JPH0234048Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案はサーマルプリンタに関する。

〔考案の背景〕

従来より記録紙とサーマルヘツドとの間に、熱
溶融材料を有する印刷テープを配置し、サーマル
ヘツドに備えられた複数の発熱要素をサーマルヘ
ツドの移動に伴つて選択的に発熱させ、印刷テー
プの熱溶融性材料を溶融させて記録紙上に転写さ
せるようにしたサーマルプリンタが提案されてい
る。このサーマルプリンタは他の型式のプリンタ
に比べ印刷時に騒音が生じないと利点が評価され
ているが、前記サーマルヘツドを塔載したキヤリ
ツジの復帰時に、サーマルヘツドとプラテンを離
すために電磁ソレノイドを使用していた。このた
め、上述したキヤリツジ復帰時に騒音が生じる欠
点があつた。

〔考案の目的〕 本考案の目的は、上述した従来技術の欠点を解
消し、簡単な構成にて、キヤリツジ復帰時に騒音
が生じないようにしたサーマルプリンタを提供す
るにある。

〔考案の概要〕

この目的を達成するため、本考案は、サーマル
ヘツドと、このサーマルヘツドを搭載し、かつモ
ータによつて駆動されるキヤリツジと、前記サー
マルヘツドによつて記録される記録紙が装着され
るプラテンと、前記キヤリツジが移動可能に設け
られると共に、前記サーマルヘツドとプラテンと
の接離作動を行うよう回動可能なキヤリツジガイ
ド板と、このキヤリツジガイド板を回動させるカ
ム手段と、このカム手段を作動させるため前記モ
ータによつて駆動されるカム操作手段とを設けた
サーマルプリンタにおいて、前記カム操作手段
は、前記モータのモータギアと係合する接合ギア
と、該係合ギアによつて駆動されるラツク体とか
ら構成されており、前記接合ギアは、常にモータ
と連動する固定ギアと、該固定ギアと摩擦力によ
つて連動する当接ギアとからなり、前記ラツク体
は前記固定ギアと噛合する両端を欠歯にした欠歯
部と、前記当接ギアと噛合する全歯部との２列の
歯部からなることを特徴とするものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に従い説明す
る。

第１図は本実施例の全体構成を示す平面図であ
る。この第１図において、１は図示しない記録紙
が巻回されるプラテン、２はこのプラテン１の前
面位置すなわち印刷位置に装着されるプラテンゴ
ム、３はプラテン１に巻回される記録紙を案内す
る紙ガイドである。４はプラテンゴム２に対向す
るように配置され、複数の発熱要素を有するサー
マルヘツド、５はこのサーマルヘツド４が装着さ
れるキヤリツジ、６は記録紙に転写される熱溶融
性材料を有する印刷テープ、７はこの印刷テープ
６が収納されるテープカセツトで、このテープカ
セツト７はキヤリツジ５に着脱自在になつてい
る。

８はキヤリツジ５が移動可能に装着されるキヤ
リツジガイド板で、第２図ａにも示すように、支
持部９を中心に回動可能になつており、また同第
２図ａおよび第２図ｂに示すようにキヤリツジ５
に固設されたキヤリツジガイド軸１０を案内する
溝１１を備えている。なお、これらのキヤリツジ
ガイド板８、キヤリツジガイド軸１０および溝１
１は、キヤリツジ５をプラテン１の前面に沿つて
案内するキヤリツジガイド機構を構成している。

また１２は、キヤリツジガイド板８上のキヤリ
ツジ５すなわちサーマルヘツド４をプラテンゴム
２に近づく方向に付勢する圧接ばねである。

また第１図に示す１３は端部のそれぞれがキヤ
リツジ５の両端部に接続されるワイヤ、１４，１
５はキヤリツジガイド板８側に配置され、ワイヤ
１３が巻回されるプーリ、１６はワイヤ１３が巻
回され、たとえば両側部にギアを有する駆動プー
リである。上述したワイヤ１３、プーリ１４，１
５およ駆動プーリ１６は、キヤリツジ５をプラテ
ン１に沿つて移動させるキヤリツジ移動手段を構
成している。

