JPH023723B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は自動車タイヤの内側に係合する内方装
着部材と、タイヤトレツド周面にわたつて延び上
記内方装着部材に係合するチエーン部材とを有す
る自動車タイヤすべり止め装置であつて、この内
方装着部材が装着状態においてほぼ円形ループ状
をなし、その中央装着帯域の両端にそれぞれ側方
部分が旋転環ジヨイントにより中央装着帯域から
外方に拡開可能に接合されており、それぞれの側
方部分が発条手段により内方装着部材のループ閉
成方向に向つてプレストレスを与えられており、
上記中央装着帯域が少くとも２個の部分から構成
され、それぞれが相互に旋転可能に連結され、内
方装着部材のループ閉成方向に向つてプレストレ
スを与えられていることを特徴とするすべり止め
装置に関するものである。

（従来の技術） 上記タイプのすべり止めチエーン装置におい
て、その装着は一般に極めて簡単に行われ得る。
すなわち、装着に際しては内方装着部材の両側方
部分を把持し、その中央乃至上方帯域に対しこの
内方装着部材がタイヤトレツドをクリヤできるま
で側方に拡開し、これがタイヤの内方まで押し込
んだ状態でこの両側方部分から手を離せば自動的
にタイヤ内方においてループを閉成する状態に復
し、発条力によりプレストレスを与えられてこの
状態を維持する。

しかしながら、公知のこのすべり止めチエーン
装置においては、単一の硬直中央帯域に上記両側
方部分が連結されているので、ことに小型車の小
径タイヤで、しかも泥よけがタイヤに対し近接し
て装着されている場合に、チエーンの装着に若干
の困難を生ずる。両側方部分を両側に拡開した場
合、所定の円弧形状を維持する硬直中央帯域が上
方に向つて著しく突出しており、タイヤをクリヤ
してタイヤ内方にまでこれを押込みにくい。大型
車の場合には車輪周囲に十分な間隙があり、この
硬直中央帯域構造もさしたる不便をもたらさない
が、比較的小さい車で上記間隙が狭い場合にはチ
エーン装着が不可能であり、或は少くとも困難で
ある。

（本発明の要約） 上記の問題点を回避或は克服し、車輪周囲の間
隙が狭い場合にも容易にすべり止めチエーンを装
着でき、しかもこのタイプのチエーンの特徴的な
利点を維持するために、本発明はこの中央装着帯
域を少くとも２個の部分から構成し、それぞれを
相互に旋転可能に連結し、内方装着部材がループ
を閉成するようにプレストレスを与える。このプ
レストレスは適宜の発条乃至可撓性部材により与
える。本発明のこのような構成的特徴により、内
方装着部材を左右両方に拡開した場合、中央装着
帯域の円弧形状は不変のままではなく、２個以上
の各構成部分は相互の関節結合を保持し、内方装
着部材のループ閉成方向へ復帰するためのプレス
トレスを与えられた状態で「扁平状態」となり、
公知のこのタイプのチエーン装置の内方装着部材
における一体的硬直性の中央帯域より小さな彎曲
度（上方突出度）をもたらす。これに関連して、
内方装着部材の各構成部分の相対的な旋転運動が
全体的な閉成ループを開放する方向（外方への拡
開方向）においてのみ行われるようにするための
適当な手段を設けることが好ましい。

各隣接構成部分はその当接帯域においてスイベ
ルジヨント、すなわち旋転環ジヨイント或は可撓
性乃至弾性体ジヨイントにより連結するのが好ま
しい。上記弾性体ジヨイントは、例えば弾性プラ
スチツクにより構成される。

上述したように本発明の好ましい利点は、中央
結合帯域を２以上の構成部分で形成することによ
りもたらされるが、場合によつては３乃至５部分
に分割することが好ましい場合もあり得る。

これ等の各構成部分にプレストレスを与える手
段として、後述し、添附図面に図示されるように
形成されたワイヤ発条を使用し、その中央部分を
ジヨイントにより担持し、これから両方向に延び
る脚部の先端を隣接両構成部分に当接させるのが
好ましい。これによれば構造が簡単であり、容易
に製造されることができ、しかも占有容積の小さ
なものが低コストでその目的を達成することがで
きる、このような発条は中央装着帯域のみでな
く、内方装着部材の旋転環ジヨイントすべてに使
用することが好ましい。

またすべての、或は一部の旋転環ジヨイントに
ついて、適当なスリーブを設け、隣接両構成部分
の重畳して配設されるその先端近くにおいてこれ
等を抱持し、その円弧区分を形成する位置、すな
わち最終乃至常態的ループ閉成位置にあるとき、
両部分がプレストレス方向、すなわち発条で押圧
する方向においてそれ以上旋転しないように阻止
することが好ましい。更にこのスリーブにより、
各構成部分が閉成ループを拡開する方向において
必要限度以上旋転しないように拘束することが好
ましい。これにより内方装着部材をタイヤに装着
する場合の偶発的な過度の拡開を防止することが
できる。

