JPH0233948B2 - Reizoko - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は冷凍室、冷蔵室を備え、電動送風機に
よつて庫内に冷気を循環させる強制通風方式の２
温度式冷蔵庫における冷凍室内の急速冷凍および
冷蔵室内の急速冷蔵に関するものである。

一般的にかかる２温度式冷蔵庫においては圧縮
機及び電動送風機は冷凍室温度を感知するサーモ
スタツトにて制御され、もつて冷凍室を所望の低
温に保ち、一方冷蔵室は電動送風機による冷気量
を調整するダンパーサーモスタツトにより所望の
温度に維持されるものである。そして、この様な
冷蔵庫における急速冷凍、急速冷蔵としてはサー
モスタツトを短絡して圧縮機、電動送風機を連続
通電することが知られているが、例えば冷蔵室を
急速冷凍する時、電動送風機による冷気は冷蔵室
側にも流れるため所望の冷凍室側への風量が必ず
しも多くはならず急速冷凍とは言いがたいもので
ある。また冷蔵庫の使用手段として冷凍室の急速
冷凍のみならず冷蔵室の急速冷蔵を行ないたい場
合もあり、上述した様に単に圧縮機、電動送風機
の連続運転では冷蔵室が所定の低温になるとダン
パーサーモスタツトのダンパーが閉成してしまう
ことから上記手段では該目的を達成できないもの
であつた。

そこで本発明は上記点に鑑み、冷凍室の急速冷
凍、冷蔵室の急速冷蔵を極めて簡単な手段にて達
成し得るようにしたものであり、以下その一実施
例を添付図面に従い説明する。

図において、１は冷蔵庫本体であり、下部に圧
縮機２、背面に凝縮器３をそれぞれ備えている。
本体１内は蒸発器４、強制通風用の電動送風機５
を有する区画壁６にて上部の冷凍室７、下部の冷
蔵室８の２室に区画されている。９は冷凍室７に
配置したサーモスタツトで、冷凍室温度に応じて
開閉し上記圧縮機２、電動送風機５を制御するも
のである。１０は冷蔵室８の冷気吐出口に配置し
たダンパーサーモスタツトで、冷蔵室温度に応じ
てダンパーを開閉制御し、もつて冷蔵室温度を所
望の温度に保つものである。このダンパーサーモ
スタツト１０にはこのダンパーサーモスタツトの
動作を補償する温度補償ヒータ１１ａ，１１ｂが
設けられている。この温度補償ヒータ１１ａ，１
１ｂは通常運転時、通電される小容量（発熱量が
小さい）のヒータ１１ａと、後述する冷蔵室８の
急速冷蔵時、通電可能な大容量（発熱量が大き
い）のヒータ１１ｂとからなるもので、両者１１
ａ，１１ｂは例えば並行にしてダンパーサーモス
タツト１０のケーシングに貼着されている。１２
は急速冷凍、冷蔵時動作される時限タイマー装置
で、手動にて操作され、自動復帰する急速冷却ス
イツチ１３と、このスイツチ１３にて駆動され所
定時間経過後このスイツチ１３を復帰せしめるタ
イマー駆動用電動機１４とから構成されている。
上記スイツチ１３は温度補償ヒータ１１ａへの通
電を停止し、かつタイマー駆動用電動機１４に通
電する接片１３ａとサーモスタツト９を短絡する
ための接片１３ｂとを有する二回路型のスイツチ
を構成している。また１５は上記温度補償ヒータ
１１ａ，１１ｂを選択切替えするスイツチで、通
常運転時、すなわち、急速冷却スイツチ１３を操
作しない時はソレノイド１５ａによつて常に小容
量の温度補償ヒータ１１ａに通電される位置に各
接片１５ｂ，１５ｃを位置せしめ、急速冷却スイ
ツチ１３を操作した時は各接片１５ｂ，１５ｃを
任意の位置に手動で切替え可能である。つまり、
急速冷却スイツチ１３を操作しない時は小容量の
温度補償ヒータ１１ａのみに通電され、該スイツ
チ１３を接点ａ側に操作したヒータ１１ａへの通
電を停止するか、もしくは大容量のヒータ１１ｂ
に手動で選択的に切替えることができるものであ
る。

而して上記各構成要素は第２図に示す如く配線
接続されている。簡単に説明すると、圧縮機２、
電動送風機５はサーモスタツト９を介して電源に
接続され、このサーモスタツト９は急速冷却スイ
ツチ１３の接片１３ｂにて短絡可能に配線され
る。また小容量の温度補償ヒータ１１ａは接片１
３ａ，接片１５ｂの常閉接点を介して電源に接続
され、またスイツチ１５のソレノイド１５ａは急
速冷却スイツチ１３の非操作時通電されるよう接
片１３ａを介して電源に接続されている。大容量
の温度補償ヒータ１１ｂは急速冷却スイツチ１３
の接片１３ａの常開接点、接片１５ｃの常開接点
を介して電源間に接続されている。

次に上記構成における動作を説明する。

(i) 通常運転時は、冷凍室７の温度を感知するサ
ーモスタツト９によつて圧縮機２、電動送風機
５が共に運転および停止され、冷凍室７内を所
望の低温に保つ。また冷蔵室８はダンパーサー
モスタツト１０が小容量の温度補償ヒータ１１
ａに通電されていて温度補償され、必要量の冷
気をダンパーの開閉にて制御し所望の低温に保
つ。

