JPH0234305Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は水洗便所装置、詳しくは既設の水洗式
和風便器の上面に腰掛器体を載置固定することに
より腰掛式として使用できるようにしたものに関
する。

従来、この種の水洗便所装置として第５図に示
すものが実開昭56−13186号公報に記載されてい
る。

このものについて説明すると、腰掛器体B′に
形成したボウルｂ２′の下端開口を和風便器A′の
リムａ３′内に挿入しただけで、これらの間には
隙間２０があるため和風便器A′の受皿部ａ１′に
汚水、汚物が排泄されると、受皿部ａ１′の底で
跳ね返つた汚水、汚物が上記隙間２０より和風便
器A′のリムａ３′上面や腰掛器体B′の内面や床面
D′まで飛散して付着してしまつた。

これらの汚水、汚物による汚れは腰掛器体
B′を容易に取外せるタイプにおいては掃除をす
ることが可能であるが、腰掛器体B′が陶磁器製
であつたり、腰掛器体B′のボウルｂ２′内面を洗
浄するために接続される給水パイプが金属製であ
る場合には腰掛器体B′を容易に取外すことが出
来ず掃除が困難となつて、その結果汚れが蓄積し
臭気を発生するという問題があつた。

そこで、本考案は上記問題点を解決し、腰掛器
体が容易に取外せない場合でも掃除が簡単に行え
て汚れの蓄積を防止できるようにすることを目的
とするものである。

本考案の基本的な構成は腰掛器体を、和風便器
の受皿部に臨む漏斗状のボウルと、該ボウルを着
脱自在に嵌装する器体本体とから形成して上記ボ
ウルを取外すことにより、器体本体の内面を掃除
し易くするものである。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

この実施例は第１図に示すように水洗式和風便
器Ａを段違い状の床面Ｄに設けたタイプで該和風
便器Ａの上方にこれを覆うように腰掛器体Ｂを載
置したものである。

腰掛器体Ｂは陶磁器やFRP等の合成樹脂によ
り上記和風便器Ａの上面を覆う形状に形成される
器体本体ｂ１と和風便器Ａの受皿部ａ１に臨むボ
ウルｂ２とらなり、この実施例は汚れ易いボウル
ｂ２を汚れが付き難くしかも汚れが落ちやすいう
え、洗剤等におかされない陶磁器で形成し、あま
り汚れない器体本体ｂ１を合成樹脂で形成したも
のである。

器体本体ｂ１は下面を開口する略箱型状に形成
され、前半上面を上方に膨出して和風便器Ａの前
覆部ａ２を被覆部１を形成すると共に、後半部上
面には上記ボウルｂ２を着脱自在に嵌装する開口
部２を開設する。

また、器体本体ｂ１は中間部上面にその上面を
上下に貫通する取付孔３を開穿しこの取付孔３に
便座４及びその上方に必要に応じてふた５を回動
自在に取付ける取付ネジ６を挿通して該ネジ６の
先端部に器体本体ｂ１の内面側からナツト７を締
付け固定すると共に外周下端をビス等により床面
Ｄに固定する。

ボウルｂ２は和風便器Ａのリムａ３後部に沿つ
て漏斗状に形成し、その下端開口縁を上記リムａ
３後部内に挿入して和風便器Ａの上周縁に形成さ
れるリム射水孔ａ４より下方に突出すると共に上
端開口縁には全周に渉つてリム通水路８を設け
る。

リム通水路８は断面矩形で下面が上記ボウルｂ
２の内周及び外周に夫々突出するように形成さ
れ、その内周下面に射水孔９を適宜間隔毎に多数
開穿すると共に外周下面には上記ボウルｂ２の開
口部２周縁に全周に渉つて形成した係止鍔部１０
に係合する係止段部１１を形成し、この適宜位
置、図面においては前端部に給水口１２を開穿す
る。

この給水口１２に対応する上記係止鍔部１０前
端部には給水連絡口１３を開穿し、該連絡口１３
には給水装置Ｃに連絡する給水パイプｃ３を接続
しており、これら給水口１２と給水連絡口１３と
の間には弾性パツキン１４を介在させ、ボウルｂ
２の重量により押圧して水漏れを防ぐようにす
る。

但し、この部分で少量の水漏れがあつたとして
も、和風便器Ａの受皿部ａ１に落下するので問題
はない。

またボウルｂ２の外周面には和風便器Ａのリム
ａ３後部との間に、ゴム等で例えば管状に形成し
たシール部材１５を介在することにより両者間を
密閉状にシールして受皿部ａ１の底で跳ね返つた
汚水、汚物がリムａ３上面や器体本体ｂ１の後部
内面に飛散しないようにする。

尚、上記シール部材１５は設けなくても良く、
また図面に示さぬが、ボウルｂ２の外周面に外方
へ突出する鍔部を設け、該鍔部下面を和風便器Ａ
のリムａ３上面にシール部材を介して載置するこ
とにより、飛散を防止すると共にボウルｂ２を安
定した状態で載置固定できるようにしても良い。

