JPH0234261Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この考案は、寒冷期において配管内の水抜きを
する水抜栓で操作時のピストン作動に伴い水抜栓
内に発生する負圧を解消するものである。

(ロ) 従来の技術 北海道等の寒冷地においては、冬季に水道管内
の水が凍結することが多い。これに対する対策と
しては、就寝前に管内の水を抜いて、凍結深度以
下の地中に排出する水抜栓が考案され、現在で
は、大多数の家庭において使用されている現状で
ある。一般家庭における配管は第１図に示すよう
に、凍結深度以下の地中にある水道管４を排水弁
８を有する水抜栓２３に接続し、水抜栓２３に接
続する立上り管６を経て蛇口１５に至るものであ
る。

ここに従来の水抜栓は第６図、第７図に示すよ
うに下部本体２の側方には上から順に、流入口
３、流出口５、排水口２４を有し、それぞれ水道
管４、立上り管６、排水弁８が接続されている。
また下部本体２の内部には、外周にＯリング１
２，１３，１４を装着したピストン１０が収容さ
れ、前記ピストン１０の内部には横穴１６と連通
する縦穴１７が穿設されており、縦穴１７の径は
下方がやや大になつており、逆止ボール１８が収
容されている。逆止ボール１８の挙動は、第７図
の水抜き時には、水圧により上に押されるためシ
ート面２０に接するが、水抜栓を水抜き時より給
水時に操作する時には、第６図の様に逆止ボール
１８の自重により降下する。次に逆止ボール１８
の作用は水抜栓が水抜き時には外とう管方向への
水の流れを防ぎ、また水抜栓が水抜き時から給水
時に操作されるときには、排水ボール２５が下降
し、シート面２６に接するため排水室１９が密閉
され、ピストン１０の上昇に伴い、排水室１９が
負圧になりピストン１０の上昇を妨げようとする
が、上記のように逆止ボール１８は自重のため降
下し、排水室１９、縦穴１７、横穴１６が大気と
連通するためピストン１０はスムーズに上昇す
る。この機構が実願53−087037号であつた。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 しかし、逆止ボール１８は、水抜栓の水抜き時
には、縦穴１７のシート面２０と接しているのが
正常であるが、シート面２０と逆止ボール１８の
間にゴミや管サビ等が混入すると逆止ボール１８
とシート面２０の間にすき間を生じたり、もしく
は縦穴１７を封鎖することがあり、すき間を生じ
ている場合は水抜き時において、立上り管６の水
がピストン１０の縦穴１７を通り、外とう管１を
経て操作部７より出てくることがある。また、縦
穴１７が封鎖されている時は水抜栓を水抜き時よ
り給水時にする際、ピストン１０が上昇するた
め、上記のように排水室１９で負圧を発生し、ピ
ストン１０が上昇できなかつた。

(ニ) 問題点を解決するための手段 第２図、第３図、第４図のようにピストン１０
に穿設した横穴１６よりも上に下部本体２のシリ
ンダー２７に接する傘形状パツキン２２を装着す
る。

(ホ) 作用 水抜栓の給水時は第２図の様にピストン１０は
下部本体２の上方に位置し、水は水道管４、立上
り管６を通り蛇口１５を開けば給水される。この
時、水抜栓の修理等で立上り管６内に水が存在す
る場合、その水は横穴１６、縦穴１７を経て排水
室１９に至り、排水弁８から排出される。水抜栓
の水抜き時は、ピストン１０が下がり第３図の状
態となる。水道管４からの水はＯリング１２，１
３のために止水され、立上り管６内部の水は矢印
の様に排水弁８から地中に排出される。この時、
パツキン２２はシリンダー２７と接しているた
め、立上り管６の水は外とう管１へは達しない。

水抜栓が水抜き時から給水時に操作されるとき
には下記の理由により第４図の状態となる。つま
り排水ボール２５が下降し、シート面２６に接す
るため排水室１９が密閉され、ピストン１０の上
昇に伴い、排水室１９が負圧になり、ピストン１
０の上昇を妨げようとするが、その時にパツキン
２２の下端が負圧のために吸引されて、シリンダ
ー２７から離れ、排水室１９、縦穴１７、横穴１
６が大気と連通しピストン１０はスムーズに上昇
する。

(ヘ) 考案の効果 本考案では、パツキン２２の位置が公知の逆止
ボール１８より、高い位置に有り、かつパツキン
２２はシリンダー２７に常時、接していることか
ら、排水室１９内にゴミや管サビが溜まつていて
もパツキン２２の所へは侵入しずらいため、水抜
き時に外とう管１方向への水の流れを防止すると
共に、水抜き時より給水時にする際にも排水室１
９に負圧が発生しないので操作が非常に軽快であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般家庭における配管図、第２図は本
考案を示す給水時の正断面図、第３図は本考案を
示す水抜き時の正断面図、第４図は本考案を示す
一部拡大し、水抜き時より給水時になる時の正断
面図、第５図は傘形状パツキンの一部断面にした
斜視図、第６図は公知品を示す給水時の正断面
図、第７図は公知品を示す水抜き時の正断面図で
ある。 図中、１は外とう管、２は下部本体、３は流入
口、５は流出口、６は立上り管、８は排水弁、１
０はピストン、１２，１３，１４はＯリング、１
６は横穴、１７は縦穴、１９は排水室、２２は傘
形状パツキン、２７はシリンダーである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上方に外とう管１、操作部７を有し、側方に流
   入口３、流出口５、排水弁８を有した下部本体２
   の内部にシリンダーを形成し、そこに数個のＯリ
   ングを装着し、内部に横穴１６及び縦穴１７を連
   通させたピストン１０を操作部７とシヤフト９に
   より連結し、上下動して給水・水抜きを行う水抜
   栓において、ピストン１０に穿設した横穴１６よ
   りも上に下部本体２のシリンダー２７に接する傘
   形状パツキン２２を装着した排水室１９の負圧解
   消機構付水抜栓。