JPH0238876B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、金属の溶解用原料例えば銑ダライ粉
を電気炉などの溶解炉で溶解するさいに、これを
効果的に予熱する方法に関する。

切削屑などを溶解炉装入用原料とする場合に、
溶解炉負荷の低減を目的としてこれを予熱しよう
としても、切削油などの付着油分の燃焼による問
題や、切削屑の形状の複雑性から取扱いの困難が
つきまとう。したがつて、これまで提案されてい
るスクラツプや鉱石などの排ガス利用予熱処法
を、このようなダライ粉などの予熱に直接適用す
るわけにはゆかない。すなわち、溶解炉の排ガス
例えば電気炉排ガスをダライ粉と接触させると、
電気炉稼動時の排ガス高温時には油分などが燃焼
（酸化反応）して充填層の１部で異常発熱を起し、
この切削層の部分的な溶解による固着や装置本体
の損傷を招く。また、これを連続的に予熱するこ
とはその形状の複雑性から極めて困難で、連続流
れ処法によつてこれを予熱することは従来におい
て成功例を見ないし、また電気炉排ガスを熱源と
する場合には、その排ガス温度が稼動状況によつ
て大きく変動するので、これの利用には種々の困
難が存在した。

本発明は、このようなやつかいな銑ダライ粉な
どの切削屑を溶解炉排ガスによつてこれを連続的
に予熱処理する非常に効果的な方法を提供するも
のである。

図面に従つて本発明を具体的に説明すると、第
１図において、１は溶解炉例えば電気炉の排ガス
フードを示し、この排ガスが主ダクト２を経て誘
引フアン３によつて系外に排出される経路におい
て、その１部または全部を分岐ダクト４によつて
取り出し、これを切削屑の予熱に利用するように
してある。その原理は、切削屑を振動式搬送トラ
フ５の上に導くと共に、このトラフ５上において
この切削屑を分岐ダクト４からの排ガスと接触さ
せ、そのさいこの接触前の排ガスに外気６を混入
し、接触時の排ガス温度が実質上一定となるよう
にこの外気混入量を制御することに特徴がある。

これを詳述すると、ホツパー６内の切削屑（銑
ダライ粉）は油分を付着したままその下部の電磁
フイーダー７によつてトラフ５の上に自動的に供
給される。このトラフ５は通気性の多孔板からな
り、横長の容器８内に張り渡してある。そして、
この容器８自体が振動付与装置９によつて上下斜
め方向のくり返し振動を付与され、トラフ上の切
削屑はこの振動によつて水平方向に移動して搬送
される。他方、このトラフ５の下部空間には排気
導入口１０から溶解炉排ガスが導入され、トラフ
５を通過してこのトラフ上の振動搬送中の切削屑
と接触し、これと熱交換したあと容器上部のフー
ド１１から排気口１２を経てこの容器の外に出
る。

このようにして、通気性のトラフ上に切削屑を
供給し、このトラフを振動式搬送コンベアとして
作動させた場合に、その形状が多様かつ複雑な切
削屑であつてもこれらをトラフ上で均一層に分散
させた状態で搬送することができ、これに所定温
度の排ガスを接触させると、その搬送過程で油分
の燃焼を起すことなく、効果的な予熱の連続処理
ができる。

電気炉などの排ガスはその稼動状況に応じてそ
の温度が変動するが、これは排ガスの分岐管４に
外気ダクト１３を接続し、その外気混入量を調節
することによつて所定の温度巾に制御することが
できる。具体的には、外気ダクト１３にモーター
ダンパ１４を介装し、排気導入口１０を流れる排
ガスの温度を検出する温度検出器１５の指示信号
によつてこのモーターダンパ１４の開度調節を行
なう。予熱処理系統には送風機１６が介装され、
この送風機１６によつて予熱処理系統内には電気
炉などの排ガスが強制的に吸引されるようにして
あるので、外気ダクト１３のモーターダンパ１４
の開度調節だけで外気混入量を自在に調整がで
き、したがつて、排気導入口１０を通過するガス
温度は実質上一定の所定の温度に調節ができるこ
とになる。例えば排気導入口１０を通過するガス
温度が350〜400℃程度の範囲に収まるように排ガ
スの温度に応じて外気混入量を調節する。

このようにして、トラフ５上を一定の振幅と振
動数のもとで転動と展延しながら移動する切削屑
はその油分の付着したまま均一に予熱され、収容
バケツト１７に入り、約350℃の温度を有する装
入用材料となり、従来困難視されていたダライ粉
のような切削屑の予熱が温度変動の大きな電気炉
などの溶解炉排ガスによつて連続的に行なうこと
ができ、溶解熱の低減ひいては電気炉の消費電力
の低減に大きく貢献することができる。

したがつて本発明はまた、既述の切削屑などの
溶解炉装入用原料の予熱方法を好適に実施するた
めの装置として、上下斜め方向に所定の振動数と
振幅のもとで振動させるようにしたトラフ５と、
このトラフ５上に原料を供給するようにしたホツ
パー６と、このトラフ５上の原料に通気するよう
にした気体経路と、この気体経路に介装された送
風機１６と、この気体経路の気体取入側を溶解炉
排ガス主ダクト２に接続するための分岐ダクト４
と、この分岐ダクト４に接続された外気取入ダク
ト１３と、この外気取入ダクト１３に介装された
モーターダンパ１４と、このモーターダンパ１４
に開度制御信号を与えるための温度検出器１５
と、からなる切削屑の自動予熱装置を提供する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の予熱法を実施するのに使用す
る装置の配置系統図である。 １……電気炉などの排ガスフード、２……主ダ
クト、３……誘引フアン、４……分岐ダクト、５
……振動トラフ、６……ホツパー、１３……外気
取入ダクト、１４……モーターダンパ、１１５…
…温度検出器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 油分が付着する金属の切削屑からなる溶解用
   原料を溶解炉に装入するにあたり、この溶解用原
   料を振動式搬送トラフ上に連続的に導くと共にこ
   のトラフ上においてこの溶解用原料を溶解炉排ガ
   スの１部または全部と接触させながら連続搬送
   し、そのさい、この接触前の溶解炉排ガスに外気
   を混入させ、この外気混入後のガス温度を検出す
   ると共にこの検出温度に基づいて外気混入量を調
   節することにより該原料との接触時の排ガス温度
   を実質上一定の範囲に制御することを特徴とする
   切削屑などの溶解炉装入用原料の予熱法。