JPH0234807Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は例えば電磁比例制御弁のアクチユエー
タとして使用するのに適した比例制御ソレノイド
に関する。

(ロ) 従来技術 電磁比例制御弁のアクチユエータとして動作す
る比例ソレノイドは、コイルへの通電によりプラ
ンジヤを移動させてそのプランジヤの動作をプツ
シユロツド等により弁体に伝える構造になつてい
るため、プランジヤの移動量がコイルへの電流に
比例することが望ましくまた小さなソレノイドで
大きな力を発揮できることが望ましい。このため
には電磁気回路を構成する固定鉄心、プランジ
ヤ、ヨーク等を高磁束密度材料でつくるのが望ま
しいが、高磁束密度材は高コバルト鋼などである
ため非常に高価であり、このような材料をむやみ
に使用することはソレノイドのコストの面から実
用的でない。

そこで本考案者は電磁比例制御弁用ソレノイド
の特定の構造のものについて磁気回路を構成する
部分についての磁束密度を調べてみたところ第３
図に示されるようになつた。すなわち同図におい
て、コイルａの回りに配置された固定鉄心ｂ、プ
ランジヤｃ、コア部材ｄ、コアチユーブｅ及びヨ
ークｆで磁気回路を構成しており、その磁束密度
は図示のようになる。この実験結果からも明らか
なように、コア部材と、そのコア部材内に入る。
プランジヤの部分で特に磁束密度が高い。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 本考案はかゝる実験結果に基づいて成されたも
のであつて、解決しようとする問題は、ソレノイ
ドのコストアツプを最小限にして比例制御特性の
向上を図ることである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は、固定鉄心及びストツパ部材を軸方向
に隔てて設け、該固定鉄心の内端周辺部から環状
のコア部材を該ストツパ部材に向けて軸方向に突
出させ、該コア部材の外周には先端に向つて径の
小さくなるテーパ面を形成し、該固定鉄心と該ス
トツパ部材との間にプランジヤを軸方向に移動可
能かつ端部が該コア内に侵入可能に設け、外周に
コイルを設けた比例制御ソレノイドにおいて、少
なくとも該コア部材を高磁束密度材料でつくつて
構成されている。

(ホ) 作用 上記技術的手段において、コイルに通電してい
ないときプランジヤはストツパ部材側に偏倚され
ている。そしてコイルに通電するとプランジヤは
コイルに流れる電流値にほぼ比例して固定鉄心側
に吸引されて移動する。

(ヘ) 実施例 以下図面を参照して本考案の一実施例について
説明する。

第１図において本実施例による比例制御ソレノ
イド１が示されている。同図において２はガイド
チユーブ、３はガイドチユーブの一端（図におい
て左端）に嵌合固定された固定鉄心、４はガイド
チユーブ２の他端内に挿入固定された磁性材製の
コアチユーブ、５はコアチユーブ４の端部に嵌合
されたストツパ部材、６は固定鉄心３とストツパ
部材との間においてコアチユーブ４内したがつて
ガイドチユーブ２内に移動可能に設けられた可動
鉄心すなわちプランジヤ、７はガイドチユーブの
外側に設けられたコイル、８はコイルを囲んで磁
気回路を構成する磁性材製のヨーク、９は固定鉄
心３に形成された貫通穴内に挿通されかつ一端が
プランジヤ６に嵌合固定されたプツシユロツド、
１０は残磁キラーである。

固定鉄心の内端外周には端ぐり１１が形成さ
れ、そこには環状のコア部材１２がコアチユーブ
４側に突出させてかつ外周をガイドチユーブに内
接させて嵌合固定されている。このコア部材は高
磁束密度材料、例えば高コバルト鋼でつくられて
いる。

プランジヤ６の固定鉄心３側の端部には端ぐり
１３が形成され、その端ぐり部には高磁束密度材
料でつくられたリング１４が嵌合固定されてい
る。

上記構成の比例制御ソレノイドにおいて、コイ
ル７に通電していないときプランジヤ６はプツシ
ユロツド９を介して使用するばね等の押圧力によ
りストツパ部材５に当接して停止している。

次にコイル７に通電すると、プランジヤはコイ
ルに流す電流値にほぼ比例して固定鉄心３側に吸
引されプツシユロツドを押す。このプツシユロツ
ドにより例えば電磁弁の弁体を開く。

第２図において同じ形状の従来（磁気回路を構
成するすべての材料を軟鋼でつくつたもの）と本
実施例のストロークと押圧力との関係を示す曲線
が示されている。同図からも明らかなように、本
考案の方が従来のソレノイドよりも押圧力が電流
値にほぼ比例して増加することがわかる。

なお実施例ではガイドチユーブのある構造につ
いて説明したが、固定鉄心側のコア部材とコアチ
ユーブとをろう付けしてガイドチユーブを省略し
てもよい。

(ト) 効果 本考案による比例制御ソレノイドは次のような
効果を奏することが可能である。

比例特性範囲が広がる。

コストアツプを最小限にして小形で強力なソ
レノイドを造ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による比例制御ソレノイドの一
実施例の上半分を断面で示す図、第２図は第１図
に示す比例制御ソレノイドの動作特性を示す図、
第３図はソレノイドの磁束密度を示す図である。 １……比例制御ソレノイド、２……ガイドチユ
ーブ、３……固定鉄心、５……ストツパ部材、６
……プランジヤ、７……コイル、１２……コア部
材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定鉄心及びストツパ部材を軸方向に隔てて設
   け、該固定鉄心の内端周辺部から環状のコア部材
   を該ストツパ部材に向けて軸方向に突出させ、該
   コア部材の外周には先端に向つて径の小さくなる
   テーパ面を形成し、該固定鉄心と該ストツパ部材
   との間にプランジヤを軸方向に移動可能かつ端部
   が該コア内に侵入可能に設け、外周にコイルを設
   けた比例制御ソレノイドにおいて、少なくとも該
   コア部材を高磁束密度材料でつくつたことを特徴
   とする比例制御ソレノイド。