また１７は、記録紙が当接される紙送りロー
ラ、１８はこの紙送りローラ１７が支持される紙
送り軸で、これらの紙送りローラ１７および紙送
り軸１８は、記録紙を第１図の矢印Ａ方向に送る
記録紙送り手段を構成している。

また第１図に示す１９はステツピングモータ、
２０はこのモータ１９の出力軸に設けたモータギ
ヤ、２１はこのモータギヤ２０に係合するととも
に、前述した駆動プーリ１６の一方の側部のギヤ
に係合するアイドルギヤである。２２は駆動プー
リ１６の他方の側部のギヤに係合する第１の間欠
ギヤ、２３はこの第１の間欠ギヤ２２と係合する
第２の間欠ギヤ、２４はこの第２の間欠ギヤ２３
と係合する紙送りギヤ、２５は可動接片取付台、
２６は、紙送りギヤ２４と係合するラチエツト、
２７はラチエツト２６と係合、離脱可能なラチエ
ツトである。２８はラチエツト２７をラチエツト
２６と係合する方向に付勢するラチエツトばね、
２９はラチエツトばね２８の一端を規制するワツ
シヤである。３０はラチエツト２７をラチエツト
２６から離れる方向に移動させ、かつ、ラチエツ
ト２７に形成したギアに係合可能なギアを周側に
有するマニユアルノブ、３１はこのマニユアルノ
ブ３０を回動自在に支持するレバーである。

上述したモータギヤ２０、アイドルギヤ２１、
駆動プーリ１６、第１の間欠ギヤ２２、第２の間
欠ギヤ２３、および紙送りギヤ２４は、前述した
キヤリツジ移動手段と記録紙送り手段とを連動可
能なギヤ部、すなわちキヤリツジ５を往復動させ
るとともに、キヤリツジ５の一往復動に応じて記
録紙を一定量第１図の矢印Ｂ方向に送るギヤ部を
構成している。

また上述したラチエツト２６，２７およびマニ
ユアルノブ３０は、記録紙を手動にて逆送り、す
なわち同第１図の矢印Ｃ方向に送ることが可能な
手動紙送り機構を構成している。

また第１図、第４図に示すように前記モータ１
９のモータギヤ２０から延出させた軸に駆動ギア
３２を設け、この駆動ギア３２はアイドラ３３を
介して接合ギヤ３４と係合している。この接合ギ
ヤ３４は、前記駆動ギヤ３２と係合する回定ギヤ
３４ａと、ばね３５によつて固定ギヤ３４ａに連
接する当接する当接ギヤ３４ｂとから構成され、
相対向する位置に設置されたラツク体３６と噛合
する。このラツク体３６は第６図に示すように２
列の歯部とからなり、一方の歯部は前記固定ギヤ
３４ａと噛合する両端を欠歯にした欠歯部３６ａ
であり、他方の歯部は前記当接ギヤ３４ｂと噛合
する全歯部３６ｂである。そして、前記駆動ギヤ
３２、接合ギヤ３４、ラツク体３６等にてカム操
作手段を構成している。さらにラツク体３６から
は、Ｔ状の突起体３７を突設し、この突起体３７
を、第３図に示した低部位３８ａと高部位３８ｂ
と、この低部位３８ａと高部位３８ｂ間の傾斜部
３８ｃとからなるカム３８内の空間部３８ｄを往
復可能に設けている。

そして、前記カム３８は、第２図、第３図に示
すようにキヤリツジガイド板８の支持部９より延
出した受部３９の軸部分４０と当接させる。

従つて、第３図ａに示すようにカム３８の低部
位３８ａに受部３９が位置する時は、プラテン１
とサーマルヘツド４が接し、また第３図ｂに示す
ようにカム３８の高部位３８ｂに受部３９が位置
する時は、圧接ばね１２に抗してプラテン１とサ
ーマルヘツド４とが離れ、この状態にて前述した
ワイヤ１３によつてキヤリツジ５の移動すなわち
復帰作用を行う。

