JPH0239656Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は集塵装置を具備した溶接ロボツトに関
するものである。

従来、長尺重量ワークを対象とした溶接ロボツ
トとして、走行台車に載置し最終制御軸に溶接ト
ーチを取着したロボツト本体と、前記走行台車の
軌道付近に該台車の走行方向に適宜離間対向配置
した２個１組のワーク取付具とを含み、溶接トー
チとワーク取付具との相対位置を制御して自動溶
接するごとくしたものが知られている。

この種の溶接ロボツトにおいては、溶接トーチ
を含む本体側を走行させながらワーク取付具間に
固定した長尺ワークの自動溶接を行うため、溶接
時に発生する煙、熱ガス、有機ガス等のヒユーム
等が広範囲にまき散らされ、溶接ロボツトを設置
した工場内の作業環境が著しく悪化する。

本考案は前述事情に鑑み、前述走行台車上に適
宜支柱を介し溶接トーチの移動範囲の上方を覆う
ように下方開放の集塵フードを固設し、該集塵フ
ードは走行台車の軌道付近に設置した集塵機から
導出せる可撓性材質より成る伸縮吸引ダクトに接
続し、溶持作業時に発生するヒユーム等を集塵す
るごとくし、構造簡単で溶接ロボツトの作業性に
支障を来たすことなく作業環境の改善を図つた、
集塵装置を具備した溶接ロボツトを提供せんとす
るものである。

以下、図の実施例により詳述する。

１は床２上に載置した左右方向に細長い前部基
台、３ａ，３ｂは該前部基台１上に左右対向して
設置した１対のワーク取付具で、架台３a₁，３b₁
下部を前記基台１上面に左右方向に削設した２条
の長溝１ａにありみぞ嵌合により嵌装し、ワーク
Ｗの長さに応じて両架台３a₁，３b₁間の距離を設
定し、押しボルト（図示せず）により固定可能と
してある。前記架台３a₁，３b₁の上部対向面には
共通の中心軸線まわりに回転可能にワーク取付板
３a₂，３b₂（但し、３b₂は図示せず）を軸支し、
各取付板３a₂，３b₂の表面にＬ形の治具３a₃，３
b₃を固定し、両治具３a₃，３b₃の水平部間にワー
クＷを固定するようになつており、左側の架台３
a₁背面に設置した減速機およびブレーキ付可逆モ
ータ３a₄の駆動による前記ワーク取付板３a₂の回
転により前記ワークＷの回転位置制御を行うごと
くしてある。

４は前記前部基台１の後方に並置した後部基
台、５は該後部基台４上に設けた走行台車で、下
面および左、右側面を解放した逆凹形材より成
り、内部下面の左，右、前，後に取着した摺動ベ
アリング６を前記後部基台４の上面前，後に左右
方向に敷設した２条のレール７に嵌装し該レール
７に沿つて左右方向に移動自在となつている。

８は前記走行台車５の左方上面に設置した走行
台車５走行用の可逆モータで、減速機８ａを介し
走行台車５の内部下方に導出した出力軸端にピニ
オン９を固定し、該ピニオン９は前記レール７に
並行して後部基台４上に敷設したラツク１０に常
時噛合わせている。１１は前記走行台車５の左右
両側にテレスコープ状に順次伸縮自在に嵌挿した
防塵カバーで、走行台車５の走行に伴つて伸縮し
走行台車５の軌道を形成する後部基台４全面を常
時覆うごとくしてある。

１２は前記走行台車５の上面中央に設置した多
関節形の溶接ロボツト本体で、最終制御軸１２ａ
の先端に適宜トーチ取付具１２ｂを介し溶接トー
チ１２ｃを取着している。

１３は前記ロボツト本体１２の後方において走
行台車５の上面に立設した支柱で、上端に前方に
延びる固定吸引ダクト１４を固設し、該固定吸引
ダクト１４の前部に集塵フード１５を接続してあ
る。前記集塵フード１５は下方末広がりの角錐状
に形成し、上端頂部に開設した吸気口１５ａを前
記固定吸引ダクト１４の前部下方湾曲端に接続
し、集塵フード１５の下面開口外周囲１５ｂには
適宜高さ幅の耐熱性且つ可撓性材質の帯状板１６
を巻装し、該帯状板１６の下部に適宜間隔をおい
て上下方向の切込み１６ａを入れてある。

