JPH0234238Y2

JPH0234238Y2 -

Info

Publication number: JPH0234238Y2
Application number: JP5082384U
Authority: JP
Priority date: 1984-04-09
Filing date: 1984-04-09
Publication date: 1990-09-13
Also published as: JPS60163293U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、一般貨物を輸送するコンテナとして
また必要に応じ粉粒体をばら積み輸送するコンテ
ナとして使用される複合コンテナに関する。

粉粒体を他物質との混入を防止して輸送する方
法としては金属製タンク車やフレキシブルコンテ
ナが用いられるが、前者は粉粒体専用で、片道は
空車となることが多く、後者は特別な充填，荷卸
し設備を必要とし何れも輸送コストを高めてい
る。

本考案は、粉粒体を輸送しない場合には一般貨
物輸送用として、必要に応じ粉粒体をばら積み輸
送し、積載車輌のダンプアツプ機構と組合わせる
ことにより粉粒体を速かにかつ容易に荷卸しする
ことのできる複合コンテナを提供するものであ
る。

本考案に係る複合コンテナは、(A)長方形床と、
後尾面または側面に開閉扉を設け後尾面下辺中央
に粉粒体排出用切欠きを設けた側壁からなる剛強
なコンテナ；(B)前記床に載置された底板と、該底
板の周縁から立設された後尾面中央に粉粒体排出
口を設けた底枠と、上端縁を前記天井周縁に、下
端縁を前記底枠の上周縁に固着させた軟質側面シ
ートからなり、該側面シートの各側面に水平中間
折曲げ部を設けた直方体形袋体；(C)前記コンテナ
に取付けられ前記底板を前記コンテナ床と天井間
に上下動させる駆動装置；および(D)前記コンテナ
に付けられ底板をコンテナ天井に係着させる係着
装置からなることを、特徴とするものである。

即ち、粉粒体投入口を天井部に設けた直方体コ
ンテナ内に、底板と軟質シート側壁部から構成さ
れた袋体を内設し、この袋体中に粉粒体を充填し
てばら積み輸送し、車輌のダンプアツプ機構によ
り荷卸しし、粉粒体を輸送しない場合には内設さ
れた袋体の軟質シート側壁の折畳み性を利用して
袋体をコンテナ天井に引上げ、一般貨物積載用コ
ンテナとして使用するものである。

本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。
第１図は一部切欠き斜視図で、コンテナ１は金属
板製の細長い直方体で、天井板２には粉粒体投入
口３が設けられ、コンテナ後尾側面には開閉扉４
が取付けられている。また天井上面の角隅部には
後述するが、コンテナ内に内設された袋体５の底
板６を上下動させるための駆動装置２１の駆動モ
ーター２２が取付けられ、側板上角隅部には、底
板の係着装置のハンドル２３が設けられている。
コンテナの開閉扉４の下辺中央部（左右外開き扉
の合わせ目下端部）には粉粒体排出用の切欠き７
が設けられ、粉粒体排出時以外は蓋板で閉じられ
ている。

コンテナ内には、直方体状の袋体５が内設され
この袋体はコンテナの床に載置されて底板６と、
底板の周辺から立設された底枠８と、底枠８の上
周縁とコンテナ天井内周縁間に張設された軟質シ
ート製の側面シート１０からなり、後尾底枠の中
央部には前述のコンテナ後尾開閉扉の下部の粉粒
体排出用切欠き７と対応した位置に粉粒体排出口
９が設けられ、粉粒体排出口９には例えば、ダン
パー式の排出口開閉具が取付けられ、袋体への粉
粒体の充填や袋体からの粉粒体の排出に供され
る。袋体５の側面シート１０の上周縁をコンテナ
天井部に取付ける前の形状は第２図に示す如く
で、袋体５の側面シート１０の短辺側面（前後）
と長辺側面（左右）には、それぞれ水平中間折曲
げ部１２と１１が設けられ、長辺側の折曲げ部１
１は水平な補強棒１３と、適宜間隔で縦支持棒１
４を有しており、これらの折曲げ部は、側面を上
下方向に押圧したとき、第３図の角隅部折曲げ構
造に示すように折畳まれるようになつている。

次に、底板６は、コンテナ内壁に沿つて床と天
井間を駆動装置２１により上下動できるようにな
つている。駆動装置は例えば底板にフツクを設け
このフツクにワイヤロープ端を結び、ワイヤロー
プをコンテナ天井上に設けた巻揚用のモーターを
車輌エンジンからの動力源で駆動させてもよい。
また、底板を引上げて後、天井部に係合固定する
ために、適宜のロツク機構を適用した係着装置が
コンテナに取付けられている。