給水装置Ｃは貯水タンクやフラツシユバルブ等
の既設の水洗式和風便器Ａに給水する給水源であ
り、この実施例ではタンクを示し、その二次側即
ちタンクの排水口に配管接続した洗浄管ｃ１の先
端に分岐管ｃ２を接続し、該分岐管ｃ２の一端
に、上記リム通水路８に連絡する給水パイプｃ３
を接続すると共に他端に前記和風便器Ａに連絡す
る通水パイプｃ４を構成する。

一方、図面に示す和風便器Ａは所謂洗出し式と
呼ばれるもので、前端には便器側流路２の通水パ
イプｃ４を挿入する給水室ａ５を形成し、給水装
置Ｃから給水室ａ５に供給された洗浄水の一部を
該室ａ５の上方から便器Ａの前覆部ａ２に導いて
前覆部ａ２内面を洗浄し、残りの洗浄水を給水室
ａ５の下面に開穿した連絡孔ａ６から水路ａ７を
通つて便器Ａ後端に形成した噴射孔ａ８に導き該
孔ａ８から噴出させて受皿部ａ１上に排泄された
汚物を排水口部ａ９へ流し出すと共に上記水路ａ
７の途中から和風便器Ａのリム連絡孔ａ１０を通
つてリム射水孔ａ１０へ流し、和風便器Ａのボウ
ル部ａ１１内面の洗浄を行なうようになつている
ものであるが、この実施例では腰掛器体Ｂのボウ
ル部ｂ２下端開口が、和風便器Ａのリム射水孔ａ
４より下方に突出すると共に、器体本体ｂ１の被
覆部１が和風便器Ａの前覆部ａ２を覆つており、
和風便器Ａの前覆部ａ２は汚水や汚物が付着する
ことがないので、通水パイプｃ４先端を給水室ａ
５内部まで突出し、リム射水孔ａ４及び噴射孔ａ
８への連絡口ａ６入口に開口して洗浄水が前覆部
ａ２にほとんど流れないようになす。

尚、和風便器Ａは上記洗出し式のものに限定さ
れず、他の型式のものであつても良い。

次に、第４図に示すものは本考案の他の実施例
で、このものはリム通水路８の周面に給水口１２
を開穿し、該給水口１２に対応するボウルｂ２の
開口部２周面に弾性パツキン１４を介して給水パ
イプｃ３が接続される給水連絡口１３を開穿した
点において、前示実施例と相違している。

このものはボウルｂ２の横方向の押圧力により
弾性パツキン１４を押圧して水漏れを防止する。

而して、斯る水洗便所装置は器体本体ｂ１を床
面Ｄに固定し、更にボウルｂ２を陶磁器により形
成してもボウルｂ２部は比較的小さなものである
ので陶磁器製であつても着脱に支障あるほど重く
なく、器体本体ｂ１よりボウルｂ２のみを容易に
取外すことができる。

尚、前示両実施例においては器体本体ｂ１を合
成樹脂で、ボウルｂ２を陶磁器で夫々形成した
が、これに限定されず、これとは逆でも良いし、
両者を共に陶磁器か或いは合成樹脂で形成しても
良い。

また和風便器Ａを段違い状の床面Ｄに設けたタ
イプを示したが、これに限定されず、面一状の床
面に和風便器Ａを設けたタイプの場合であつても
同様であることは言うまでもなく、また腰掛器体
Ｂへの給水を給水装置Ｃの二次側から分岐した
が、これに限定されず、例えば腰掛器体Ｂ専用の
給水装置を別に設ける等、どのように給水しても
良い。

本考案は上記の構成であるから、以下の利点を
有する。

腰掛器体を、和風便器の受皿部に臨む漏斗状
のボウルと、該ボウルを着脱自在に嵌装する器
体本体とから形成したので、腰掛器体全体を陶
磁器により形成したり腰掛器体に接続される給
水パイプに金属製のものを使用する等腰掛器が
容易に取外せない場合でも、器体本体よりボウ
ルを容易に取外すことができ、和風便器のリム
上面や器体本体の内面や床面を簡単に掃除でき
る。

従つて従来のもののように汚れが蓄積して臭
気を発生するということがない。

ボウルを着脱出来るので、便座取付用のネジ
を締着するナツトが器体本体の内面側に位置し
ている場合でも該ナツトに手又は工具が届いて
便座の取替えが容易に出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す水洗便所装置
の縦断側面図、第２図は同平面図で一部切欠して
示し、第３図は第１図の−線に沿える拡大断
面図、第４図は他の実施例を示す縦断側面図、第
５図は従来の水洗便所装置の一例を示す縦断面図
である。 図中、Ａ……既設の水洗式和風便器、ａ１……
受皿部、Ｂ……腰掛器体、ｂ１……器体本体、ｂ
２……ボウル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 既設の水洗式和風便器を覆うように腰掛器体を
   載置した水洗便所装置において、腰掛器体を、上
   記和風便器の受皿部に臨む漏斗状のボウルと、該
   ボウルを着脱自在に嵌装する器体本体とから形成
   したことを特徴とする水洗便所装置。