JPH0233292B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は発泡樹脂材料を均一に発泡させたコア
層の両面に発泡しないスキン層をもつサンドイツ
チ構造のストラクチユラルフオームを製造するた
めの射出成形装置に関する。

（従来の技術） 従来、この種の射出成形装置は、まず金型内に
CO₂等のガスを吹き込み、その後で発泡材料であ
る樹脂を充填する。

この予備発泡ビースを高圧状態で発泡させない
でスキン層を得る工程と、次にガスを抜いて、十
分に膨脹した低密度のコア層を得る工程とにより
コア層の両面にスキン層を形成した最終フオーム
成形品を作るようになつている。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、上記装置において、肉厚の一定
な成形品を成形する場合には樹脂が金型内に充填
するにつれて金型内のガス圧を減少させればよい
が、金型のキヤビテイ内で形造られる発泡製品
は、通常その形状が異なり、肉厚も一定であると
は限らない。したがつて、第４図に示すように肉
薄部１０１は肉厚部１０２よりも樹脂の流速が早
いため、密度の高いスキン層１０３が少なくな
り、一方、肉厚部１０２では、逆に樹脂の流速が
遅いため、スキン層１０３が厚くなる。この結
果、均一のスキン層を形成することができないと
いう問題があつた。

このような問題点を解消するために、本発明は
樹脂の射出速度に応じてガス圧を可変にし、スキ
ン層の肉厚を均一にさせたフオーム成形品を製造
する射出成形装置を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本発明はスキン層
とコア層を有するフオーム成形品を得る射出成形
装置において、金型キヤビテイに供給されるガス
圧を、射出速度に応じて決定された圧力に設定す
る複数の減圧弁と、キヤビテイと減圧弁との間に
設けられたリリーフ弁とを有しており、前記減圧
弁とリリーフ弁によつてキヤビテイ内の圧力を段
階的に設定することを特徴としている。

（作用） 射出成形装置において、肉厚の異なる成形品を
射出成形する場合、金型のキヤビテイ内の形状に
より樹脂の流速が異なるので、製品精度を向上さ
せるため射出速度を多段階設定して射出する。

このとき、発泡成形品を作る場合には、樹脂の
充填前に高圧のガスを封入しておくため、金型内
のガス圧により樹脂の射出速度を高く設定するこ
とができなくなる。

このようなことから、本装置では、空気又は不
活性ガスの供給を順次設定ガス圧に切換るため、
複数の切換弁とその各切換弁に並設した減圧弁と
を設けたことにより、あらかじめ決められた樹脂
の射出速度パターンに応じてそのガス圧を段階的
に可変させることとなる。

しかもこのガス圧は、第２図に示すように射出
速度が早い場合にはガス圧を低くし射出速度が遅
い場合はガス圧を高くなるように設定する。即
ち、ガス圧を低く設定したときは、キヤビテイ内
のガスを多く逃がすこととなり、ガス圧を高くし
たときには、ガスの逃がしを少なくすることにな
る。

この結果、肉厚の異なる発泡成形品の表面に、
密度の高いスキン層が均一に形成できることにな
る。

（実施例） 本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

本実施例の射出成形装置は第３図にその構成を
概略示すように、射出成形装置本体１とその装置
本体内に組込まれた多段射出を行なうための樹脂
およびガス圧等の成形条件をタイマ等で設定する
ための制御装置２および樹脂の射出速度に応じて
金型内のガス圧を可変にするガス圧力回路３とか
らなつている。

ここで、第１図に示すガス圧力回路は、金型内
に封入されるCO₂等のガスを供給するガス供給源
４からのガス通路５に、順次その設定ガス圧P₁，
P₂，P₃，P₄に切換えるための２ポート２位置切
換弁６，７，８，９と、その切換弁の各々に並設
した減圧弁１０，１１，１２，１３が設けられて
いる。

各減圧弁１０，……からのガス通路５ａ，５
ｂ，５ｃ，５ｄは一個所に集まつて設定ガス圧を
表示するメータ１４を取付けたガス通路５ｅから
直接金型１５内に連通している。

