JPH0237662B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

産業上の利用分野 本発明は電線を圧入溝に圧入して接続する圧入
端子板に関する。 従来例の構成とその問題点 従来、圧入溝を有する圧入端子板は銅により形
成されていたが、電線の保持力の点で今一歩であ
つた。保持力を向上するにはステンレス鋼で形成
すればよいが、導電率が低いため接触導通が不充
分になり発熱がかなり大きくなる欠点がある。そ
こで両者の長所を集めてステンレス鋼からなる金
属基材上に銅からなるクラツド材を設けることが
考えられ、鎖錠端子等で使用されているが、圧入
端子板にも応用することが考えられる。 発明の目的 本発明は上記の問題に留意し、金属基材上にク
ラツド材を設けたものを圧入端子板として実用化
できるように、しかも、電線との接触導通を確実
になし、発熱を低下する圧入端子板を提供するこ
とを目的とする。 発明の構成 前記目的を達成するため、本発明は相対的に導
電率が低く、かつ硬度が高い金属基材上に、相対
的に導電率が高く、かつ硬度が低いクラツド材を
設けるとともに、打抜きにより電線の圧入溝を形
成した圧入端子板であつて、その打抜きの方向を
クラツド材から金属基材に向けた構成としたもの
であり、この構成にもとづき、金属基材上にクラ
ツド材を設けた圧入端子の実用化ができるもので
ある。 実施例の説明 以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明
する。 第１図は電気部品のボデイ１に圧入端子板２を
装着した状態で、圧入端子板２は端部が折り返え
された二重形状を有し、この折り返えし部にまた
がつて圧入溝３が形成されている。４は電線であ
り、矢印方向に圧入すると第２図のように芯線
４′が圧入溝３内で圧入端子板２と接触し保持さ
れるようになる。 第３図は第２図のＡ−A′断面図とＢ方向矢視
図を表わしたものであり、圧入端子板２は相対的
に導電率が低く、かつ硬度が高い金属基材５（ス
テンレス鋼が適する）上に相対的に導電率が高
く、かつ硬度が低いクラツド材６（銅が適する）
を設けたものであり、打抜きの方向を矢印方向、
すなわち、クラツド材６から金属基材５に向けて
いる。このように打抜くとクラツド材６の切断面
が延びて金属基材５の切断面上に重なるようにな
り、芯線４′に対するクラツド材６の接触面積が
拡大される。これに対し、第４図に示す比較図で
明らかなように逆方向に打抜くとクラツド材６の
切断面はあまり拡大されず、しかも返えりの背面
は第３図のような金属基材５でサポートされてい
ないため、芯線４′の圧入により変形しやすく、
接触面積が実質的に拡大されないものとなる。 次にヒートサイクル試験による比較データを示
す。

【表】 なおヒートサイクル試験は、定格の1.5倍の電
流で45分通電−45分休止を１サイクルとしたもの
である。 また温度上昇値は圧入部に近接した圧入端子板
２の表面を測定したものである。 発明の効果 以上の実施例の説明より明らかなように本発明
は、金属基材上にクラツド材を設けた圧入端子板
に圧入溝を形成する際の打抜き方向を定めて、通
電による発熱を大幅に低下せしめ、かつ電線の保
持力を充分に成したものであり、信頼性の高い圧
入端子板を提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は圧入端
子板を電気部品のボデイに装着した状態の斜視
図、第２図は圧入端子板の正面図、第３図は本発
明により形成した圧入端子板の切断面図であり、
ａは第２図のＡ−A′断面、ｂはＢ方向矢視図を
示す。第４図は第３図とは逆方向に打抜いた時の
比較図であり、ａはＡ−A′断面、ｂはＢ方向矢
視図である。 ２……圧入端子板、３……圧入溝、４……電
線、５……金属基材、６……クラツド材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 相対的に導電率が低く、かつ硬度が高い金属
   基材上に相対的に導電率が高く、かつ硬度が低い
   クラツド材を設けるとともに、打抜きにより電線
   の圧入溝を形成した圧入端子板において、前記打
   抜きの方向を前記クラツド材から前記金属基材に
   向けたことを特徴とする圧入端子板。