そして前記集塵フード１５は下面開口外周囲１
５ｂおよび帯状板１６により前記溶接トーチ１２
ｃの移動範囲の上方を覆うように配置してある。

１７は前記後部基台４の中央後方において床２
上に設置した集塵機で、吸気口部１７ａと前記固
定吸引ダクト１４の後端部との間に可撓性材質よ
り成る伸縮吸引ダクト１８を接続してある。

１９は走行台車５、ワーク取付具３ａ，３ｂ、
ロボツト本体１２、および集塵機１７等を総合的
に制御するためのマイクロコンピユータ内蔵の制
御装置である。

しかして前述構成の溶接ロボツトは、前記制御
装置１９による制御によりワーク取付具３ａ，３
ｂ間に固定されたワークＷに対する自動溶接を行
うが、制御装置１９はこの自動溶接の開始と同時
に集塵機１７を始動させるごとくしてある。

そして、ロボツト本体１２が走行台車５と共に
走行しながら自動溶接作業を行つている間、溶接
部付近から煙、熱ガス等のヒユーム等が盛んに発
生するが、これらのヒユーム等は集塵機１７の排
気作用により溶接トーチ１２ｃ上方の集塵フード
１５内に吸い寄せられるとともに、周囲に拡散す
ることなく円滑且つ迅速に固定吸引ダクト１４お
よび伸縮吸引ダクト１８を介し集塵機１７に補集
せられるものである。

尚、前記集塵フード１５は下方末広がりの角錐
状に形成したが、これを下方末広がりの円錐状に
形成してもよい。

以上詳述せるごとく本考案の溶接ロボツトによ
るときは、ロボツト本体を載置して走行する走行
台車に支柱を立設し、支柱の上部にロボツト本体
に具備せる溶接トーチの移動範囲の上方を覆うご
とく集塵フードを固設し、この集塵フードと別置
の集塵機とを可撓性の伸縮吸引ダクトで接続した
ため、走行台車が集塵機から如何様に離れて走行
しても、溶接作業中に溶接トーチおよびワークの
溶接部から発生するヒユーム等は、周囲に拡散す
ることなく円滑迅速に集塵フードに吸引されて集
塵機に補集され、溶接ロボツト付近の良好な作業
環境が確保される。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の１実施例を示すもので、第１図
は全体斜視図、第２，３図は第１図のそれぞれ
〜および〜矢視拡大図である。 図中、３ａ，３ｂはワーク取付具、５は走行台
車、１２はロボツト本体、１２ｃは溶接トーチ、
１３は支柱、１５は集塵フード、１８は伸縮吸引
ダクト、１７は集塵機、Ｗはワークである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 走行台車に載置し最終制御軸に溶接トーチを
   取着したロボツト本体と、前記走行台車の軌道
   付近に設置したワーク取付具とを含み、前記溶
   接トーチとワーク取付具との相対位置を制御し
   て自動溶接するごとくしたものにおいて、前記
   走行台車上に適宜支柱を介し前記溶接トーチの
   移動範囲の上方を覆うにように下方開放の集塵
   フードを固設し、該集塵フードは前記走行台車
   の軌道付近に設置した集塵機から導出せる可撓
   性材質より成る伸縮吸引ダクトに接続し、溶接
   作業時に発生するヒユーム等を集塵するごとく
   したことを特徴とする、集塵装置を具備した溶
   接ロボツト。 (2) 前記集塵フードは水平にみて下方末広がりの
   角錐または円錐状に形成し、上端頂部に吸気口
   を開設した、実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の集塵装置を具備した溶接ロボツト。 (3) 前記集塵フードは下部外周囲に耐熱性且つ可
   撓性材質の帯状板を巻装し、該帯状板の下部に
   適宜間隔をおいて上下方向の切込みを入れた、
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の集塵装置
   を具備した溶接ロボツト。