載のものは第４図に
示す如き形状のもので、本体１に、本体１と同体
回転し、且つ軸芯にばね５の付勢下に移動可能に
ウエツジセンタ４を挿着し、該ウエツジセンタ４
を本体外周に緩挿したストツプリング７に一体接
合し、本体先端に本体側方に向けて張出可能に切
刃１１を取付け、該切刃１１を、ウエツジセンタ
４先端部に設けた張出顎６に沿つて移動させて張
出顎外方に突出するように構成したことを特徴と
する拡径孔部削成装置である。

（考案が解決しようとする問題点） 上記従来の例においては、本体の先端に切刃を
取り付けているので、切刃を取替えたり孔径の異
なる場合の削成には別の工具を必要とし、一つの
工具によつて多種類の工作ができるような削成装
置がない。また、従来は一つの工具で100個位の
削成が可能であるが、切刃の破損によつて工具全
体を新調しなければならないという問題点があ
る。

本考案は切刃または切刃の回転径を取替えられ
るように切刃の取り付け部分を本体と切り離し、
着脱可能に工夫したものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は駆動力を伝達するシヤンクを一端に有
する円筒状本体の他端に、該本体の軸芯に挿入し
たスプリングを介してウエツジセンタを有し、該
ウエツジセンタを本体外周に緩着したストツプリ
ングにピンにより一体に接合してなり、該ウエツ
ジセンタ先端部に形成した張出顎に沿つて軸芯方
向に弾性板片を移動させ、該弾性板片の先端に設
けた切刃を張出顎外方に突出するように構成した
削成装置において、該弾性板片と本体を円筒状部
分において蟻溝などの嵌着手段によつて着脱自在
にしたことを特徴とする削成刃取替可能な拡径孔
削成装置である。

（作用） 上記の構成であるので、切刃を取替えるには本
体に緩着しストツプリングおよびウエツジセンタ
を貫通しているピンを抜き、本体からウエツジセ
ンタを引抜き、嵌着手段を外し、弾性板片を本体
から取り外す。その後取替部品である弾性板片を
嵌着し、ストツプリングおよびウエツジセンタを
本体に嵌着し、ピンをセツトする。このように取
外し可能な工具であつても、本体と弾性板片が一
体のものと使用勝手は少しも変わらず、円筒状部
分で嵌着しているので嵌着手段が軸芯方向ならび
に円周方向に外れることなく、本体と弾性板片は
一体のものと同様に作用し、少しも不具合がな
い。

すなわち、コンクリートなどに予め穿孔した盲
端孔の底部に、本考案の削成装置のウエツジセン
タ４の下端をあて、回転を与えながらスプリング
５に抗して本体１を孔中に押し込むように操作す
ると、それまではウエツジセンタ４の張出顎基部
に位置していた切刃１１は本体１の動きによつて
ウエツジセンタ４の張出顎６にそつて孔壁を切削
しながら弾性板片１０が移動し、終に張出顎外方
に突出する位置まで孔壁を拡径切削する。

（実施例） 第１図イ，ロは本考案を説明するための側面お
よび正面図で、第４図の全体図における本体１と
円筒部を有する弾性板片１０を分離した状態であ
る。第３図は他の実施例の正面図で、弾性板片１
０の径を大きくしたもので、１１は切刃である。

本体１と弾性板片１０の嵌着手段１２は第２図
に示すイ蟻溝状以外に、ロ，ハ等に示すような中
太りの形状がよい。

本考案は第４図に示す如き削成工具の状態から
その切刃ならびに弾性板片１０を本体１から取り
外すにはピン９を抜き、本体軸芯にあるウエツジ
センタ４を引き抜くと、第１、２図に示される嵌
着手段１３を横に外すことができる。取替部品で
ある弾性板片１０に取替え、ウエツジセンタ４を
挿着し、ピン９を挿すとウエツジセンタ４ならび
に弾性板片１０が本体１にセツトされる。

嵌着手段は中太りであるから、軸方向に外れる
ことがなく、また回転に対して本体１に十分にフ
イツトするので支障がない。

（考案の効果） 上記説明で理解されるように、切刃の摩耗時に
工具全体を新調することなく、切刃のある弾性板
片のみを取替えるだけで済み、またサイズの大小
に対応じて弾性板片を取替えるだけで済むので極
めて経済的であり、アンカーボルト埋め込み用の
孔のふところ空間の削成工具として極めて有効で
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案を説明するための実施例で、第１
図イ，ロは部分的に示した正面図、側面図、第２
図イ，ロ，ハは部分正面図の３例、第３図は第１
図に対する他の実施例、第４図は削成装置全体を
示す一部欠如した正面図である。 １……本体、２……シヤンク、３……中空部、
４……ウエツジセンタ、５……圧縮ばね、６……
張出顎、７……ストツプリング、８……長孔、９
……ピン、１０……弾性板片、１１……切刃、１
２……嵌着手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動力を伝達するシヤンクを一端に有する円筒
   状本体の他端に、該本体の軸芯に挿入したスプリ
   ングを介してウエツジセンタを有し、該ウエツジ
   センタを本体外周に緩着したストツプリングにピ
   ンにより一体に接合してなり、該ウエツジセンタ
   先端部に形成した張出顎に沿つて軸芯方向に弾性
   板片を移動させ、該弾性板片の先端に設けた切刃
   を張出顎外方に突出するように構成した削成装置
   において、該弾性板片と本体を円筒状部分におい
   て蟻溝などの嵌着手段によつて着脱自在にしたこ
   とを特徴とする削成刃取替可能な拡径孔削成装
   置。