JPH0234304Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は水洗便所装置、詳しくは既設の水洗式
和風便器の上面に腰掛器体を載置固定することに
より腰掛式として使用できるようにしたものに関
する。

従来、この種の水洗便所装置として実開昭56−
13186号公報のものがある。

このものは腰掛器体に形成したボール部の下端
開口を和風便器のリム内に挿入しただけで、該ボ
ール部下端開口と和風便器の前覆部との間には隙
間があるため、男子小用の場合使用者が立つて高
い位置から和風便器の前覆部方向に向つて小便を
放出すると、受皿部の底で跳ね返つた汚水が上記
隙間より激しく飛散して前覆部及びその周囲に付
着してしまつた。

この汚水による汚れは腰掛器体を容易に取外せ
るタイプにおいては掃除をすることが可能である
が、腰掛器体を陶磁器により形成したり、腰掛器
体のボール部内面を洗浄するために接続される給
水パイプが金属製である場合には腰掛器体を容易
に取外すことが出来ず掃除が困難となるという問
題がある。

また、上記従来のものは腰掛器体の前端部が和
風便器の前覆部を覆つているため既設の和風便器
がトラツプ部を前覆部側に有するタイプである場
合にはもしトラツプ部内に異物が落下したりその
ために詰まつたりしても、腰掛器体を取外さない
限り異物を取出せないという問題があつた。

そこで、本考案はこれらの問題を解決し、腰掛
器体を陶磁器で形成したりそれに接続される給水
パイプを金属製のものを使用しても掃除が容易で
しかも和風便器のトラツプ部に異物が落下したり
そのために詰つたりしても簡単に除去出来るよう
にすることを目的とするものである。

本考案の基本的な構成は腰掛器体に和風便器の
前覆部を覆う被覆カバーを別体に設けたものであ
る。この構成により、前覆部の上方を開口出来る
ようにするものである。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

この実施例は第１図に示すように水洗式和風便
器Ａを段違い状の床面Ｄに設け男子の小用にも使
用できるタイプであり、該和風便器Ａの前覆部a₂
より後側の上方に、これを覆うように腰掛器体Ｂ
を載置したものである。

腰掛器体Ｂは陶磁器やFRP等の合成樹脂によ
り上記和風便器Ａの上面を覆う形状に形成され、
その中央部に和風便器Ａの受皿部a₁に臨むボール
部b₁を開設すると共に、前端には和風便器Ａの前
覆部a₂を覆う被覆カバー１を着脱自在に設ける。

被覆カバー１は合成樹脂等により下面を開口す
る箱型状に形成され、その後面下端を凹状に切欠
すると共に該切欠部２の内周縁に嵌合部３を形成
してこの嵌合部３を腰掛器体Ｂ前端縁に突設した
係止片b₂に嵌合することにより、着脱自在に取付
ける。

尚、上記被覆カバー１の取付手段は、上記嵌合
部３及び係止片b₂により腰掛器体Ｂと着脱自在に
嵌合することの他に、単に被覆カバーを前覆部a₂
を被覆するように床面上に載置するだけでも良
い。

また、腰掛器体Ｂは前側上壁にその上壁を上下
に貫通する取付孔b₃を開穿しこの取付孔b₃に便座
４及びその上方に必要に応じてふた５を回動自在
に取付ける取付ネジ６を挿通して該ネジ６の先端
部に腰掛器体Ｂの内面側からナツト７を締付け固
定すると共に外周下端部には台座b₄を突設し、こ
の台座b₄をビス８等により床面Ｄに固定する。

上記ボール部b₁は和風便器Ａのリムa₃後部に沿
つて漏斗状に形成し、その下端開口縁を上記リム
a₃後部内に挿入すると共に、該開口の外周面とリ
ムa₃後部との間にゴム等で例えば管状に形成した
シール部材９を介在することにより両者間を密閉
状にシールして受皿部a₁の底で跳ね返つた汚水、
汚物がリムa₃上面や腰掛器体Ｂの内面に飛散しな
いようにする。

また、ボール部b₁の上端開口には全周に渉つて
リム通水路b₅を設ける。

リム通水路b₅は上記ボール部b₁の上部に、その
ボール部b₁内に臨むように内方に突出して形成さ
れ、その下面に射水孔b₆を適宜間隔毎に多数開穿
すると共に該通水路b₅の適宜箇所に給水装置Ｃと
連絡する給水パイプc₃を接続する。