本発明による簡単な構成で、迅速容易に装着し
得る廉価なタイヤすべり止め装置は、隣接する両
構成部分がそれぞれの先端部分で旋転環ジヨイン
トにより旋転可能に関節結合されるが、その自由
端部はこのジヨイントを若干超えて延びており、
ここで断面Ｕ字状のスリーブの両脚部、すなわち
フランジ部を連結する中央ウエブ部と、対向する
構成部分の側面との間に形成される空隙内に抱持
され、上述した抑止拘束効果を達成する。

（実施例） 第１及び６図には、いずれも本発明によるすべ
り止め装置の内方装着部材のみが車輪の内方に向
つて見た状態で示されている。図面が煩雑となら
ないように、外方装着部材も、タイヤトレツド周
上にわたつて延びるチエーン部分も、その装着部
材との結合部分も図示されていない。

第１図において、内方装着部材は、その上方に
２つの構成部分１及び２から成る中央装着帯域
と、これ等の部分１及び２の各自由端部にジヨイ
ント６及び７によりそれぞれ旋転可能に関節結合
された側方構成部分３及び４とから成る。装着部
材の中央帯域におけるこの構成部分１及び２は、
更にジヨイント５により相互に旋転し得るように
相結合されている。適当な抑止スリーブを採択し
て、装着部材の個々の部分の旋転がループの拡開
方向においてのみ生じ、その収縮方向において生
じないようにしなければならない。

発条８が部分１及び２の間のジヨイント５と、
側方部分３及び４に結合されているジヨイント６
及び７とに装架されている。この発条８は、その
中央部分がジヨイント５上に支承され（下方から
これを抱持し、一方の脚部１０の鉤状端部が部分
１の上に係合して脚部１０が部分１と重畳するよ
うに保持され、他方の脚部１１の鉤状端部１３が
部分２の上に係合して脚部１１が部分２と重畳す
るように保持される。このような発条８の適当な
形状、構成の具体例が、第１、２及び３図に例示
的に図示されている。この発条の適当な構成によ
り、部分１及び２が内方装着部材をループ閉成状
態とする方向（すなわち円形ループを形成する方
向）に事前賦勢すなわちプレストレスされてい
る。発条脚部１０，１１の張力は半径方向外側か
ら鉤状端部１２，１３を経て部分１，２に及ぼさ
れるので、これ等部分はループ閉成方向に押圧さ
れる。しかしながら、発条８はその中央に屈曲部
９を有するために、ジヨイント５（例えば突起ジ
ヨイントボルト、ピボツトピン等）上に支承さ
れ、半径方向外方に押圧され、簡単ではあるが効
果的な発条８の構造及び支承により、閉成位置方
向への所望のプレストレスを簡単な方法でもたら
すことができる。

第１及び２図から認められ得るように、部分１
及び２の間のジヨイント５は、これ等部分の端部
から若干の距離を置いて位置する。第２図は、例
えば部分２の端部２２がジヨイント５を超えて突
出していることをことに明確に示している。この
半径方向外方面は部分２の半径方向外方面延長部
分を構成するが、延長部分の下方は傾斜面をな
す。この部分２の端部により形成される突出部２
２は、Ｕ字状クリツプ１４の中央ウエブ２４と、
部分２の端部２２の断面２５の面との間に形成さ
れる空隙Ｂ（第４及び５図参照）内に突出してい
る。第４図の断面図に示されるように、クリツプ
１４の上方及び下方から横方向に突出するフラン
ジは上記端面２５と係合し、この部分において適
当な方法で固定される。固定は例えば熔接、ボン
ド接着等により行われる。この係止は、上述と異
なる方法、例えば第５図に示される方法によつて
も行われ得る、すなわち、全周面を有する中空ク
リツプ２６の形態とし、第４図の断面と相違する
所は、クリツプ１４の横方向に突出する両フラン
ジが閉鎖されている点である。このクリツプ２４
は、部分２の側方面（横断面２５）を超えて延び
ており、間隙Ｂを形成する。この場合にも、部分
２の自由端部２２はこの間隙Ｂと係合し、旋転に
応じてその内部で頂部から底部まで運動可能にな
されている。第２，４及び５図に示される状態は
非作動状態（最終装着状態）であつて、この場
合、部分２の端部２２（或は部分１の相当する端
部２３）はクリツプ１４或は２６の頂部において
空隙Ｂと係合する。これによりスプリングの作用
下において部分１と２はアーチ状断面が得られる
まで相互に旋転だけすることができる。クリツプ
の形状からそれ以上の圧漬は不可能であり、また
これは望ましくない。クリツプ１４は部分２の端
部２２と、部分１の端部２３（第３図参照）との
両者に対して設けられる。空隙Ｂは後方固定部材
の異なる側面に設けられる。

第２図の構成と同様のものを、部分１或は２と
側方部分３或は４との間の接合部６及び７に設け
ることができる。

第１図に示されるように、側方部分３及び４の
各自由端部には適当なロツク手段を設けることが
できる。例えば板状体１５，１６の自由端部に閉
成方向と逆方向に屈曲した突起１９，２０と係合
口１７，１８を設ける。ループを閉成するには、
まず鉤状の屈曲突起１９，２０の屈曲部分が相係
合して一方が後方に、他方が前方に向くようにす
る。その結果、車輪側面に面する側の突起が他方
の側においてその開口１７或は１８に係合し得る
まで移動する。適当な磁石２１を設けることによ
り、突起１９或は２０の係合位置において両板状
体１５，１６が両磁石により吸引され得るように
してロツクを特に容易になし得る。