袋体５の底枠の後尾側角隅部は、適宜形状の傾
斜面に形成され、ばら積みした粉粒体をコンテナ
ダンプアツプして後尾排出口から排出するとき角
隅部に残留せず、排出口に流出するようになつて
いる。

本考案に係る複合コンテナは、ダンプアツプ機
能を備えた輸送車輌に積載して使用することを原
則とする。この場合、本複合コンテナの床を、輸
送車輌の荷台床と同一にしてコンテナを車輌に作
り付けのものとすることができる。また、袋体の
底板を板体とする代りに、例えば管，形材等の金
属構造材で格子状枠組を形成し、この枠組上に軟
質シートを設け、袋体５の角形底としてもよい。

また、上記実施例ではコンテナ側壁は金属板製
の密閉型としたが、もちろん、金属板の代りに金
属製の格子状または檻状の壁体でもよく、開閉扉
もコンテナの後尾の他、左右の側面に設けてもよ
い。

本考案の複合コンテナで粉粒体をばら積み輸送
する場合を説明すると、コンテナ内の底板を駆動
装置を用いてコンテナ床上に載置し、必要により
適宜方法で固定し、粉粒体排出口を閉じ、粉粒体
投入口から粉粒体を袋体５内に充填する。充填に
従い、袋体の側面はコンテナの剛強な側面に接触
し支持される。充填後、投入口の蓋を被せ輸送す
る。荷卸しは粉粒体排出口を必要に応じ荷卸し先
の受入れ装置に接続し、車輌床を徐々にダンプア
ツプし粉粒体を重力により排出口に移動させ性状
に応じた排出法で排出する。

次に粉粒体輸送に使用しない場合には、コンテ
ナ内の袋体の底板を駆動装置で天井部に引上げる
が、その際、軟質シート製の側面シートは第４図
に示す折曲げ機構により折り畳まれ底枠内に収納
される。底板引上げ後、係着装置でロツクし、通
常のコンテナ車として使用する。なお、本複合コ
ンテナを、ダンプアツプ機能を有しない通常の車
輌に積載して、通常の輸送用コンテナとして使用
できることは言うまでもないことである。

本考案に係る複合コンテナは上述のような構成
を有するので、ばら積み輸送のコンテナとして使
用するとき、粉粒体の下方への荷重は広く底板を
支承するコンテナの剛強な床で支持され、また横
の側面シートに対する力はコンテナの剛強な側板
で支持されるので、袋体の厚みを薄くし軽量化を
図ることができ、さらに側面シートの折畳みが二
つ折りのため操作が簡単である。また袋体底面は
平面で車輌荷台をダンプアツプしたとき、粉粒体
を排出口に円滑に移動させることができる。従つ
て、袋体の側面シートを水平な蛇腹体としたとき
に想定されるような上下圧縮時の折畳みが厚くな
つたり、折畳み部の皺に粉粒体が付着残留するよ
うなおそれがなく、また、袋体を長手方向に伸縮
させる蛇腹式とした場合に想定されるような床部
の皺による粉粒体の残留や、袋体の展張の困難さ
を有しない。

本考案に係る複合コンテナは、粉粒体輸送用コ
ンテナとしても優れた機能を有し、一般貨物積載
用コンテナとの切替えも容易で多目的に使用する
ことができ、効果的な輸送を達成し、輸送コスト
を低減させるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る複合コンテナの一部切欠
き斜視図で、第２図は袋体の斜視図を示し、第３
図は袋体の折畳み状態を示す袋体角隅部の斜視図
で、第４図は袋体の折曲げ機構を示す一部省略正
面図である。２……天井板、３……粉粒体投入口、４……開
閉扉、５……袋体、６……底板、８……底枠、９
……粉粒体排出口、１０……側面シート、１１，
１２……水平中間折曲げ部、１３……補強棒、１
４……支持棒、２１……駆動装置、２３……係着
装置ハンドル。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

(A)長方形床と、粉粒体投入口を設けた天井と、
後尾面または側面に開閉扉を設け後尾面下辺中央
に粉粒体排出用切欠きを設けた側壁からなる剛強
なコンテナ；(B)前記床に載置された底板と、該底
板の周縁から立設され後尾面中央に粉粒体排出口
を設けた底枠と、上端縁を前記天井周縁に、下端
縁を前記底枠の上周縁に固着させた軟質側面シー
トからなり、該側面シートの各側面に水平中間折
曲げ部を設けた直方体形袋体；(C)前記コンテナに
取付けられ前記底板を前記コンテナ床と天井間に
上下動させる駆動装置；および(D)前記コンテナに
取付けられ底板をコンテナ天井に係着させる係着
装置からなることを特徴とする複合コンテナ。