さらに、ガス通路５ｅからは最終設定ガス圧
P₄の設定時間終了時に作動させる２ポート２位
置切換弁１６が設けられ、残圧を保持しながら金
型内に充填されたガスをリリーフ弁１７を介して
逃がようになつている。

上記ガス圧回路の減圧動作は、射出成形装置本
体１に設けられた制御装置２によつて、樹脂の射
出速度の多段設定、およびその設定時間等の制御
に合わせて行なわれる。

したがつて、切換弁３，……は射出速度の射出
パターン（たとえば、第２図中、最高射出速度の
％で表示したV₁，V₂，V₃，V₄の４段階制御）に
応じてその設定時間を決めているため、各切換弁
が必要とする射出速度に合わせて切換わるように
なつている。

次に、本実施例における装置の動作を第１図お
よび第２図に基づいて説明する。

まず、金型１５内にCO₂等のガスを設定ガス圧
P₁で封入させる。この過程は切換弁３が開いて
供給原４から送られたガスを減圧弁１０に送り込
む。

これにより、減圧弁１０は、ガス圧力が設定ガ
ス圧P₁に達すると減圧弁１０の２次側通路５ａ
を介して金型１５内にガスが封入される。

金型１５内の設定ガス圧がP₁になると、化学
発泡剤を含んだ溶融樹脂が他の注入口から金型１
５内に注入される。この設定ガス圧P₁は高圧な
ので、溶融樹脂は発泡することができずに樹脂外
皮に第５図に示す密度の高いスキン層を形成す
る。

このとき、樹脂の射出速度V₁は遅く設定され
ているため、金型１５内の不均一な肉厚部におい
ても、肉薄部と同程度の流速となり、樹脂外皮に
形成されるスキン層２１を均一にすることができ
る。

次に、切換弁７と減圧弁１１とにより金型内の
ガスを抜くとともに設定ガス圧をP₂に減圧する。
この設定ガス圧P₂は低圧であるためコア層を形
成する樹脂の射出速度を高くすることが可能とな
る。

この結果射出シリンダ内で加圧されていた溶融
樹脂は圧力から開放されるため、ただちに発泡を
開始する。

さらに切換弁８と減圧弁１２、および切換弁９
と減圧弁１３によつて、それぞれ金型内へ設定ガ
ス圧P₃，P₄を送り込むことにより、ガス圧P₃，
P₄に対して設定射出速度V₃，V₄でコア層２２の
芯部を形成する樹脂を充填することになる。

このような射出工程を経過してフオームのスキ
ン層２１、コア層２２の断面密度分布を所望の状
態に作り出すことができる。

（発明の効果） 以上の説明から明らかなように、本発明は射出
速度を多段階に設定することが可能となるように
金型内に封入されるガス圧を射出速度に応じて可
変するので所望の射出速度パターンを採用するこ
とが容易にでき、しかも設定ガス圧の制御と相伴
なつてスキン層を均一し、コア層の発泡状態もコ
ントロールしたフオームを製造できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実施例の射出成形装置におけるガス
圧力回路を示す図、第２図は本実施例のガス圧力
と射出速度のパターン図、第３図は本実施例の射
出成形装置の概略説明図、第４図および第５図は
従来例と本実施例におけるそれぞれのフオーム成
形品の断面図である。 ４……ガス供給源、６，７，８，９……切換
弁、１０，１１，１２，１３……減圧弁、１５…
…金型、１７……リリーフ弁、２１……スキン
層、２２……コア層。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 金型キヤビテイに空気または不活性ガス等の
   ガスを供給して発泡した発泡樹脂からなるコア層
   とその外皮としてのスキン層とからなるフオーム
   成形品を得る射出成形装置において、 前記金型キヤビテイに供給されるガス圧を、射
   出速度に応じて決定された圧力に設定する複数の
   減圧弁と、キヤビテイと減圧弁との間に設けられ
   たリリーフ弁とを有しており、前記減圧弁とリリ
   ーフ弁によつてキヤビテイ内の圧力を段階的に設
   定することを特徴とする射出成形装置。