第６図は本発明による装着部材の側方部分３，
４が装着のため拡開された状態を示す。この図面
中の破線は中央部分３０が硬直している従来のす
べり止め装置の状態を示す。その側方部分は３′，
４′で指示されている。本発明装置の内方装着部
材の場合には、中央帯域、即ち側方部分３，４の
関節結合６，７間にある帯域においてほぼ直線状
になされている。これに対し従来のチエーン装着
装置の硬直中央帯域は上方に突出している。

内方装着部材の各部分は第２乃至５図からも認
められるように扁平な金属板から形成されること
ができる。図示の発条８の代りに、他の形態のス
プリング、例えば関節結合５を捲回する螺旋或は
適宜に装着する板発条を使用することも可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

添附図面中、第１図は本発明によるタイヤすべ
り止め装置の内方装着部材を示す正面図（装着す
る場合においてタイヤ内方に向つて見た図面）、
第２図は、第１図に示した装着部材の中央乃至上
方帯域を構成する隣接部分の連結状態を示す拡大
尺図面、第３図は、第２図に相当する平面図、す
なわち上面図、第４及び５図は、第２図のＡ−Ａ
線による２実施形の断面図、第６図は、本発明に
よる装置の拡開状態を示す正面図であつて、破線
で公知の装置の一体的硬直性中央帯域を示すもの
である。本発明装置の主要部分の符号との対応関
係は下記の通りである。 （中央装着帯域を構成する）部分……１，２、
側方部分……３，４、旋転環ジヨイント……５，
６，７、発条……８（発条の中央部……９、その
脚部……１２，１３）、スリーブ……１４（スリ
ーブの中央ウエーブ……２４、これと一方の隣接
部分の断面２５との間の空隙……Ｂ、この間に他
方の隣接部分の先端部断面……２２）。

【特許請求の範囲】

１ 車体側に固定されたウインドパネル２のコー
ナ部２ｂと車体に開口形成された車体開口部３の
コーナ部３ｂとの間〓４内に挿入される、全体と
して略Ｌ字状をなし、装飾部１４と脚部１５より
なるモールド本体１３と、装飾部１４の表面に一
体的に設けられた装飾部材１７と、脚部１５及び
装飾部１４からウインドパネル２側に延びてウイ
ンドパネル２のコーナ端面２b₁に当接する位置決
め片１６とから形成され、脚部１５は装飾部１４
の裏面から車体内方に向かつて延びて先端１５ａ
がウインドパネル２を固着するための接着剤層１
０に埋設されると共に、装飾部１４は間〓４を覆
うように配設されていることを特徴とするウイン
ドパネルモールデイング。

Claims (1)

1. ジヨイントにより相互に連結されていることを特
   徴とするすべり止め装置。 ３ 特許請求の範囲第１項或は第２項に記載され
   た自動車タイヤすべり止め装置において、上記中
   央装着帯域が最少限３個、最大限５個の部分から
   構成されていることを特徴とするすべり止め装
   置。 ４ 特許請求の範囲第１項から第３項までの何れ
   かに記載された自動車タイヤすべり止め装置にお
   いて、上記各構成部分にプレストレスを与えるた
   めの発条が設けられており、これの中央部が旋転
   環ジヨイント上に担持され、これの両脚部が隣接
   する両構成部分上に担持されていることを特徴と
   するすべり止め装置。 ５ 特許請求の範囲第４項に記載された自動車タ
   イヤすべり止め装置において、全旋転環ジヨイン
   ト、或はそのうちの若干のジヨイントに対し、ス
   リーブが設けられ、隣接両構成部分が円弧区分を
   形成する位置に保持され、プレストレス方向にお
   いてそれ以上旋転しないように抑止するようにな
   されていることを特徴とするすべり止め装置。 ６ 特許請求の範囲第５項に記載された自動車タ
   イヤすべり止め装置において、上記スリーブによ
   り上記両隣接部分がルーブ拡開により一定限度以
   上相互に旋転しないようになされていることを特
   徴とするすべり止め装置。 ７ 特許請求の範囲第６項に記載された自動車タ
   イヤすべり止め装置において、旋転環ジヨイント
   により旋転可能に連結されている上記両隣接部分
   のそれぞれの端部がジヨイントを超えて延びてお
   り、断面Ｕ字状に構成されているスリーブの両脚
   部乃至フランジを連結する中央ウエブと一方の部
   分の側面との間に間隙を形成し、その間に他方の
   部分の旋転環ジヨイントを超えて延びる延長自由
   端部を抱持するようになされていることを特徴と
   するすべり止め装置。 ８ 特許請求の範囲第７項に記載されている自動
   車タイヤすべり止め装置において、上記スリーブ
   が上記両部分の重畳して延びる端部を完全に包囲
   するように上記空隙を構成するように構成されて
   いることを特徴とするすべり止め装置。