ところで前記カム操作手段の駆動ギヤ３２は常
にモータ１９にて駆動されている状態であるが、
一方、カム３８あるいはラツク体３６はストツパ
ー４１にてストロークを一定範囲に定められてい
るため、ラツク体３６は欠歯部３６ａと全歯部３
６ｂの２列構成とし、接合ギヤ３４の固定ギヤ３
４ａを欠歯部３６ａと噛合させて、カム３８の任
意位置に受部３９が位置した時、すなわち接合ギ
ヤ３４がラツク体３６のいずれかの端部に位置し
た時には、モータ１９の駆動力が直接、ラツク体
３６あるいはカム３８に加らないようにするた
め、固定ギヤ３４ａをラツク体３６と噛合させ
ず、また当接ギア３４ｂを空転させるようにして
いる。

さらにモータ１９の正・逆回転による急な変化
による各部材への影響をなくすため、ラツク体３
６の突起体３７をカム３８内の空間部３８ｄに位
置させ、ラツク体３６とカム３８に遊びをもたせ
ている。同様に第５図に示すように、キヤリツジ
５とワイヤ１３との係合関係において、ワイヤ１
３に設けた拡径部１３ａとキヤリツジ５に設けた
枠体５ａとの間に移動の遊びを持たせる間隙Ｄを
形成するようにして、完全にプラテン１とサーマ
ルヘツド４が任意の状態に移動した後でないと、
キヤリツジ５の移動を行なわないようにしてあ
る。

〔考案の効果〕

本考案は、上述した構成になつており、キヤリ
ツジを駆動するモータによつてカム操作手段、カ
ム手段を作動して、サーマルヘツドとプラテンと
の接離作動が行えるため、簡単で、しかも従来の
サーマルプリンタに比べ騒音の少ないサーマルプ
リンタを提供することができる。またソレノイド
を用いないために小型化が可能となると共にコス
トが安くなり、更に消費電力が小さくてすむとい
う効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであり、第
１図は全体構成を示す平面図、第２図ａは要部の
斜視図、第２図ｂはキヤリツジ部分の断面図、第
３図ａ、第３図ｂはプラテンとキヤリツジの位置
関係の変化を示す側面図、第４図はカムとカム操
作手段との関係を示す説明図であり、第４図ａは
その平面図、第４図ｂはその側面図、第５図はワ
イヤとキヤリツジとの関係を示す一部拡大図、第
６図はラツク体の平面図である。 １……プラテン、４……サーマルヘツド、５…
…キヤリツジ、８……キヤリツジガイド板、１９
……モータ、２０……モータギヤ、３２……駆動
ギヤ、３３……アイドラ、３４……接合ギヤ、３
６……ラツク体、３８……カム手段、４１，４２
……笠歯歯車、４４……ピニオン、４５……ラツ
ク。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) サーマルヘツドと、このサーマルヘツドを搭
   載し、かつモータによつて駆動されるキヤリツ
   ジと、前記サーマルヘツドによつて記録される
   記録紙が装着されるプラテンと、前記キヤリツ
   ジが移動可能に設けられると共に、前記サーマ
   ルヘツドとプラテンとの接離作動を行うよう回
   動可能なキヤリツジガイド板と、このキヤリツ
   ジガイド板を回動させるカム手段と、このカム
   手段を作動させるため前記モータによつて駆動
   されるカム操作手段とを設けたサーマルプリン
   タにおいて、前記カム操作手段は、前記モータ
   のモータギアと係合する接合ギアと、該係合ギ
   アによつて駆動されるラツク体とから構成され
   ており、前記接合ギアは、常にモータと連動す
   る固定ギアと、該固定ギアと摩擦力によつて連
   動する当接ギアとからなり、前記ラツク体は前
   記固定ギアと噛合する両端を欠歯にした欠歯部
   と、前記当接ギアと噛合する全歯部との２列の
   歯部からなることを特徴とするサーマルプリン
   タ。 (2) 実用新案登録請求の範囲第(1)項記載のサーマ
   ルプリンタにおいて、前記カムあるいはラツク
   体はストツパにてストロークが一定範囲に定め
   られていることを特徴とするサーマルプリン
   タ。