給水装置Ｃは貯水タンクやフラツシユバルブ等
の所謂既設の水洗式和風便器Ａに給水する給水源
であり、この実施例ではタンクを示し、その二次
側即ちタンクの排水口に配管接続した洗浄管c₁の
先端に分岐管c₂を接続し、該分岐管c₂の一端に、
上記リム通水路b₅に連絡する給水パイプc₃を接続
すると共に他端に前記和風便器Ａに連絡する通水
パイプc₄を接続する。

一方、図面に示す和風便器Ａは内部後方に受皿
部a₁を、下部前方に、この受皿部a₁に連続するト
ラツプ部a₄を夫々形成した所謂洗出し式と呼ばれ
るもので前端には上記通水パイプc₄を挿入する給
水室a₅を形成し、給水装置Ｃから給水室a₅に供給
された洗浄水の一部を該室a₅の上方から便器Ａの
前覆部a₂に導いて前覆部a₂内面を洗浄し、残りの
洗浄水を給水室a₅の下面に開穿した連絡孔a₆から
水路a₇を通つて便器Ａ後端に形成した噴出孔a₈に
導き該孔a₈から噴出させて受皿部a₁上に排泄され
た汚物を排水口部a₉へ流し出すと共に上記水路a₇
の途中から便器Ａのリム連絡孔a₁₀を通つてリム
射水孔a₁₁へ流し、便器Ａのボールa₁₂内面の洗浄
を行なうようになつている。

尚、和風便器Ａは上記洗出し式のものに限定さ
れず、他の型式のものであつても良い。

次に、第４図に示すものは本考案の他の実施例
で、このものは陶磁器製の腰掛器体Ｂ前端に和風
便器Ａの前覆部a₂覆う形状に形成した被覆部b₇を
一体に設け、この被覆部b₇の上面を開口すると共
に該開口b₈を陶磁器製の被覆カバー１で被蓋した
点において前示実施例と相違している。

また、第５図、第６図に示すものは、さらに別
の実施例を示すがこのものは、被覆部b₇の上面及
びボールb₁側の側面の一部を開口して、該開口b₉
に被覆カバー１で被蓋したものである。

尚、前示三実施例においては和風便器Ａを段違
い状の床面Ｄに設けたタイプを示したが、これに
限定されず、面一状の床面に和風便器Ａを設けた
タイプの場合であつても同様であることは言うま
でもなく、また腰掛器体Ｂへの給水を給水装置Ｃ
の二次側から分岐したが、これに限定されず、例
えば腰掛器体Ｂ専用の給水装置を別に設ける等、
どのように給水しても良い。

本考案は上記の構成であるから、以下の利点を
有する。

腰掛器体に和風便器の前覆部を覆う被覆カバ
ーを着脱自在に設けたので、腰掛器体を陶磁器
により形成したり腰掛器体に接続される給水パ
イプに金属製のものを使用しても汚水、汚物の
飛散により汚れた前覆部及びその周囲や被覆カ
バーの内面を被覆カバーを取外すことにより容
易に掃除することが出来ると共に、和風便器の
トラツプ部が前覆部側にあるタイプのものにお
いては例えトラツプ部内に異物が落下したりそ
のために詰まつたりしても簡単に除去すること
が出来る。

前覆部を覆う部分を着脱出来るので、便座取
付用のネジを締着するナツトが腰掛器体の内面
側に位置している場合でも該ナツトに手又は工
具が届いて便座の取替えが容易に出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す水洗便所装置
の縦断側面図、第２図は同平面図で一部切欠して
示し、第３図は第１図の−線に沿える拡大断
面図、第４図、第５図は他の実施例を示す縦断側
面図、第６図は第５図の平面図である。 Ａ……既設の水洗式和風便器、a₁……受皿部、
a₂……前覆部、Ｂ……腰掛器体、b₁……ボール
部、１……被覆カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 既設の水洗式和風便器を覆うように載置固定し
   た腰掛器体に、上記和風便器の受皿部に臨む漏斗
   状のボール部を開設した水洗便所装置において、
   上記腰掛器体に和風便器の前覆部を覆う被覆カバ
   ーを別体に設けたことを特徴とする水洗便所装
   置。