(ii) 冷凍室７を急速冷凍したい場合は急速冷却ス
イツチ１３を接点ａ側に操作し、両接片１３
ａ，１３ｂを閉成すると、サーモスタツト９が
短絡され、圧縮機２、電動送風機５が連続通電
される。同時にスイツチ１５は操作されていな
いので小容量の温度補償ヒータ１１ａへの通電
を停止し、もつてダンパーサーモスタツト１０
のダンパーの開度は強制的に小さく抑えられ、
冷蔵室８への冷気供給が減少させられる。この
ため電動送風機５による冷気のほとんどが冷凍
室７に送り込まれるため冷凍室７の急速冷凍が
可能となる。さらに同時にタイマー駆動用電動
機１４にも通電され、急速冷凍時間を積算開始
し、所定時間径過するとスイツチ１３は強制的
に復帰させ、急速冷凍が終了して上記(i)の通常
運転に戻る。

(iii) 冷凍室７の急速冷凍時、冷蔵室８も急速冷蔵
したい場合は、上記急速冷却スイツチ１３の操
作後、さらにスイツチ１５を手動で操作する。
つまりスイツチ１３が閉成している時はスイツ
チ１５の接片１５ｂ，１５ｃも手動で操作可能
で、この操作によつて小容量の温度補償ヒータ
１１ａの通電停止から大容量の温度補償ヒータ
１１ｂの通電へと切替えられる。よつてダンパ
ーサーモスタツト１０が通常運転よりさらに多
く加熱される結果、ダンパーの開度が大きくな
つて冷蔵室８への冷気供給量が増大される。こ
のため冷気は冷凍室７のみならず冷蔵室８へも
多量に、かつ連続的に送り込まれる結果、冷蔵
室８の急速冷蔵が可能となる。冷蔵室８の急速
冷蔵も時限タイマー装置１２によつて所定時間
強制運転後、スイツチ１３が復帰するため、ソ
レノイド１５ａに通電されてスイツチ１５の接
片１５ｂ，１５ｃも元の状態に強制復帰され、
上記(i)で説明した通常の冷却運転に戻るもので
ある。

このように圧縮機２、電動送風機５の強制通電
時、ダンパーサーモスタツト１０の温度補償ヒー
タ１１ａ，１１ｂを切替えて通電を停止させるこ
とで冷凍室７の効果的な急速冷凍が可能であり、
逆に発熱量を増加させることで冷蔵室８の急速冷
蔵も可能となる。

尚上記実施例において急速冷却スイツチ１３の
接片１３ａの閉成によつて小容量の温度補償ヒー
タ１１ａの通電を停止する構成としたが、第２図
破線で示すように接片１５ｃの常閉接点側に上記
温度補償ヒータ１１ａよりさらに容量の小さい温
度補償ヒータ１１ｃを接続して切替え時にダンパ
ーサーモスタツト１０のダンパーの開度を抑える
ようにしても良い。

以上の説明より明らかな様に本発明は冷蔵室の
ダンパーサーモスタツトの温度補償ヒータを複種
類設けると共にサーモスタツトを短絡すると同時
に温度補償ヒータのうち小容量のヒータを通電停
止させるスイツチと、このスイツチの投入時に温
度補償ヒータのうち大容量のヒータに通電させる
か、通電を停止させるかを選択可能とするスイツ
チを備えたものであるから、サーモスタツトの短
絡による圧縮機及び電動送風機の連続送風時に、
ヒータの通電停止を選択した場合は迅速且つ効率
よく急速冷凍が出来、又一方大容量のヒータを選
択した場合は迅速に急速冷蔵を行なうことが可能
である。この様に極めて簡単な構成と安価な手段
で強制通風方式の冷凍冷蔵庫に効率の良い急速冷
凍法及び急速冷蔵法を選択して提供することが出
来、実用上の効果も高いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明一実施例の冷蔵庫の概略断面
図、第２図は同冷蔵庫の概略電気回路図である。 ２……圧縮機、５……電動送風機、９……サー
モスタツト、１０……ダンパーサーモスタツト、
１１ａ，１１ｂ……温度補償ヒータ、１３……急
速冷却スイツチ（スイツチ）、１５……スイツチ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 冷凍室及び冷蔵室と、これら両室に冷気を循
   環させる電動送風機と、圧縮機及び前記電動送風
   機の運転を制御するサーモスタツトと、前記冷蔵
   室への冷気量を制御するダンパーサーモスタツト
   と、前記ダンパーサーモスタツトの本体に密着さ
   せた容量の異なる複数種の温度補償ヒータと、投
   入後所定の時間前記サーモスタツトを短絡して前
   記圧縮機及び電動送風機を連続運転させると同時
   に、前記温度補償ヒータのうち小容量のヒータを
   通電停止させるスイツチと、前記スイツチの投入
   時に前記温度補償ヒータのうち大容量のヒータに
   通電させるか、通電を停止させるかを選択可能と
   するスイツチとを備えた冷蔵庫。